今月のおすすめ

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 大傑作。今泉監督作品の中では『退屈な日々にさようならを』に次ぐくらい好き。前作の『愛がなんだ』も良かったけど、本作はまた微妙に違ったトーンを持ちながら、しっかりと今泉監督作品の色に染まっているのが面白い。前作も今作も原作付きだけれども、監督の味がしっかり出ているのは流石といったところ。

 今泉作品のキモは静謐な雰囲気の中で繰り広げられる会話の面白さだと思っているのだけど、本作にもそれが見事に当てはまる。「テンポよく」だとか「軽妙な」といった形容詞で言い表すことのできない、作家性のコアの部分の用に思える。近いところで似ている映画監督といえば、『淵に立つ』の深田晃司監督が思い出されるのだけれど、あちらが終始不穏な雰囲気を画面から漂わせているのに対して、今泉監督のそれは、明るい。それも底抜けに明るいのではなく、淡々とした明るさだ。たとえば、主人公(の一人)佐藤と彼のノーテンキな友人・織田とその妻・由美の食卓でのどんどん脱線していく酒飲みの会話、あるいは後半パートの佐藤と紗季のプロポーズをめぐる会話が印象に残る。何気ない会話なのだけど、観終わったあとで噛みしめるように味が出てくる。この会話劇を支える役者陣も素晴らしく、主人公・佐藤役の三浦春馬のいい人感もいいし、紗季役の多部未華子がまあ実にかわいい。個人的に気に入ったのは織田役の矢本悠馬で、駄目な大人のフリをしたちゃんとした大人というキャラクター的にも好きなやつ。彼の飄々とした喋りが危なっかしい感じがしつつもとても楽しい。

 

 10年という年をまたいで二つのパートを描いているのも、原作未読組の自分にとってはサプライズで良かった。成長した人々あり、関係が変わった人たちがいて、そして変わらない二人もいたりして。正直言って、10年付き合ってプロポーズしてなかった佐藤くんにはドン引き(笑)人のことは言えないのだけど…。群像劇なので、意外なところで意外な線が繋がったりするのだが、10年越しに伏線が回収されたりするのがとても気持ち良い。緻密な構成でありながら、あまり作為的に見えないのはやはり監督の力量だろうか。10年後のパートでは織田家の娘・美緒役の恒松祐里がめちゃくちゃかわいい。割とリアルな女子高生感がある。まあリアルな女子高生そんなに知らんけど。

   

 ウィンストン小野の再戦であの青年が出てきて…という展開は若干ベタだなー、と思いつつもやはり感動してしまうのであった。今年ベスト10に入る程度にはおすすめの作品。

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観た映画一覧(時系列順)

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 いやー、今年一番笑った!普通のロードショーでこれだけ劇場中が湧いていたのも珍しいなあ。どっかんどっかん受けててすげえ楽しい。自分もカズマの「ミツルギです!」(2回目)で耐えられなくて吹いてしまった。しかも画面右から飛んでくるの。卑怯すぎる。応援上映とかやってくれたらめちゃくちゃ盛り上がりそう。

 話的にはTVシリーズとそんなに変わらないというか完全に通常営業なんだけど、作画演出面がさすが劇場版!といった風情で新キャラもどんどん出てくるし、紅魔族の正体が明らかになったり、めぐみん×ゆんゆんの協力プレイで放たれるクソ音デカ爆裂魔法はもう最高!テンポもめちゃくちゃ良くて無駄なところがまったくないのもすごい。ちょっとしんみりするかなーと思ったら笑かせにくるし、最初から最後までずっと笑っていられるのほんとこの作品ならではって感じですよね。

 途中から黒幕はまさか…。と思ってみてたらやっぱりあの人だったのも良いポイント。あのおっさん、便利すぎるな…。紅魔族、かなり浮いてる連中だとは思ってたけど、まさかあんな誕生秘話があるとはね。厨二病すぎて最高。カズマさんがいつもどおり本当にクズなのも良かったですね。安心感。ゲスト魔王軍幹部との漫才がとても楽しい。

