映画レビュー

【映画レビュー】今月観た映画まとめ:『カメラを止めるな!』は全人類必見!【2018年7月】

投稿日:2018年7月31日 更新日:


はじめに

 今月は今年で一番少なかったですね…。新作わずか3本!暑かったししょうがないね。その分、本の方は豊作すぎたんですけど…。『人狼 JIN-ROH』も爆睡してたから実質6本しか観てない…。ここ2年くらいで最低の本数!ちなみに29日(日)に新文芸坐で「バーフバリ」2本立てを観る予定だったんですが、予想外に大人気だったみたいで、列の5人前くらい前で「立ち見です」宣言が出されたので泣く泣く帰ってきました…。観たかった…。またどこかでかかるだろうか…。

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今月のピックアップ!



1

カメラを止めるな!  One Cut of the Dead96 min

予告編(ポップアップします)
監督:上田慎一郎

脚本:上田慎一郎
撮影:曽根剛

出演:濱津隆之/真魚/しゅはまはるみ/長屋和彰/細井学/市原洋/山崎俊太郎/大澤真一郎/竹原芳子/吉田美紀/合田純奈/浅森咲希奈/秋山ゆずき/山口友和/藤村拓矢/高橋恭子/イワゴウサトシ
 映画版『ラヂオの時間』。つまりめちゃくちゃ面白い。最初の30分くらいはもう不安しかないんですよ。事前に情報を入れていたにもかかわらず「え、これって放送事故??」って思っちゃったし、いきなりスタッフロール流れ出したところは「なんか短いな…なんでこれをみんな絶賛してるんや…」と、見事に騙されました!後半が本体だったんですねー。なんとなくそうなんじゃないかなー、とは思ってはいるものの、スタッフロールはさすがにビビる。これは確かにネタバレ禁止だわ。あのリアルなゾンビの正体が✗✗✗だったなんて…。いきなりカメラワークがダサかっこよくなるのは、なるほどこれが伏線かー。「本物の」監督の怒り、そりゃそうなるわなー。不自然すぎる会話テンポ、実はこんな大変なことが…。と裏側が見えるともう爆笑に次ぐ爆笑。ていうか、普通に37分のワンカットがまずすごいよね。スルーされがちだけども。結構、かなり、すごくカメラさん動いてるし。そしてタイトルの「カメラを止めるな!」の意味が次第にわかってくるこの仕掛け。「!」に思いが詰まってますよね。『ラヂオの時間』のテーマでもあった「クオリティと完成品を両立させること」がこの映画でもしっかり語られていて、それがあの若干正確に難のある娘の伏線とつながっているのも上手い。「お仕事ムービー」としても見れるし、家族の物語としても見れる。群像劇と言うほどでもないけれど、複数のレイヤーが重ねられている。これはぜひ『ラヂオの時間』と2本立てやってほしいな。いやー、しかしこれだけ客席が一体となって笑ってる映画も久々!外国の映画館のようにドッカンドッカン笑ってて痛快!実に楽しい映画体験でした。文句なしに今月のMVC!そして年間ベストにも絶対入れるぞ!

観た映画一覧(時系列順)


2

ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー  Solo: A Star Wars Story135 min

予告編(ポップアップします)
監督:ロン・ハワード
音楽:ジョン・パウエル
脚本:ジョナサン・カスダン/ローレンス・カスダン
撮影:ブラッドフォード・ヤング

出演:オールデン・エアエンライク/ウッディ・ハレルソン/エミリア・クラーク/ドナルド・グローバー/タンディ・ニュートン/フィービー・ウォーラー=ブリッジ/ヨーナス・スオタモ/ポール・ベタニー/ジョン・ファブロー/エリン・ケリーマン/リンダ・ハント/ワーウィック・デイビス
 本国の方でえらい評判悪かったからスルーするつもりだったんだけど、Twitterでの評判が意外にも良かったのでファーストデーに急遽突っ込んでみたら、えー、これ普通に面白いじゃん!っていうか本編の方があまり面白くな…(略 『ローグ・ワン』がスターウォーズ全作品の中でマイベストなので、やっぱりそういうことなんだろうな…。『ローグ・ワン』は『七人の侍』リスペクトでしたけど、今回は明らかに西部劇ですよね、これ。西部劇全くわからないんであまり語れないんですけども…。それとは別になんとなく「ヤクザ映画」的な空気を感じたり。裏社会で騙し騙され泥臭いあたりが、なんかこう。本編の方が華やかな表側で、スピンオフが「忘れられた歴史」を描いているとするなら、個人的な興味で言ったらそりゃ後者の方が好みかな。ヒーローはもう飽きた。もちろん、華やかなものはそれはそれで魅力があるのだけど。それにしても、この作品、スターウォーズと銘打っておきながら、ライトセイバーもジェダイも出ないのが驚いた。帝国軍は出るけれど、タイファイターだって数えるほどしか映らないし、フォースのフォの字も出てこない。まさに「裏」の話。というかよく考えてみたら、普通に暮らしてる市井の銀河帝国市民からしたらフォースなんて無いのが普通だよね。下から見た『スターウォーズ』という感じ。たいてい砂漠とかから始まるストーリーも今回は帝国統治下のスラム街だし、そういった型破りなところが面白い作品。キャラクターもみんな魅力的で、いかにも西部劇に出てきそうなウディ・ハレルソン演ずる小悪党ベケットも良かったし、ファム・ファタール的な位置づけのキーラ(エミリア・クラーク)も深みのある人物。前作でもK-2SO(アラン・テュディック)が最高にイカしたドロイドだったけど、今作のL3(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)も負けず劣らず。女性的メンタリティを持っていて、ドロイドの解放に奔走するというすごいキャラ。K-2とカップルになったら良さげなテンションだった。一つ気になったのは画面がやたら暗かったことかな。あれ、3Dだと人の顔とか見分けられないんじゃない?


