映画レビュー

すいちくが選ぶ2014年ベスト映画125!

投稿日:2015年1月3日 更新日:


best125_of_2014_

 こんにちわ。すいちくです。正月三が日ももうすぐ終わろうとしていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
 さて、映画クラスタでは毎年恒例の(といってもこのサイトでは最初ですが)、2014年新作映画のベスト10…ですが10個だけじゃあ物足りない!と思いまして、今回は昨年見た新作映画全125作品についてランキングを作ってみました!全コメント付きです!
 いやあ、最初はこんなこと想定してなかったので、思い出して書くのが大変でしたね。まあ、素人の戯言だと思って読んでいただくも良し、これからリバイバル上映やらレンタルやらで視聴される際の参考にされるも良し。よろしくどうぞ。

対象作品について

 対象となる作品は以下の3つのカテゴリーです。
 ①2014年1月1日から2014年12月31日までに本邦で劇場初公開された作品。
 ②ビデオスルー作品で、特別上映等(オールナイト、映画祭)で上記の期間内に初めてスクリーンで上映された作品。
 ③各種映画祭で本邦にて初めて上映された作品。
 ③については結構悩んだんですよね。いろいろな人のベスト10とか見てると映画祭は別枠で勘定している人もかなりいらっしゃいましたし。ただ、配給が決まっていればいいのですが、もしかしたらこれが日本で最初で最後の上映かもしれない、ということで入れさせていただきました。②もねー、微妙なとこですよねー。主にアサイラムフェスティバルの作品なんですけど。そういった意味では純粋に2014年一般劇場向けに公開された作品は100本くらいです。

評価の基準について

 基本的には「どうしようもない連中がどうしようもない世界でもがきつつなんとなく生きていく」そんな感じの映画の評価が高めになります。一方でアクション映画とヒーローものの評価は低めになります。普通に楽しんではいるのですが。
 それと、SFめんどくさいおじさんなので気に入ったSF映画の評価は高くなりますが、気に食わない作品は評価低めになります。めんどくさいですね!
 別枠で頭のおかしいアニメとB級〜Z級映画(アサイラムなど)の評価は5割増しくらいになりますが、そもそもそういう作品はスクリーンにかからないので無問題。今年は「アサイラムフェスティバル」とかいう頭のおかしいイベントがありましたが。

 あ、いまさらですけど、ちゃんと順位付けしてあるのは30位くらいまでで、31位から120位くらいまでは同率31位くらいの勢いで、点数で言うと100点満点で60点くらいです。まあ、だいたい面白かったってことですな。一応、「コレとコレならこっち!」みたいな感じで31位以下も順位つけてはおりますです。
 
 ちなみに去年のベスト10はこんな感じです→ 1

 ま、クソ映画枠が上位にいたり、みんな大好き『インターステラ―』の順位が低かったりしますんで、お好きな作品が100位くらいにいても「映画見る目がねえなw」と笑っていただければいいかと存じます。

 ※サムネクリックで予告編がポップアップします

ベスト10はこの10本!

1

神々のたそがれ [神様はつらい]  Трудно быть богом [Hard to Be a God]177 min


 結局、この作品が今年最高の映画体験になりました。と言っても視聴環境は劣悪でしたが(笑) 東京では「イメージフォーラム・フェスティバル2014」で計2回上映で2回ともなんとか見れましたが、いやー、つらかった。会場が新宿のパークタワーホールだったんですが、画面は小さくかなり遠くにある上に、上方にあるおかげで首を常に上向きにしないといけないというね。そして上映時間3時間弱!前の人がちょっと背筋伸ばすともう画面の五分の一が見えないのが実に厳しい。神様もつらいけど俺様もつらいぜ。

 内容はといいますと、「地球の中世クラスの文明を持つ惑星アルカナルに地球から調査団が派遣される。彼らがそこで見るものとは…。」と書くと壮大なハードSFを想像しますが、実際はバカな現地人と死体と泥とうんこに囲まれて右往左往するドン・ルマータ(レオニド・ヤルモルニク)の悲哀を描いた一大歴史叙事詩(の一部)。アレですね、蟻の巣を観察する感じの映画。でもその蟻って俺達の事なんだぜ、っていう。ドラえもんに例えると、四次元ポケットを奪われたドラえもんがIQ10くらいののび太、ジャイアン、スネオ、しずかちゃんに囲まれて不毛な日々を過ごすほのぼの日常もの。ちなみにIQ25くらいの出来杉君は処刑されてます。

 脚本といっていいのか、取り留めもない様々なものごとがただ淡々と起こり混乱を増していく。画面は常に大混乱で、様々なものが(意図的に)視線を遮る。あまりにも無様な死に方をするデブとかラストの雪原のフルートの音色、壊れかけのメガネなんかが印象的。この映像密度は堪えられない素晴らしさですね。モノクロだというのに。長回しのシーンもすごくいい。だいたい長回しなんだけど(笑)
 来年の3月からユーロスペース(渋谷)でロードショー決まったのは嬉しいニュース。でも早くアレクセイ・ゲルマンコンプリートBlu-rayBOX出して下さい。お願いします!

監督:アレクセイ・ゲルマン
音楽:ビクトル・レベデフ
脚本:アレクセイ・ゲルマン/スベトラーナ・カルマリータ
撮影:ウラジミール・イリイン/ユーリー・クリメンコ

出演:レオニド・ヤルモルニク/アレクサンドル・チュトゥコ/ユーリー・アレクセービチ・ツリーロ/エフゲニー・ゲルチャコフ/ナタリア・マテーワ

2

ほとりの朔子  Au revoir l'été125 min


 脂が乗りに乗ってる(物理的な意味ではない)二階堂ふみのフレッシュさも素晴らしいが、手探り状態の人間関係が徐々に濃密になっていくストーリーが実に魅力的。うらぶれたラブホを経営する兎吉おじさん(古舘寛治)もカッコいいし、西田先生(大竹直)はクズだし、海希江おばさん(鶴田真由)も麗しい。そしてこの微妙な三角関係の3人の大人をほとりから俯瞰する朔子(二階堂ふみ)。18歳という微妙な年齢を「ほとり」と表現したのはとてもしっくりくる。辰子(杉野希妃)のお誕生日会の惨劇、そしてそれを横目で見る朔子のほくそ笑む表情が印象的。

監督:深田晃司
音楽:Jo Keita
脚本:深田晃司
撮影:根岸憲一

出演:二階堂ふみ/鶴田真由/太賀/古舘寛治/大竹直/杉野希妃/小篠恵奈
 
3

コーヒをめぐる冒険  Oh Boy85 min


 ドイツの新鋭、ヤン・オーレ・ゲルスターの初監督作品。白黒である。モラトリアムでちょっとアンニュイな青年ニコ(トム・シリング)がコーヒーを求めてベルリンの街を彷徨う…。まあ、実際はコーヒーを求めてるわけではなくて、コーヒーというのはこの青年の間の悪さ、タイミングの悪さを表すための小道具なのですね。売れない友人のマッツェから、かつての同級生ユリカ、酒場で戦争体験を語る酔っぱらいフリードリヒ、ニコが出会うベルリンの人々は誰も彼も一癖ありつつ愛おしい。アパートの上の階のカールとか、人ごとでない感じがして好きだなあ。そんな一日を過ごしつつも、ニコはそれほど成長しないのですね。リアルである。そんなこんなを静かなジャズの音色が彩る。見て速攻でサントラ買うくらい音楽は良かった。

監督:ヤン・オーレ・ゲルスター
音楽:ザ・メジャー・マイナーズ/シェリリン・マクニール
脚本:ヤン・オーレ・ゲルスター
撮影:フィリップ・キルサメル

出演:トム・シリング/マルク・ホーゼマン/フリデリーケ・ケンプター/ユストゥス・フォン・ドーナニー/ウルリッヒ・ノエテン/ミヒャエル・グビスデク

4

VHSテープを巻き戻せ!  Rewind This!91 min


 VHSネタだけでここまで語るのはすごいなあ。今年のベストドキュメンタリー映画。映像が目を引くとかコンセプトが斬新とかでは全くなくて、いろんな人がVHSというメディアに対する記憶や現在進行形の取り組みをただひたすら語る、それだけの映画なのに、これほどまでに惹きつけてやまないのは何故だろう。

 テーマはVHS vs ベータ、C級ビデオ映画の氾濫、AVの誕生、パッケージ・アートのお話、VHSコレクター、自主制作などなど多岐にわたり、それが完全にシームレスに淡々と語られ続ける構成は実に巧み。「ビデオのスジ」の話でゲラゲラ笑える。語るのはトロマのカウフマン御大からバクシーシ山下さん、押井守監督、アメリカのビデオ店経営者、手作り自主制作映画監督であるデビッド・ロック・ネルソンさんまで実に多彩。この最期に出てくるデビッド監督が本当にいいおっさんでしてねー、還暦間近にもかかわらず手作り感あふれるチープな映像を量産してるんだけど、「俺より若いのに作れないとか言うな!」「金が無いとか言い訳するな!」「とにかく作れ!」とものすごいガッツとメッセージ性が強い人で、実に実に印象深い。

 ちなみに、シネマカリテの「カリテ・ファンタスティック!・シネマコレクション2014」で監督トークショー付きで見て、そのあと新文芸坐オールナイトの「VHS時代を巻き戻せ!」(10月4日) 2 でも見たわけなのですが、アップリンク(配給元)で買ったビデオカセット型前売り券(!)は結局使わなかったという…。あと、カリテの監督トークショーでは、「劇中での押井監督がなにを言ってるのかわからなかったので解説してください」という質問で爆笑w

監督:ジョシュ・ジョンソン




出演:アトム・エゴヤン/ジェイソン・アイズナー/フランク・ヘネンロッター/ロイド・カウフマン/カサンドラ・ピーターソン/押井守/高橋洋/千葉善紀/藤木TDC/中原翔子/いまおかしんじ/バクシーシ山下

5

旅人は夢を奏でる  Tie pohjoiseen113 min


 どこか大人になりきれないでいるピアニスト、レオ(ベサ=マッティ・ロイリ)の元に絵に描いたようなクズ親父・ティモ(サムリ・エデルマン)が35年ぶりに現れる。で、この2人が盗んだ車で走りだすロードムービーなわけですが、とにかくこのおっさんたちのキャラクターがとても良い。イケメンピアニストで若干小心者の典型的小市民のレオが、パスポート偽造やスーパーでの万引きなども日常的に行うノーテンキ社会不適合者であるティモという全く正反対の人格に次第に引き寄せられていく通過儀礼的構造の物語。モノ(物理)を捨て去ることでクライマックスに向かっていくカタルシスもいいですね。血と音楽というもので結びついた2人のセッションがとても印象に残ります。フィンランドの、寒く乾いた情景もよく合いますね。

監督:ミカ・カウリスマキ
音楽:カイホン・カラバーニ/サムリ・エデルマン/イラリ・エデルマン
脚本:ミカ・カウリスマキ/サミケスキ・バハラ
撮影:ヤーリ・ムティカイエン

出演:ベサ=マッティ・ロイリ/サムリ・エデルマン/マリ・ペランコスキ/ペーテル・フランツェーン/レア・マウラネン/イーリナ・ビョルクルンド

6

ジャッジ!  105 min


 まさかの大穴、今年の邦画の大傑作コメディ。おなじみ妻夫木聡がバカ正直な広告代理店社員として突っ走る。ギャンブル狂の北川景子、なぜかインドネシア人役で出てくる荒川良々、ゲスくてクズくて最高にイカしてる業界人・豊川悦司、そしてやっぱり良い所をかっさらっていくトリックスター的な役どころのリリー・フランキー、と脇を固める俳優陣も実に良い!エースコックの「きつねうどん」のバカバカしいCM(「ニャー」じゃねえよ!w)から始まる物語ながら、「審査するとはどういうことか」「真に良いものとは何か」というテーマもキチンと突き詰めていて好印象。まあ、最後はファンタジーの世界なのだけど、映画の中くらいご都合主義でもいいじゃない!

監督:永井聡
音楽:平沢敦士
脚本:澤本嘉光
撮影:野田直樹

出演:妻夫木聡/北川景子/リリー・フランキー/鈴木京香/豊川悦司/荒川良々/玉山鉄二/玄里

7

メルボルン  Melbourne91 min


 東京国際映画祭にて。
 オーストラリア(メルボルン)への留学の準備で忙しい新婚カップル。しかし、そこに彼らを揺るがす大事件が勃発する。この「事件」というのがなんなのか、というのが肝なので、絶対にそこはネタバレできないのだけど、テロリストが部屋を占拠するでもなく、爆弾を発見するでもなく、夫の浮気が発覚するでもなく、ここまでの恐怖を演出した監督の手腕に拍手。しかも、この恐怖は物語を終えた後にも続く…。それは、我々の過ごす日常に潜在的にある恐怖であって、シームレスに繋がる非日常だからだ。解決方法は、いわば「エクストリームたらいまわし」とでも言うべきもので、全く解決していないし、恐怖は伝染する。
 マンションの一部屋だけを舞台にしたワンシチュエーション・サスペンスながら、様々な人々が出入りする様を描き、携帯電話を多用することで現代イランの日常の一側面を切り取ったのも面白い。けたたましい携帯電話と、ドアベル、車の盗難防止ブザーによって分断される会話や関係性。デジタルカメラ一台で撮ったというこの作品が処女長編というイラン映画のレベルの高さよ!

監督:ニマ・ジャウィディ

脚本:ニマ・ジャウィディ


出演:ネガル・ジャワヘリアン/マニ・ハギギ/シリーン・ヤズダンバクシュ/ロウシャナク・ゲラミ

8

リアリティのダンス  La danza de la realidad130 min


 アレハンドロ・ホドロフスキー監督の最新作。85歳でこれかー。普通に天才じゃん。監督の幼少時の自伝的作品、なんだけど後半から父・ハイメ(ブロンティス・ホドロフスキー)の信仰をめぐる冒険譚になっていく。で、この父のエピソードの方が抜群に面白い。ハイメは資本家ながら隠れ共産党員でして、当時のチリの独裁政権の親玉であるところのイバニェス大統領の暗殺に出かけるんですが、ひょんなことから大統領の馬の世話係になり…。独裁者の人間的側面に触れ、老馬丁と馬、様々な人の死に直面し、記憶を失い、障害を与えられ、帰り着いた我が家で敬愛するスターリンへの信仰を打ち砕かれる。通過儀礼というよりは生まれ変わり。そして、幼いアレハンドロとハイメを受け入れる、慈愛に満ちた母・サラ(パメラ・フローレス)はオペラ調に喋り、アレハンドロを父の生まれ変わりだと宣う。彼女が、ペストに感染したハイメを癒やす場面は驚かされるとともに、その後の物語の展開を考えると非常に象徴的な場面だと感じた。山から降りるペスト患者の黒い傘、打ち上げられる大量の魚、赤い靴、不具者たち…。ホドロフスキーの記憶の中を漂う幻視に満ちた物語。

監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
音楽:アダン・ホドロフスキー
脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー


出演:ブロンティス・ホドロフスキー/パメラ・フローレス/イェレミアス・ハースコビッツ/アレハンドロ・ホドロフスキー/バスティアン・ボーデンホーファー/クリストバル・ホドロフスキー/アダン・ホドロフスキー

9

そして泥船はゆく  And the Mud Ship Sails Away88 min


 今年、唯一立ち見で見た大傑作コメディ。一週間限定1日1回@新宿武蔵野館はキツイですね…。
 完全に無気力な無職のおっさんが何もない地方都市で何もしない日常を送るオッサン版『もらとりあむタマ子』!坂井さんちのタマちゃんの方がまだ希望があるよ。若いし。こっちの平山さん(達志(渋川清彦))はもう40ですからねー(36だよ!)。このクソみたいなおっさんを軸に、腹違いの妹とばあちゃんとちょっと真面目なダチと繰り広げるクソみたいな会話の面白さが絶妙!演劇出身の渡辺監督らしい引きの絵の中でごちゃごちゃやってるのも実に楽しい。野糞のあとの市長選立候補者とのやりとりとかね。あと監督の実の婆ちゃん(平山ミサオ)も良かったね。だんだん何言ってるか聞き取れるようになってくるの(笑)
 あと『そこのみにて光輝く』でも思ったけど、「地方都市のなにもない感」を出すのにパチンコ屋って最高の小道具ですね。「カーセックス!カーセックス!」「うっせ―死ね!」など名台詞多数!