 TVシリーズ観てないと話が全くわからないファン向け仕様だし、劇場版ならではの過剰な胸揺れがあったり(ゆんゆんそんなに胸無かったじゃん…)して万人には勧めづらいんだけど、知能指数が同じくらいのバカを誘ってもう一回観たい!と思えるくらいにはおすすめできます!ちなみに隣の席のオタクっぽくない雰囲気のカップルが二人揃って馬鹿笑いしてて最高でしたわ。

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 期待通りのハイクオリティ。TVシリーズとそんなに差がないような気もするのだけど、むしろテレビの方が異常だったわけですね。外伝となる本作は前後編に分かれていて、舞台も違えば時代も違う。全く違ったテイストの作品が一組の姉妹を軸に描くという構成も見事だ。

 姉のイザベラを描く前半パートは貴族養成のための全寮制女学校が舞台。運命に翻弄されるように「籠の中の鳥」として学生生活を送るイザベラの元に教育係としてヴァイオレットがやってくる…。TVシリーズ前半では日常生活すらままならなかったヴァイオレットが貴族の教育係というのがもう面白いし、クール&ビューティーな彼女が女学校で人気者にならないはずがなく…。イザベラとの「百合っぽさ」を匂わせる描写、例えば彼女の髪を結わえるシーンは作画的にも見所があり、次第に変化していく彼女らの細やかな描写が美しい。由緒正しい貴族候補のための学校の豪華さも見応えがある。

 後半は一転、数年後のライデンシャフトリヒを舞台にして、TVシリーズのおなじみの面々とイザベラの妹・テイラーとの交流を描く。ベネディクトが新衣装(めっちゃかっこいいヒール!)で登場したのにも驚いたし、これまであまり描かれていなかった「郵便配達人」にスポットを当てているところが面白い。テイラーは子供らしい元気の良さもあるし、歯がしっかり全部描かれているところが地味に良かった。電波塔が次第に作られている場面が挟まれていたりして、本編劇場版への布石も置かれている。全体的に観て、本作の中における姉妹の結末は必ずしもハッピーエンドとは言えないが、人生とはそういうものだというリアリティ志向が感じられて個人的には好ましい。

 

 さて、本作は例の放火事件の前日に完成したとのことですが、全世界同時公開予定の本編の劇場版、さすがに延期になってしまったのは残念ですが、このクオリティであの物語の続きを描いてくれるのであれば、それこそ何年も待つ覚悟です。おそらくですが、ヴァイオレットがあの人とついに再会する話になると思うので、ある意味で彼女とシンクロしているような心持ち。亡くなられた人々のご冥福と被害に遭われた人々の回復を祈って。

 
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 初ヴィクトル・エリセ。なんとなく身構えしまうけども非常に観やすい作風。予想通り淡々としているので若干眠くなるけども。

 一家の住まう村がまずいいよね。寂れてるんだけど、たしかに人が住んでいるという雰囲気。冒頭で移動映画館がやってきて『フランケンシュタイン』を上映するんだけど、その音が館まで聞こえるという、この絶妙な距離感。たまたま養蜂場から帰ってきたフェルナンドがそれを静かに聞いているというのも良い。この館の設えも素晴らしくて、フェルナンドがハマっている養蜂を象徴してか、窓の形が蜂の巣のように見える。日の光だけなので家の中は薄暗いんだけど、むしろそれがいいよね。最高。

 主人公の少女二人がまた魅力的なんですよね。しっかりもののイサベルと子供らしいアナ。移動映画館で『フランケンシュタイン』を観たアナはこの物語に魅了されて…。厳しい現実世界にファンタジー的な要素が入り込んできたり、逃亡者が村外れに逃げ込んでくるという戦中・戦後の空気を孕んだ雰囲気からはギレルモ・デル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』を思い出す。劇中の『フランケンシュタイン』の”怪物”と逃亡者の男が重ね合わされているのが面白く、少女の中にある一つの世界の終焉を匂わせる作品。

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 『ミツバチのささやき』も良かったけど、個人的にはこっちのほうがより好き。父と子の関係性に焦点が当てられているわけだけど、寡黙で謎めいたところがある父への感情が、彼の秘密の恋人の存在によって緩やかに変化していくさまが素晴らしい。父アグスティン役のオメロ・アントヌッティ、主人公エストレーリャ役のイシアル・ボリャイン、どちらも良かった。

