思いの外社会派。

堤幸彦監督の最新作『ミステリー・アリーナ』を観ました。一言で言っちゃうと「推理早押しクイズ番組」で『君のクイズ』とやや被るなあと思っていたのですが、まあそれだけで終わるわけはないわけで。序盤こそ叙述トリックネタを軸にしたコメディタッチなんですが、中盤から方向性が150度くらい変わってシリアスな展開に。正直安っぽくはあるんですが、ルールメーカーにどう立ち向かうのかといったあたりや、AIでリアルタイムにルールを書き換えているあたりはだいぶ面白く観れました。もう少ししたらこういったテーマもなかなか作りづらくなっていくような気がしますね。

ところでクイズで負けたら地獄とか巨大な陰謀が隠されているとかイカサマとか、どうしても『国民クイズ』を連想してしまうわけですが、果たしてNetflixのドラマ版『国民クイズ』は「ミステリー・アリーナ」の演出を越えられるのか…!原作通りなら圧倒的に越えてはいるんですが。物語のキーパーソンである樺山桃太郎を演ずる唐沢寿明の怪演が実に見応えがあり、『国民クイズ』で同じ立ち位置にいる山田孝之のK井K一がどう演じてくるかも楽しみですね。

それはそうと劇中の「ミステリー・アリーナ」の推理対決というネタは正直非常に面白いので普通にテレビでやったら盛り上がりそうですが…。どこかでやりませんかね。

映画『ミステリー・アリーナ』|5月22日(金)全国公開

ファンサがすごい

待望の完結編、『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』。最終章ということもありストーリーやアクションも当然盛り上がるんですが、テーマ的には大奥の起源と内在する欺瞞が中心に引きずり出されていくくだりがかなり良かったですね。血統の正統性とその逆転という点においてはかなり反体制的なテーマでもあると感じますし、まさかの『ミステリー・アリーナ』と同じベクトルになるとは。それゆえにエピローグの「これからも大奥は続いていくのだろう」というのはやや物足りなさを感じるとともに、むしろ150年も続いたシステムが一夜にして崩壊してめでたしめでたしというのもおかしな話なので、このへんの匙加減はむしろ上手いなと感じました。とはいえ、「10年後――」とかナウシカスタイルとかでも良かったとは思いますが。まあでもあれでも変わっていくことは十分伝わるか。

そして絶対やるだろうなと思っていたファンサービスが最後の最後で解き放たれてTVシリーズからのファン的にはだいぶ興奮してしまいました。蛇神のあとにもう一段、よりマクロな怪異が出てくるというのも良かったですし。

あ、あと坂下様がヒロインすぎましたね。お姫様抱っこはまだしも、最後の場面はやりすぎでしょ。どんだけ薬売りのこと好きなんだよ。

『劇場版 モノノ怪』公式サイト