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【レポート】新文芸坐×アニメスタイルセレクション Vol. 66 藤原啓治さん、原恵一監督と観る映画『クレヨンしんちゃん』

      2016/09/29

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 さて、第66回目のアニメスタイルオールナイトは「クレヨンしんちゃん」スペシャル!クレしんオンリーのオールナイトは2013年1月のVol.35「再検証!? 映画『クレヨンしんちゃん』PART 2」以来、2年ぶり3回目ですね。

 実は、恥ずかしながら映画クレヨンしんちゃんは全く見たことがなくてですね…。初めて見たのが、去年の9月20日に行われた「Vol.59 湯浅政明のシゴト」での『ヘンダーランドの大冒険』だったんですよね。今回見た3本もどれもとても素晴らしく、原監督と藤原さんのトークも面白いイベントでした。

 ちなみに、前回の「新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 65 押井守映画祭2015 第二夜 「GHOST IN THE SHELL」編」のまとめはこちらになります。

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トークショー

 今回のトークゲストは原恵一監督とひろし役の藤原啓治さん。藤原さん人気ハンパないっすね…。

 会場のファンの人達が質問をするという体だったのですが、鋭い質問から変な質問まで千差万別で面白かったですね。開幕いきなり酒盛りが始まったので終始グダグダかと思いきや、意外な方向に話が転がっていったりして…。それにしても、原監督がベロンベロンに酔っ払っているのは見ものでしたね。遠くからでも顔が赤いのがわかるという(笑)


!notice!

トークの内容につきましては、その場で速記してまとめています。事実誤認、不適当な記述などございましたらご連絡ください。対応させていただきます。

出席者

原恵一監督(以下「」)

藤原啓治さん(野原ひろし役でおなじみ。以下「」)

小黒祐一郎さん(アニメスタイル編集長、司会。以下「」))

新文芸坐・花俟さんによる前説

花 自動販売機にレッドブルが入りましたのでみんな飲んでください。今日は藤原さんがいらっしゃってます。貴重な夜になると思います。

はじめに

藤 原さんは『百日紅』のイベント 1 を日本橋でやってきたあと5時間飲んでます(笑)

原 何すりゃよかったんだよ…。

小 見てください。女性がいっぱいですよ!

原 俺のイベントでこんなことあったかな…。

小 今回、2日間で完売ですよ!

原 藤原さんの名前入ってるからかな…。

小 これからはアニメスタイルのイベントに藤原さんの名前入れましょう。

藤 なんか変な感じですけど、ガソリン入れますか。

小 一応言っておきますけど、新文芸坐は禁酒です。お客さんは。

(酒が来て、酒盛りが始まる)

藤 なんか気の利いた話しないと。

小 今回は原さんが藤原さんに質問をする感じなんですが…。

藤 質問することなんかないでしょ?

原 (位置的に)センターの人ががんばらないと。

小 私が質問してもいいんですけど、今回はファンの人が質問する形で…。みんな、3回に1回は「クレヨンしんちゃん」の話してね!

だいたい質問タイム!

Q①シリーズの中で一番好きなな悪役は?

原 自分が関わった作品だと、「オトナ帝国」のケンですね。自分が投影されているから。

小 それはどういうところですか。

原 思想的なところですね。最初はああいうキャラクターじゃなかったけど、作っているうちにああなっていって…。

藤 俺もケンって言おうと思ったんだよなー。なんか憎めなくて。いつかああいうふうになっちゃうんじゃないかなー、と思って。

小 これまでオトナ帝国の話だとひろしの話ばっかりでしたけど。

藤 大人の停滞っぷりがなんか気に食わなくてね。共感できちゃうんだけど、肯定しきれないところがあって…。


Q②好きなビールの銘柄は?

藤 これはわかりやすいなあ。これまで飲んだ中ではサッポロだね。泡の比率が7:3で。コンビニで買えるなら黒ラベルで、沖縄で買うならオリオンビール。(質問者に向かって)あなた何歳なの?

小 言い方がいやらしい…。

藤 おとうさん的な感じですよ。


Q③どんなシャンプー使ってますか?

藤 そういや気にしたこと無いな。なんか適当に買ってきますね…。銘柄とか全然気にしないみたい。ホテルのアメニティ、まずしまっちゃうの。そうすると補充してくれるじゃん。そういうのが大量にたまっちゃってる。ロクシタンとか。

原 ロクシタンのシャンプーあるところってけっこう良いホテルですよね。

小 (質問した人が)なんで知りたかったのか知りたいですね。


Q④(男性)愛してます!ロボとーちゃんでの演じ分けは?

小 良い質問ですねえ。

藤 一応、別物として考えるようにしていて、どっちに感情移入するか、という演じ手からの我儘というのを出さないように、いつもどおりを心がけましたね。ラストはなるべく情緒的にしないようにというのをすごく気をつけました。お涙頂戴にならないように。そこだけは志としてね。泣く目的としてそこを誘い出すのは良くないと思って。

原 さすが啓治!かっこいいね!