 大枠のストーリーも実にいいんだけど、個別の細かい部分にとてもエモーショナルな場面が多くて見ごたえがある。例えば冒頭のエストレーリャが別途の中で目覚める場面、彼女が振り子を見つける場面、映画館の前での待ち伏せとカフェでの会話、父が出ていったあとの屋根裏部屋で眠るエストレーリャなどなど…。自分が特に好きなのは、父と最後の会話を交わすレストランの場面ですね。扉一枚隔てた部屋ではにぎやかな結婚式が行われているというのに、二人は人気のない、しかし明るい部屋で淡々と会話を交わし、別れていく…。ウェイターの気を抜いている感じといい、好きだなあ、あの雰囲気。

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 いやー、きつい映画だった…。今年一番の厳しさ。基本的に映画途中で帰ろうと思うことはほとんどないんだけど(最近だと『フリクリ オルタナ』くらいか)、これはマジで途中で帰ろうと思いましたね…。アニメから入って原作も全巻揃えた口なんで、実写化されてもまあ観ることはないかな…と思ってたんですが、予想外に映画クラスタの皆様の評判がよく、特に「藤原書記が良かった!」という声があったため意を決して見に行ったわけですが…。「よくも、よくも騙してくれたなあーーーー!!!!」こんな気持ちになりました。橋本環奈のかぐや様は良かったんですよ。普通にめちゃくちゃかわいいし、メイドやら初音ミクやらのコスプレもノリノリだったし。御行役の平野紫耀さんも普通にイケメンで、顔アップの画が多かったんですけど、普通に見れてましたし。一番きつかったのが、一番期待してた藤原書記ってのがね…。原作でも好きなキャラなんですけど、実写になるとキツすぎる。外見は合ってるんですけど、アニメっぽい動きを実写でやられると辛い、というやつ。

 前半本当にキツくて、早く終わんねーかなーって思った映画は久しぶり。話的に花火大会のあたりで終わるんじゃないかな、終わってくれないかなと思いきや、全然終わんねーのでウーになってたら後半化けた!まあ具体的には佐藤二朗なんですけども。ナレーターとあとよくわからん医者の役なんだけど、他のすべてのキャラを霞ませてしまうくらい濃ゆいキャラで、佐藤二朗の出てるシーンだけ本編とほとんど関係ないのに面白いという…。最初からちょくちょく出しといてくれれば退屈しないで済んだのになー。校門前でのメタ発言と謎の間が特に笑えた。まあ本編とは関係ないんですが…。前半は★1つで佐藤二朗が出てきてから★5つという歪すぎる作品で、評価に困るやつですね…。少なくとも今年のベスト脇役の一人には入れると思うくらいのキャラの濃さでした。っていうか佐藤二朗そのまんまって感じだが。

 結論、「佐藤二朗が出てくるまでは寝てていい」。(個人的には)近年まれに見る厳しい作品でした。みんなでおうちで観てほしい。

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 雪深い平和な街キーホーを舞台に、リーアム・ニーソン演ずる父が麻薬売買の巻き添えで殺された息子の復讐に乗り出すクライム・サスペンス。…と書くとシリアスな作品のように思えるし、実際リーアム・ニーソンも終始真面目くさったいつもの顔なのだが、これは完全にブラック・コメディ。しかもめちゃくちゃおもしろい。リメイク前の作品名(邦題)は『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』とかいうアホみたいな題名で、こっちのほうが合ってる気がする。もっとも、今回のリメイクもポスターにはデカデカと「全員除雪!!」とか書かれてるのでどっちもどっちという気もするけど。

 息子を殺した犯人を探すためにマフィアの連中を一人ずつ辿って殺していくリーアム・ニーソン…はわかるんだけど、毎回、網で簀巻きにして滝に投げ込む繰り返しギャグが入るのが最高〜!雑すぎて笑うわ。で、毎回それであたふたするマフィア連中もどんだけぼんくらなのか…。誰かが死ぬたびに画面にでっかく「○○死亡!」みたいのが出るのもいい。それが伏線になってて最後の最後でドッカン笑わせに来るのも上手い。中盤からは土地のヤク売買を仕切るネイティブアメリカンの連中も加わり、くんずほぐれつボタンの掛け違い合戦。生首もらっても困るよなあ笑 雪壁で逃げ場のない一本道で後ろから除雪車が追っかけてくるのも恐ろしいし、絵的な面白さもある。ちなみに一番良かったシーンは誘拐してきたマフィアのボスの息子に除雪車のカタログを読み聞かせてあげる場面ですね。リーアム・ニーソンが可愛すぎる…。