3

ジュラシック・ワールド 炎の王国  Jurassic World: Fallen Kingdom128 min

予告編(ポップアップします)
監督:J・A・バヨナ
音楽:マイケル・ジアッキノ
脚本:デレク・コノリー/コリン・トレボロウ
撮影:オスカル・ファウラ

出演:クリス・プラット/ブライス・ダラス・ハワード/レイフ・スポール/ジャスティス・スミス/ダニエラ・ピネダ/ジェームズ・クロムウェル/トビー・ジョーンズ/テッド・レビン/ジェフ・ゴールドブラム/B・D・ウォン/ジェラルディン・チャップリン/イザベラ・サーモン
 登場人物だいたい馬鹿しかいないんだけど、それがジュラシック・パークだし、いやー、満足満足。予告編だけ観ると「火山噴火直前の島から恐竜たちを救い出す!」だけの話だと思っていたので、早々に島から脱出してて拍子抜け…だったのだけど(しかし島での溶岩&恐竜も最高だった)、本編は本土に戻ってからだった!思えば、今まで恐竜たちが島を出ることってなかったですし、この新基軸を導入しただけでも評価できる。そして恐竜オークション!これもありそうでなかったよねー。しかし、ブラキオサウルスとかどうやって運んできたんや…。あの屋敷の構造おかしいでしょ…。そしてそして恐竜ホラー!あのクラシカルな洋館をインドミナスが所狭しと走り回る!インドミナス最低だな!ありそでなかった新しいビジュアル!最高!オーウェンとブルーの友情というか愛情も軸として効いていて、オーウェンのピンチに颯爽と現れるブルーはまさに王子様(女の子だけど)!四姉妹の子供のときの映像もあって、これがまた可愛すぎる!それにしても良かったのが最後の「Welcome to Jurassic World」!生きとし生ける人類すべてクソという思いが伝わってきて最高でしたね。早く罪のない近隣の町の人達が食い殺されて欲しい。「いや、あの船に積んでただけじゃ繁殖できないし、すぐに駆除されちゃうでしょ…」とか色々とツッコミどころ満載なんだけど、(無理やり)新世界の幕開けを描いたのは評価できるし、次回作にも期待!都市での恐竜サバイバルとかになるのか、恐竜と共存する日常ものになるのか…。


4

雨に唄えば  Singin' in the Rain min

予告編(ポップアップします)
監督:ジーン・ケリー/スタンリー・ドーネン
音楽:ナシオ・ハーブ・ブラウン/レニー・ヘイトン
脚本:アドルフ・グリーン/ベティ・コムデン
撮影:ハロルド・ロッソン

出演:ジーン・ケリー/デビー・レイノルズ/シド・チャリシー/ドナルド・オコナー/ジーン・ヘイゲン
 初見。「午前10時の映画祭」にて。ミュージカル映画、という知識しかなかったので、なるほど、こういう話なのかー。サイレントからトーキーへの移行期を舞台にしたドタバタ喜劇で、わがままな大女優リナ(ジーン・ヘイゲン)の声がアホみたいなキンキン声というのが味噌ですね。そしてヒロインのキャシー(デビー・レイノルズ)がめっちゃかわいい。主人公のドン(ジーン・ケリー)との出会いと、恋に落ちる展開が完全に典型的な少女漫画的なそれで面白いですね。そしてそれに輪をかけてかわいいのがドンの親友コズモ(ドナルド・オコナー)!三枚目の引き立て役としての位置づけなんだけど、彼のアイデアによって物語が大きく動き出す。歌とダンスもドタバタ調でテンションが上がるしいいキャラだわ…。序盤で披露される「Make 'em Laugh」が一人芝居的な雰囲気も相まってとても良かった。ところで、そういえばこれも『カメラを止めるな!』と同じく「映画を撮る映画」ですね。初めてのトーキー撮影で声がなかなか上手く録れず、何回もリテイク出す監督さんの場面が好き。最後に悪役(と言っても彼女もかわいそうなんだけど…)をやりこめるどんでん返しも痛快だし、観終わった後とてもハッピーな気分になる映画ですね。


