はじめに

 今月は残業少なめにして多少頑張って観たけど、それでも観たいもの全部は観れなかったなー。そういえば、トーホーシネマズ日比谷がオープンしたので早速行ってみたけど、4階とかいう微妙なところにあることを除けばいい感じですね。家から最寄りは上野なんだけど、やっぱり旗艦店の日比谷のほうが設備がいい感じがする。

本の方のログ

今月のおすすめ!

[cf_cinema format=3 no=1 post_id=8486 text=” 今月のMVP。『響け!ユーフォニアム』シリーズ完全に未見で鑑賞したけど、それでも全く問題なく楽しめる。山田尚子監督作品というだけあって、やはり今作も足のカットから始まる。戸惑い、逡巡、期待、喜び、様々な感情が足の動きで語られる。物語は二人の少女、みぞれと希美の関係を軸にして展開するが、この二人の対照的な性格も彼らに施された繊細な演技によって真っ直ぐに伝わってくる。足の動きもそうだし、例えば最初の登校シーン。上履きを投げ出す希美と丁寧に置くみぞれ、そして下駄箱の角を曲がる時に置かれる二人の手の表情。あまり起伏のないシンプルなストーリーにも関わらず、90分という時間が濃厚で緊張感に満ちているのは、全編こうした丁寧な芝居が施されているからに他ならない。タイトルでもある「リズと青い鳥」は劇中で彼らが演奏する曲の名前であり、少女と青い鳥の別れを描いた同名の童話でもある。ここで、みぞれと希美は「リズと青い鳥」の二人の主人公に自らを投影しているのだが、当然のように思われていた役割が逆転していくクライマックスの展開が見事だ。「別れ」というものを少女たちの「成長」に重ね合わせて肯定的に描いている点もユニーク。何度でも観たいと思える傑作青春映画。”]

観た映画一覧(時系列順)

[cf_cinema format=3 no=2 post_id=8377 text=” バーナムは詐欺師というイメージがあるんですけど、この映画、かなりポジティブに描いてますよね。ものは言いようだな、と。まあそのへんは実際どうだったかがわからないのでなんとも言えないんですが、問題は史実をガンガン無視してる点ですよ。バーナムの生い立ちとか全然違うし、ジェニー・リンドと痴話喧嘩して大損こいたことになってるし(実際は円満に契約解消、バーナムはめっちゃ儲けてる)。この手の映画で、普通は最初に出るはずの「This story is based on a true story.(事実に基づく物語)」が無かったので違和感あったんですが、さもありなん。脚色しすぎて事実とは言えないということなんですね。ただ、確かに彼によってフリークスたちが居場所を得たという面はあると思います。親指トム将軍もサーカスで同じく小人症の女性と結婚してますし一財産どころか十財産くらい築いてますし。彼らが見世物になって幸せだったかどうかは想像するしかないわけですが、「いないことにされていた人々」に光を当てたのは功績と言っていいかな、と。劇中でも指摘されてるように、その動機が金儲けのためであっても。フリークスと見世物小屋の関わりについてはマルタン・モネスティエの『奇形全書』あたりをどうぞ。さて、歴史的事実の歪曲などはともかくとして、素晴らしいのはやはり楽曲でしょう。何回も繰り返し流される「A Million Dreams」は耳に残りますし、後半、上流階級のパーティーを追い出されたフリークスたちが力強く雄叫びを上がる「This is ME」が本当に素晴らしい。レティ・ルッツ(髭女)を演じたキアラ・セトルはフリークスたちをまとめる裏の主人公的な位置づけでしたね。まあ彼女も実際の写真見るとぜんぜん違うんだけど。