 めちゃくちゃ人が死んでるのに後味は爽やか。傑作復讐劇。おすすめです。

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 『スノーロワイヤル』と二本立てで観たんだけど、向こうがブラック・コメディだったのに対して、こっちはガチ復讐劇で若干憂鬱になる…。だいたい、北アイルランド問題と絡めてて、黒幕が実に微妙な立場の人だったりするので、よく作ったなあ…。というかよく苦情来なかったな…。アイルランドで上映できるのだろうか…。

 ネットでも話題になってたけど、本当にジャッキーの目が死んでる…。こっちはテロで娘を殺されてて、だから北アイルランド解放戦線のテロリストに矛先が向かうのはわかるんだけども、こいつがもうめちゃくちゃしつこくて、本人はかなり必死なので笑い事ではないんだけど思わず笑ってしまった。といっても『スノーロワイヤル』と違ってギャグ的な演出なんかは全く無くて、単にジャッキーがしつこすぎるってだけなのがすごい。役所に爆弾仕掛けるとか、お前もテロリストの仲間入りやんけ…って感じなのね。北アイルランドの副首相が事件の鍵を握っている(とジャッキーは思い込んでいる)んだけど、逃げた先の農村までやってきて納屋爆破したりするマジでやばいやつだわこいつ。目は死んでるんだけど、アクションはいつものジャッキーというのもギャップがあって面白かった。そんなに人はしなない(といっても劇中のテロでかなり民間人が死ぬ)んだけど、ジャッキーは目が死んでるし、なんかジメジメシてるし、微妙に嫌な話なんだよねえ…。

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 近年公開された宇宙系SF(『ゼロ・グラビティ』とか『インターステラー』とか)の中では個人的に一番好き。あまり映画に造詣が深くないので、どうしても『2001年宇宙の旅』を連想してしまうのだけど、導き出される結論が正反対なのが面白いポイントだ。

 まず、これまでの宇宙SFから順当に進化してきたビジュアルが素晴らしい。地球の曲面が彼方に見えるほど高層にありながら、重力が掛かる程度の位置にあって緊張感がみなぎっている冒頭の壮大な軌道施設の場面は、物語全体のフックであると同時にこれから始まる冒険の帰結をも暗示しているかのようだ。中盤の、月面でのカーチェイスの場面も見所の一つだ。アニメーションだと『FREEDOM』あたりで観たことがあったような気もするけど、実写映画でやるのは珍しい。月面特有の低重力であったりとか舞い上がる月塵といった要素はここが確かに異世界であるというリアリティを与え、何気ないカーチェイスが新鮮なものに変貌している。この場面だけでも観る価値があると思う。

 

 テーマについては「父と子の物語」、「家父長制についての物語」などなど実に様々な見方ができるかと思うのだが、個人的にはこれは「孤独」の映画、それも主人公ロイの孤独と人類全体の孤独とが重ね合わされれた物語だと感じた。ネタバレになるのであまり深くは語らないが、観ている間に頭をよぎっていったのは初期のジョージ・R・R・マーティンの諸作品だ。宇宙の大海の中で自分たちが一人ぼっちだと気づいたとき、人類は何を思うのだろう。

 
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 原作もまあ良かった(普通に傑作レベルだけど年刊ベストに入れるかという…というレベル)んだけど、映像化されてさらに良くなった感じ。どう映像化するのかと身構えていたけど、順当にいい感じですね。

