はじめに

 たぶん、最後のTOHOシネマズフリーパスを取ったけど、そこまでたくさん観れなかったな…。新年会もなくて暇だったんですが。今月のベストにした『ひかりの歌』、Twitterでシネフィルの人が絶賛してなかったら絶対観てなかったな。本当、SNSの映画クラスタありがたい。

今月のおすすめ!

[cf_cinema format=3 no=1 post_id=9879 text=”

 「ひかり」をテーマにした4首の短歌を元にした4つの連作短編集からなる長編映画。4人の女性を主人公とした4つの小さな物語がゆるやかに交差していく。彼女らに訪れる、人生の契機となるささやかな出来事を通して、人々のつながりをいわば断面図のように描いている。

 「ひかり」と銘打たれたように、光(と影)を主題とした絵画のようなカットが印象的。第一章での夕闇の中にぽっかりと浮かぶ二人を包む校舎の明かり、第二章の最後に置かれた三連祭壇画かのような3台の自動販売機、第三章の始発電車の窓から差し込む柔らかい曙光、第四章のビニール傘越しにぼやける都市の光…。どのエピソードにもそれに似つかわしい「光」の表現が美しく映る。

 物語の中心とは全く関係のない、人々の些末なやり取りは、ともすればまとまりのない雑音になってしまいそうなのだが、あらゆる物事を等価なものとして映し出すという演出のスタイルがそれらを物語世界に定着させている。例えば、第1章「反対になった電池が光らない理由だなんて思えなかった」では、道すがらのさりげない、しかしかなり長尺のリアリティのあるやりとりと、後半に置かれたエモーショナルな告白シーンがほとんど同じトーンで撮られている。

 起伏がないのではない。むしろ、映画的な装飾を剥ぎ取ることによって、登場人物の繊細な感情はむき出しになっている。視線や涙、慟哭やつぶやき、歌や抱擁で人々は彼らの想いをしっとりと映画の中に溢れさせている。

 彼らは映画の外側で、この世界のどこかに生きている、登場人物たちのそんな息遣いを感じることのできる、ミニマルで素敵な映画。1月に早くも今年のベスト候補が出てしまった(去年も『パディントン2』があったけど)…。

“]

観た映画一覧(時系列順)

[cf_cinema format=3 no=2 post_id=9840 text=” 『怪盗グルーのミニオン大脱走』(2017)の時のエピソードですね。いつものドタバタ喜劇。普通におもしろい。見分け方がわからないんだけど、スチュワートとボブ、そして普通の悪党のおじさんが鎖で繋がれてるんだけど、この鎖を使ったアクションがなかなか工夫されていて面白かった。あと車のトランクに無理やり入ってる巨漢のおじさん。どうやって入ったんだ…。”] [cf_cinema format=3 no=3 post_id=9834 text=”

 実は去年の暮れに一回観てたんだけど、最初のグリンチが買い出しに行って戻ってくるあたりで記憶が薄れ、起きたら全く別人人なったグリンチがクリスマスディナーで演説ぶってるところだった…。

 で、今回改めて見直したわけですが、うん、これ途中要らないっすね…。全編通して観ても、いきなりグリンチがまともになってて何をされたのかわからなかったぜ…。少女の何気ない言葉で改心するってのはわかるんだけど、いろいろと端折り過ぎじゃない?そこにいたるまでに多少の葛藤とかが欲しいわけですよ…。

 とまあ、ストーリー的には不満たらたらですが、アニメーション的にはめちゃくちゃおもしろかったですね。特に良かったのが主人公グリンチの悪そうな表情!序盤の雪だるま作ってるガキにちょっかい出すシーンなんて、あんな邪悪な顔する主人公います??って感じでとても良かったです。最後までこのクソみたいな53歳児でいてほしかった…。

 後半の「クリスマスを盗む」場面もスタイリッシュで楽しい場面。マックス(犬)はかわいい&かわいそうだけども。ちなみに吹き替えで観たんですが、大泉洋の演技が普通にハマってましたね(ナレーターの宮野真守は浮いてた)。

