まさかの宮崎駿:『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』

2023年にもなってこんなルックでまんが映画の遺伝子を持った作品が観られるとは…!それも宮崎駿系のまんが映画。テレビ版の時から「ナウシカ」っぽさを感じてはいたのだけど、この映画ではその濃度がさらに濃くなっている感じ。建設者は巨神兵だし、雪海は腐海だし、プラナトはインダストリアだし、ラストはまんま『天空の城ラピュタ』!自分としてはコテコテの話なんだけど、若い人たちにとってはむしろ新鮮だろうなという気はする。

この映画の良いところは尻切れトンボだったテレビ版をきちんと終わらせ、広げた風呂敷をキチンと畳んでいるという点。特に、雪海の存在は物語の根幹に関わるものだったから謎のままで終わらせるかと思いきや、きちんとどういうものかを明かしてくれるのがとても良かった。まあ役割はわかったけど、結局何かはよくわからないんですが…。それでも、てっきりこの手のSFアニメにありがちな「俺たちの冒険はこれからだ!」エンドではなくて、あまりにも爽やかな終わり方だっただけでかなり印象がいいですね。クライマックスは「いやそんな仕組みあるかよ」と思いつつ、壮大なビジュアルが素晴らしかったです。軌道上にデブリがばら撒かれててこれから大変そうだけど…。

ところで例によって東亜重工がこの混乱した状況を生み出しているわけですが、マニュアルを継承方法の重要性がよくわかる話でしたね。数千年単位で状態が良すぎるのはまあ今更なんだけど、文字系が日本語ベースしかないのはやや気になるポイント。あのフォントいいんですけどね。

『大雪海のカイナ』Official Site

大武先生の新連載が狂っていて面白い:『J⇔M ジェイエム』

『ヒナまつり』の大武先生の新連載。凄腕の殺し屋と女子小学生の入れ替わりもので、よくあるパターンのように思いつつ読み進めるとやはりそこは大武先生だけあってかなり狂っていて良かった。

まず殺し屋の身体に入ってしまった女子小学生がおっさんの身体に馴染みすぎてる。馴染みすぎて出て行こうとしないのが新鮮。しかも天才小学生なのでおっさんの演技が上手すぎる。中身小学生なのにハードボイルドなのが面白すぎて最高。一方の小学生の身体になってしまった殺し屋のおっさんの方もめちゃくちゃ面白くて、顔も隠さずに普通に殺しの仕事に行くわ、急に性格が変わったのを狐憑きのせいにしたら設定が面倒なことになったりするわ…。

そして、例によって台詞回しのセンスがかなり最高。「俺は殺しのウーバーイーツじゃねぇんだぞぉ!」のあたりとか。天才だわ。

代々木八幡「マル・デ・クリスチアノ」でポルトガルワイン

退職する同僚を囲む会をポルトガル料理で。本店のクリスチアノは取れなかったんですが、こちらは普通に取れましたね。姉妹店なのに知名度ないのかな。予約してから気づいたんですが、こちらは金・土しかやってないんですね…。店は満員御礼だったのでかなり際どい感じだったのかも。

店は割とこじんまりしていてやや狭い感じだけど、とにかく料理とホスピタリティの質が高い!ポルトガル料理初めてだったんですが、説明も良かったしワインのチョイスも的確!料理に合うものをお願いするとパッと出てくる安心感。

特に良かった料理、まずはイワシの炭火焼き。焼いたイワシをほぐしてトマト、玉ねぎ、香草と絡めて食べる。魚の旨みが凝縮されつつさっぱりしていて良し!

タコの天ぷらは明らかにフライだけどポルトガルの家庭料理らしい。とにかくタコが柔らかい。海産国であるポルトガルらしい料理でマストイート。

海産国だけど、肉も良し。牛・豚・羊を頂きましたがどれもめちゃくちゃ美味しい!

スイーツもポルトガルのもので面白い。パステル・デ・ナタ(エッグタルト)を頂きました。美味。

そして何よりポルトガルワイン!ポルトガル名産のVhno Verde(微発泡の白ワイン)が特に印象的でした。合うものがどんどん出てくるのが良かったですね。ポルトガル最高〜!!

マル・デ・クリスチアノ – 代々木八幡駅 ポルトガル料理 – 食べログ