 なにしろ、ヒロインの一条さんがめちゃくちゃかわいく映像化されてる。「やってやりましょう!」はもっと流行るかと思ったけど、意外とそうでもなかた笑 それだけで割と満足してしまうのだけど、サブヒロインとも言えるかでのんもまたかわいいのですね。小説の段階だとあまりイメージが膨らまなかったところがすんなりとビジュアルに落とし込まれていて、これはある意味で小説の理想的な映像化といえまいか。『楽園追放』のグラフィニカが制作ということもあり、セルルック33DCGに違和感はほとんどないし、堀口悠紀子さんのキャラクターデザインも存分に楽しめる。主人公・直実のあどけない少年っぽさが一番堀口さんらしい感じがした。舞台となる京都の街並みもとても良くて、特にクライマックスの京都駅での決戦はなんとなく『ガメラ3 邪神覚醒』を思い出してしまった。

 

 ストーリーに関してはもっとわかりづらくなるかと思っていたけれど、意外にもわかりやすく説明されていた(ように思う)。この手の先行作品としてはイーガンの『順列都市』の方がより的確なように思えるし、自分としてはこれを読んでいたのがわかりやすさの決め手になっていた。全くSFに馴染みのない人にとっては若干厳しいような気もするが、まあそこは仕方がないかな。「入れ子状の世界」というものを想像できる人とできない人がいるということだ。実際、劇場でも上映後に「これどういうこと?」といったささやき声が聞こえてきたし。個人的に「この映画はラスト1秒で書き換えられる」という謳い文句は好きではないのだけれど、原作も読んだ身からするとたしかにそうとしか言いようがないし、自分もあれにはまんまと騙されてしまった一人である。そうそう、予告編にも使われているOfficial髭男dismのイエスタデイがとても印象的ないい曲で、これがかかるタイミングなんかは明確に『君の名は。』の影響が見いだせるのも面白いポイントだ。/p>
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 こ、こんな大大大傑作を見逃していたとは…!!超絶作画作品だとは聞いていたし、たまに断片的に貼られるアクションシーンを見て、「絶対観ないと!」と思っていたんだけど、ようやく観ることができました!しかも新文芸坐の大画面アーンド音量マシマシの大迫力で!ありがてえありがてえ…。

 冒頭のYELLOWLINEの群衆の描写だけですでにお腹いっぱいというか、作画的に見どころが多すぎてヤバいんだけども、その作画カロリーとテンションが最後まで続くのが本当に奇跡。見どころはもちろん物語的にも盛り上がる後半のREDLINEでのカーチェイス!しかもそこにロボワールドの連中が襲いかかり、怪獣は出るわ衛星兵器は出るわレジスタンスは反乱を起こすわでストーリー的にもカロリーがすごいんだけど、ベースの物語がシンプルなので全く混乱することがないってのもすごい。ものすごく手の混んだ「チキチキマシン猛レース」といった感じだ。

 しかし、『REDLINE』の凄さはそれだけではない。カーチェイスの合間のインターミッションで描かれる「生活パート」の作画にも目を瞠るものがある。特に個人的に気に入ったのは、YELLOWLINEでの事故で入院したJPの元へメカニックのフリスビーがやってくる場面のドアを開けるカットがもう素晴らしい。あんな角度で描くことなんてあります??すごい。ジャンク屋のモグラ親父もわざわざ腕4本のヒューマノイドのデザインなので動きが異質なんだけど、実にリアリティのあるいい動き。この爺さんはキャラクターもいいよね。青野武さんの声がとてもマッチしてる。帽子の場面とか好きだなあ。主役3人は芸能人が声やってるんだけど、みんな違和感ないし、フリスビー役の浅野忠信なんかむしろめちゃくちゃ合ってるし大好きなキャラ。

 いやー、ここで観れてよかった!あまりこういうことは言わないんだけど、個人的には「観ておかないと人生を損する作品」の一本。また新文芸坐でやってほしい。

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 久々に観たけど、最初に観たときの衝撃はないものの、やはり良い作品。第2作の「石川五右衛門」は異色な感じなんだけど、第1作である本作は旧作ルパンの雰囲気が濃厚ですね。トークショーでも言ってたけど、小池監督のルパンマニアっぷりが発揮されてる感じ。まあ言われてみないと気づかないんだけども。

 このシリーズ、毎回毎回凝った敵が出てきて(と言ってもルパンシリーズといえばそれよね、という気はする)楽しいのですが、本作のヤエル奥崎は3作の中で群を抜くかっこよさ。狙撃の腕だけじゃなくてメカも作れるあたりがいいですよね。よく考えるとあのスキームで狙撃できるのがあの街の中限定だったりとか、毎回墓石用意するの大変そうだな…とか気になったりするんですが、そんなのが気にならなくなるくらいのかっこよさ。クローゼット開けると同じ服がズラーッと並んでるのとか、完全にギャグなんだけど、こいつがやると様になるんよね。戦いの最中に着替えタイムがあったりするのも面白すぎた。