 そういえば観終わって思ったんですが、グリンチって『アリーテ姫』の魔法使いボックスですよね。彼も幼少期のトラウマに囚われてたし、あのひねくれかたがそっくり。「孤独がひねくれおじさんを作る」というのがよく分かる映画でもあります。

“]

[cf_cinema format=3 no=4 post_id=9843 text=”

 主人公ジョハ役のイ・ビョンホン、自閉症の天才ピアニスト・ジンテ役のパク・ジョンミン、二人の母親インスク役のユン・ヨジョン、主演の三人みんなよかった。特の良かったのは罪の意識を抱えながら日々を生きる母親を演じたユン・ヨジョン。自閉症の息子を気遣うあまり、長男であるジョハにきつくあたってしまうのがつらい…。

 主人公のジョハは幼い頃に母に捨てられた過去を持っていて、それゆえに偶然再会した後も彼女や、急に出てきた弟に心を開かない…かと思いきや思いの外すんなりとデレてるのが良かった。ベストシーンはレストランで家族写真を撮る場面で急にテンション上がるところ母をワインを酌み交わしてダンスを踊るシーン。別れの予感をさり気なく観客に伝えてくるのは上手いなあ。

 ラストは予想外のところで幕切れするかとハラハラしたんだけど、やっぱり定石通りになったのは残念というかホッとしたというか。映画的にはあそこでジョハが母親を許さないパターンで終わっていたほうが完成度が高かったような気もするけど、彼らの行く末に感情移入してしまっていたので、ママがジンテの演奏会に来れた場面はお約束だなーと思いつつ感動してしまった。

 基本的にはジョハの再生と赦しの物語なのだけど、そこにジンテのピアノコンクールやら母親の闘病やらといった要素が詰め込まれていて、パッと見はごちゃごちゃしてるんだけど、意外にもスッキリとしたまとまりを持った良作。

“]

[cf_cinema format=3 no=5 post_id=9848 text=”

 ラブライブ全シリーズ未見。そういえばアイマスのときも完全未見(ゼノグラシア以外)で似たようなタイトルの劇場版観たなあ…(『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』)。

 最初は全く話についていけなかったんだけど、「別れ」「卒業」あたりがキーワードとして出てくるようになったら、すんなりと話に入っていけた。基本は原作ファン向けでありながら、こういった普遍的なテーマが物語の軸として出てくると理解しやすくてありがたい。

 原作観てないので話の流れがわからないのだけど、4月から通うことになった統廃合先の学校がクソボロくてライブで挽回しようとするけど卒業した3年生を欠いたAqoursは失敗してしまい、これからの自分たちを考え出す、とそんな感じの話として理解しました。ざっくり言っちゃうと「さようなら、ドラえもん」っぽい話で、「先輩たちがいなくても私達やっていきます!」みたいな。

 劇場版だけあって、行方不明になった3年生たちを追ってイタリアに飛んだりする展開もあって、豪華なかんじ。あのライブで納得するママにはちょっと違和感だけど、尺もないししゃーないよね。

 イタリアで3年生組の「親離れ」を描き、それと対応する形で、帰国後のライブで在校生組が「先輩離れ」をするという展開は上手い。さらに、そこに廃校になってしまう彼女らの学校との別れも組み込んでいる。

 一番グッと来たのが、この「学校との別れ」の場面で、少しだけ空いている校門を千歌(伊波杏樹)がそっと閉じるところは実にスマートな「別れ/決別」の儀式でした。ファンならずとも楽しめる良い青春映画だと思います。

“]

[cf_cinema format=3 no=6 post_id=9851 text=”

 いやー、大泉洋、またもハマリ役ですねー。予告編からわかるように主人公の鹿野さん(大泉洋)の傍若無人ぶりが見どころの一つなんだけど、あまりにも嫌なヤツ過ぎてドン引きするギリギリのラインを攻めてくる感じがなんとも言えない。大泉さん特有のあの口調がなかったらとんでもなく不快な映画になったような気もする。

 なんとなく予想はしてたんだけど、序盤はもうとにかくイライラして途中で帰ろうかと思ったんだけど、それはこの鹿野さんの難病患者離れした言動ではなくて、主人公の美咲ちゃん(高畑充希)と田中くん(三浦春馬)のカップルがクソバカ&クソウザだったので…。しかし、今考えると、鹿野さんの尋常でないわがままさを緩和する役を果たしていたことを考えると、この一見ノイジーな要素は上手い。