監督:渡辺紘文
音楽:渡辺雄司
脚本:渡辺紘文
撮影:バン・ウヒョン

出演:渋川清彦/高橋綾沙/飯田芳/武田美奈/鈴木仁/羽石諭/戸田古道/平山ミサオ

10

楽園追放 Expelled from Paradise  104 min


 まあ、普通の萌えSF映画やろ…。と思って見に行ったらいい意味で裏切られたよ!あれですね、エンタメ成分多めにしたイーガンの『ディアスポラ』。物語自体は王道まっしぐらなのですが、拍子抜け、というか番狂わせの場面が多かったのも面白い。例えば、予告編で大活躍する機動外骨格のアーハンは序盤で早々に退場してしまうし 3、事件の目的である「フロンティアセッター(神谷浩史)」の正体もさしたる盛り上がりもなく中盤で明らかになってしまう。基本的には人間と電子パーソナリティと人工知能の共存についての話なのだけれど、その境目は極めて曖昧なのだということが中盤で示され、さらにいわゆる「楽園」とされるディーバに物理的限界があることが判明する。この部分は『ディアスポラ』のような、これまでの「電脳空間もの」で明確にされなかった設定で 4、とても良かった。その事実が語られるシーンの長さと、あまりにも説明的であるのには辟易したけど。タイトルは『楽園追放』なのだけれど、結局「楽園」なるものはそもそも存在せず、この限界のある野蛮な世界で生きていかなければならないのだ。
 また、もう一つの見方としては主人公であるアンジェラ・バルザック(釘宮理恵)の成長、あるいは身体性を取り戻していく過程の物語でもある。象徴的なのが食事にまつわるシーンで、最初はマテリアルボディにつきものの味気ない固形食料を食べているわけだけれど、風邪を引いて粥を口にし、うどんを食べるようになる 5。思えば、身体の延長である機動外骨格をどちらも失ってしまうのも印象的。生身の肉体を震わせるのは電子的信号ではなく、音波となってリアルワールドに顕現した生の音楽なのである。
 表現面で言うと、最近だと『Short Peace』の「武器よさらば」や『蒼き鋼のアルペジオ』を進化させたようなセルシェーディングの3DCG。初見で出てくるアンジェラの水着でセルアニメと全く遜色が無いことに驚く。モーションキャプチャーを使わないことで、キャラクターの動作もいわゆるCG的な重力を感じない動きとは一線を画したものとなってます。アンジェラはちょっと浮わついたような動きするけど。ハシゴを登る場面なんか、普通のセルだとあまり見ないようなシーンをさらっと描くんだもんなあ。後半にフロンティアセッターの「仁義です」のあとの吹き出すシーンの漫符的表現も印象的。実写的表現ならもちろんディズニーの方が上なんでしょうけど 6、いわゆる漫画的表現とフル3DCGという分野でのこれからの展開に期待が持てる作品でした。
 そして人間に近づきすぎた人工知能こと、フロンティアセッターさんは今年のベスト・ロボット・2014!彼は虚淵脚本で定番の「孤独」を表象するキャラクターでもあって、ようするに今年のほむらちゃんなのですね!仁義!

監督:水島精二
音楽:NARASAKI
脚本:虚淵玄


出演:釘宮理恵/三木眞一郎/神谷浩史
 

11から30位まで。傑作揃いです!

11

The Next Generation パトレイバー 第3章  96 min

予告編(ポップアップします)
監督:辻本貴則/押井守
音楽:川井憲次
脚本:山邑圭


出演:真野恵里菜/福士誠治/太田莉菜/堀本能礼/田尻茂一/しおつかこうへい/筧利夫/千葉繁/藤木義勝/波岡一喜/ベンガル/松本圭未/奥田恵梨華/丹古母鬼馬二/森若香織/神谷誠/西岡秀記/嶋田久作

 エピソード4「野良犬たちの午後」。コンビニを舞台にした立て篭もりと大銃撃戦。このためにコンビニ一見まるごと建てたと豪語するだけあって、ものすごいバカバカしくてものすごい楽しい!カップ麺が、熱々のコーヒーが、熱々のおでんたまご(夏なのに)が重機関銃の衝撃で弾け飛ぶ!前半パートの「ミイラ取りがミイラになる」くだりからコンビニの商品を貪り食うあたりもすごく楽しいし、後半のカーシャ(太田莉菜)大活躍のアクションパートまで一直線のテンポの良さ。テロリスト・鉢野役は『ライオン丸G』の波岡一喜で、如何にもなチンピラがよく似合う。
 エピソード5「大怪獣現わる 前編」は待望の押井守監督回にして、レイバー対怪獣の大立ち回りがついに!というお話なのだけど、そんなところは特に見るものがなく、最大の見所は市長の秘書役の奥田恵梨華さん!もうね、メガネでクールアンドビューティーで秘書でスーツっていう、最強じゃん!今年の主演メガネ賞ですわ。最後のサービス温泉シーン(舞台、熱海だからね)でもメガネ!いいぞ!松本圭未演ずる海洋生物学者がラーメンを作って食べる謎の長回し(古川登志夫と冨永みーなのラジオがかかってるのね)、舞妓が出てくる謎の長回し、スペシャルゲスト嶋田久作大先生の謎の役どころ(無駄遣い)、ガッ◯連呼(日活に許可とったの?w)、右往左往するレイバーキャリア、と見どころが多すぎて書ききれないくらいの大盛りだくさん!中身?特にないよ!怪獣は頭だけ出る。


12

神様なんかくそくらえ  Heaven Knows What93 min


監督:ジョシュア・サフディ/ベニー・サフディ
音楽:冨田勲
脚本:ジョシュア・サフディ/ロナルド・ブロンスタイン


出演:アリエル・ホームズ/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/バディ・デュレス

 東京国際映画祭にて。この作品がグランプリだったので2回観ることになったけど、重い。。。バッドエンドのNY版『ポンヌフの恋人』といった趣の作品。実話ベースなのだけど、主演のアリエル・ホームズの体験が元になっていて(!)、この女優を見出すことが出来たのが最大の収穫!物語は冨田勲のビビッドな電子音楽から始まり、ドラッグに溺れるその日暮らしの日々の虚しさ、逃れようもなく日常へと回帰する残酷さが徹底的にリアリスティックに描かれる。ハーリー(アリエル・ホームズ)のDV彼氏役のイリヤ(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)の諦念的な佇まいが印象的。ヤクの売人、マイク(バディ・デュレス)との薬をめぐるやりとりなど、どこかコミカルに描写されるが、現実的な残酷さ(その日のシノギが払えない、とかね)がそこに容赦なく覆いかぶさってくる。

 ちなみに、この作品、東京グランプリなのに予告編とか全くyoutubeにも落ちてなかったんですよね…。なので予告編とサムネは無しです。

 
13

フランシス・ハ  Frances Ha86 min

予告編(ポップアップします)
監督:ノア・バームバック
音楽:ジョージ・ドレイコリアス
脚本:ノア・バームバック/グレタ・ガーウィグ


出演:グレタ・ガーウィグ/ミッキー・サムナー/アダム・ドライバー/マイケル・ゼゲン/パトリック・ヒューシンガー

 「モダンダンサーを目指すバカな女子がすごく成長していくストーリー」だと思って見にいくと見事に裏切られる。物語が終わってもフランシスがアホのままであるのは、タイトルにもなっている最後のシークエンスが饒舌に語っている。ただ少し、周囲の人々、そして見えっ張りな自分と折り合いをつけていく。そうして人は少しずつ変わっていくのかもしれないし、それでいいのだ、と言うことを教えてくれる映画。僕は「主人公が成長しないから駄作」という評価がものすごく苦手で、そういった意味では大好きな映画である。今年見た中では『コーヒーをめぐる冒険』にとても似ている。モノクロだし、主人公は…あー、『コーヒー~』のニコは別にバカじゃなかったわ。
 見栄を張ってパリまで行ってしまうフランシスの愚かさと愛おしさは誰の中にもあるんです。


14

グランド・ブダペスト・ホテル  The Grand Budapest Hotel100 min

予告編(ポップアップします)
監督:ウェス・アンダーソン
音楽:アレクサンドル・デプラ
脚本:ウェス・アンダーソン


出演:レイフ・ファインズ/F・マーレイ・エイブラハム/マチュー・アマルリック/エイドリアン・ブロディ/ウィレム・デフォー/ジェフ・ゴールドブラム/ハーベイ・カイテル/ジュード・ロウ/ビル・マーレイ/エドワード・ノートン/シアーシャ・ローナン/ジェイソン・シュワルツマン/レア・セドゥー/ティルダ・スウィントン/トム・ウィルキンソン/オーウェン・ウィルソン/トニー・レボロリ

 「ザ・ウェス・アンダーソン」といった貫禄の大傑作。その画面構成と同じく安定感がハンパないものの、昨年の『ムーンライズ・キングダム』と比べるとストーリーはなかなかにビターである。象徴的なのが、劇中で出てくるメンデルのケーキで、ピンク色の包装と甘いクリームは色んなアブナイものを隠すための糖衣でもあるのですね。そういえば、物語の構造も入れ子式。
 タイトルからはかの名作『グランドホテル』を連想させるものの、基本的には一流ホテルのスーパーコンシェルジュ、ムッシュ・グスタフ・H(レイフ・ファインズ)とその弟子・ゼロ(トニー・レヴォレリ)の数奇なる冒険を軸に語られる、寓意的物語。滑稽極まりない牢獄脱出活劇があるかと思えば、凄惨な殺人劇があり、ケーキが焼きあがるかと思えば猫は窓から投げられる。禍福は糾える縄の如し。そして、それら全てを覆い尽くす戦争の影。忌まわしい鉤十字(劇中では違うけど)がピンクにデコられるシュールさ。
 歴史の一コマとして物語が閉じていくあのラストの余韻もまたとても良いのです。


15

5つ数えれば君の夢  85 min

予告編(ポップアップします)
監督:山戸結希
音楽:Vampillia
脚本:山戸結希
撮影:鈴木一博

出演:山邊未夢/新井ひとみ/庄司芽生/小西彩乃/中江友梨/大和田健介/

 今年であった素晴らしい映画監督の一人が山戸結希さん。20代らしいフレッシュな感性の言葉がナイフのように突き刺さる!とにかくね、ブラコンの委員長(中江友梨)が文化祭前日にお兄ちゃんと戸口で淡々と話すシーンが最高に良いんですよねー。ワンシーンなら今年ベストかも。長回しでね。ちょっと押井守を彷彿とさせるくらい長いんだけど、そこで紡がれる言葉がとても詩的でして。年末に見た『おとぎ話みたい』で確信したんだけど、山戸結希という作家は映像センスも抜群だけど、言葉の映画作家なのですね。自分の中では長野まゆみ先生あたりと連なる感じ。それから、不思議少女・りこ役の新井ひとみさんのどこかねばっとしたような独特の存在感も良かった。まあ、「全シーン全カット必見!」というコピーはあながち間違ってない。


16

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌  Inside Llewyn Davis104 min

予告編(ポップアップします)
監督:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
音楽:T=ボーン・バーネット/マーカス・マムフォード
脚本:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
撮影:ブリュノ・デルボネル

出演:オスカー・アイザック/キャリー・マリガン/ジョン・グッドマン/ギャレット・ヘドランド/F・マーレイ・エイブラハム/ジャスティン・ティンバーレイク/スターク・サンズ/アダム・ドライバー

 まさかのループもの(笑) 猫が可愛く、主人公は程よいクズ(妊娠したセフレ(既婚)に「中絶費用は出せねえ(ていうか金ないし)」)。オスカー・アイザック演ずるルーウィンが実に魅力的なダメ男で、クズといえばクズなのだけど、自らの音楽性に妥協しないところなど素晴らしくアーティスト。ヒッチハイクして辿り着いた大物プロデューサー、グロスマン(F・マーレイ・エイブラハム)とのソロオーディションの場面は光の具合(エイブラハムに後光がさす!)、その中を埃が舞う、音楽が流れ出す、で、エイブラハムが一言「金の匂いはせんな」。ここすごく良いシーンだなあ。そして、この大物にも妥協しないルーウィンはこれからも淡々と同じような日常を送るのだ、ということを暗示するラストの余韻。いい映画です。


17

そこのみにて光輝く  120 min

予告編(ポップアップします)
監督:呉美保
音楽:田中拓人
脚本:高田亮
撮影:近藤龍人

出演:綾野剛/池脇千鶴/菅田将暉/高橋和也/火野正平/伊佐山ひろ子/田村泰二郎

 ものすごくしんどくて、ありえないほど救いがない映画。いや、全く救いがないわけではないのだけれども。とにかく、この映画の世界を覆い尽くす倦怠感というか、どん詰まりの中でもがく感じは今年見た映画の中でベスト級ですね。特に千夏(池脇千鶴)と拓児(菅田将暉)の暮らす掘っ立て小屋のあの感じねー。襖の奥には得体の知れないモノいて(身内だけど)、最後にそこを開けちゃうのがまたね、あー、悪夢は続くよどこまでも、現実だけどな!っていうね。つらい。菅田将暉の空回りする明るさがドン底ぽさに拍車をかけるぜ。そして、主演の綾野剛の無気力さ!これ絶品ですよ。彼の過去のトラウマを強調しすぎないのも良かったね。夏映画だけど、全然夏らしさがなくて、寒々しい函館の海が冷たく映るのである。


18

ホドロフスキーのDUNE  Jodorowsky's Dune90 min

予告編(ポップアップします)
監督:フランク・パビッチ
音楽:カート・シュテンツェル



出演:アレハンドロ・ホドロフスキー/ミシェル・セイドゥー/H・R・ギーガー/クリス・フォス/ブロンティス・ホドロフスキー/リチャード・スタンリー/デバン・ファラシ/ドリュー・マクウィーニー/ゲイリー・カーツ/ニコラス・ウィンディング・レフン/ダン・オバノン

 御年85歳になるホドロフスキー先生が饒舌に喋りまくり、ガツンと元気をくれるすげー楽しいドキュメンタリー。実現しなかった超大作SF映画『DUNE』(砂の惑星)をめぐる話で、「魂の戦士たち」を集めるくだりが実に楽しい。「失敗したことも含めてイエスだっ!」と断言するホドロフスキーの力強さ。絵コンテの中に入っていくような演出もクールだ。『リアリティのダンス』とセットでみると楽しさ倍増!


