はじめに

 えーーーー!!今月たった4本しか観てないの…。ここ5年くらいで一番少ない…。お金は溜まった。

本の方のログ

今月のおすすめ!

[cf_cinema format=3 no=1 post_id=10136 text=”

 今泉監督、かなり好きなタイプの作家性の高いタイプの監督さんで、その佇まい(猫背にヒゲ)も含めて大好きだったんだけど、今回のこの映画でさらに好き好きになっちゃった。これまでのベストは一昨年の『退屈な日々にさようならを』だったんだけど、ここに来て並んだ。

 登場人物の佇まいがまず素晴らしい。片思いの相手にひたすら尽くす主人公・テルコ、都合よくテルコを扱う片思い相手のマモル、テルコの飄々とした友人・葉子、葉子に恋するものの思いを告げられずキープ君的な位置づけに甘じている仲原くん。そして、謎多き中年美女(?)・すみれ。それぞれの登場人物は「あー、これ自分だわ」「あー、こいつアイツに似てるわ」という感じの恋愛あるある的なキャラクターなのだけど、それがちょっとありそうもない関係性を形作る面白さ。例えば、物語は風邪を引いたマモルがテルコに助けを求める場面から幕を開けるが、テルコはすでに家に帰っているにも関わらず「これから帰るとこ」なんて小さな嘘を付き、いそいそと自宅からマモルの家へと看病に向かうのである。そして、マモルはと言えば、用が済んだテルコを深夜にも関わらず強引に追い返す!この短い場面で二人の関係性が如実に伝わってくる。

 物語はマモルに恋するテルコのラブストーリーなのだが、そんじょそこらの恋愛映画のように一筋縄でいくはずもなく。特に中盤、すみれさんなる謎のパリピ中年美女が出てきてからがすごい。久しぶりにマモルに呼び出されて駆けつけたらこの変なおばさんが一緒にいるのね。地獄すぎる飲み会でほんと笑った。「涙出るよぉ〜」じゃあないんだよ。しかもどうやらマモルはこの30代のおばさんに恋してるみたいだし。まさに地獄。ただ、テルコ自身が言っているように、なんか嫌いになれないんですよね、この人。いたらめっちゃウザいと思うんですけど。その後の地獄のバーベキューでの仲原くんとのやりとりも最高だし、スパゲッティ作ってなし崩しにするところもやたらといい。脇役で好きなのはやはり仲原くんですね。「幸せになりたいっすねぇ〜」は今年の映画名台詞に入れたいレベルで、演ずる若葉竜也さんの演技も相まってこの映画の中で一番印象に残っているセリフ。

 アクの強い部分(例えば曖昧な結末のまま終わる物語とか)を残しつつも、一般のお客さんにもおおいに受けるタイプに進化して、まさにこれからのミニシアター系邦画界を牽引していってくれる予感に満ちた成熟した作品。女子8割満席のテアトル新宿の熱気にも驚き、また観終わった後の「あれって、私のことみたい!」なんて言葉が周囲から聞こえてくるという意味でも、平成最後に素晴らしい作品を観れて実に良かった。個人的には今年ベスト級の一本。

“]

観た映画一覧(時系列順)

[cf_cinema format=3 no=2 post_id=10152 text=”

 出来たてのアップリンク吉祥寺にて(席が気持ちよすぎて少し寝てしまった…)。

 1970年台半ば、政治的混乱の半ばにあるメキシコを舞台にしたある中流階級の一家の物語だ。キュアロン自身の自伝的な物語でもあるという。タイトルであるROMAはメキシコシティ近郊の地区「コロニア・ローマ」から取られたという。余談だが、前情報を遮断して鑑賞したので、完全にイタリアの話だと思って観ていた。「これがイタリアかあ。スペイン語みたいな言葉だな」などと、完全な間抜けである。

 まず映像の素晴らしさが際立つ。モノクロームで彩られ、画面の中の様々な要素が独立して動き回る様はロシアの巨匠アレクセイ・ゲルマンの作品を連想する。例えばそれは、山火事の現場で消火活動している人々がいるかと思えば、ワイングラスを片手に野次馬に来た家族がいたり、画面前面では男が歌を歌いだしたりといった場面で顕著だ。ある種の「整理された混沌」とも言うべき、雑然とした画面なのだが、むしろそれが心地よくもあったりする。廊下中に散らばる犬の糞を片付ける場面も、不快な物体が画面に大きく映されるにも関わらず、妙な美しさがある。モノクロの為せる技か。