 ところで、鹿野さんの行動は確かにわがままに映るんだけど、健康で文化的な最低限度の生活を送る権利を行使しているだけで、筋ジス患者が人並みに生きるためには相当なリソースが必要だということがよく分かる。本来であれば、ボランティアではなく、国家がその生活に責任を負うべきだとは思うのだけど、実際そうなったら生活保護バッシングが盛んな日本では格好のスケープゴートになってしまいそう。

 鹿野さんはかなりギリギリなところを生きていて、劇中何度もピンチに陥るのだけど、そのたびに不死鳥のごとく復活するのが痛快で思わず「またかよ!」と突っ込んでしまう。

 特に人工呼吸器を入れざるを得なくなり、彼の唯一の武器である「言葉」が使えなくなった場面は、観ている方も本当にもうだめかと思ってしまった。あの後の展開は、全てを失った者が再び武器を手にするという本作の見せ場の一つだ。「言葉」が武器であることは、冒頭で述べた大泉洋の起用ともリンクしていて、鹿野さんが言葉を失った場面で初めて、この映画が話術の映画、口八丁手八丁の映画であるということがはっきりとわかる。

 鹿野さんが言う「筋ジスなめんなよ!」は心に残る名言。

“]

[cf_cinema format=3 no=7 post_id=9862 text=”

 第一章、全く覚えてなかったんだけど、観ているうちになんとなく蘇ってきました。こういう話なんですね。途中から展開が割と読める作りなので、オチもそんなに衝撃的じゃなかったな。普通に面白いし、続きも気になる(しかし、来年の春とか、絶対内容忘れてるな…)。シンジくんがかわいそうでしたね。

 ベストシーンは桜が指舐めるとこ。普通にえっちでしたね。ユーフォ制作らしく、作画がとてつもなくハイクオリティ。アクションシーン長いけど。セイバーオルタVSバーサーカーのとことか、怪獣映画かな?というレベルの暴れっぷり。人間ども見てるだけ。帰ってよかったんじゃないかな、いても邪魔でしょ。ビームで壁が融解するところ、ちょっとラピュタっぽい。バーサーカーが勢い余ってつんのめるような作画も面白いですね。このアクションシーン、クソ長いけど。

 まあそれは置いといて、さらにすごいのが高品質な作画を凌駕する背景美術の完成度の高さ!新海誠かよ!と言いたくなるレベルで、特に看板とか道路標識とか金属の錆とかが異常なまでのリアルな質感。

 音楽の梶浦由記先生の楽曲も素晴らしく重厚で、イヌカレー空間っぽい場面がちょこちょこ出てくるのとか、一つの街を舞台にしているところとか、『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』を観ているような気分になりました。路地裏のとことかも。

 あ、あといちばん衝撃的だったのは普通の高校生のはずの衛宮君が桜と一緒に朝ごはん作ってるとこ。お味噌汁を!出汁から!作ってる!しかも!昆布から!!!料理人かよ…。卵焼きも美味しそうだった…。あれを人数分作るんか…。見習いたいがとてもできそうにない…。

“]

[cf_cinema format=3 no=8 post_id=9865 text=”

 ブルース・ウィリスが昼は医者、夜は自警団になって悪党どもを殺しまくる痛快アクション。

 ブルース・ウィリス、ちょっと見ないうちにめっちゃ老けたなー。でも身体はムキムキで強い。

 序盤に幸せ一家(ブルース抜き)がチンピラに襲われて、ブルースが仕置人に目覚めるという展開だったんだけど、ここが結構辛かったな…。しかも自分が医者だから自分の病院に運ばれてきて…、みたいな切なさ。

 中盤からは悪人を真っ昼間からぶっ殺す楽しい展開なので良かった。アイスクリーム屋(隠語)を「最後の客だ」みたいなことを言いつつグロッグをボコスカ撃ちまくる姿に惚れる。躊躇しないのがいいよね。逆に素人感が無い気もするけど笑。パーカーも似合ってる。