19

たまこラブストーリー  83 min

予告編(ポップアップします)
監督:山田尚子
音楽:片岡知子
脚本:吉田玲子


出演:洲崎綾/田丸篤志/金子有希/長妻樹里/山下百合恵/日高里菜/藤原啓治/日笠陽子/西村知道/

 「デラちゃんとは一体何だったのか…」と思わせる実に出来のいい青春恋愛映画。普通の映画が「告白」というイベント自体を描くのに対して、この作品はそのアフターを描いている。ストーリーの骨幹はドストレートで、もちろん、結末はわりとわかりきっているのだけれど、そこに至るまでのたまこ(洲崎綾)ともち蔵(田丸篤志)、そして2人の周りの人々の描写の丁寧さが素晴らしく、それだけで快感。糸電話のくだりとか、TVシリーズで出ていたモティーフを深く掘り下げるのも良かった。黒板から零れ落ちるチョークの粉を描く繊細さと、中盤の商店街でドギマギするたまこのような漫符的表現の共存は、アニメーションという表現の可能性を感じましたね。


20

解放区  Fragile111 min


監督:太田信吾
音楽:abirdwhale
脚本:太田信吾


出演:太田信吾/本山大/SHINGO☆西成/琥珀うた/山口遥/佐藤亮/青山雅史

 東京国際映画祭にて。
 大阪西成区あたりを舞台にしたドキュメンタリータッチのコメディ。主人公のテレビ局AD須山くん(太田信吾)がベスト・クズ・オブ・2014すぎてつらい。「障害者手帳、あります?生活保護とかもらってるんでしょう?」「もっと搾取しなきゃ~(笑顔)」なんて台詞、なかなか出てこないよ(笑)
 コミュ障の本山さん(本山大)が成長していく物語かとおもいきや、エリート気取りの須山くんが西成の闇、世界のどん底に転落してくお話なのですね。その自尊心故に日銭を稼ぐために日雇い労働に身を落とす場面での現場の人々とのやりとりのリアルさとエスプリの効いた現場監督の返しにゲラゲラ笑う。須山、みじめ!
 もちろん、そういうコメディ的な側面もありつつ、西成という特殊な土地の現実を切り取るドキュメンタリー的な要素も内包していて、だから画面に映る人のほとんどはそこに実際にいる人だったりもする。
 ラストの走って終わるという疾走感も良かったのだけど、あそこで出てくるヤクの売人、ムショ帰りの本職だそうで…(笑)それも監督がたまたま声をかけたたこ焼き屋のおっちゃんだったというから驚き。本山さんも素人だしね。そういう裏話もすごく面白い作品でした。

 ちなみに、この作品も『神様なんかくそくらえ』と同じく、予告編無いです。。。また上映してくれないかなあ。

 
21

フリー・フォール  Szabadeses89 min

予告編(ポップアップします)
監督:パールフィ・ジョルジ
音楽:アモン・トビン
脚本:パールフィ・ジョルジ


出演:モルナール・ピロシュカ/ベネデク・ミクローシュ/ヨルダン・タマーシュ/ヤンコビッチ・クリスタ/ゲラ・マリナ/ゴストニ・チャバ/チェンゲリ・ダーニエル

 東京国際映画祭にて。
 ババアの防御力が高すぎる件。マンションの各部屋に潜む非日常を描いた作品で、冒頭はこのババアが屋上から飛び降りる…。とここまで書くと「あー、ばあさんが地面に激突するまでに回想的なイメージで各部屋の様子を描くのね」とお思いでしょうが、そこをいきなり裏切るのが最高にクール!各話の印象を簡単に書くとですね…。第0話「うちのババアの防御力が高すぎる件」第1話「いしのなかにいる」第3話「全裸パーティー」第4話「俺のワイフがこんなに不衛生なわけがない」第5話「ハンガリアンホームドラマ」第6話「胎児逆流」第7話「牛がいる」第8話(エピローグ)「やっぱりババアは固かった」。第4話はSFチックなところもそうですが、全裸でサランラップぐるぐる巻のカップルがセックスするというかなり珍しいファックシーンが見れる上にゴキブリとショットガンが大活躍するので必見です。早く配給決まらないかなあ。


22

荒野の千鳥足  Wake in Fright109 min

予告編(ポップアップします)
監督:テッド・コッチェフ
音楽:ジョン・スコット
脚本:エヴァン・ジョーンズ


出演:ドナルド・プレザンス/ゲイリー・ボンド/チップス・ラファティ/シルビア・ケイ/ジャック・トンプソン/ピーター・ウィットル/アル・トーマス

 今年のベスト麦酒飲み放題映画。『ワールズ・エンド』も飲み過ぎだと思ったがこっちの方がはるかに飲んでる。水がわりに飲んでるイメージ。
 田舎教師のゲイリー(ジョン・グラント)がひょんなことから不思議な町に迷い込む、酒飲みおっさんしかいない『不思議の国のアリス』。白ウサギは警官のジョック(チップス・ラファティ)だし、イカレ帽子屋はドク(ドナルド・プレザンス)。出ようとしたらとんぼ返りだったり、ラストの何事もなかったかのように現実に戻っていく感じも夢か現か幻か、といった風情でとても良い。ビールと博打とビールとおっさんの裸とビールとカンガルー狩りと、そしてビール!ビール!ビール!そんな素晴らしい映画。
 見終わった後は、カンガルーがかわいそうだな―。と思いつつカンガルー肉とビールで乾杯するのである。現実は非情だ。


23

アバウト・タイム 愛おしい時間について  About Time124 min

予告編(ポップアップします)
監督:リチャード・カーティス
音楽:ニック・レアード=クロウズ
脚本:リチャード・カーティス


出演:ドーナル・グリーソン/レイチェル・マクアダムス/ビル・ナイ/トム・ホランダー/マーゴット・ロビー/リディア・ウィルソン/リンゼイ・ダンカン/リチャード・コーデリー/ジョシュア・マクガイア/ウィル・メリック/バネッサ・カービー/トム・ヒューズ/キャサリン・ステッドマン

 今年も家族を描いた映画を多く見ましたが、その中でも特に優れた作品だと感じました。主人公の一族は男のみがタイムリープできる特殊能力持ち。だから最初は『サマータイムマシンブルース』を彷彿とさせるようなおバカコメディ映画に見えるんですよね。特に童貞捨てるシーンを延々と繰り返すとことか。人生のいろんな局面をこまめにやり直して、最高の人生を作り上げるティム(ドーナル・グリーソン)。人生バラ色、甘ちゃん人生である。
 ところが、ところがですよ、『ジョジョ』で言うと各部のラスボス級のこの能力に弱点があることが判明するのです。そして、ここから作品の様相がガラッと変わり、家族と時間をめぐる物語へと突き進んでいく。この「制限」がどういうものかはネタバレなので語りませんが、ざっくり言うとに人生は思い通りにはならないということなんですね。同じ能力を持つ父(ビル・ナイ)ともいつかは別れの時が来るのです。このことを認識した時、苦悩の果てにティムがどのような選択をとるのか。ぶっちゃけて言うと、この話は彼が「時間の繰り返し」を止めるまでの物語なのですが、それはある意味で日常への回帰であり、また彼自身の成長物語なのかも。


24

イントゥ・ザ・ストーム  Into the Storm89 min

予告編(ポップアップします)
監督:スティーヴン・クォーレ
音楽:ブライアン・タイラー
脚本:ジョン・スウェットナム


出演:リチャード・アーミテージ/サラ・ウェイン・キャリーズ/マット・ウォルシュ/アリシア・デブナム・ケアリー/アーレン・エスカーペタ/マックス・ディーコン/ネイサン・クレス/ジェレミー・サンプター/リー・ウィテカー/カイル・デイビス/ジョン・リープ

 モキュメンタリータッチの竜巻コワすぎ映画。FFとかの風属性魔法でエアロとかあるじゃないですか、あんなん別に強くないっしょ、という慢心を打ち砕いてくれましたね。風属性、怖いよ!これはねー、本当に劇場で見ておいて良かった映画ですよ。高校の屋根が剥ぎ取られていく光景も凄まじいけど、クライマックスの2つの巨大竜巻が合体した超々巨大竜巻の場面では家はおろか飛行機もバンバン飛ばされてますからね。怖すぎ。言葉で言ってもあんまり伝わらないけど!
 高校教師の父とその息子たち、犬飼ってる爺さん、竜巻を追うストーム・チェイサー、そして馬鹿すぎるyoutuber!と登場人物も適度に濃厚。ストーム・チェイサーの乗る特殊車両のクラタスがカッコよすぎるのでそれだけで100億点くらいっすかね。あと、ファイアストームのとこは、「ベスト・オブ・嫌な死に方・2014」。


25

オール・ユー・ニード・イズ・キル  Edge of Tomorrow113 min

予告編(ポップアップします)
監督:ダグ・リーマン
音楽:クリストフ・ベック
脚本:クリストファー・マッカリー/ジェズ・バターワース/ジョン=ヘンリー・バターワース


出演:トム・クルーズ/エミリー・ブラント/ビル・パクストン/ブレンダン・グリーソン/ノア・テイラー/キック・ガリー/ドラゴミール・ムルジッチ/シャーロット・ライリー

 トムがほむらちゃんになるお話。中盤のロックマン感(死んで覚える系)と「はい、もう一回行ってみよー」な感じの編集が完全に繰り返し系コメディであって、人が死んでるのにゲラゲラ笑える楽しい戦場SF。緊張感全くねーな、と思いきや、残り20分くらいから圧倒的な緊張感が襲ってくる。無限1upしてたのにいつのまにか残機1みたいな。限界がないように思えた能力に実は制約があった、というあたりは『アバウト・タイム 愛おしい時間について』でも出てきますね。砂浜マップは覚えゲーなので、中盤からはトムが無双するのも見ていて爽快。時間ループのSF設定については若干雑な感じするけど、まあそういう生き物もいると思えば…。テレビゲーム感覚が楽しいSF映画。


26

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版  80 min

予告編(ポップアップします)
監督:白石晃士

脚本:白石晃士


出演:大迫茂生/久保山智夏/白石晃士/宇賀神明広/小明/金子二郎/大畠奈菜子/金子鈴幸

 新文芸坐オールナイト「禁断の6作一挙上映! 『コワすぎ!』発狂オールナイト」にて。余談ですが、このオールナイトもvol.1の口裂け女からお岩さんまでぶっ通しでみて、その後に劇場版という素晴らしいオールナイトでした。しかも「口裂け女」は田代カメラマン(白石監督)、工藤D(大迫茂生)、市川AD(久保山智夏)の生コメ付きですよ!ワーオ!
 さて、この劇場版ではあの大人気ドラマ『TRICK』シリーズに喧嘩売るような感じで物理学の先生(金子二郎)とサブカルタレント(小明)を連れてタタリ村とやらに行くスペシャルな回 7。あ、あとみんな大好き道玄先生(宇賀神明宏)ね。タタリ村でのあれこれも楽しいが、ハイライトは防衛庁幹部を金属バットで襲撃するくだり。やっぱり工藤Dはこうでなくっちゃな!
 後半の、これまでばら撒かれてた伏線が回収されていくのも気持ちいいですね。いや、絶対放置されるやつだと思ってたましたし。工藤Dの出生の秘密とかね。しっかし、コレこの後の続編どうするんだよ…。今撮ってるというニュースは聞いてますが…。期待。
 まあ、何が言いたいかって言うと、「髪の毛は強い!」(←結論)。


27

イコライザー  The Equalizer132 min

予告編(ポップアップします)
監督:アントワン・フークア
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
脚本:リチャード・ウェンク


出演:デンゼル・ワシントン/マートン・チョーカシュ/クロエ・グレース・モレッツ/デビッド・ハーバー/ビル・プルマン/メリッサ・レオ

 いたって普通の生活を送るサイコパスのデンゼル・ワシントンがハードカバーとかでロシアン・マフィアを皆殺しにする映画。みんな言ってるけど、「ゴメンネ(´・ω・`)」って言いながら殺るマッコールさんヤバかわ。ドアバタバタするのもいい。あと売りもんのハンマーで人殺っといて、血を拭って売り場に戻してるのにはクソワロタw せめて洗おうよ!行きつけのカフェでマフィアの手先をハードカバーで惨殺して、監視してたマフィア連中をスマホで撮影しながら通りすぎてくのも爆笑w クソうぜえな、あのハゲ。
 マフィア視点で見ると殺人事件を捜査する探偵物としても見れるし、ホワイトカラーのテディ(マートン・チョーカシュ)VS ブルーカラーのマッコール(ホームセンター勤務!)の階級闘争としても見れる。最後の決戦には乗合バスで行くぜ!ブルーカラーだからな!最後のネイルガンもブルーカラーらしくて実にカッコいいのです。


28

GODZILLA  GODZILLA124 min

予告編(ポップアップします)
監督:ギャレス・エドワーズ
音楽:アレクサンドル・デプラ
脚本:マックス・ポレンスタイン


出演:アーロン・テイラー=ジョンソン/渡辺謙/エリザベス・オルセン/ジュリエット・ビノシュ/サリー・ホーキンス/デビッド・ストラザーン/ブライアン・クランストン

 期待通りの大迫力。2回中1回は立川シネマシティの極上爆音上映で見たんですが、ゴジラの咆哮で席が振動して心臓に大変良くなかったです。地震でボロボロ崩れてく原発とか妙に都会で韓国ぽい響きの雀路羅市とかツッコミどころは多けれども、さすがに日本の原発事故から物語がはじまるのはどうかと思いましたね。とはいえ、ゴジラの造形の素晴らしさで全てどうでも良くなりましたが。ゴールデンゲートブリッジの場面で示されるゴジラの圧倒的なスケール感!放射熱線の発射プロセスがいい感じに!どこか脳天気なアメリカ軍人に混じって終始渋い顔の渡辺謙!最終兵器は懐中時計!リア充爆発しろ→ゲロで殺す、のあたりはやり過ぎだろ、と思いつつ、最後の海に帰っていってそのままエンドロールという構成には昭和あたりのゴジラ映画へのリスペクトを感じました。ムート―かわいい。


29

シャークネード  Sharknado88 min

予告編(ポップアップします)
監督:アンソニー・C・フェランテ




出演:アイアン・ジーリング/タラ・リード/ジョン・ハード/キャシー・スケルボ/ジェイソン・シモンズ

 シネマリテの「アサイラムフェスティバル」にて。
 大傑作サメ映画。サメが空を飛ぶ?飛ぶわけねーだろ落ちてくんだよ!ベチャってな!そんな映画。もちろん普通の鮫なので地面に叩きつけられて死にますよ!サメサンカワイソウ(´・ω・`) 大雨で水浸しになった町に、サメが巻き上げられた竜巻が襲来ってな感じの…文字に起こすとすごい設定だなおい。高台にあるはずの家が床上浸水してサメが入り込んできたりするのでまあそういう映画ですね。下も危険で上も危険というサメ映画的には画期的で非常に楽しい。安全地帯にいるはずが飛んできたサメで上半身持ってかれたりする(笑)椅子で戦うおっちゃんが早々に退場になったのは寂しかったな…。良いキャラなのに。あと、チェンソーは強い(確信)来年早々に続編の『シャークネード:カテゴリー2』もレンタル開始になりますぞ!要チェック!


30

劇場版gdgd妖精s…っていう映画はどうかな?  61 min

予告編(ポップアップします)
監督:菅原そうた

脚本:森りょういち/長部一幸


出演:三森すずこ/水原薫/明坂聡美/森夏姫/野沢聡/宮本崇弘/森りょういち/古川未鈴/相沢梨紗/夢眠ねむ/成瀬瑛美/最上もが/藤咲彩音

 これを劇場で流すその根性に敬意を評してこの順位でございます。頭おかしい(いい意味で)。ていうか劇場の大画面でシルシル(cv. 水原薫)の「ピクちゅわ~ん」が聞けただけで満足だよ!
 60分も何やるんだよ、と思って見に行ったら前半普通にアフレ湖とかやってて吹いたのだけど、後半はさすがに劇場版らしいことしてましたねー。ちゃんと前半のパートが伏線になってるのが良かった(良く考えたらそれもシルシルの思い込みだったわ…)。懸念してたでんぱ組incとの絡みもそれなりに盛り上がりましたし(「うちのピンクと交代しませんか?」のあたり良かったです。)、最後のお涙頂戴はご愛嬌。房子も活躍したしね。って、やっぱり最後の最後のオチはそれかよー。さすが期待を裏切らない!この調子で第3期を…。あと『直球表題ロボットアニメ』もイケんじゃね?

30位から下も普通に楽しめましたよ!

31

The Next Generation パトレイバー 第6章  96 min

監督:田口清隆/湯浅弘章

 エピソード10「暴走!赤いレイバー」。ついに警察用レイバーと軍用レイバーが対決!と思わせておいて、前半は年頃の男女が一つ屋根の部屋でドギマギする話だったりする(笑) ま、ご存知のように、本シリーズのパトレイバーはほぼ稼働できないという設定なので、レイバー同士の格闘戦とか、まあはなっから期待してないんですけどね(cv. 大林隆介)。敵のレイバーは旧ソ連の年代物。別に機体カラーが赤いとかではないので、若い人だとなんで赤なんだ、となりそうですが…。このエピソードの元になったと思われる、旧OVA(アーリーデイズ)の「特車隊、北へ!」ではごつい人型のブロッケン(赤)でしたが、こちらはクリスティー方式の多脚型。ちょっと脆いですが、重厚でかっこ良く、最後の決戦も(意外と)盛り上がりますねー。
 エピソード11「THE LONG GOODBYE」は明(真野恵里菜)の制服姿(回想)が可愛い回。いや、ドレス姿もいいですけどね。明が高校時代の元カレと再会する話ですが、若干トリッキーな脚本が面白い。吉田さん生牡蠣食い過ぎ。劇中の「さよならを言うことは、少しだけ死ぬことだ」はフィリップ・マーロウ原作の探偵映画、ロバート・アルトマン監督『ロング・グッドバイ』(1973年)から。横浜の老舗名画座ジャック&ベティも出るぞ!