事実にヒントを得たファンタジー的な映画として捉えるなら良い映画だったと思います。”] [amazonjs asin=”4562051868″ locale=”JP” title=”図説奇形全書【普及版】”] [cf_cinema format=3 no=3 post_id=8379 text=” いつのまにかリーアム・ニーソンがかなり老けててビビる。けっこうボコボコ激しく殴られるので思わず心配になってしまうよ…。もうおじいちゃんじゃん。こんな激しいアクションをさせるなんて…老人虐待だぞ!家帰ってから2014年の『フライト・ゲーム』を観たけど明らかに若い!肌の艶とか。もっとも、本作のリーアム・ニーソンは首にされたばかりの疲れたサラリーマンなのでそういう意味では役作りなのかも。で、このくたびれリーマンが10万ドルに目が眩んで陰謀撃に巻き込まれていくという話。前作『フライト・ゲーム』の電車版と言ってしまうと身もふたもないけど、①乗客の中から一人を探す、②家族を人質に取られて遠隔操作される、③乗客がうっかりミスで死ぬ、あたりが共通してますね。原題は”The Commuter”、すなわち「通勤者」なんですが、このままだと全く売れないにせよ、内容については端的に示していていいと思うんですけどねー。郊外を走る通勤電車が舞台で、主人公たるリーアム・ニーソンも名もなき通勤者の一人。同乗している人たちは、顔と名前は知っているけど、プライベートについてはいまいち知らない連中で、このあたりの緩やかなつながりのようなものが後々活きてきます。ニーソンが身の上を吐露して乗客たちに協力を仰ぐ場面とかすごく良いです。最初はほぼノーヒント&老体に鞭打って車両を行ったり来たりする無理ゲーなんですが、後半、自然な形で乗客を一箇所に集める攻略法が出てくるあたりから解決できそうという安心感が出てきますね。ところで、ジャウム・コレット=セラ×リーアム・ニーソンの乗り物シリーズ、飛行機→電車ときて次回作は「車」らしいんですけど、やっぱり深夜高速バスとかが舞台になるんですかねー。通路も狭いし色々とヤバそうで楽しみ。”] [cf_cinema format=3 no=4 post_id=8390 text=” 瑞々しい夏の京都の情景を切り取る鮮烈な色調のカメラがまず良い。特に路地裏。さすが京都と言うべきか。実際も劇中に出てくる感じの小奇麗な道が多かった印象がある。日本映画っぽいどんよりとした空模様も好きなのだけど、この作品はカラッとした青空が作品のカラーにとてもマッチしている。そして主演の二人がまた良い。清々しい演技がこれまた作品の雰囲気にピッタリ。冒頭の高杉くんによる物憂げで闊達な独白から、物語の世界に引き込まれる。そして葵わかなさんの普通の女子高生感ある演技。まあ普通の女子高生よく知らないけども。この映画の後に朝ドラ(『わろてんか』)のヒロインに抜擢されてるんですけど、なるほどこういう感じか。主演二人も含めて、みんなどこか少し浮ついたような、意地悪く言うと白々しい演技なんだけど、この映画全体を覆う真夏の白昼夢的なテイストが似合っている。ファンタジーとは言い難い、でも少し日常から外れた場所、例えば模試をサボって行く昼間のライブハウスとか夏休みの真夜中の学校などでささやかに繰り広げられる青春の一コマ。どことなく長野まゆみとか宮沢賢治の香りがする。第2話に当たる「静電気銀河」というタイトルなんか特に。白昼夢感を加速させるアニメーションのさりげない使い方も良い。いきなり屋根の上にセルルックの猫が寝そべっていたりね。若さってうらやましいな、と素直に思える映画。爽やかすぎて疲れた…。”] [cf_cinema format=3 no=5 post_id=8393 text=” 監督の前作の『ディアーディアー』はとてもまとまりが良い作品だったんだけど、今作は若干とっちらかっちゃった印象…。女子高生の抱える問題とばあちゃんの手紙のエピソードがチグハグ…と思ったんだけど、最後になるにつれてこの二つがちゃんと繋がってくる!