 表現の面で気になったのは、カーチェイスのシーンですね。『REDLINE』から続けて観ると、パースの付け方とかにめちゃくちゃ作家性出てるのが分かってとても面白い。基本、原作ルパン的な劇画調なんだけど、そのビジュアルでアニメルパン的なコミカルな演出をやるのが新鮮ですよね。例えばカーチェイスの場面でルパンがルーフを蹴破るところとか。

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 今回3本まとめて観たんだけど、3本の中ではこれが一番好きですね。ホークおじさんが異常すぎて面白すぎるのが5割、作画がすごすぎるのが5割って感じ。ホークさん、完全に脳筋野郎なんだけど、ここまで脳筋で普通の人間なのに強すぎるキャラも珍しいよね。銭形警部に追われて崖から落ちたのに普通に立ち上がってくるところとか異常すぎて何回観ても笑ってしまう。終盤の廃寺での戦いであっというまに解体しちゃうのもギャグっぽいんだけど、巨大な体躯の重みを感じる作画とか一心不乱に肉を平らげる場面とかで不思議とリアリティが生まれているのが実に面白い。マッチとかライターとか使わないで葉巻に火を付ける描写も印象的。

 他のゲストキャラ、まあヤクザの連中なんだけど、こいつらもそんなに活躍しないのになんだか妙に印象に残るキャラクターたちでしたね。自分が好きなのは西郷兄弟なんだけど、どうみても香川照之だよなあ。二代目もなんか見覚えがあると思ってたんだけど、なるほど渡瀬恒彦でしたか。どこか昭和のヤクザ映画っぽい雰囲気があるんだよね。銭形が港にやってくるときに見える木製の電柱柱とか、『仁義なき戦い』のラストを思い出すような葬儀の場面とかさ。

 もう一つのみどころは劇場版とはいえすげえ作画がもりもりなところ。特に分解系の作画が凄まじくて、序盤で五エ門がヒットマンの拳銃を居合で両断するとスプリングなんかがバラバラと落ちていく。五エ門がホークに一回負けて斬鉄剣を仕立て直すところの刀のところもすごかったなあ。単に細かいというだけでなく、ここの部品の重みなんかが感じられる作画で、このあたりの手間の書け方はちょっと尋常ではないよね。作品全体のトーンと言うか、「ああアレね」と思わず出てきてしまうのが「五エ門生ハム」なんだけど、この場面も実際に思いついてもやりづらいよね。観てる方も思わず目を覆っちゃうくらいだもん。いやしかし、何回観ても見所が多くて面白い作品ですわ。

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 うっかり見逃してたやつ。「峰不二子の嘘」というサブタイ通り、ドンデン返し系でしたね。前回が脳筋系だったので今回は頭脳系という。まあ頭脳系というか呪術系といったほうが正しいか…。なにしろバラエティがあっていいですね。

  

 不二子が大金のありかを知るガキを連れて逃げる話なんですが、おねショタっぽい展開があるかと思いきやそんなことはありませんでしたね…。結構追い詰められてて不二子もピリピリしてるのにガキが駄々こねて泣いたりするので、ちょっと疲れました(ガキが駄々こねるやつ苦手…)。敵は謎の呪術を使う顔色の悪いミュータントっぽいやつなんですが、割とすぐ不二子にデレちゃうのが面白かったですね。ちょっとかわいそう系男子。幸薄そうだもんなー主に顔が。木の実ガリガリ食べるあたりが良かった。

 

 今後の展開に絡みそうなカットが挟まれていて、ヤエル奥崎がスタイリッシュな義手になって出てきたり、切られたはずの腕がくっついているホークが遠くに写ったりしてたのも、これまでの話を補完する感じで良かったですね。ホークのあれは斬鉄剣で切られたからすぐくっついたという解釈でいいのかな。次回(多分銭形警部ですよね?)も楽しみなシリーズです。

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