32

365日のシンプルライフ  Tavarataivas80 min

監督:ペトリ・ルーッカイネン

 監督(主演)の全裸が出オチすぎるドキュメンタリー。マッパ 8 のペトリ・ルーッカイネン(監督)が雪が降り積もる深夜のヘルシンキを駆け抜ける!何も真冬にスタートしなくてもな… 9 。ルールは簡単で、①荷物を全て倉庫に預ける(だから最初は全裸スタート!)、②一日一個だけ取っていい、③一年間続ける、④一年間モノは買わない。とにかく、寒さ対策なので最初の2週間くらいはノーパンなのね(笑)。職場へもノーパンで行く。で、そうこうしているうちに彼女ができたり、冷蔵庫が故障したり、といろいろ事件が起きまして。知恵と工夫と人脈でそんなピンチを乗り越えていく、そんな映画。結論としては「過剰なものはいらないが、全くモノがないと生活できない」という至極真っ当で当たり前のことなのだけれど、その当たり前を体を張って検証することから生まれる説得力。それから、特に祖母との会話の場面などで感じたのだけど、ドキュメンタリーでありながら、どこか劇映画的であるのも気になった。この監督の作るロマンチシズムに溢れた物語というのも見てみたい。

予告編(ポップアップします)

33

ダムネーション  DamNation87 min

監督:ベン・ナイト/トラビス・ラメル

 ざっくり言うとダムをぶっ壊す映画。ドキュメンタリーである。アメリカに存在する老朽化し利便性が低下したダムを排除しようと奮闘する人々を描いている。アメリカのダムの建設と決壊の歴史を掻い摘んで説明してくれるので、大変取っ付き易い。「ダムぶっ壊せ派」だけではなく、ダム(水力発電所)で働く人々、ダムを管理する人々、連邦政府の開拓局など様々な人々にインタビューしている点が良心的。ダムは単なる悪者ではなく、かつては人々の生活の向上に貢献していた存在であり、今でも全てが無用ではない。クライマックスのダム破壊のタイムラプスは爽快感があってなかなか楽しいが、でも何より、劇中のアーティストが行うエスプリが効いた「ダムアート」の面白さ。壁面に巨大なハサミと切り取り線を描いたりね。まあ、犯罪行為なんだけどどうにもステキだ。

予告編(ポップアップします)

34

悪童日記  A nagy fuzet111 min

監督:ヤーノシュ・サース

 双子の眼力がねー。すごい映画なのよね―。もうそれだけ夢に出てくるくらい。特に暗闇に浮かぶ4つの眼玉が。このキャスティングはミラクルですね。戦争という過酷な状況に翻弄される中でこのふてぶてしい双子がさらにふてぶてしくなっていくのだけど、戦争という非日常を糧にして悪魔が養成されているような映画で、さらに親殺しの物語でもある。いやしかし、戦争の中で親である彼らも変わってしまったのかもしれないなあ。これは成長なのか。ネタバレだけど、おばあちゃんがいい人過ぎて…。父を踏み越えて行く少年の力強さ。


35

ミッドナイト・アフター  那夜凌晨,我坐上了旺角開往大埔的紅 VAN The Midnight After140 min

監督:フルーツ・チャン

 東京国際映画祭にて。
 血まみれ香港バスツアー。突如として無人となってしまった香港を舞台にして深夜バスに乗り合わせた乗客10人位が右往左往するSFともホラーとのつかない不思議なテイストの映画。とにかく、運転手役の雪ちゃんことラム・シューおじさんが超絶かわいい映画。ウイルスとか謎の日本人とか伏線をばらまきまくって回収しないで投げっぱなしで終わったけれど、妙に心に引っかかるのはなぜだろう。各人の個性もさることながら、非リアっぽい青年が即興でデヴィッド・ボウイの「メイジャー・トム」を熱唱するシーンや『殺人ワークショップ』を彷彿とさせる殺害場面など、印象的な場面が多くて飽きさせない。やっぱりラム・シューおじさん良かったなあ。


36

NO  108 min

監督:パブロ・ラライン

 1988年、チリのピノチェト政権の独裁を覆した選挙戦の裏話。テレビコマーシャルによって政権を揺るがしたレネ・サアベドラ(ガエル・ガルシア・ベルナル)が勝利の後に見せる険しい表情が印象に残る。独裁ではあったが、それまで安定していた世界をひっくり返すことに意味はあるのか、といった苦悩のようにも読み取れた。選挙という制度そのものについて考えるとともに、何が人の心を動かすのか、という映画でもある。

予告編(ポップアップします)

37

聖者たちの食卓  Himself He Cooks65 min

監督:バレリー・ベルトー/フィリップ・ウィチュス

 カレーを作るよ―10万人分だよー。ってのを撮ったドキュメンタリー。一回こっきり10万食じゃくて、毎日10万食ですからね。日本人的衛生基準からすると圧倒的に不衛生な環境で、大量のボランティアによって淡々と続けられるカレー作りの光景。ナンを伸ばし、焼き、ニンニクを剥き、玉ねぎを刻み、超巨大な鍋で煮込み、鍋を、食器を洗い、食堂を整え、人々を迎え入れる。全てが整然とシステマティックに動きながらも、その隙間には明らかにサボっている人々もカメラに映る。作業をしながら、画面のこちらがわに視線をよこす人々の瞳が印象的である。
 インドという不平等の国で、シク教の平等精神が作り上げた一つの完成されたシステムを描き、未来への希望に満ちた映画。

予告編(ポップアップします)

38

殺人ワークショップ  75 min

監督:白石晃士

 今年ハマった俳優の一人が宇野祥平さんなんですけど、この映画では殺人講師役です。えー、はじめに説明しますと、タイトルにもなってる「殺人ワークショップ」ってのは「人の殺し方をみんなで学ぶ実践形式のワークショップ」なんですねー。わーお、全く説明になってねえ。見りゃあわかるよ。ほんとにそうなんだから。DV彼氏を、クソ上司を、ムカつく妹を、様々な人を殺したくて集まってきた人々が殺される側に回っていくその過程が面白い。このワークショップ自体が演劇のそれと酷似した形式を持っていて、稽古場での練習、そして役者全員での殺人行脚。殺すこと=演じること、というのはまさに『アクト・オブ・キリング』ですね。あと集まってきてた奴の中にリアル殺人キチガイが来てたのにはワロタw 彼の自己紹介がもう最高!「えっと、今までは犬とか猫とか殺してたんですけど、人間も殺してみたくて来ました!誰でもいいです!」。まー、彼がどうなるかという帰結もまた(ご想像通りです)。

予告編(ポップアップします)

39

水の声を聞く  129 min

監督:山本政志

 21世紀という宗教の世紀に舞い降りた、2014年最高のアイドル映画。韓国、歌舞伎町、宗教、とヲタクの嫌いそうなもの詰め込んでますけど、コレはアイドル映画として秀色の出来ですよ!水の声を聞き宣託を告げる偽巫女のミンジョン(玄里)、そして彼女を取り巻く、プロデューサー、スポンサー、演技指導係、経理マネジメント、広報担当、とまさに芸能事務所そのもの!あたかもライブのような儀式やアイドルが自信喪失して山に篭ってしまったりといった展開、そこで出てくるライバルキャラ、彼女の派閥との軋轢、教団の分裂(新規プロダクションの設立)。信者から見れば宗教だし、スポンサーからすれば商業的価値のある組織であるという二面性が面白い。ミンジョンが教祖をはじめたのも小銭稼ぎのためだったわけですし。もっとも、その教祖でありアイドルでもあるミンジョン自身の変化が後半のある意味悲劇的な展開へと繋がるわけですが…。
 細かい糸のような伏線(ミッキーのやつは最初からぶっといけど)がクライマックスになって結束していく様も見事でしたが、鎌滝秋浩(ミッキー役)らの脇を固める俳優陣も良かったですね。まあ、ミッキーカワイイよね。和菓子。


40

テロ、ライブ  The Terror Live98 min

監督:キム・ビョンウ

 「事件は会議室で起こってるんじゃない!現場で起こってるんだ!」というかの名言を思い起こさせるシチュエーション・サスペンス。事件を報道する場所であるスタジオがそのまま事件の当事者にもなるという逆転の映画でもある。いつの間にあの仕掛けを?という疑問は残るものの、視聴率獲得を目論むかつての人気アナウンサー、ユン(ハ・ジョンウ)の姑息な思惑を他所に、絶対安全であるはずのスタジオが惨劇の舞台へと加速していく面白さ。特にジュ長官(キム・ホンパ)が出てきてからは混乱に拍車がかかり、実に刺激的な展開になる。ラストの種明かしは少し苦々しい。


41

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー  Guardians of the Galaxy121 min

監督:ジェームズ・ガン

 文句なしに面白い痛快宇宙活劇。アライグマ(ロケット)目当てで行ったら半裸のおっさんの方に感情移入してしまったよ…。ドラックスさん(デヴィッド・バウティスタ)カワイすぎでしょ…。予告編だと「無敵の破壊王」的な触れ込みなのに肉弾戦それほど強くなかったりしてね。あと同じベクトルでヨンドゥね。あの人もかわいそうな人だ。
 物語としては、宇宙を救うとか救わないとか、そういう大きな視野を持たず、復讐とか目先の利益とか、そういう小市民的なコスい動機で戦うガーディアンズに共感を覚えますね。冒頭から出てくるカセットプレイヤーも単なる小道具ではなくて、物語的意味も持ちあわせているのがいいですね。惑星モルグのあの薄暗い廃墟で「最強ミックスvol.1」に収録されたRedboneの「Come and Get Your Love」が大音量で流れ始める場面は冒険の始まりとして最高の幕開け!


42

The Next Generation パトレイバー 第4章  96 min

監督:押井守/湯浅弘章

 エピソード6「大怪獣現る 後編」。実に押井守監督らしいエピソードで、人によっては「ひでぇなコレ…」ってなるレベル。冒頭、田口監督による超ちから入った特撮パートで盛り上げておいて、、落とす!という。ちょいとネタバレになっちゃいますけど、大怪獣の正体は、あれですね、『ミニパト』第3話の「ハゼです」(cv. 榊原良子)みたいな感じのアレ。前後編でやる話じゃねーだろこれ…。最後はいつもの押井節(長台詞)で押し切って終わるのが最高ですわ。監督自身、七海先生(松本圭未)が事の真相をつらつらと語るこのパートがクライマックスだ、と言っているらしいのですが、わかる、わかるぞ―!やっぱり押井映画はこうでなくっちゃな!
 エピソード7「タイムドカン」。サブタイロゴがいろいろアウト。押井守監督の出身プロダクションですけどね、タツノコ。爆弾騒ぎをよそにピクニック気分で遊びまくる整備員たちがいいですねー。のどかですねー。水着も出ますよ!ぐるぐる回る爆弾探査犬がカワイすぎる。


43

思い出のマーニー  103 min

監督:米林宏昌

 序盤はあーなんか普通っすね…と思って見てたのだけど、夏祭りの「このブタ野郎がっ!」(うろ覚え)のあたりから加速度的に豹変していって最後には大好きな映画になってました。ううむ、しかし具体的にどういう映画でどこが良かったのかと聞かれると即答できないな。自分の中で消化しきれなかったので、もう1回見て詳しく読み込んでみたい映画。夢と現を隔てるのが干満する干潟というのは面白く、ボートで渡っていくのは実に絵になりますね。最後のネタばらしは若干説明気味でこれを親切と取るかどうか…。


44

おやすみなさいを言いたくて  A Thousand Times Good Night118 min

監督:エリック・ポッペ

 カメラが家族を引き裂く映画。本来分かたれているべきカメラのこちら側と向こう側が逆転してしまう映画でもある。それを端的に示しているのが、物語の始まりでもある自爆テロの場面であるわけだけれど、特に印象的だったのが、家族との決定的な別れになってしまう車中でのレベッカ(ジュリエット・ビノシュ)と娘のステフ(ローリン・キャニー)との会話の場面。ここでレベッカは初めて自分の方にカメラを向けられるわけだけど、連続するシャッター音は戦場での銃声のようにも聞こえる。愛娘ステフからの暴力的とも言える決別の意思表示。カメラというものがここまではっきりと関係性を分断する暴力的な装置として示されたのは衝撃的だった。まあ、その後のエピローグでは写真というものの無力さというものも同時に彼女は痛感するわけですが。あのラストは実に苦々しい終わりかただったなあ。

予告編(ポップアップします)

45

LIFE!  The Secret Life of Walter Mitty114 min

監督:ベン・スティラー

 予告見た時は微妙な感じがしたのだけれど、紛れも無い良作。平凡な会社員が数奇な冒険を経て、また元の日常に戻っていくという夢まぼろしのような物語。スケボーで坂を疾走するシーンの開放感ときたら!ベン・スティラーの凡人感もよく出てる。社畜の人にはぜひ見て欲しい映画ですね。


46

おとぎ話みたい  51 min

監督:山戸結希

 これを学生時代に作ったということがまず凄いよね。おとぎ話の音楽に合わせて紡がれる少女の成長物語。うっすらと雲のかかる冬の空と少女・しほ(趣里)の独白が交互に映されるオープニングでまずこの「言葉の世界」に引き込まれる。電灯のない暗い田舎のあぜ道をおとぎ話の軽快な音楽に合わせて舞うシーン、窓から入る微かな光に照らされての先生(岡部尚)との会話、卒業式を抜けだしてプールを一周するあの時間。全てのシーンが素晴らしく印象に残る映画。

予告編(ポップアップします)
 
47

ベイマックス  Big Hero 6108 min

監督:ドン・ホール/クリス・ウィリアムズ

 「優しさで世界は救えるか?」ハァ?救えるわけねーだろバカか!世間てのは厳しいだぜ?って気分で見に行ったら、普通に優しさで世界を救ってましたね…。ごめんよベイマックス…。
 物語は二重の復讐劇によって構成されていて、「喪失感をいかに癒やすか」というのがテーマになってくるわけですが、ケアロボットとしてのベイマックスと戦闘兵器としてのベイマックスという二面性が露わになる中盤のクライマックスはとてもいいシーンでしたね。極論してしまえば、復讐するか赦すか、という二元論に還元されていくわけですが、それでは相手を赦したとしていかにして自分が立ち直っていくか。この作品ではその答えとして復讐心を昇華させて、見事にヒーロー物に仕立て上げていますね。そういう部分も実に上手かった。キャラクターも良くできてますし。巷ではハニーレモン派vsゴーゴータマゴ派が血で血を洗う抗争を繰り広げていると聞きますが、僕はキャスおばさん派ですので無問題ですね。
 それはそうとして、ベイマックスというキャラクターの出来の良さときたら。最後のロケットパンチの使い方なんてねえ。凄いよね。そういえばこれも過去からきた「願い」を再解釈するお話ですね。こんなところでガンダムUCと繋がるとは…。

予告編(ポップアップします)

48

馬々と人間たち  Of Horses and Men81 min

監督:ベネディクト・エルリングソン

 アイスランドのとある村を舞台に紡がれる馬と人間たちの悲喜交交。馬目線という触れ込みはだてではなく、馬も人間も等価に扱われているのが印象的。人間の都合で殺される馬がいるかと思えば、馬も負けじと人の恋路の邪魔をする。愉快なことがあるかと思えば、人も馬もどんどん死んでいく。アメリカ人旅行者が遭難するエピソードなんか壮絶過ぎるし、同時にアイスランドの自然の厳しさも教えてくれる。あれがホントの人馬一体だね。フェンスを破壊しまくるオヤジのエピソードも痛々しいが、あれも馬に助けられたお話で、全体的に見て馬が日常に根付いている世界の出来事なのですね。2度ほど繰り返される葬式シーンがギャグっぽく映るのもご愛嬌。最後の大団円とでもいうべき、馬々と人々とが渾然一体になるラストはとても良かった。