この構成は興奮しますね。正直、中盤までは若干退屈しちゃったんだけど。2回目がたぶんすごく楽しくなる映画だと思う。そして、この作品も主役の二人がとても良い。特に葵役の久保田紗友さんね。典型的な委員長タイプのキャラがめちゃ似合いますねー。すき。ベタだけど闇を抱えてモヤモヤしてる演技も上手い。対になるはづき(萩原みのり)とは一見真逆のキャラクターなんだけど、外見でミスリードしてくるタイプ。彼女らが抱えるものが実は同じようなものだと次第にわかってくるのも面白い。もう一回観たい作品。”] [cf_cinema format=3 no=6 post_id=8395 text=” 快作!そして怪作!フェイクドキュメンタリーの形を取って、監督自身の妄想と欲望が迸る!正直気持ち悪い!だがそれがいい!物語冒頭、不自然なほど優しかったありさ先輩が次の日には豹変してるあたりからもう抜群に面白い。罵られてえ。ちなみに主人公の映研ネームは「脂」…。そしてヒロインの花先輩(りりか)の可愛さ。ありさ先輩役の小池ありさもそうなんだけど、この監督、女の子を可愛く撮るのがめちゃくちゃ上手い。気持ち悪い。カメラはすなわち主人公の目でもあるわけで、欲望の向けられる先が非常に明快。古屋先輩の家で隠れつつ着替えを覗くところとかね。POVという視点はホラー映画的だし、あきらかに監督自身もそれを意識している演出がそこかしこにあるのだけれど、この映画はそういう先入観を力技でぶち壊していく。痛快。狂ったように大音響が鳴り響くタイトルにも驚かされたし、終盤に突如としてフェイクドキュメンタリーの形式を捨て去って挿入されるMVの完成度の高さ!オチは『蒲田行進曲』形式だけど、そこに行き着くまでフィクションとノンフィクションの狭間で脳が揺さぶられる。レイヤー構造がうまく掴み取れないこの意図的な構成はいままでにない経験で素晴らしかった。それにしても監督自身、めちゃくちゃ身体張ってますねー。主にラブホのあたりとか。監督の喘ぎ声がめっちゃ脳に残っちゃってるんですけど!次回作の『聖なるもの』もきっと観ます!”] [cf_cinema format=3 no=7 post_id=8397 text=” 74分ワンカットで1ヶ月近くの物語を描く驚異の映像体験。「本番○○日前」っていうテロップをさらっと出すだけで時間がどんどんブッ飛んでいくこの不思議な感覚。昼間かと思えば深夜になり、少し外に出れば日付が変わり、あれよあれよというまに事態が転がっていく。全体の2/3くらいは室内劇なので、最後までこのままで行くのかと思いきや、最後の最後になって街に繰り出すあたりで撮る側の気持ちになってドキドキが止まらなくなる。もちろん、これは映画なので、ここで上映されているものはハプニングが起きなかったバージョンであるのは承知しているのだけど、この「映画」と「映画のそとの世界」の境界が淡くなっていく演出は見事だ。そしてまた「映画」と「演劇」の境界もあやふやさも。この映画は劇の練習をする若者たちを描いた作品であり、映画と劇の練習がシームレスに繋がっている。演劇モードのときは画面の上下に帯が付く。こういうあからさまな提示にも関わらず、物語が核心に近づくにつれて、観る人は「今、どっち側にいるのか」がわからなくなってくる。それは多分、劇中劇とその外側の映画の熱量が次第に均衡していくからなのではないか。そして、その混乱に拍車をかける音楽のMOROHAさん。もう一人(二人)の登場人物と言っても良い存在感で、彼らをBGMと一言で片付けてしまうことは出来ない。いつの間にかスポットライトがあたっているので目に入ってしまうし、彼らの音でセリフもかき消されてしまう。劇中劇の外側の映画もまた、映画であると明示しているのだが、「映画」の人々は彼らの日常を生きているわけで、そのチグハグ感がたまらない。