 工場で車を使って殺すシーンがなかなかグロくて良かった。あとフィッシュの間抜けな死に様も印象的。

 復讐が終わったらあとは適当に済ませるかと思いきや、オチもちゃんとしてて意外だった。途中のあそこが伏線になっていたとはね…。

“]

[cf_cinema format=3 no=9 post_id=9868 text=”

 これもただのアクション映画かと思っていたら、予想外のエピローグに驚く。「ただのアクション映画」という皮が上手いミスリードになっている映画ですね。お前が黒幕かーーーい!って絶対突っ込んじゃうと思う。思い返してみると伏線があちこちに張ってあったのに気づくんだけど。そういう意味では二度目も多分面白い。

 中盤までは若干退屈なんだけどね。ニック(ジェラルド・バトラー)の家族のエピソードとか、あれ要るかなあ…。後半のいざ!銀行強盗のところも、「あれ?なんで普通のとこに…」と思ったら、なるほどそういう展開か。このあたりの番狂わせからのどんでん返しは本当に面白かった。中華デリバリーのくだりとか、「ちょっと厳しくねえ??」とは思ったけど笑 カウント係とか入り口の警備員とか完璧なはずなんだけど、微妙に抜けている人がいなかったら成功しなかっただろうけど。

 そしてクライマックス、圧巻の「ラ・ラ・ランド銃撃シーン」!!ベストシーンです。渋滞に巻き込まれた人たちからしたらマジで迷惑でクッソ笑った。新文芸坐で観たから音がクソうるせえし。渋滞でマシンガン連射すんな!笑 この場面は実際に観てもらうしかないな~。

“]

[cf_cinema format=3 no=10 post_id=9859 text=”

 タイトルとは裏腹に鬱映画。全然爽やかじゃねえ。

 舞台は1968年、ヨットによる単独無寄港世界一周レース「ゴールデン・グローブ・レース」。主人公のドナルド・クローハースト(コリン・ファース)は事業の損失の穴埋めにレースの賞金を使うことを画策し、自らの設計した様々な機器を搭載したヨットを建造、素人セーラーによる出場ということでスポンサーを集める。…が、出発期限になってもヨットは完成していなかったッ…!!!ドナルドはこの危機をどう乗り越えるのか??

 …という映画だと思ったら普通に素人がどんどんジリ貧になっちゃう映画だったので非常に辛かった…。やっぱり何事も完璧より完成を目指すべきだよね、というのがよく分かる映画。あと素人はすっこんどれっつー映画でもある。

 彼は賞金を手にすることはできない「敗者」だったわけだけど、それから50年が経って、この映画で金を生み出している。このことは、「敗者」の物語であっても勝者と等しく価値がある「物語」だったのだということを物語る、ある意味で希望のある話ではあると思う。

 これからこういった「物語」も増えてくるんじゃないかな。みんな勝者の話には飽きたでしょ?

 ベストシーンはやはり終盤の妻との対話の場面ですね。最初は「なんでこんなクソ邪魔なものを持ち込んだんだ…?」って思ったあの時計が、彼と世界をつなぎとめる最後のものだということがわかる良い場面。

 いやしかし、なんでこんな詐欺タイトルにしたんだろう…。原題の”The Mercy”はテーマをはっきりいいすぎだとは思うけども。

“]

[cf_cinema format=3 no=11 post_id=9882 text=”

 ついに!あの『アンブレイカブル』が完結!!いやー、『アンブレイカブル』単体で観たときも十分完結してたけど、こんな続編を作ってくるとは!思えば一昨年『スプリット』のラストでサミュエル・L・ジャクソンが出たときに卒倒しそうになったのを覚えています。全く無関係に見えた『スプリット』が『アンブレイカブル』と『ミスター・ガラス』を繋いで「シャマラン・ユニバース」を作ることになるなんてまったく予想もつかない展開。