49

インターステラ―  Interstellar169 min

監督:クリストファー・ノーラン

 いやー、ノーランらしい壮大な映像表現は本当に素晴らしかった。随所に散りばめられた宗教的隠喩も押し付けがましくなくて、別にわからなくても話の理解に支障がないのも良い。地球が大ピンチになる要因もありがちな人間自身の環境破壊とかではなく、なんとなく土地が衰えてしまうという神からの試練とでも言うべきか、黙示録的と言うべきか。ただ、ゲートを抜けてからがなあ…。なんでうってかわってスタトレになってしまうのか。なぜわざわざ最初にあの星に降りたのか。物語的にはそのほうが盛り上がるし、星自体のビジュアルも『インセプション』を思わせ、とても良かったのだけど、さすがに23年は長すぎるでしょう。どうもこれはラストの感動の再会(誰と誰がとは言わないが)のためのつじつま合わせのように思えてならなかった。時間無いって言ってるのに。一方で、マン博士のエピソードは宇宙SFによくある人間の醜さを全面に押し出したもので大変良かったと思います。でも、4ヶ月くらいのところにあるんならちょっとスペクトルでも計測しようよ、と思わなくもない。マシュー・マコノヒーの熱演は見事だし、ラストの5次元空間のビジュアル化には驚かされたのだけれど、いまいちSFとしてはとっちらかった印象があって、SFめんどくさいおじさんとしてはなんとも承服しがたいのである。あとTARSがかっこカワイすぎた。


50

破裂するドリアンの河の記憶  榴蓮忘返 River of Exploding Durians126 min

監督:エドモンド・ヨウ

 東京国際映画祭にて。
 河の向こうのレアアース工場建設に揺れる町とそこに暮らす人々。様々な人の視点を通して視ること、そして過去の歴史を遡ることで、世界観に圧倒的な広がりが生み出されていることにまず驚く。男子高校生の淡い恋心が狂信的女教師の暴力的革命に連なっていく。レアアース工場が実際にどのような害を及ぼすのか、ということには言及されずに物語が再び個人的な事象に収束していくのも、なぜだかわからないが妙に爽快感を感じた。


51

舞妓はレディ  135 min

監督:周防正行

 言葉をめぐる映画。予告編からだとド田舎から出てきた女の子が舞妓を目指すただのサクセスストーリーのようにも見えますが…。その実、京都という(ある意味特殊な)土地を舞台にしたバイリンガルを扱った映画であり、そしてなによりミュージカル!まさかねえ。こんな不意打ちを受けるとは。京都を舞台にしていながら、現実の京都の光景がほとんど映らないのも面白い。主な舞台となるのは架空の花街である下八軒なのだけれど、言葉で語られるこの街のリアルさと、カメラの前に提示される非現実感の乖離、具体的には意図的にセットのように描写されるのだけれど、この映画がミュージカルだということがわかると途端に合点がいくのだった。本筋の劇映画とは完全に分かたれていながらも、その中にスッと自然に入ってくる感じ。ミュージカルは若干苦手なのだけど、この映画は非現実感を意図的に出しているために全く違和感がなかった。どの曲も素晴らしく良かったけれど、主演の上白石萌音(春子役)が無人の下八軒で独唱するシーンが印象的。


52

ジェラシー  La jalousie77 min

監督:フィリップ・ガレル

 実は、フィリップ・ガレル監督はじめてだったので、最初はルールが分からずあっけにとられていたのですが、中盤からぐんぐん面白くなりますね。時間軸がぶつ切りにされた(と見たのですが合ってるのでしょうか…)構成が彼らの関係性そのものを表しているかのよう。ジェラシーという感情が複数の階層になっているのも面白かった。もう1回、じっくりと観たいです。


53

ジャージー・ボーイズ  Jersey Boys134 min

監督:クリント・イーストウッド

 いやあ、絶賛してる人多いんでこの位置なのは大変恐縮なのですけれども。フォーシーズンズに思い入れがないもんで、はい…。でも普通に映画として非常に非常によく出来てますよね。楽曲は盛り上がるし。月並みですが、「君の瞳に恋してる」は本当に良かった。そして、世界への入り込みやすさ。登場人物が画面のこちら側に語りかけてくるあの手法は何と言うのだろう。地の文と会話、過去と現在が交錯するようなあの方法で誘われて、僕たちは彼らの歴史を俯瞰すると同時に、彼らの生きた60年台に入り込む。そして、その果てに、ラストのあの素晴らしい一瞬の演出。ここは思わずアッと声が出てしまいましたね。クルッと振り向くとね。いやあ、クリント・イーストウッド、凄いなあ!


54

攻殻機動隊ARISE border 4: Ghost stand alone  58 min

監督:黄瀬和哉

 完結編ということでそれなりに豪華だけれど、話のわかりづらさは如何ともし難く。まあそんなに複雑でもないけれども、攻殻世界におけるゴーストという概念にある程度馴染みがないと一回で理解するのは難しいのかも知れず。若干ネタバレになるけども「ダブルゴースト」、つまり1つの義体に2つのゴーストがあるというのがキーになりますので。あと、border:1からborder:3を観ておいた方がいい、というよりそこでの伏線を回収するような結論の付け方なので、観てないと、まー、最後の大佐のくだりとかわかりづらいだろうねー。むしろちゃんと伏線回収してて気持ち良かったのは事実なのですが。クライマックスのアクションシーンは盛り上がるんですけども、なんか過去のシリーズで見た演出そのままつかってるところはどうなのかな、と。まあコレはSACでもありましたけど。最後の全員集合は、各員がバラバラと集合してくる感じで絵になってましたね。とりあえず、長編の方にも期待。

 
55

リヴァイアサン  Leviathan87 min

監督:ルーシァン・キャスティーヌ=テイラー/ベレナ・パラベル

 ひたすら波とカモメと風と船の音を聞く映画。魚が水揚げされる時の生々しいベチャっという音も耳に残る。そして、船上に打ち上げられた死んだ魚の眼を、同じ高さで接写する視点の大胆さ。音も映像も荒削りでひたすらに暴力的だが、それゆえに目を離すことができない。現代のレヴィアタンたる巨大底引き網漁船も暴力的なら、撮す視線も暴力的。船員の姿が映るとホッとするのは、この船自体が荒々しい自然の中に切り込む鉄の獣のように描写されているからかもしれない。まさにリヴァイアサン。
 この映画はその筋では人気のある超小型アクションカム・GoProを11台使って撮られたらしいけど、市販のカメラでこれだけの映像が撮れるということにも驚く。


56

フライト・ゲーム  Non-Stop107 min

監督:ジャウム・コレット=セラ

 最初の殺人のところの時間合わせ無理あるだろ…、、とは思ったものの、リーアム・ニーソンが大活躍する傑作飛行機サスペンス映画でした。昨年公開の『フライト』でも機長のデンゼル・ワシントンがアル中だったんですが、今回のニーソンも立派なアル中でしたねー。飛行機乗る奴はアル中になるのか…。最近流行りの『SHERLOCK』調のテロップ(スマホとかのね)の入れ方が面白い。真犯人は最後までわかりませんでしたね。怪しいやつ多すぎなんだよね。金の受取人がビル(リーアム・ニーソン)名義になっていたからくりはなかなかトリッキーで面白い。その手があったか。中盤の疑心暗鬼が疑心暗鬼を呼び悪循環に陥るあたりが盛り上がりますね。終盤はアクションもたっぷり。従来型の飛行機ものだとほぼその中だけで完結してしまう密室形式が多かったと思うのですが、この作品はネットとメディア(youtubeなども)がさらなる人間的閉塞感を作り上げる斬新さも良かったですね。

 
57

複製された男  Enemy90 min

監督:ドゥニ・ビルヌーブ

 これももう1回見なきゃな―。大体はわかったんですが、細かいところ確認したいですね。ポイントとしては2人が一緒にいる場面を第三者が見ていない、という点でしょうか。もうこれ、完全ネタバレですよね。しかし、ラストの突き放したような感じねー。すごく好きですけども、普通に見てたらあっけにとられるよね。あー、蜘蛛ねーはいはいはいイミワカラン!ジェイク・ギレンホールの演技も良かったんですが、あの登場人物たちの住まう部屋の質素で無機質な雰囲気が印象的でしたね。モデルルームみたいな生活感のなさで、エアコンの室外機のような低い唸り声が充満しているのね。夢か現か幻か…。

 
58

ジゴロ・イン・ニューヨーク  Fading Gigolo90 min

監督:ジョン・タトゥーロ

 いわゆるイケメンではないのだけれど、ジョン・タトゥーロがニューヨークに生きる男娼を熱演。相棒役のウディ・アレンのどこかハマりきらない小悪党感も良い。タトゥーロ演ずるフィオラヴァンティの昼間の職業が花屋というのも暗示的。ヒロインはユダヤ人の未亡人(ヴァネッサ・パラディ)で、彼女に手を出したことから、中盤以降ユダヤ人がらみのトラブルに巻き込まれるのだけど、そういった意味では、ニューヨークに息づくユダヤ人社会を見据えた作品であるとも言える。全体的にあれこれ引きづらず、ビジネスライクにスッと切り替えていく感じの小気味よい作品。シャロン・ストーンもエロかわで良かったですね。

 
59

LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標  51 min

監督:小池健

 いやいやいや、敵方のヤエル奥崎もめがっさ良かったけど!なんといっても!次元かっこ良すぎでしょ!あと眼帯ルパンね。ストーリーはストレートだけど、演出と作画すげーな。特にカーチェイスのとこ。まさか壁からこねーだろ、と思ったら壁吹き飛ばして出てくる登場シーンは笑ったけど、ボンネットからせり出してくる機関銃、少しずつ削り飛ばされていく車の上部フレーム、スピード感と相まってすごい迫力。『REDLINE』の小池監督ならではですね。大満足。

 
60

百円の恋  113 min

監督:武正晴

 コミュニケーション不全の大人たちのお話。たぶん、人と接するときに必要なものの一つに「距離感」、というのがあると思うんだけど、主人公の真性コミュ障である一子(安藤サクラ)がボクシングを通じて間合いの取り方を学んでいく、そんな成長物語。体型はスリムになってくんだけど(笑)。坂田聡さんのウザいおっさんとかディスコミュニケーションの最たるもので、まあ、色んな意味で近すぎるというね。腹パンしてホテルに連れ込むくだりにドン引き。ベスト2・クズ・オブ・2014。ラストの闘いを終えた一子と祐二(新井浩文)が手をつないで夜の闇の中に消えていくカットがとても良かった。
 あと、コレを言うとドン引きされるんだけど、最後のボクシングの試合いらなかったんじゃないかなーって思うんですよね。いや、みんなあそこで盛り上がると思うんだけど、アレ無くても言いたいことはズシッと伝わるし。実際の試合で「痛み」を感じたことは重要な要素だけども。あと気になったのは、コンビニの廃棄を狙うオバちゃんのくだりとか。面白い場面ではあるけども。強盗までする必要があるのか。

予告編(ポップアップします)
 
61

ゴーン・ガール  Gone Girl148 min

監督:デヴィッド・フィンチャー

 ミステリーと思わせておいてからのー、、、コメディ映画でした!ギャフン!
 物語の最大の謎は中盤辺りで早々に明らかになってしまって、そこからはまあ綱の引っ張り合いというかプロレスというか…。「おおっーーとここでベンアフが攻勢に出たー!しかし謎の乱入者の妨害が決まったぁあああーー!!」みたいな。見てる人はわかるよね。最後の帰宅なんて完全にギャグで、お前その格好で何時間運転してきたんだよ!っていうね。
 負けたほうが尻に敷かれるのだ!という夫婦間の永遠の課題をテーマに浮気男と小悪魔を超えた悪魔系女子がくんずほぐれつ。そういえば、世論を操作する人気キャスターのエレン(ミッシー・パイル)もボニー刑事(キム・ディケンズ)のどちらも女性だ。で、ニック(ベン・アフレック)の肩を持つのはボルト弁護士(タイラー・ペリー)と。だからこの話は単に夫婦という小さいユニットの問題ではなくて、男と女の階級闘争の話でもあるわけですね。
 あとストーカーのおじさんが可哀想でした(小並感)。

予告編(ポップアップします)
 
62

あの娘、早くババアになればいいのに  70 min

監督:頃安祐良

 今年は父と娘の組み合わせの映画をよく見たんだけど、その中でも一番笑ったのがコレ。童貞の父(アイドルオタク)とその娘のお話。血がつながってなくても一緒に住んでりゃ家族なんだよなあ。とにかく、尾本さん演ずる平田の気持ち悪さと愛おしさ、これに尽きますね。彼が自分のアイドル論をぶちまけるくだりがもう最高。あと清水役の切田君ね。彼が5日間の撮影の中で(コレも凄いが)、ファーストキスを失ったという話、すごくほっこりします(てきとう)。すごく面白い映画だったはずなのに結構忘れてるのでもう一回観たい。

 
63

ぼくたちの家族  117 min

監督:石井裕也

 ある意味、狡猾な母親に翻弄される3人の男を描いた映画。家族の崩壊と再生という本筋を見れば実にシンプルなのだけれど、『舟を編む』の石井監督だけあって、重箱の隅の突くような丁寧な描写が印象に残る。新発売のサンドイッチのくだりとかね。家族ががむしゃらのうちに結束していく様が気持ちいい。ただ、個人的にはもうひとつの家族の方が気になってしまいまして…。妻夫木くんちの方ね。黒川芽以が爆発する気持ち、よくわかるんだよなあ。

 
64

私の男  129 min

監督:熊切和嘉

 メガネ二階堂ふみちゃんがかわいすぎて、夏。セーラー服もいいよねー。マフラーもねー。とまあ、二階堂ふみちゃんの可愛さだけで見る価値あるよ。あとモロ師岡さんも久々に見たなあ。二階堂さんもいいんですが、浅野さんの徐々に狂っていく感じも感じが出ていた良かったですね。ゴミ屋敷で男を脱がせて臭いを嗅ぐところとかさ(誤解を招く表現)。男と女、父と娘のシーソーゲーム的な映画。
 あ、あと制服えっちがエロ過ぎるのでそういうのを求めてる人も必見。

 
65

ノア 約束の舟  Noah138 min

監督:ダーレン・アロノフスキー

 信仰篤き人が必ずしも人にとっての善人ではないという映画。神に近づくということは人間であることを離れ、キチガイになっていくことなのである。ホムラチャン!(あっちは悪魔か)
 前半の方舟建造パートも壮大でいいんですが、徐々にラッセル・クロウが狂気に蝕まれていく大洪水(後)パートが傑作ですね。いや、前半もゴーレムがガシガシ動いて労働したり、人間どもを殺しまくってるシーンが面白すぎるのですが…!そして、人間性の象徴としての音楽(歌)の重要さ。『神様はつらい』でもそうだったけど、今年はそういう映画をよく見た気がしますね。いやあ、それにしてもやっぱり第二部が面白すぎる。
 あ、あと童貞こじらせてるやつは鬼門だなっておもいましたまる

 
66

The Next Generation パトレイバー 第2章  96 min

監督:辻本貴則/湯浅弘章

 エピソード2(「98式再起動せよ!」)にして早くも最悪のオチを繰り出す。さすが総監督押井守!ここで観客の選別をしているんですねー。たいていの客は「頭おかしいんじゃねーの?」「21世紀でこのオチはねーよ!」となるところですが、振れ幅の大きさとその下の方を見せたのはシリーズにとっては後々いい結果になったかもしれませんね。本当にそうだろうか。物語の軸となるのは延々と続く長官の訓示ですが、これは『ビューティフル・ドリーマー』における校長の演説ですね。銃についての薀蓄も押井節。馬鹿馬鹿しすぎて逆に大好きなお話。
 エピソード3「鉄拳アキラ」は『劇パト2』の「陸幕調査部別室」荒川さんでおなじみの竹中直人をゲストに迎えた明(真野恵里菜)メイン回。私服かわいい!超かわいい!これもある意味投げっぱなしエンドでしたね。竹中直人がゲーム喫茶で意味ありげな事(無意味)を止めどなく語り、食い逃げをする話。あ!これって『立喰師列伝』じゃね?