まあとにかくすごい映画だった。偶然なんだけど、前日に見た岩切監督の『花に嵐』と同じ方向を向いた作品だったのも面白い。”] [cf_cinema format=3 no=8 post_id=8425 text=” なるほど、これは想像力の映画だ。空想の中なら赤ちゃんも喋るし、荒唐無稽な陰謀もあるし、空港のセキュリティも簡単に抜けられる。もちろん、宇宙にだって行けるし、乗っている飛行機も簡単に海賊船に変わっていく。海賊船でボスが言う「こいつは驚いた!」なんて『アリーテ姫』終盤の魔法使いボックスの台詞と重ねざるを得ない。想像力が世界を変えていくというテーマとアニメーションは相性がいい。さらにこの映画が上手いのは、物語全体が主人公ティムの回想という形を取っているということ。このレイヤーを一枚噛ませることで、この物語は事実かもしれないし、そうでもないかもしれないという余地が生まれる。最後にティム自身が言っているように、赤ん坊と共に過ごした日々が少年ティムの目にはこういうある種荒唐無稽な物語の形式で映ったのかもしれないし、あるいは彼の娘に語るために全くの創作として作ったのかもしれない。成長した”ボス”のちょっとした仕草、例えば金を撒き散らすところなんかは解釈の余地を拡大する要素だ。エンドロールのあとにウィジーから投げかけられる言葉、「地に足をつけて自分の人生を生きろ!」は、もちろん映画の終わりを観客に告げるものだが、それはまたティムが子供的な想像力を失ったことも示している。ところで、オープニングの赤ちゃん工場といいエタナールパピーの工場といい、いかにも資本主義の国アメリカだなあ、と思ったり。まあ、ボス自体が株式会社の社員で「お前はビジネスがわかってない」とか言うわけだけども。トッチャンボウヤ的なボスの言動がひたすら面白く、それだけで元をとった感がある。推しキャラはフランシス・フランシスの弟・ユージーン。絶対あると思ったけど、バイクチェイスのシーンでメリー・ポピンズが出てきてさすがに笑った。あ、あと吹き替えで観たんだけど、日本語版スタッフロールでエルヴィス・プレスリー(のコスプレ大会出場者)役が全員宮野真守で吹いた。”] [cf_cinema format=3 no=9 post_id=8428 text=” 初日に観た人たちの評判がめったくそに悪かったのでかなりハードルを下げて臨んだんですが…え、普通に面白いじゃん!まー、でも否定派の人の言うこともわかるんですよ。怪獣とのとっくみあい、後半まで全く無いですからね。あとキャラクターのレイヤーが薄い。バックストーリーがほとんどないし、ポリコレ的な正しさに則った(アメリカの戦隊モノもそうだね)様々な人種からなる訓練生たちは多すぎて名前も覚えられないし。後半になったら彼らが活躍するんだけど。あと前作から続投のある人物の扱いについても、前作ファンは激怒しそうだなー、と思ってたら案の定怒り狂ってる人がいて笑った。個人的に評価高いポイントは、太平洋の底の裂け目を閉じて、きれいに終わらせた物語を意外な形でリブートさせたところ。普通に「また裂け目が開いたぞー」っていう展開だと思ってたから、あのアイデアには驚いた。ちゃんと前作のあれを伏線として使っているのが上手い。鍵となる「謎のイェーガー」フューリーは鉄人28号のブラックオックス的だし、若干ネタバレになるけど、『WXⅢ機動警察パトレイバー』。怪獣的な動きをする量産型イェーガーいいじゃん。あ、今思ったけど、エヴァっぽさもありますね。正直言うと、陰謀が発覚する後半までは若干退屈なんだけど、後半はすごく盛り上がる。怪獣軍団がやってくる、というわけではなく、3体の大怪獣と決戦するというのもいいね。決戦の地は東京なんだけど、富士山の麓(ほんとに裾野にある)し、すごく中国っぽい街並みなんだけど、まあそんなもんでしょって感じで気にならなかったな。