 暗喩に満ちた物語もまた魅力的だ。物語は一家の家政婦であるクレオの視線から語られる。彼女は同僚の家政婦の従兄弟であるフェルミンと交際するが、妊娠が発覚すると彼は姿を消す。彼女の妊娠と出産がこの映画の一つの軸となる。一家と暮らす中で様々な不吉な予兆が彼女の前に立ち現れる。パーティーでの割れる杯、山火事、病院での突然の地震、そして暴動によって死にゆく人々。この映画の中には生と死のモティーフが横溢している。物語の締めくくりとなる一家の海への旅行の場面も良い。クレオと対になるもう一人の主人公である一家の女主人・ソフィアはこの旅行で古い車を捨て、新しい生活へと歩きだす。一方、子どもたちと共に海で波に洗われたクレオもまた、海という洗礼によってそれまでの自責の念を拭い去る。中盤、フェルミンの元へと向かう場面で三本の十字架が象徴的に現れるように、この映画には「赦し」のテーマが垣間見えるように思える。

 とは言うものの、一回観ただけでは理解できない難解な作品とも思えるので、ちゃんと時間を取って解釈をしてみたい作品でもある。

“]

[cf_cinema format=3 no=3 post_id=10128 text=”

 毎年毎年絶対面白いコナン映画。今年の「紺青の拳(フィスト)」も予告編開幕3秒でマーライオンが血ィブワーッしてるところで大傑作確定だったんですが、本編は更にすごかったッ!!ツッコミどころ満載で最高!!!

 まず舞台はシンガポール。…なんだけど、まずコナン君がパスポート持ってないから国外に出れないわけですよ。あんまり気にしてなかったけど、なるほどね、って感じ。戸籍とかってどうなってるんでしょうね。で、トランクに詰め込まれてシンガポールにやってきたコナン君ですが(簡単に言ってくれるなあ…)、蘭と園子の前でコナンと名乗るわけにもいかず、現地の子供になりすまします…。蘭と園子と小五郎のおっちゃんの目が節穴すぎる…。喋り方も声も同じなんだぜ…?ちなみに新一(偽)も一緒にシンガポール入り。中身はもちろんあの人です。最後に蘭が正体を看破るところは流石だなと思ったけど、ならなぜ偽コナンに気づかないのか…。ちなみに一番脱力したのはマーライオンが血ィブワーッのシーンで、実際の場面もサラッと流されてるし、なんでそんな事になったのかもさらにサラっとしてて一番のツッコミポイント。いや、なんかもっと他の方法あったやろ笑

 ゲストは空手キチガイの京極さんなんだけど、園子とのイチャラブも観ていて楽しいし、最後の大立ち回りがもうすごすぎる。いやー、よくあのホテルあんな展開許したなー。毎回毎回、クライマックスは映画らしい大スペクタクルになるのはお約束だけど、一昨年の木造高層建築大炎上、去年の大規模IoTテロとは桁違いの頭のおかしさ。なにしろ実在の建築物でシンガポールの象徴のようなものだからなあ。なんとなく、あの部分浮きそうなイメージはあったけど、ほんとにやるとは…。クライマックスの京極さんブチ切れ祭り、もはや別の漫画すぎる…。ドラゴンボールかな?キッド様もメインのはずなのに完全に京極さんに食われてましたね…。二人の非対称すぎる対決シーンも見どころ。

 ゲストキャラのリシ君も目が開いてない系のキャラで人気出そうだなー、と思ってたらやっぱり一緒に行った女子はリシ君推しになってました。あとね、最後の水に濡れて髪を下ろした園子お嬢様がどちゃくそかわいい。あれはやばい。

“]

[cf_cinema format=3 no=2 post_id=10140 text=”

 何を書いてもネタバレになっちゃうと思うのでかいつまんで箇条書きで…。

  • ネズミがいなかったら終わってた…
  • ソーの腹がヤバイ(ヤバイ)
  • ソーの話が長い(長い)。おじいちゃんかな…。
  • 何度見てもサノスのアゴがマドレーヌ
  • 半分じゃだめだったから全とっかえするわとかいうバカが出てくる
  • 「I am Groot」一回
  • キャプテン・マーベル一人でいいんじゃねえ…?
  • 一番目立ってるのがアントマン。っていうか全く事情知らないのにスコットがほぼ主役。
  • アメリカのケツが汚い

 ちょっとだけ感想書くと、11年の集大成というべき作品になっていて、これもネタバレになっちゃうんだけど、過去のMCU観ておくとやっぱりいいですね。一番笑ったのが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ですね。あー、ネタバレになるから言えね〜〜!!あと一つ思ったのは、サノスって「諦めちゃったヒーロー」なんですよね。複雑すぎる世界に絶望して簡単な解決方法に走っちゃうの。これって現実社会でもありがちですよね?とはいえ、彼らヒーローもサノスの土俵に乗っちゃってはいるのだけど。

 (ハルクとドクターストレンジ以外)全部MCU観てるわけだし、これもちゃんとレビュー書きたいですねえ。

“]