 
67

アクト・オブ・キリング  The Act of Killing121 min

監督:ジョシュア・オッペンハイマー

 大量殺人者が自らのおぞましい行為を嬉々として語り、演ずる。それだけでもうこの映画の価値は決定的。好々爺然としたじいちゃんが孫と一緒に虐殺の再現ドラマを見て自慢してるんだぜ。傍から見ればマジキチなのだけど、当人にとっては誇るべき人生の1ページなのだ!戦争(内戦)における殺人が、英雄的行為と非人道的行為という相反するダブルミーニングを持つというさり気ない事実をここまで明確にえぐり出したドキュメンタリーがかつてあっただろうか。いや、そりゃあその事実自体を指摘したのは腐るほどあったんだろうけど、加害者側の言葉にのせて語らせるというその手法はドキュメンタリー映画としてやはり画期的だと言わざるをえないし、諸々の事実が「歴史化」してしまう前の一瞬を捉えたという意味でも奇跡的な作品。エンドクレジットが「Anonymous」ばかりでコワすぎワロタw 10

 
68

白ゆき姫殺人事件  126 min

監督:中村義洋

 なんてことはない殺人事件ものだけど、Twitterが絡んで面白すぎた。Twitter社公認なんだぜこの映画!よく許可したよな。映画館のスクリーンでTwitter画面が見られるのはこの映画と「世界のCMフェスティバル」だけ!しかし、映画の中とはいえリテラシーのないやつの多いこと…。被疑者の住所をTwitter上の会話から引き出そうとするところなんて、オイオイと思うと同時に爆笑。いるわー、こんなバカいるわー。井上真央の幸薄そうな感じも良いが、綾野剛のクズっぷりもなかなか良い。まあ、そんなアホを手玉に取る真犯人の意外さ(そうでもないかな…)も良かったね。最後のロウソクの灯りをやりとりするシーン、インターネットとの対比になっているのね。

 
69

アナと雪の女王  Frozen102 min

監督:クリス・パック/ジェニファー・リー

 最後の選択には驚かされるとともに時代性を強く感じてとても良かったのだけど、最後の大団円の感じがどうも馴染めず。国民の皆さん、あっさり受け入れすぎだろ…。そこはなんかもう一段欲しかったよね。あとお姉ちゃんも利用されてる感あってモヤっとする。やっぱり現実社会は仮面をかぶって生きていかなきゃならないのね。こういう点は『シュガー・ラッシュ』でも感じたけど、物語の根本的な問題点は解決しておらず、なんとなく進んでいく感じ、現実社会に対する痛烈な皮肉といった趣でとても良いです。ミュージカルシーンも盛り上がるし、普通に子どもから大人までおすすめできる映画ですね。
 あとオラフがクソ気持ち悪くてウザい。真冬にいたら直火バーナーで溶かし殺すレベル。

 
70

ダラス・バイヤーズクラブ  Dallas Buyers Club117 min

監督:ジャン=マルク・バレ

 俺らのマコ兄がなんかやつれてる!死にかけだけど!すごく元気!ひょんなことからエイズに罹ってしまったマコ兄がホモ疑惑に悩みつつ、ヤク(無認可治療薬)を売りさばく痛快活劇!「余命3ヶ月?とりあえずやれることは何でもやるぜ!」っていうやぶれかぶれ感がすごく似合う熱演でした。相棒のトランスジェンダー、レイヨン役のジャレット・レトも良かった。

 
71

劇場版 TIGER & BUNNY The Rising  100 min

監督:米たにヨシトモ

 虎徹おじさんの本筋もいいんですが、ファイアーエンブレムことネイサンのエピソードが印象的でしたね。性同一性障害のキャラクターとしてここまでキチンと掘り下げたアニメって他にあったかなあ。単なる色ものオカマキャラじゃないんだ、という意思表示。しかもそれが本筋のテーマにも直結していて、実に気持ちいい。自らのキャラクター付けに悩む牛角(ロックバイソン)も面白いですね。ドッドーンの人はコレで退場ってことはなかろうね。あれだけ魅力的なキャラクターなんだから。

 
72

THE [email protected] MOVIE 輝きの向こう側へ!  121 min

監督:錦織敦史

 原作ゲームも知らず、TV版も見ないで(XENOGLOSSIAは見た)観に行きましたが、普通に楽しめましたね。さすがにアイドルアニメの覇権だけあってクライマックスのライブには大興奮!CGベースで手描きで作画修正してるのかな?とにかく盛り上がります。もともとキャラクターが非常に立っているコンテンツなので、そこに至る過程もとても良かった。「あの輝きの向こう側に、何があるのかなあ」とかいい台詞だよね。ただ、ゲストで出てるミリマスのキャラクターはちょっと不遇だったような気もしますね。スナック菓子止められない子とか。伏線張ってあって良かったけども。あといおりんがいいところ持って行き過ぎ感ある。

 
73

サボタージュ  Sabotage109 min

監督:デビッド・エアー

 普通のアクション映画を見るつもりで、軽い気持ちで見に行ったら死体がグロすぎてドン引きですわ。いや、ドン引きという程でもないけども。普通のアクション映画だと思うじゃん!いきなり轢死体っすからね…。肉片集めてるのね…。いいけど。で、犯人やっぱお前かーーーー!あれやね。欲に目がくらんだサークラが一人いるとろくな事にならないお話ですね。エピローグのシュワちゃんは得も言われぬカッコよさ!


74

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション  The Expendables 3126 min

監督:パトリック・ヒューズ

 シリーズで一番良かったかな。みんな楽しそうだしね。「エクスペンタブルズ」(消耗品軍団)という定義自体を問いなおす映画であるとともに、世代交代の話でもあって、何が言いたいかというと、ドルフ・ラングレン可愛すぎるでしょ。明らかにさっき買ったようなハンドヘルドコンピュータ持ってきといて「前から持ってた」とかね。クライマックスの戦車vsバイクも良かったですねー。あと、エピローグのシュワちゃんとジェット・リーのエピソードには時代を感じた。


75

壊れた心  Pusong wazak! Isa na namang kwento ng pag-ibig sa pagitan ng isang kriminal at isang puta73 min

監督:ケビン・デ・ラ・クルス

 東京国際映画祭にて。
 浅野忠信がマニラの街を駆け抜ける!…という感じのあらすじを見て行ったら普通にMVの寄せ集めだったのだけど、今思い返してみると普通に良かったですね。なんとなくそれっぽいストーリーはありつつ、圧倒的な映像美で突っ走る感じ。ザーメンが美しく撮られた映画を初めて観ましたよ!音楽もバラエティ豊かで良いです。終盤、フッと劇映画に戻る一瞬のカットが素晴らしい。
 あと舞台挨拶がクレイジーすぎた。

76

新景カサネガフチ  67 min

監督:佐々木友輔

 「第53回日本SF大会 なつこん」にて。2011年に関東鉄道常総線にできた新しい駅「ゆめみ野」。沿線の情景に重ねて語られる一組の夫婦の物語。新たな地名の誕生とともに、上書きされ消滅する古い地名、そしてその場所の記憶。累ヶ淵のある過去からゆめみ野が消えてしまう近未来までを描くことで「地名」という概念に潜在する記憶という機能を抉り出そうとする意欲的な映画だったと思います。「そういえば、日常を写した写真がほとんどないことに気づく」という主人公のセリフにハッとする。2050年前後のテロップが出たあたりで自分の中のSF魂に点火されましたよ!


77

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!  The World's End108 min

監督:エドガー・ライト

 本年度のビール枠。…のはずだったのだけど、その後に『荒野の千鳥足』という圧倒的にビール指数高い奴が追い上げて来ちゃったという…。とはいうものの、それでもありえないほど飲んでますよ!12パイントって約5リットルですからね。一晩で飲むのは…途中で出せばいけるか。サイモン・ペッグが清々しいまでのアル中クズおやじを演じておりましてそれだけでも観る価値ありですよ!でそれにプラスして『ゼイリブ』を彷彿とさせる侵略SF!トイレでの酔っぱらいの絡みから始まって、侵略者から逃れつつ撃退しつつパブ巡りするという、もうめちゃくちゃだけどめちゃくちゃ楽しい!オチはまあ、ある意味爆発オチですねアレ。

予告編(ポップアップします)

78

劇場版 零~ゼロ~  104 min

監督:安里麻里

 Twitterのフォロワーさんが絶賛していたので見に行ったのだけど、確かに面白かった。雰囲気が黒沢清っぽいなあ、と思ってたのだけど、なるほど監督の安里麻里さんは黒沢清監督のお弟子さんなのですね。非日常と日常がシームレスに描かれているのがなんとも黒沢っぽい。山の上の寄宿舎は典型的なサナトリウムものの世界なのに、下界は普通になんもない地方都市というね。メリーさん(中越典子)の職場に行くくだりとか、凄い絵面ですよ。オフィーリア的に流れてくる死体もちょっと引いてみるとドブ川に浮かんでるだけとかね。大塚英志つながりで『黒鷲死体宅配便』のキャラがゲスト出演したりしてるんだけど、あまり必然性なかったよねー。ただ、中条あやみさんの佇まいは絵になりますねえ。

 
79

チョコレートドーナツ  Any Day Now97 min

監督:トラビス・ファイン

 誰も言わないからあえて言わせてもらうけど、最後のルディ(アラン・カミング)の行動はちょっと疑問かな。マルコ(アイザック・レイバ)のことを再優先に考えるなら、ポール(ギャレット・ディラハント)の言葉に耳を傾けて押し黙るべきだったのではないかと。もちろん、当事者ではないのでなにも言いようがないのですが。とは言うものの、ルディの意見もわかるんですよね。いつまで隠れて生きていかなければいけないのか。現代にも通じるテーマを今ここで映画の形をとって問いかけたのには重要な意味があると思います。考えてみれば、ルディとポールは全く正反対のスタンスで生きていたわけですが、この2人とポールという第三者が集まることで奇跡的な擬似家族が形成されていたんですね。彼らの束の間の幸せな日々を見た後にあの結末を見ると、なんとも言えないのです。この後味の苦さときたら。

予告編(ポップアップします)
 
80

ルーシー  LUCY89 min

監督:リュック・ベッソン

 スカーレット・ヨハンソンがUSBメモリになる映画。いや、ホントなんだって!見た人にはわかると思うけど!なーんか、『トランセンデンス』と被るんだよなあ。こっちは超能力者を経て神様的概念に進化していってしまうわけだけども。ヤクを決めまくったスカヨハが無双しはじめるあたりが面白さクライマックスですね。マフィア皆殺し!でも飯もちゃんと食うぜ!自分で自分の腹を割いて手術するとこはブラックジャック先生を思い出しましたね…。あ、あと交通法規をガン無視したカーチェイスも楽しかったな。(ほぼ)神様だからね。しかたないね。最後は時間制御機能も付くんですが、あー、ここで『インターステラ―』に繋がったわ。『2001年~』リスペクトか知らんけど猿も出るでよ。


81

スリーピングビューティー―眠れる森の美女と呪われた城―  Sleeping Beauty89 min

監督:キャスパー・バン・ディーン

 シネマリテの「アサイラムフェスティバル」にて。
 ちょっとグロ目にアレンジした「眠れる森の美女」だと思って見たら、普通によく出来たゾンビものでした。この不意打ちは嬉しいね!王子様と取り巻きがクズなのも良いです。主人公は草食系男子(文字が読める)。ゾンビ以外にもネッシーみたいのも出るよ!もちろん肉食だよ!あとバイオハザードでいうところのリッカーみたいなやつ。もちろん人を襲うよ!つーか、ラスボスの悪の妖精さんの腕っ節の強さね…。ガチムチ大男の首を素手で引き抜いたりするのでチートすぎる。お前一人で十分じゃね?…なんかファンタジー版『バイオハザード』だなコレ…。


82

トランスフォーマー ロストエイジ  Transformers: Age of Extinction165 min

監督:マイケル・ベイ

 シリーズの中では一番好きかも。ボロボロのオプティマスプライムが再起動するとこがねー、ああいうギミック好きなんですよね―。大体全部見せ場みたいになってて飽きないのも良いですね。さすがに165分は長すぎるだろ、と思わなくもないですが。今回はストーリーにそれほど裏がなくてわかりやすかったのも良かった。でもやっぱ長いよ。クライマックスの決戦はさすがにマイケル・ベイらしく諸々ぶっ壊れるので最高でした!人間どもも一方的な足手まといというわけではなくてちゃんと見せ場があったのも好印象。それにしても、マーク・ウォルバーグはダメおやじ役が似合うぜ…。


83

エアポート2014  Airplane vs Volcano91 min

監督:ジェームズ・コンデリク

 シネマリテの「アサイラムフェスティバル」にて。
 飛行機vs火山の闘いを描いた…ってどういうことだよ!まあそのまんまですな。一体何時間火山地帯の上を飛んでるんだとか、高度上げろよとかツッコもうと思えばいろいろあるんですが、次々にやってくるトラブルが面白すぎて全く飽きさせないので無問題。道中、不調を起こしたエンジンの修理を飛行しながら行うのですが(!)、ここだけやたらアナログでチープな映像なんですよねえ。いや、手作り感あっていいけども。エンジン巻き込まれ死もあるでよ。あと、この作品でもビーチでのんきに遊んでたら2秒くらいで消し炭になったりするのでやっぱりビーチは危ないね。


84

超高速!参勤交代  119 min

監督:本木克英

 いやー、ここで俺が見たかったのはこういう映画じゃない!って言ってもしょうがないのだけど、その、あまり「超高速」感が無くてなあ。バカ時代劇だと思って見に行ったから、てっきりリムジンとか軍用ジープとか、そういう世界観をガン無視した卑怯な手を使って5,6時間くらいで飛ばしていくもんだと思っていたもので…。はい、自分がバカでしたね。普通に、まっとうによく出来た参勤交代映画であります。重量をいかに減らして、いかに仰々しくするか、というお話でありまして、ループさせて人数をかさ増しする技には爆笑。そして佐々木蔵之介演ずる湯長谷藩の藩主・内藤政醇のいい人っぷり!一介の農民の差し出す大根をそのままかじって「うん、美味いのう!」などというシーンは、土地と人が大事なんだというこの作品の根本的なテーマが凝縮されているとてもいい場面だし、土まみれの金をそのまま渡されたら裏切る気満々のはぐれものも情に絆されるってもんよ!気持ちのいい殿様と家臣たちの映画であります。


85

PORTRAIT ポルトレ  70 min

監督:内田俊太郎

 これも今年見た中では印象深い作品でした。例によってアップリンクで1週間限定というパターン。3分の1死んでる青年がモノクロームの渋谷の街を彷徨う。パーティーに紛れ込んだり、女の子に恋をしたりするのだけれど、そういうもの全てが瑣末なものに思えてしまうほど、画面にのめり込む不思議な魅力のある作品でしたね。主演の新人・吉村界人さんが良かったな。ラストの冷蔵庫から漏れる光の美しさよ。


86

ダイナソー・イン・L.A  Age of Dinosaurs89 min

監督:ジョゼフ・J・ローソン

 シネマリテの「アサイラムフェスティバル」にて。
 『ジュラシックパーク』のロサンゼルス版。普通にバリバリ(咀嚼音)一般市民が食い殺されていて大変好印象。恐竜はもちろんCGだけど、割と違和感ない。一応、消防士の父と反抗期の娘のお話にもなっておりまして、父ちゃんが娘を助けるために消防オノで小型恐竜ども(ヴェロキラプトルかな?)の頭をかち割っていく接近戦が見もの。最初はビルの中に閉じ込められていた恐竜たちが市外に放たれてからも面白い。接近しすぎてしっぽではたかれる報道ヘリとか。バカかよ。楽しい恐竜映画ですね。


87

機動戦士ガンダムUC episode7 虹の彼方に  90 min

監督:古橋一浩

 ちょっと…やわらかすぎるでしょ…ネオ・ジオング…。紙装甲を超えた豆腐装甲に笑ってしまって本筋に集中できなかったよ。まさかのプロレス決戦は面白かったのだけど、それならもうちょっと装甲をですね、もうちょっと固くできなかったのかなって。それと、何の説明もなく時空を飛び越すのはやめていただきたいですね。おかげでただでさえ柔いネオジオがボロボロになったじゃないですか!
 と、まあ期待していたネオ・ジオングが噛ませだったのは残念ですが、過去の人々の行動が「願い」にも「呪い」にも再解釈されるというテーマ自体は、歴史物語としての「ガンダムUC」という作品の根幹に関わるものであるとともに、私達自身の現実世界とも無関係でなく、(日本のアニメーション作品としては)非常に現代的で意欲的なテーマであると感じました。
 あと、あれだけフラグ立てまくってたジンネマン艦長が生き残ったのでほっこりした。


88

アニメミライ2014  100 min

 去年の『リトルウィッチアカデミア』あたりで名を馳せた「アニメミライ」、正式名称「若手アニメーター育成プロジェクト」の2014年版。これがTOHOシネマズ六本木でやってくれるんだから(スクリーンはARTだけど)、みんな見に行かないともったいないよ!
 今井一暁監督の『パロルのみらい島』。シンエイ動画制作だけど、すごく東映動画っぽいです…。前半パートで「お、アフター・アポカリプスものかな?」と思ってたら後半で裏切られたよ。動画も脚本も詰め詰めだけど違和感ない。ケモナーの人は必見です。
 渡辺歩監督の『大きい1年生と小さい2年生』(A-1 Pictures)。CGなんだけど、絵本っぽい画面が目にやさしい。まさや君が一人で一本杉の森に向かうパート好きだなあ。ほっこりする。
 恩田尚之監督の『黒の栖-クロノス-』。なんだか新しさを感じなかったなあ…。TVアニメでやると受けそうだ。
 吉浦康裕監督の『アルモニ』。4本の中では一番好き。っていうか大傑作。最近流行りのスクールカーストを前面に押し出して説明を省くという力技でスッと世界に入っていける。オタクたちのリアリティのある痛々しい会話。音楽でイメージが繋がる、カーストを超えた世界観の共有。纏まりもとても良い。まー、見てるのつらいけど(笑)そういえば、制作のウルトラスーパーピクチャーズはサンジゲンとかの持株会社だけど制作機能も持ってるってことなのかしら?