 これだけでもかなりの高評価なのに、問題は中身ですよ。

 ざっくりしたあらすじとしては、『アンブレイカブル』の流れでミスター・ガラス(サミュエル・L・ジャクソン)は精神病院に収監中。鎮静剤漬けにされて廃人状態。『アンブレイカブル』の主人公であるダン(ブルース・ウィリス)は、謎のヴィラン「群れ」を追って自警団活動に勤しむ。『スプリット』のケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)は「群れ」としてまたもや女子4人組(今度はチアガール大学生)を監禁している…。そして彼らを追う精神科医(サラ・ポールソン)…。彼女の策略によってダン、ケヴィン、ガラスは精神分析にかけられることになる…。果たして彼らは本当に超人なのか。

 まさに『アンブレイカブル』と同じように、彼らの超人性に対して疑問符が投げかけられる展開だが、物語はさらにその先へと進んでいく。「能力」が恩寵でもあり呪いでもあるという設定は、例えば「X-MEN」シリーズなどで典型的な構図だが、まさにここでも「能力」によってマイノリティとなったヒーロー/ヴィランたちが自らの存在をかけた闘いへと進んでいく姿が描かれる。自らの力を信じること、物語の力を信じること。それはまさに、シャマランでなければ描くことのできない、弱々しく人間的なヒーローたちの姿だ

 フィクションの世界に迷い込んでしまった主人公エドワードを描く『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』の中で、フィクションの世界(=現実世界)のアルは言う。「ぼくたちは…あなたの夢の中の存在じゃない」と。本作の中で、黒幕たるミスター・ガラスの最後の策略はまさにこの叫びと重なる。それは、彼らがフィクションでも妄想の存在でもないことを証明するための生命をかけた闘争だったのだ。”]

[cf_cinema format=3 no=12 post_id=9932 text=”

 あんまりおもしろくないような気がするな…と思いつつ観に行ったんだけど、これが意外にも良かった。まず表現が面白いよね。制作の「クラフタースタジオ」って知らなかったんだけど、いわゆるトゥーンレンダリングの独自規格で制作してる会社みたい。「スマートCGアニメーション」とかいう名称らしい。

 パッと見はいわゆるVTuberライクで、常にどこかが動いているような表現。重力があまり感じられないフル3DCG特有のフワッとした動きが最初は気になってたんだけど、後半は慣れた。東映の『楽園追放』の時も思ったけど、3DCGとセルアニメーションのいいとこ取りですね。

 アクションシーンは「早すぎて見えない系」なので若干不満はあるけど、普通に迫力があって見ごたえがある。激しく動く場面は重量感があったので、そういう手法がマッチしているのかな。

 物語的には普通のパラレルSFを想定して行ったら、パラレルはパラレルなんだけど、斜め上の設定が追加されていて、それがかなり面白かった。第二次大戦の最中に日本軍の行っていた物質転送技術の失敗によって2つの世界に分裂してしまった、というところまではいいんだけど、地球A(日本国)と地球B(日本皇国)には同じ人物がそれぞれ存在していて、片方が死ぬともう片方も死ぬというトンデモない設定が!!ちなみにここまでの設定がいきなり古谷徹氏の力強いナレーションでまくしたてられるのもめっちゃ面白い。浮いてて。

 で、地球Aでは主人公である真(梶裕貴)と琴莉(内田真礼)は幼馴染以上恋人未満なんだけど、地球Bでは独裁者(コトコ/千本木彩花)とレジスタント(ジン/中島ヨシキ)になってて、お互いに地球Aの相体(ソウタイ)を殺そうとするというのがざっくりしたストーリー。

 「同じ人物が存在するためには両親も同じ人物が結婚してないといけないからそこまで歴史が変わることはないんじゃないか」とか「わざわざ地球Aに侵攻する必要なくね??」とかいろいろと疑問点は湧いてくるんだけど、まあ工夫があって良かったと思います。日本国を侵略するために自国民を大量に虐殺する日本皇国とか、内閣総辞職ビームにも匹敵するアホすぎる内閣府全滅シーンとか、その手の人が観たら大喜びしそうな場面満載で楽しい。基本バカ映画枠(邦キチ案件)だと思います。

 スーパーハカーが解決しちゃうのはかなり不満だったけど、まあ丸く収めたんちゃいますか。ミコちゃん(悠木碧)もカッコ可愛いかったし。同人誌めっちゃ出そう(と思ったけど、全く話題になっていない…かわいいのに…)。あと後半、ちょっと仮面ライダーっぽかった(観ればわかる)。