あとアナハイム・エレクトロニクスがしれっとある。クライマックスの戦い方、バカみたいなんだけど、パシリム自体コミック的な雰囲気だし、あれでいいやろ。スクラッパーが再登場するの良かった。”] [cf_cinema format=3 no=10 post_id=8451 text=” 例年、年の暮れにやってる新文芸坐のアニメスタイルオールナイトでかかるので、ロードショーではスルーしてたんだけど、やたらと評判が良いので観に行ったら大傑作だった…。やっぱり脚本がいいよね。安心と信頼のうえのきみこ女史でした。メインターゲット(だと思う)お子様を置いてきぼりにするような、一筋縄ではいかない強烈な印象を残す展開。「え!そこで中国行くんですか??」というところも驚いたけど、その後の展開がすごいよね。冒頭から、「ぷにぷに拳の最終奥義」=平和、という図式がミスリードされているので、普通に最終奥義を手に入れてめでたしめでたし…かと思いきや!単純な善悪の二項対立に見えたものが鮮やかにひっくり返される。「行き過ぎた正義の行方」というテーマ自体は様々な作品で繰り返し語られてきた主題だけど、ここまで分かりやすく表現したものは初めて観た。「脳みそがぷにぷにになる」という字面ののんびり感と実際の地獄的状況のギャップも面白いし、ちゃんとしんちゃんがひまわりの世話に苦労しているシーン(台所の隅にカップ麺が放置されているのが生々しい)が挟まれるのも良い。ブラックパンダラーメンという資本主義的支配のディストピアから人類皆痴呆症の『ハーモニー』的ディストピア(ちょっと違うか…)への移行。脇役ではブラックパンダラーメンのドン・パンパンさんが好き。キャラデザが乃美康治先生っぽいよね。「ブラックパンダラーメンはノーコンプライアンスラーメンだ!」とか「クレームをつけるやつがいたらそいつの家まで行って二度とクレームできなくしてやる」とか悪役感あって良い。でもちゃんと交渉の前線に立つし、工場で仕事もしているという経営者の鏡!(ノーコンプライアンスだが)。作画面では(たぶん)三原三千夫さんがやったんじゃないかなー、と思ってるぷにぷにの精のシーンのボヨンボヨン感が良かったです。”] [cf_cinema format=3 no=11 post_id=8455 text=” 原作大好きなので楽しみにしていた作品。細かい部分はだいぶ違うけど、あの内容をよく2時間ちょっとの尺にまとめたなあ…。特に良かった改変は第一の鍵のところ。原作の方はあっさりしすぎてて、そこが良かったところでもあるんだけど、その「あっさり感」というか「裏ワザ感」を活かしつつ、あんなにも盛り上がる映像を持ってくるとは!さすがスピルバーグ!コングがあまりにも軽快に動くのがヤバかったですね。第二の鍵の舞台となる、あの名作映画を再現したステージもすごかった!フィルムの感じがアレっぽいんですよね。作品の顔とも言えるあの人を出さないで斧だけで表現するのもいいですよね。で、オタクだらけの中に一人だけ観たことないやつがいて、「あかんてそれは!」という行動するのも面白い。全体としては宝探し映画なんですが、そこに一人のオタク(ハリデー)の人生が投影されていて、次第にそちらの方にも軸足が移っていくのも良かったですね。あとアイアン・ジャイアントがやたらと活躍するのも個人的には嬉しいポイントでした。ジャイアントが親指を立てながら溶鉱炉っぽいところに沈んでいくシーンは涙なしでは観られませんでした…(ほんとにあるんだよ!)。ってことはあのネタってアメリカとかでも定番なんですかねー。機龍がパチもんくせえなあ…でもゴジラマーチは流れるんだよなあ…なんだこれは、と思っていたら「あれは生頼先生のポスターバージョンだよ」というのを見てヒャーってなりましたね。細かすぎるよ。