5

さよならの朝に約束の花をかざろう  115 min

予告編(ポップアップします)
監督:岡田麿里
音楽:川井憲次
脚本:岡田麿里


出演:石見舞菜香/入野自由/茅野愛衣/梶裕貴/沢城みゆき/細谷佳正/佐藤利奈/日笠陽子/久野美咲/杉田智和/平田広明
 「新文芸坐×アニメスタイルセレクションvol.105 『さよならの朝に約束の花をかざろう』と井上俊之の仕事」と題したアニメーター井上さん特集。正直、こんなに早くかかるとは思わなかったなー。2回目に観るとなんだか片渕須直監督の『アリーテ姫』っぽさを感じました。滅びゆく種族とか都市の様相とか「人生は続く」みたいなテーマとか。それにしても井上さん大活躍の作品だと聞いていたけど、まさか1/3以上、400カットもやっているとは…。Blue-rayも買うぞー。

 おひるねラジーズ
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2018年7月21日(土)に開催された「新文芸坐×アニメスタイルセレクションvol.105 『さよならの朝に約束の花をかざろう』と井上俊之の仕事」のレポートです。トークショー覚書と作品感想。トークゲストは井上俊之さん、沖浦啓之監督、本田雄さん。上映作品は『さよな...


6

MEMORIES  107 min

予告編(ポップアップします)
監督:森本晃司(「彼女の想いで」)/岡村天斎(「最臭兵器」)/大友克洋(「大砲の街」)
音楽:菅野よう子(「彼女の想いで」)/三宅純(「最臭兵器」)/長嶌寛幸(「大砲の街」)
脚本:今敏(「彼女の想いで」)/大友克洋(「最臭兵器」/「大砲の街」)


出演:磯部勉/高島雅羅/山寺宏一/飯塚昭三/千葉繁/長谷川亜美/沢海陽子/柊美冬/平野正人/坂口哲夫/大場真人/堀秀行/羽佐間道夫/大塚周夫/阪脩/緒方賢一/大塚明夫/京田尚子/石森達幸/藤井佳代子/神代知衣/曽我部和恭/島田敏/小野英昭/田中亮一/岸野幸正/佐藤浩之/大滝進矢/巻島直樹/岩永哲哉/中村尚子/新田三士郎/森ステファン/林勇/キートン山田/山本圭子/仲木隆司/中村秀利/福田信昭/江川央生/佐藤正治/さとうあい/長嶝高士/石川ひろあき/喜多川拓郎/田中和実/園部啓一/鈴木勝美/塩屋浩三/河合義雄/峰あつ子/大友洋子/巴菁子
 さよ朝で体力を持ってかれたのであんまり集中して観れなかった…。トークの中で出てた「彼女の想いで」の人形がクルクル回るところとか最初の廃墟がクルクル回るシーンが印象的。一番好きなのはやっぱり「最臭兵器」なので、これは割としっかり見た。中盤の戦闘機・戦車の描き込みが好き。「大砲の街」は例によって真ん中が抜けてて最後のドーンで起床。もったいない…。


7

人狼 JIN-ROH  98 min

予告編(ポップアップします)
監督:沖浦啓之
音楽:溝口肇
脚本:押井守


出演:藤木義勝/武藤寿美/木下浩之/廣田行生/吉田幸紘/堀部隆一/仙台エリ/中川謙二/大木民夫/坂口芳貞/古本新之輔/松尾銀三/松山鷹志/幹本雄之/青木勇二/長克己/岸田修治/村井克行/尾形雅宏/沖田蒼樹/樫井笙人/浜田賢二/村井かずさ/小野泰隆/長木唯
 ごめん、めっちゃ寝てた…。最後の銃声の直前だけ起きてた。いつもそうだ。なんでなんだ。『天使のたまご』とか『紅い眼鏡』よりも寝ちゃう…。ちゃんと完走したい…。

まとめ

 今月は本数こそ少なかったですが、なにはともあれ『カメラを止めるな!』がとてつもなく良かったので、結果オーライっすね。量より質!しかし、まさか単館2館スタートが全国100館に膨れ上がるってなかなか最近の映画じゃないですよねー。口コミとSNSのチカラがすごい。

 来月も暑いのであんまり本数観ない予定ですけど、今月よりは多いと思う…。観るやつほとんどアニメだけど…。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』、中国産新海誠『詩季織々』、森見登美彦原作の『ペンギン・ハイウェイ』あたりを観る予定。あと「新文芸坐シネマテークvol.23 クロード・シャブロル」に参加します!

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