89

THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章  58 min

監督:押井守

 どーせレイバー動かないんでしょ、と思って見に行ったら本当に立っただけだったので、これは押井守の映画なのだと認識したです。エピソード0はシリーズ全体の導入としてシバシゲオ(千葉繁)がひたすらダラダラ語る。…これってミニパトですかね(笑) エピソード1は特車二課のメンバー紹介の回。あらすじ?買い出しに行くだけだよ!整備員の歌とか上海亭の親父の料理シーンの尺が長すぎるとかいろいろヤバいが泉野明役の真野恵里菜がクッソかわいいからオールオッケー!あとチョロっと水道橋重工のクラタスが出たりします。

予告編(ポップアップします)

90

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅  Nebraska115 min

監督:アレクサンダー・ペイン

 いや、すごくいい映画だったんですよ。ボケ老人のブルース・ダーンがいい味出してたし。でもやっぱり同じ時期に見たミカ・カウリスマキの『旅人は夢を奏でる』の方が良かったんだよなあ。ちょうど同じようなテイストなんだけども、『ネブラスカ』の方はキャラクターがブレているというか…。同じ犯罪行為でも『旅人〜』の方は「あー、このクズそういうやつだよね」って感じで見れるんですけどねー。いや、でも単体で見れば普通に良い映画ですよ。誰にでもおすすめできるし。ただ自分のハートには響かなかったのです。もう1回見れば評価変わるかな?


91

ハッピー・リトル・アイランド ―長寿で豊かなギリシャの島で―  Little Land52 min

監督:ニコス・ダヤンダス

 住民が長寿でハッピーであることで知られるギリシャのイカリア島の物語。ドキュメンタリーだが、軸となる物語は、この島に移住しようとする若者たちのお話。
 確かにみんなハッピーそうだが、このコミュニティに入っていけるかどうか、というのが肝なのですね。入れない人ははじき出されるんだよなあ。そういう部分をきちんと描いているのも好印象。畑作りとか蜂蜜づくりのおじさんとかが良かったですね。でもまー、俺には住めないな。

予告編(ポップアップします)

92

渇き。  118 min

監督:中島哲也

 見事に何もない空っぽな映画で実に面白かった。これは濃ゆいキャラクターが右往左往するのを楽しむ映画だと思うので、別に何も考えなくてもたのCんです。出てくる奴がだいたいキチガイってのも好印象。特に最初っから狂気全開の役所広司と、徐々にその実態が明らかになる小松菜奈。クズ刑事・妻夫木も最高だった!役所広司が必死になればなるほどゲラゲラ笑えるんだよなあ。内容は大体予告編を引き伸ばしたようなもんですので特に語らなくていいかな。ある意味、現代日本を舞台にしたファンタジー。小松菜奈は妖精さん(キチガイ)。可奈子の友人役の橋本愛、二階堂ふみも良かったですね。ブチ切れとか。
 あ、そういえばこれも「父と娘」のお話だわ。


93

闇のあとの光  Post Tenebras Lux115 min

監督:カルロス・レイガダス

 暗闇の中に響く雷鳴が耳に残る。「音」がとても良かった。中盤の銃撃戦の乾いた銃声とか。色々と面白いシーンはあったんだけど、ラスト、一気にファンタジーよりに持っていく場面の衝撃力。結局、例の赤い奴の解釈ってどうすりゃいいんだ。神か悪魔かそれ以外か。これももう一回観たい映画。


94

ブルージャスミン  Blue Jasmine98 min

監督:ウディ・アレン

 ケイト・ブランシェット演ずる落ち目のセレブ女子が転落していく大人のピタゴラスイッチ。ピタゴラっつ―か自業自得だけどな!妹のジンジャー(サリー・ホーキンス)の家での傍若無人も楽しいし、嘘で塗り固めた婚活パーティーの緊迫感。そうしてラストのラストまでゲラゲラ笑ってみているのだけど、いやはや、最後のオチには参った。ウディ・アレンなのでピリリと山椒を効かせてくるかとは思ったけどここまでとは。後味にがーい。


95

いなべ  38 min

監督:深田晃司

 『ほとりの朔子』の深田晃司監督による地域密着型映画。2005年の画ニメ『ざくろ屋敷』との二本立て。この映画で三重県のいなべ市のことを初めて知りましたよ。
 深田監督らしい淡々とした作り。なんだか知らないけど、吉本芸人が結構出てくる。主演はハイキングウォーキングの松田洋昌…Q太郎じゃないほうね。Q太郎は笑い飯の西田とかとサッカーしてる役。
 地元で働く弟のもとに、姉が生まれたばかりの子を連れて戻ってくる。姉に誘われるままに、幼少の頃の思い出残る山へとピクニックへ行く。そんな話。画面に満ちるただならぬ雰囲気は深田監督ならではですね。滝のあたりで、「あ、これは」と決定的に気付かせるのも上手い。


96

アメリカン・ハッスル  American Hustle138 min

監督:デヴィッド・O・ラッセル

 クリスチャン・ベールの出オチすぎる登場シーン(オープニングである)のために、その後の重要なストーリーがほとんど抜け落ちてしまう映画。いや、その後もフツーに面白かった印象はあるんですが、全く覚えていない…。ジェニファー・ローレンスのキチガイ演技とかすごく良かったですよね!(てきとう)


97

大脱出  Escape Plan116 min

監督:ミカエル・ハフストローム

 リメイク前見てないけど、これは良かった!カタルシス開放系のアクション。ベンサムのパノプティコンを彷彿とさせるガラス張りの牢獄もなかなかに斬新だったし、なによりクライマックスの大虐殺シーンが最高!


98

メガ・シャークvsメカ・シャーク  Mega Shark vs. Mecha Shark86 min

監督:エミール・エドウィン・スミス

 シネマカリテの「カリテ・ファンタスティック!・シネマコレクション2014」と同劇場の「アサイラムフェスティバル」で鑑賞。まさか、アサイラムのサメ映画(DVDスルー)を2回も同じ劇場で見るとは思わなかったよ…。劇場での反応も良かったし、こういうのはやっぱりみんなで見たいよね。
 内容はメガシャーク(でかい)とメカシャーク(でかい)が戦うだけ…、だと思うじゃん?あ、災害が2倍になった!っていう内容なんだよね。でも、人工知能の暴走という古典的テーマを突っ込んでくるのは意欲的(そうかな?)!ていうか人工知能がクソ馬鹿の人工無脳であり、ことあるごとに再起動するのには失笑。見どころは陸上モード起動とキチガイ提督。

予告編(ポップアップします)

99

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー  Captain America: The Winter Soldier136 min

監督:アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ

 前半パートの長官(サミュエル・L・ジャクソン)が襲撃される場面がクライマックス。かと思いきや、中盤のシールズ結成の場所、あの懐かしい人との意外な形での再会が個人的にはクライマックス。磁気テープ萌え。あとなんか飛ぶ人(ファルコン(アンソニー・マッキー))も良かった。「シールズとは何なのか?」という大本のテーマもいい感じじゃないでしょうか。全体的にそつなくまとまっている感じですね。

予告編(ポップアップします)

100

攻殻機動隊ARISE:border 3 Ghost Tears  59 min

監督:黄瀬和哉

 若干ストーリーがわかりづらいのですが、要するに「追っていたのは自分だったッ!」つー話でして。水資源を狙うってあたりが現代的だねえ。テロの話と素子の恋人の話がメイン。×××に爆弾仕込むとか凶悪すぎてワロタw あとトグサ君絡みだとバトーさんと組む場面があって、これが9課加入に繋がる重要なエピソードだったりするんですけど、完全義体化してる9課における生身の人間としてのトグサのアドバンテージがあまり活かされてなかった気がしますね。最後の水処理施設で活躍させる良いシーンがあったのになあ。むしろなんでだろう。大好きなロジコマくんもあまり出ず。


101

スノー・ピアサー  Snowpiercer125 min

監督:ポン・ジュノ

 地球温暖化防止のための実験が失敗したため、氷河期が到来した地球…。生き残った一握りの人々は「スノーピアサー」に乗り永遠に止まらない旅を続けていた…。…という背景にはゾクゾクするし、実際に様々な車両のあるスノーピアサーはとても魅力的。…なのだけど、どうしても色々な疑問点が出てきてしまうのだよなあ。結構人乗ってるけど、下層階級の人はともかく上流階級の連中はどこで寝起きしてるのか、とか。走り続けなければいけない理由もそうだし、物資・動力源も気になる。「マンガだからいいんだよ!」と言ってしまえば、そうだね、としか言い様がないのだけれど、リアリティのあるSFとしての体裁をとっている以上、ある程度のビリーバビリティは必要なのではないか。俺だって『ギャラクシーエンジェル』相手にこんなことは言いませんよ!とは言うものの、そういった点を差し引いても、世界観の魅力、ビジュアルの面白さには抗しきれず…。新年の河を渡る戦闘シーンは世界観の広がりを感じる名シーンでした!


102

罪の手ざわり  天注定 A Touch of Sin129 min

監督:ジャ・ジャンクー

 オムニバス殺人(一つだけ違うが)悲喜劇。基本は悲劇なんだけどもところどころ「これはギャグなのか?」という場面がちらほら。札束ビンタとドアバンバンのとことか。4本のエピソードの中では、1本目の炭鉱利権ブチ切れおじさんが良かったですね。スコセッシの『タクシードライバー』だと結局、拳銃を手の中で転がすだけなんですけど、この映画の場合は怒りを爆発させた一労働者が村の権力者共を猟銃でブチ殺していくんですねー。爽快感!まあ無関係のやつも殺してる感じするけど。どのエピソードでも「金」と「死」が直結していて、高度経済成長期にある現代中国という国の一側面を象徴していると感じましたね。


103

Seventh Code  60 min

監督:黒沢清

 初見ではあっけにとられたものの(ラストのことね)、すごく…黒沢清です…。不機嫌そうな前田敦子もいい。60分しかないのにこの詰め込み方はすごいなあ。しかも全然窮屈じゃないという。秋子(マエアツ)の引っ張るキャリーの大げさなガラガラ音から始まり、最後のタイムボカン(あそこ笑うとこですよね?!)まで、ジェットコースターな流れなのにどこかゆったりとした雰囲気。手前と奥で二段構えになってる画面構成とか、いかにも黒沢さんですよねえ。あとやっぱり前田敦子は飯食ってるシーンが最高にいい!

予告編(ポップアップします)

104

翠星のガルガンティア めぐる航路、はるか 前編  54 min

監督:村田和也

 TVシリーズの後日談ながら、どうにも地味。やっぱチェインバーいないと締まらないな。チェインバーが活躍する回想パートの方が楽しいしね。クライマックスのサルベージは盛り上がるし、ガルガンティアという世界自体は映画館向きだと感じた。作画も力入ってますし、TVシリーズのあのラストからすると真っ当なアフターなんだけどいまいち入り込めなかったな…。新キャラも出るけど、あー、ゲストっすか…。と思いきや!ラストの引きはものすごく気になるのだけれど、もうすこしあのへんをやって欲しかった。後編には大いに期待。


105

ダイバージェント  Divergent139 min

監督:ニール・バーガー

 職能が限定されてるディストピアの話なんだけど、その中で少女が自分探しをする。主人公の「異端者」感がほとんど無かったのが残念。最後のあれは重要だけど、逆にそれだけかと拍子抜け。家族ものとしても見れるし、寓話的物語としても見れるので見どころは多いけどイマイチ入り込めず。
 あと、俺はあのフェンスの向こう側が見たいんだよー。


106

ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!  38 min

監督:水島努

 イタリアの軽戦車カルロ・ヴェローチェCV-33が主役の例の飛ばされた第2回戦。CV-33は重量3トンくらいしかないし、機動力あるとは聞いてるけど、さすがにあんな動きしたら中の人挽き肉になってんじゃね?ってくらい動きます!楽しい!「池袋シネマチ祭」のガルパントークショーで「世界で一番カルロ・ヴェローチェが活躍するアニメ」って言ってただけはあるぜ!他にねーだろってツッコミはなしな!
 あと安藤さんかわいい。ドゥーチェ!ドゥーチェ!

予告編(ポップアップします)

107

わたしは生きていける  How I Live Now101 min

監督:ケビン・マクドナルド

 イギリスの親戚の家にやってきたアメリカ人女子高生が第三次世界大戦に遭遇する。おお!実写版『Fallout』だ、と思ってみたら、普通にバカな若者たちの恋愛映画でした…。いやー、ロンドンで核爆発のあたりはすごくワクワクしたんですけどねー。ピクニックが一気に終末になるのね。主人公たちが田舎にいるもんだから全然状況つかめないんですよ。で、フォールアウトしてるのに翌日ものんきに山に遊びに行ったりね。いくらなんでも、なんでもなー。まあ、これがこの映画のノリと言えばそうなのかもしれないけど…。母ちゃんもテロの専門家だったらなんか対策とか、ねえ?そして、いつものように日常を過ごしていた子どもたちが突如として戦争状態の中に放り込まれるのです。これも敵が来たからとかではなくて戦争という状況自体は間接的な要因なんですよね…。新しい戦争は怖いなあ。

108

6才のボクが大人になるまで。  Boyhood165 min

監督:リチャード・リンクレイター

 制作手法はすごいけど、中身はあまりにも普通だな、という印象。もちろん、最後のライブハウスでの親子の会話とか、すごくいいんですけどね。主演のエリー・コルトレーンはちゃんと12年分成長しますし、一方でイーサン・ホークはブレずに底ぬけの明るいおっさんだし。ただ、あえて12年という歳月をかけて、この手法を用いて撮る意味とは何なのか、ってのがいまいち分からなかったんだよなあ。リアルに成長(老化)していく俳優たちが虚構の人生を演ずる、というコンセプトにはもちろん惹かれるのですが。映画だからこそ、もう少しドラマチックな物語を観てみたいのです。


109

ゾンビ・アルカトラズ  Rise of the Zombies90 min

監督:ニック・ライオン

 シネマリテの「アサイラムフェスティバル」にて。
 アルカトラズ島は開始30分くらいでほぼ無人になるのでこのタイトルはやや詐欺。本土では普通のゾンビ映画のノリですが、アルカトラズに残ったおっさんとゾンビ化しちゃったその娘のエピソードの方は印象に残ってますね。なんとか元に戻そうと、自分の腕の肉を切り与えるんですよ。この家族愛には涙を禁じ得ない。あとは赤ちゃんゾンビも久々に見たなあ。すぐ処分されちゃうけど。オチはいたって普通の「俺たちの戦いはこれからだ!」。


110

トランセンデンス  Transcendence119 min

監督:ウォーリー・フィスター

 終末から始まり終末に終わる。ジョニデが神(のようなもの)になるのだけど、「高度に発達した科学は魔法と区別がつかない」を地で行くお話で、いや、ビジュアル的には盛り上がるし、ジョニデの無敵感が出ていて安心するんだけど、そこまで何でもできるとなんだかなあ、という感じ。俺はヒョイヒョイ出てくるスーパーハッカーとナノマシーンが嫌いなのだ。不治の病に侵された人々が続々とジョニデのもとに集まってくるのはまさに巡礼の光景を見ているようだし、死んだ男が蘇るくだりもラザロっぽい。あの男がコントロールされてるってのがまたねー。示唆的ですね。面白いは面白いがSFとしてはいまいちノれず。


111

土竜の唄  130 min

監督:三池崇史

 三池監督らしいバカヤクザ映画。でもちょっと長かったかな。前半のどんでん返しのどんでん返し、でようやく本編の件ですでに爆笑してたけど、それに追い打ちを掛けるように「土竜の(掟の)唄」!婦警役の仲里依紗はそれほどでもなかったですね。濡れ場あるけど。でも、この映画の最大の見所は、クライマックス大混戦のサイボーグ堤真一でしょうね。いいとこ掻っ攫ってくよホント。アイツのせいで本編あんま覚えてないよ!2,3回見ても笑える映画。


112

マイティ・ソー ダーク・ワールド  Thor: The Dark World112 min

監督:アラン・テイラー

 手のひら返しするロキたんかわいい!