2045年アメリカのディストピア感であるとか、現実とVRとの関わり方(とりわけ、オアシスで無敵状態だったワッツが現実世界でダイエットするくだりとか)については原作のほうが好みではあるんですが、映画化としてはこれで100点満点でしょう。個人的にはレオパルドンが出てほしかったけど、あれほど注釈が必要なくせに権利関係めんどくさそうなやつを切ったのは大正解だと思います。”] [cf_cinema format=3 no=12 post_id=8458 text=” 新文芸坐シネマテークにて。前情報無しで行ったら上映時間2時間半超えのSF超大作で驚くなど。会社帰りに2時間半はキツかった…。内容も混乱に次ぐ混乱で、ちょっとウトウトして目を覚ますと(すみませんちょっとだけウトウトしちゃいました…)、部族が出来てたりする笑 観ていて連想したのはアレクセイ・ゲルマン監督のこれまた3時間超の大作『神々のたそがれ』(神様はつらい)。神様(人類)と原住民、グロテスクな表現の頻発、そして何より画面内のオブジェクトの多さから来る混乱っぷり。さらに、この作品、途中で製作が中止され、10年後にリブートしたという経緯から、フィルム消失あるいは撮影できなかった部分が監督自らナレーションで説明される!面白いのが、ここで全く関係ない映像が挟まれるという点で、なんだかカラオケの画面みたいな…。1987年のポーランドの情景が観れるのは、これはこれで貴重かも。ただ、このナレーションがあるおかげでかえって物語の筋が理解できるところもあり、そういう点も変な作品。終了後の大寺先生の講義も今回ばかりはストーリーの解説が多かったですね。大画面で観られて良かったです。”] [cf_cinema format=3 no=13 post_id=8472 text=” 映画じゃないけど映画館で観たのでー。「新文芸坐×アニメスタイルセレクションvol. 102 湯浅政明の『カイバ』」にて。まさかの初見。Netflixで配信してるのは知ってたんだけど、なんか手が出なくて。今回初めて観たわけですけど、めちゃくちゃおもしろいですね。予想通りというか。実は、この日、友だちの結婚式に出てたのでかなり疲れていて途中3分の1くらい寝ちゃったんですが、後半の怒涛の伏線回収はしっかり起きて観ることができました。で、帰ってきてまたネトフリで観て…。このシリーズ、時系列が入り組んでるので2回目、3回目が面白い、噛めば噛むほど味が出るアニメですね。中盤のクロニコの身体に入ったカイバとバニラが旅をするあたりが好きですね。クロニコ可愛すぎないですか…。手塚みある描線やばい…。この二人どっちも好きだったのであの展開はショックでした…。特にバニラね。ただのチンピラなのになぜか感情移入してしまう…。あ、あと2回目観ると「あ、ここでこいつら会ってたやん!」とかいうのがちょくちょくあって、どんどん脳の中で物語が結線されていく感じで興奮する。作画的には個性がバリバリ出てる三原三千夫さんの3話(「ばあさんの記憶の部屋」)とウニョンさんの4話(「憧れの星アビパ」)が印象深いです。好き放題やってる感あって。12話の展開は風呂敷をものすごい勢いで畳んでる(畳みきれてない)のでちょっと消化不良感ありましたけど、まあ、そこも湯浅監督っぽくて良いですよね(信者)。”]

まとめ

 最終日に観た『リズと青い鳥』がまあとにかく良かったですね!アニメに抵抗がなければみんな観て!来月はとりあえず『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』(もう観た!2018年5月2日現在)。あとあんまり期待してないけど『GODZILLA 決戦機動増殖都市』。小説(プロジェクト・メカゴジラ)は面白かったけどなー。あとウェス・アンダーソンの新作ストップモーション『犬ヶ島』は楽しみ。週末は名画座に居座る予定です。そんな感じで。