“]

[cf_cinema format=3 no=13 post_id=9935 text=”

 これも思ったよりちゃんとしてた。殺人事件はおまけになっちゃってるけど。

 主人公のコンビがいいよね。木村拓哉、喋り方とかはいつものキムタクなんだけど、開始5分でホテルマンカットにされてて笑うし、相棒の長澤まさみはザ・ホテル人って感じなのね。で、どっちもツンデレっていう笑

 バディものだから定番の設定だけど、ひたすら客(客ではなく「お客様」)を信じようとする山岸さん(長澤まさみ)に対して刑事視点(目付きが悪い)で客に疑いをかけていく新田警部補(木村拓哉)。そして彼らと相対する癖のありすぎるお客様たち(≒容疑者たち)。

 ホテルマンとして働くうちに事件のヒントを得ていく話なんだけど、お客様対応の諸場面がさながらクレーマー博覧会といった趣で緊張感もありつつ、おしごとムービーとしてとてもおもしろい。どんどんホテルマンになっていくキムタクがかわいすぎる。ていうかあのホテル、あんなにしょっちゅうロビーで怒鳴ってるやつがいるのヤバイな…。予告編でも印象的だったけど、笹野高史さん演ずる声のでかいおっさんとか出禁にしたい…。

 もちろん、この「おしごとパート」が最後の事件解決のヒントであり伏線になっているわけですが。特に、偏執狂的に何度も映し出されるずれたペーパーウェイトの伏線は上手い。それをあえて説明しないのも。豪華なホテルの設えも壮大な音楽もマッチしていて良かったですね。

 あ、そうそう、小日向文世さんが活躍していたのも嬉しい。第三の主人公とでも言うべき立ち位置の狸親父。小日向さんああいう役合ってるよなあ。ちょっと気になる点はあるものの、おおむね満足。

“]

[cf_cinema format=3 no=14 post_id=1664 text=” 「新文芸坐✕アニメスタイルセレクションvol.111 押井守映画祭2019第二夜〈天使のたまご&御先祖様編〉」にて。ごめん、完全に寝ちゃった…。せっかく前説で花俟さんが「今日は最初に『天使のたまご』入れましたから!言い訳できないですよ!」って言ってたのに…。最後の卵が割れるあたりからは観てた。”] [cf_cinema format=3 no=15 post_id=4732 text=”

 今回のオールナイトのメイン。

 大画面で例のOPが観たいがために来た。一年に一回は観たいよね。毎回なんかしら発見がある。トークショーで押井監督が言ってたけど、明らかに尺が足りなくていつもの長台詞がさらに長くなってる第三話とか。Aパートなんてほぼ丸々多々良伴内の長口説だし。

 あと、6話も言われてみると動画がけっこうぐっちゃぐっちゃでこれはこれで味があって面白いですね。今回気づいたけど、大平晋也さん各話参加されてるのね。なんかそれっぽいところあったけど、あそこかなあ。

 麿子の生年が平成元年ってのもね。これ、平成になってから作られてのかー、という意外。

 効果音も、第二話の「モォ〜〜〜」(ご飯に箸が突き立てられる効果音)で毎回笑ってしまう笑 話的に好きなのはやはり6話。前半の立喰師犬丸もさることながら、第一話から比較するとこんな所まで来てしまったのかと思わざるを得ない強烈なエピローグがやはり最高。

“]

[cf_cinema format=3 no=16 post_id=2568 text=” ごめん、御先祖様で体力が尽きてこれも寝ちゃった…。ごめん。”]

まとめ

 『ひかりの歌』、観た直後は「ケツが痛えな…」っていう感想だったんだけど1、家に帰ってからじわじわと反芻して楽しんでしまうタイプの映画だった…。もう一回観たい…。2時間半はつらいが。

 来月は『メリー・ポピンズ リターンズ』、一部でめちゃくちゃ評判のいい『家に帰ろう』、あと「ARISEっぽい」という意見が若干不安な『PSYCHO-PASS』劇場版1と2あたりを観る予定です!

NOTES

  1. ユーロスペースの座席、狭くてつらい