藤 ロボとーちゃんが可哀想すぎるとあの一家が社会復帰できないんじゃないかと思って、そこは気をつけました。野原一家が笑顔で終われるような終わり方をしたかったんです。


Q⑤(女性)好きです!全部のシリーズを通して、女性キャラクターで好きなキャラクターは?

藤 これはやばいね。(「オトナ帝国」の)チャコになっちゃうかもしれないね。原さんだってチャコなんじゃないの?パッと浮かんだのはチャコだったねえ。単純じゃないからだよね。人の複雑さが出てて。人間的ってことかな。だから共感できるのかもしれないね。

質 (みかけとか…)

藤 それもあるかもしれないね。あの、ちょっと家庭的なとこあるじゃない。

原 俺ああいうところ上手いでしょ〜。


Q⑥(男性)好きです!「オトナ帝国」ではゲストキャラがメインでしたが、そのへんはどうでしたか?

原 観客にそっぽ向かれると思って作った作品が受けたので、こういうのが受けるんだ、と思いまして…。「戦国」のときはこれが最後だと思って、ああいうラストにしました。

藤 しんちゃんがいないっていう感じがしましたよね。原さんも、しんちゃん喋ってないや、って思ったんじゃない?


Q⑦TVシリーズでキャラクターとして自分が出てきた時にはどう思われましたか?

藤 (原作者の)臼井さんとよく遊んでたんですよ。健康ランドとか沖縄とかサイパンとか行ってね。その時の経験が漫画になってたりして。好きにやってくださいって言われてもどうやっていいのかな、迷いみたいなものがあって。遊びみたいなものというか。自分の名前のキャラクターを演じるってことはなかなかないので面白かったですね。


Q⑧ファンレターはどこに出せばいいですか?

藤 エアエージェンシーに出してください。

小 新文芸坐に原さんが来た時に渡してもらえれば。

藤 この人携帯持ってないんですよ。

小 メールもやらないんですよね。

原 いらないよ…。みんなも捨てたほうがいいよ。

小 今日も楽屋入りの時間お伝えようとしたらFAXしかなくて、手書きで書きましたよ。

藤 FAXはあるんだ。

原 一応、俺もフリーですからね。FAXぐらいは。


Q⑨(女性)原さん、好きです! 楽しいウラ話などありましたら。

原 (「クレヨンしんちゃん」のTVシリーズは)『21エモン』のあとだったんですけど、本郷さんを監督で始まりまして、最初は視聴率が悪くてですね。それが一週ごとに1%、2%とあがっていって、それは面白かったですね。

籘 視聴率がなんだかわからないけど上がっていって。視聴率が上がる芝居ってのはありえないんですけどね。


Q⑩ひろしの年齢である35歳に追いついたことについて、どう思いますか?

藤 キャラクターの年齢はあまり意識はしないんですけども…。ひろしをやっている人はこの役は無理です、ということはありました。オーディションに呼んでもらえないこともよくありましたね。あの頃できなかったキャラクターが今できるようになっている。求められるキャラクターはひろし的なキャラクターなんだけど、あえてそう演じないで反抗していた時もありましたね。

原 そういうところが藤原啓治の面白いところで、「いってきます」、「ただいま」だけのキャラクターだけではくて、しだいにウェイトが大きくなってきたということがありますね。

小 キャラクターに厚みが出てきたということですね。

おわりに

原 (カンペを見て)なになに…「トークを聞いて帰る人もいますので…」

藤 ロビーで『百日紅』の前売り売ってます!

小 お客さんが『百日紅』を見に行きたくなる話をしたほうがいいのではないでしょうか…。

原 主役の杏さん、素晴らしいです、とろけますよ。彼女の声を聞くだけでも観る価値がありますよ!

藤 心情とかをさらっと示すのがいい演技だと思うんですよね。

原 杏さん、アニメーションの出演初めてなんですけど、実際に会ってみると本当に素晴らしい女性でして…。

小 単純にお好きなんじゃないですか?(笑)

原 それもありますけどね。ほんとうに素晴らしい女性なんです。人妻ですけど。

小 今日はロビーで前売り券売っているようで…。

原 みんなが買って帰るの見張ってるよ!


原 次は自由なトークショーとかオーディオコメンタリーやりましょう!