113

ルパン三世  133 min

監督:北村龍平

 意外と良かった枠。まあ期待値下げまくって観ましたけども。玉山鉄二の次元がねー、ハマってましてねー。カッコよすぎるでしょ―。それ以外はあまり覚えていない。なんかいつもいないメンバーが2,3人いたけど。「意外と良かった」それ以上の感想が特に無いのであった…。いや、普通に盛り上がってたとは思いますけどもね。

114

ロボコップ(2014)  RoboCop117 min

監督:ジョゼ・パジーリャ

 脳ミソむき出しいいよね…。新型は黒光りするイカスやつだぜ!でもそれ以上の感想がないぜ!爆発事件現場を再現して分析する推理パートはなかなか現代的で面白かった。つーか、リメイク前もあんまり覚えていないのよね。手足取り外しシークエンスカッコイイ!


115

チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像  127 min

監督:星野和成

 これも驚くほど印象に残らなかったなあ。生瀬さんの東堂教授はとてもいいキャラクターだったのだけど。見終わった後の感想が「ケルベロスとはなんだったのか…」「やっぱりホモじゃないか!(歓喜)」という程度である。あ、久々にまともな役で栗山千明さんを見れたのが良かったです。去年のSPECの役はひどすぎるでしょアレ(笑)


116

エンダーのゲーム  Ender's Game114 min

監督:ギャビン・フッド

 原作の方が面白いよ(原作厨)。…と言ってしまっては身も蓋もないのですが、原作では地球上でのピーターとヴァレンタインの暗躍のパートが長いのに対して、映画はエンダーがゲームするほうが多いんですよね。いや、そんなに悪くなかったと思うんだけど、やっぱり印象があまり残ってないんですよ。ヴァレンタインと湖でボートに乗るシーンとかは覚えてるんですが。面白いか面白く無いか、で言えば間違いなく面白いけど…。


117

STAND BY ME ドラえもん  95 min

監督:山崎貴/八木竜一

 ひみつ道具の質感、ギミックは本当に良かった。特にタイムマシンの起動シークエンスの、このくいって引く動作ね。このあたりは21世紀に作るべき新しいドラえもん映像化にふさわしい。冒頭の学校で散りばめられた小道具の細かさ、リアルな町並み。これだけでもこの作品をワーストにせず、もう一回見たいと思わせる力がある。キャラクターは基本的に気持ち悪い。しかたないね。
 ストーリー?「とりあえず泣けるシーン寄せ集めれば泣くんじゃね?」的な醜悪な意思を感じましたね。混ぜればいいってもんじゃねーだろ。アレですね、「ドラ泣き」とかいうあまりにもクソなコンセプトが先にあって、そこに合わせていくイメージですかね。1本の映画という点で見れば、独自設定(コレもどうかと思うけど)を追加することでそつなくまとめている点は評価できるものの、普通にワーストでしょコレ。
 あと、あっちの21世紀はTOYOTAしかねーのかよ!あばら谷君ネタとかあってそこは良かったんだけど、あまりにも同じ看板(トヨタの)が多すぎる。考えるのめんどくさくなったのかな。

118

シネマパラダイス★ピョンヤン  The Great North Korean Picture Show93 min

監督:ジェームス・ロン/リン・リー

 「知られざる北朝鮮映画界に潜入!」ということで期待してたんだけど、ちょっと拍子抜け。ぶっちゃけ、割と普通なんだよね。いきなり停電あったりするけど。最後の女優の家も日本の中流階級のマンションみたいな感じだし。僕らの期待する「北朝鮮=キチガイ」みたいな描写は実はあまりなくて、だから逆に良質なドキュメンタリーとも言えるのだけど、どうにも退屈である。


119

セブンデイズリポート  82 min

監督:近藤真広

 いろいろツッコミどころあるSFで、脚本もある程度テンプレなんだけど、ラストを邦画にありがちな見るに耐えない愁嘆場にしなかったのはとても良かったと思う。ある意味バッドエンドだけど前向きになれる映画。白濱亜嵐の一人二役も自然で、前沢涼太ののび太くん感とか感じ出てるわ。あと板尾創路の役は印象に残る。

120

バトル・オブ・バミューダトライアングル  Bermuda Tentacles90 min

監督:ニック・ライオン

 シネマリテの「アサイラムフェスティバル」にて。
 エアフォースワンがバミューダ・トライアングルに墜落!脱出ポットの耐久時間は48時間くらい(うろ覚え)。精鋭部隊が救助に向かうが、艦隊の前に『ザ・グリード』に出てきたような触手が現れる…!前半は海上での戦闘、後半は海底の「船の墓場」と分かれていて、最後は『インデペンデンス・デイ』になります。物語的には後半が重要だけど、絵的には前半の方が面白かった。ビーチはアブナイということを学べる映画(アサイラムの作品は大抵そうだけど)。


121

おとなのかがく  50 min

監督:忠地裕子

 雑誌「大人の科学」の付録の試作屋・永岡昌光さんに密着したドキュメンタリー。作るのはオランダのアーティスト、テオ・ヤンセンによる「ストランドビースト」のミニチュア版(もちろん動く)。「アニマリス・リノセロス・トランスポルト」(大きい方)がガシガシ動く映像のダイナミックさと永岡さんの工房である1DKのせせこましさの対比。0.01ミリの精度を中国の工場に期待する職人魂は見どころなのだけど、如何せん、映画として地味すぎた。集中力が必要な映画。すごく眠くなります。悪くないんだけどね…。


122

エージェント:ライアン  Jack Ryan: Shadow Recruit106 min

監督:ケネス・ブラナー

 驚くほど何も覚えてない映画。ホテル着いて早々に殺されかけるのにはワロタw その後の右往左往とかも素人エージェントっぽくてよかった気がしますが…。経済テロリストだから地味だったのかな。ごめん、マジで覚えてない。半券が残ってるから見たはずだけど。

123

神さまの言うとおり  117 min

監督:三池崇史

 三池監督…だけど、あまり合わなかったかな…。久々にオチも何もない、投げっぱなしエンドを見たよ。学生たちが右往左往してだらだらと殺されていくだけ。開始30分位で誰が生き残るのかが誰の目にも明らかになるため、緊張感はあまりない。ごめん、最後のは意表を突かれたけど。でもあの謎光線でさわやか~に昇天するのはないだろ…。シロクマに挽き肉にされたパセリ君のことも思い出してあげてください!あ、シロクマの山崎努さんは良かったです。しっかし、この脚本のクソさは何なんだろうね。続編視野に入れてあの展開なのだろうけど、それにしてもなあ。原作が悪いのかとも思ったけど、これじゃあ読む気も起きないですわ。


124

バトル・オブ・アトランティス  Atlantic Rim86 min

監督:ジャレッド・コーン

 シネマリテの「アサイラムフェスティバル」にて。
 原題は"Atlantic Rim"。つまり去年大ヒットしたデル・トロ監督の『パシフィック・リム』の大西洋版ですね。こっちも海から怪獣が来ますよー。見どころはアサイラムの中でも悪い方にしょぼすぎるロボット(もちろんCG)。3機出るけど、カラーリングが違うだけというのもやる気がなくていいですね!アサイラムフェスティバルの中で唯一、途中ウトウトしてしまった作品。こういう映画を大画面で見られる…。シネマカリテ様には圧倒的感謝しかございません!


125

Wake Up, Girls! 七人のアイドル  52 min

監督:山本寛

すみません、ワーストです。ちなみに、2014年最初に見た本年公開の映画であります。まあ、色々言いたいことあるんですけど、劇場版なのにクオリティが微妙とか、散々言われてるようにラストのパンチラがあざといとか(つーか、下品ですよアレ)、TV版の前日譚なのでコレ見とかないとTV版が理解しづらいとか…。でも、一番のワーストポイントは同じ月に『劇場版アイドルマスター 輝きの向こう側へ!』があったことですね。なぜぶつけたし…。主題歌の「タチアガレ!」で盛り上がる感じは良かったと思います。ちなみにアイドルの名前を覚えて帰るのは難しかった模様。

予告編(ポップアップします)

おわりに

 というわけで、2014年に見た新作映画全125本でした!来年はちゃんと大晦日にやりたいですね。
 苦情、ご意見、ご質問、誤字脱字の指摘等ありましたら、ツイッターアカウントなどで投げていただければ反応します!

NOTES

  1. すいちくの2013年ベスト10
    1位『そして父になる』
    2位『夢と狂気の王国』
    3位『舟を編む』
    4位『まどマギ新編』
    5位『もらとりあむタマ子』
    6位『ばしゃ馬さんとビッグマウス』
    7位『タイピスト!』
    8位『パシリム』
    9位『AURA』
    10位『フライト』
  2. 余談ですがこのオールナイトの構成は本当に素晴らしく、トークショーは見れなかったものの、今年の新文芸坐オールナイトの中でもベスト!『VHSテープを巻き戻せ!』→『悪魔の毒々モンスター』→『バスケットケース』→『僕らのミライへ逆回転』という流れ!巻き戻ったぜ!
  3. もちろん、見せ場は他にもある
  4. その部分を確信的についたのが同じくイーガンの『順列都市』
  5. 七味を加えるところいいですよね―
  6. 日本でも白組(今年だと『SBMドラえもん』とか)のCG技術高いですね―。
  7. だいたいみんな死にます
  8. 正確には段ボールで局部を隠している。家からゴミ捨て場まではマジで全裸だった笑
  9. ちなみに、ヘルシンキの12月から2月の平均気温は-4℃だとか。真似したくないですね!
  10. 全く笑い事ではない。

関連コンテンツとスポンサードリンク

-映画レビュー

執筆者:


  1. すいちくが選ぶ2014年ベスト映画125! | おひるねラジーズ | 日刊☆なんでもトピックス! より:

    […] 2015年4月29日 ゴールデンゲートブリッジの場面で示されるゴジラの圧倒的なスケール感!放射熱線の発射プロセスがいい感じに!どこか脳天気なアメリカ軍人に混じって終始渋い顔の渡辺謙!最終兵器は懐中時計!リア充爆発しろ→ゲロで殺す、のあたりはやり過ぎだろ、と思いつつ、最後の海に帰っていってそのままエンドロールという構成には昭和あたりのゴジラ映画へのリスペクトを感じました。 ゴールデンゲートブリッジの場面で示されるゴジラの圧倒的なスケール感!放射熱線の発射プロセスがいい感じに!どこか脳天気なアメリカ軍人に混じって終始渋い顔の渡辺謙!最終兵器は懐中時計!リア充爆発しろ→ゲロで殺す、のあたりはやり過ぎだろ、と思いつつ、最後の海に帰っていってそのままエンドロールという構成には昭和あたりのゴジラ映画へのリスペクトを感じました。 彼女が、ペストに感染したハイメを癒やす場面は驚かされるとともに、その後の物語の展開を考えると非常に象徴的な場面だと感じた。 とにかく、この映画の世界を覆い尽くす倦怠感というか、どん詰まりの中でもがく感じは今年見た映画の中でベスト級です。 [引用元] すいちくが選ぶ2014年ベスト映画125! | おひるねラジーズ […]

  2. すいちくが選ぶ2014年ベスト映画125! | おひるねラジーズ | 今速☆ニュース! より:

    […] 2015年5月20日 ゴールデンゲートブリッジの場面で示されるゴジラの圧倒的なスケール感!放射熱線の発射プロセスがいい感じに!どこか脳天気なアメリカ軍人に混じって終始渋い顔の渡辺謙!最終兵器は懐中時計!リア充爆発しろ→ゲロで殺す、のあたりはやり過ぎだろ、と思いつつ、最後の海に帰っていってそのままエンドロールという構成には昭和あたりのゴジラ映画へのリスペクトを感じました。 ゴールデンゲートブリッジの場面で示されるゴジラの圧倒的なスケール感!放射熱線の発射プロセスがいい感じに!どこか脳天気なアメリカ軍人に混じって終始渋い顔の渡辺謙!最終兵器は懐中時計!リア充爆発しろ→ゲロで殺す、のあたりはやり過ぎだろ、と思いつつ、最後の海に帰っていってそのままエンドロールという構成には昭和あたりのゴジラ映画へのリスペクトを感じました。 彼女が、ペストに感染したハイメを癒やす場面は驚かされるとともに、その後の物語の展開を考えると非常に象徴的な場面だと感じた。 とにかく、この映画の世界を覆い尽くす倦怠感というか、どん詰まりの中でもがく感じは今年見た映画の中でベスト級ですね。 [引用元] すいちくが選ぶ2014年ベスト映画125! | おひるねラジーズ […]

  3. […]  おひるねラジーズすいちくが選ぶ2014年ベスト映画125!https://ohiladh.com/best125cinema2014/ こんにちわ。すいちくです。正月三が日ももうすぐ終わろうとしていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 さて、映画クラスタでは毎年恒例の(といってもこのサイトでは最初ですが)、2014年新作映画のベスト10…ですが10個だけじゃあ物足りない!と思いまし… […]

comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

【映画レビュー&レポート】東京アニメアワードフェスティバル2018「短編コンペティションスロット②」(+選考委員解説覚書):『Negative Space』が眼福すぎてつらい…。【TAAF2018】

東京アニメアワードフェスティバル2018、「短編コンペティション部門スロット②」で上映された作品の簡単なレビューと選考委員解説の覚書です。短編部門グランプリの『ネガティブ・スペース(Negative Space)』(マックス・ポーター/ルー・クワハラ監督)がもう素晴らしすぎて…。選考委員解説は加藤タカさん、白石慶子さん、叶精二さん(モデレーター)。

【映画レビュー】『スウィート17モンスター』:こじらせ陰キャ女子のための青春冒険譚【ネタバレなし】

ケリー・フレモン・クレイグ監督、ヘイリー・スタインフェルド主演の映画『スウィート17モンスター』のレビューです。主人公である陰キャラ女子ネイディーンがとにかく痛々しい!そして生々しい!「17歳」映画の傑作であり、未来の古典となりうる映画です。

【映画レビュー】『スパイダーマン:ホームカミング』:イキリスパイディVS中小企業のおっさん【あまりネタバレなし】

ジョン・ワッツ監督、トム・ホランド主演の『スパイダーマン:ホームカミング』の(基本的には)ネタバレなしレビューです(最後の最後に結末についてのネタバレがあります!)。今回は最初からベンおじさんが死んでるから話が早いぞ!あと敵の空飛んでるやつがそこらの町工場のおっさんなのでとても良い。

【映画レビュー】『海よりもまだ深く』:喪われた過去を求めて

是枝裕和監督による映画『海よりもまだ深く』のネタバレなしレビューです。『歩いても歩いても』を姉妹作としつつ、過去に囚われた人々が現在を生きていくおはなし。阿部寛と樹木希林のコンビがまた良いのです。

【映画レビュー】『アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ』

カリコレ2016で上映された『アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ』のネタバレ(あまり)無しレビューです。揚げたて(じゃない場合もある)ドーナツが襲ってくる映画。監督は『アイス・ジョーズ』でおなじみのスコット・ホイーラー。あの名作『アタック・オブ・ザ・キラートマト』へのオマージュがあるようなないような。

search