小 第二弾、第三弾も企画しますので今日はこのへんで…。



上映作品

クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡  96 min


監督:原恵一
音楽:荒川敏行/宮崎慎二
脚本:原恵一


出演:矢島晶子/ならはしみき/藤原啓治/こおろぎさとみ/郷里大輔/塩沢兼人/大滝進矢/水原リン/山本百合子/立木文彦/島津冴子/山本圭子/筈見純/臼井儀人

 すごく楽しいロードムービー。「行きて帰りし物語」なんだけど、青森からものすごい勢いで帰るところで絶対笑ってしまうよね。作画も相まって卑怯!(笑) 今日の3作見て思ったんだけど、どれもカーチェイスシーンあるんですね。「暗黒タマタマ」はチェイスはちょっとだけで、あとはのんびりだけど。ヒロインポジション(?)の東松山さんとひろしがのんびり電車の旅をするというのも面白いですね。

 因縁のある家と家の対決に野原一家が巻き込まれるという構図ですが、分家のはずのヘクソンさんが強すぎてねー。七人の侍とお母ちゃんがなすすべもなくやられた時の絶望感ときたら…。

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲  89 min


監督:原恵一
音楽:荒川敏行/浜口史郎
脚本:原恵一


出演:矢島晶子/ならはしみき/藤原啓治/こおろぎさとみ/真柴摩利/林玉緒/一龍斎貞友/佐藤智恵/高田由美/富沢美智恵/三石琴乃/納谷六朗/滝沢ロコ/津嘉山正種/小林愛

 傑作傑作と聞かされ続けるも今に至るまで観たことがなかった映画でございます。いやー、たしかにハイクオリティですね。大人たちが反乱を起こすという設定の突飛なこともそうですが、何より敵方のケンとチャコが魅力的なこと!世界観からはちょっと外れてるくらいのキャラクターですが、意外にマッチしてましたね。あのいかにも昭和といった風情のアパートで暮らしているところが印象的。

 物語の中で、ひろしの靴下がキーポイントになっているのも、彼が日本のサラリーマンの象徴的な職種である営業であるという設定が上手く生かされていてとても良かったです。内勤だとあそこまで臭くならないだろう、というか(笑)

 それから園児たちが幼稚園バスでチェイスする場面が地味に最高でしたね。特にマサオくんの意外な活躍とか。走りながら斜面をぐぃーっと斜めになりつつ登っていくカットとか妙な高揚感があります。なんとなく中島貞夫監督の『狂った野獣』を連想したり。

クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん  97 min


監督:高橋渉
音楽:荒川敏行/宮崎慎二
脚本:中島かずき


出演:矢島晶子/藤原啓治/ならはしみき/こおろぎさとみ/真柴摩利/林玉緒/一龍斎貞友/佐藤智恵/納谷六朗/武井咲/コロッケ/一木美名子/遊佐浩二/大和田伸也

 原監督作品じゃないけど、去年ちょうど見逃していたので嬉しい作品。文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の優秀賞受賞作品でもあります。

 見どころはなんといっても最後のアクションシーンの湯浅政明パートですね。いきなり作風が変わるんですけど、これはこれで。五木ひろしロボとかこぶしウェーブとか、すごく人を選ぶ感じの個性爆発感がありますが、個人的には大好きです!

 すべてが終わった後のとーちゃんとロボとーちゃんが決着をつける場面も良かったですねー。どっちとも暮らすわけにはいかないという子ども向け映画らしからぬシニカルさ。藤原さんが言っていたように、ああいう風に決着させないといけないというのもうなづけます。非日常から日常へもどるという感じで。決着は見えているんですけどね。やらないといけないんですよね。

写真など


まとめ

 いやー、噂通りというべきか、「オトナ帝国」の完成度が素晴らしかったですねー。もちろん、他の2本もとても良かったのですけれど。

 あと、トークショーの中で出ていた生コメンタリーはぜひ実現して欲しい!去年開催された、白石晃士監督の「コワすぎオールナイト」では監督とメインキャスト2人による生コメが大変盛り上がりましたし。

 さて、次回のアニメスタイルオールナイトは2015年4月25日(土)「新文芸坐×アニメスタイル セレクション Vol. 67 押井守映画祭2015 第三夜「マニアック編」」。ラインナップが微妙(失礼!)なんで、余裕でチケット買えるかとおもいきや、チケットぴあが発売開始10分で売り切れたので慌てて、(友人が)チケットを買いに走った次第。上映作品は『紅い眼鏡』『トワイライトQ 迷宮物件 FILE538』『MAROKO 麿子』『アヴァロン』の4本。『アヴァロン』は比較的よくかかりますけど、『迷宮物件』とか『MAROKO』なんてまず上映されませんからねー。ある意味必見ですね。トークゲストは古川登志夫さんと千葉繁さんです!

 ちなみに、次回の新文芸坐オールナイトは4月11日(土)の「第4回極端映画祭 イグレシアと極端な仲間たち」に行く予定です!(キングギドラまつりは体調不良で欠席しました…。)


イベント概要

イベント名新文芸坐×アニメスタイル セレクション Vol. 66 藤原啓治さん、原恵一監督と観る映画『クレヨンしんちゃん』
日時2015年3月28日22:30 - 2015年3月29日5:30
会場新文芸坐
料金一般:2,600円 前売・会員:2,400円

関連リンク

■新文芸坐 http://www.shin-bungeiza.com/
■Webアニメスタイル http://animestyle.jp/

関連商品




Notes

  1. 日本橋の福徳神社でやってたこのイベントですね。 杏、映画「百日紅」の世界配給に自信「海外だけでなく現代の私たちにも新しく映る」| 映画 .com

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