さて、今回のアニメスタイルオールナイトは「アニメファンなら見ておきたい200本」の第3回になります。今回の分で11本。去年の7月が第1回目だったので、大目に見て半年で11本、年22本ですので、あと8年半くらいでコンプリート、という計算ですが…笑

 今回は大友克洋先生の作品メインなんですが、なにげに『AKIRA』をアニメスタイルで上映するのは初めてなんですね。『スチームボーイ』は新文芸坐で見たような気がしたんですが、こちらも初。『MEMORIES』は一昨年のオムニバスアニメ特集以来ですね。チケットも早めに捌けて盛況でした。

 なお、今回はなんとなく最前列に座ってしまったのですげえ疲れました…。

 前回の「新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 77 SFアニメ大進撃!アルペジオ・楽園追放・シドニア!!」のレポートはこちらになります。

トークショー


!notice!

トークの内容につきましては、その場で速記してまとめています。事実誤認、不適当な記述などございましたらご連絡ください。対応させていただきます。

出席者

片渕須直監督(今すごく忙しい人1。『アリーテ姫』。以下「」)

井上俊之さん(いわゆるカリスマアニメーター。以下「」)

桑島龍一さん(プランナーの人。最近良く見る。以下「」)

小黒祐一郎さん(アニメスタイル編集長、司会。以下「」))

新文芸坐・花俟さんによる前説

花 皆さん、『AKIRA』を何回見ればいいんでしょうか。今日は3本とも35ミリプリントです。独特の質感をお楽しみください。

はじめに

小 井上さんは今日の3本全てに関わってらっしゃるんですよね。

井 言われて気づきました(笑)

片 『MEMORIES』なんか2本2やってるもんね。

小 片渕監督は『MEMORIES』では「技術設計」というクレジットですが、これは…?

片 「大砲の街」で参加したんですけど、やることがなくて…。演出は作監の小原さんが、レイアウトは大友さんがという風に、みんな他の人がやっちゃうんです。大友監督からは「俺の作品では演出を名乗れないのか」とまで言われて…。

小 「特技監督」と名乗ればよかったんじゃないですか?

片 ああ、言われてみると確かにそうですね。

小 桑島さんは『スチーム・ボーイ』で関わってらっしゃるんですよね。

桑 宣伝の方で主に、公式ブログとサイトの方を全部自分でやりました。キャッチコピー3も私の考案です。

小 今回は大友監督にもオファーしたんですが…。

桑 特集上映は本当に喜んでいて、コメントも頂けるかとも思ったんですが…。経験上、自分の作品を自分で語るのはすごく苦手な方でございまして…。

小 自分も大友さんと一番話したのは『ロボットカーニバル』4のDVDの解説の時ですね。

井 基本的にシャイというかめんどくさがりやというか…。

小 昔のアニメスタイルを持っていったら湯浅さん5の作品を熱烈に解説し始めて…(笑)

『AKIRA』の制作舞台裏

井 僕にとって大友さんというのは神のような存在でした。

小 絵も上手いし。

井 革命的でしたね。

小 片渕さんはどうですか?

片 『武器よさらば』6あたりの頃に初めて見まして、今までに全く見たことがない作品で、漫画の絵でビデオ合成の表現をしていたりしてすごいな、と。

小 それから大友さんはアニメ制作を始めて、初めての長編がこの『AKIRA』というわけですね。井上さんは原画マンで参加されてますよね。

井 僕と同時代の人間が大勢参加しているけど、なかむらさん7たちに比べると技術が劣る我々が参加してもいいのか、という気持ちでした。当時23歳で、大友さんが33歳。彼が漫画界に革命を起こした頃は、まだ20台だったんですよね。

小 天才としか言い様がないですね。

井 俺にとっては神様のような存在でしたね。(自分の描いた)出来上がったものを観ると微妙な出来で、いっぱいいっぱいでやってる感じで、いちスタッフとして大友さんに申し訳ないという気持ちでした。大友さんの絵をアニメに落としきれなかった。

小 マンガから入った人とアニメから入った人とで印象が違っているんですよね。画力だけじゃなくて物語の運びとか。

井 (原作の方は)まるで映画を見ているような漫画でした。

片 大友さん、アニメについて言えばすごくオタクなんだよね。

井 そうなんですよね。東映の古い映画を見ていたりして。

桑 大友さんは大工原さん8が大好きなんですよね。

井 多くのアニメファンは森康二さん9ファンなんだけど、大友さんは大工原さん。

片 ああいう破天荒なものが好きなんですよね。

井 「工事中止命令」10が一番大友さんらしさが出てると思うんだけど、これ大友さんが原画も描いてて、それにほとんど作監(なかむらたかしさん)の手が入っていないんです。大友キャラなんだけどちょっとつぶしたようなキャラクターが柔らかく動いていて、大友さんに聞くと昔のディズニー作品が好きだとおっしゃっていて…。どこかディズニー風のにおいがしますね。

小 それが『AKIRA』の方につながった?

井 それはちょっと違いますね。『AKIRA』はもっと当時のアニメの描き方の主流で固めに描いています。

小 じゃあ、それとオーバーアクションが合っていない、と。

井 なかむらたかしさんの描いたコンテが少し演技過剰な感じがして…。ややディズニー風の演技で描いてらしたんですけど、なんか違うなあ、という気分になったりもしました。写実的な動きが似合うんじゃないかな、とは思っていました。

片 プレスコの方に引っ張られている感じもしますね。

井 これ、実は似非プレスコなんですよ。『AKIRA』の場合のプレスコは録音は確かに最初にやったんだけど、タイミングはアニメーターの方で取って描いてました。結局アフレコしなおしたりして。

小 当時の僕もちょっと違和感を感じはしたんですが、それにしてもパワフルな作品ですよね。

井 (スタッフの)平均年齢は20台中盤なんじゃないかな。

片 あのころ宮崎(駿)さんも40代で、『魔女の宅急便』(1989年)の方をやりながら、『AKIRA』の方に人をやって、帰ってくるのを待って…。

井 当時は『魔女の宅急便』は片渕監督だと聞いていたんですが、行ってみたら挨拶されたのが宮崎監督で、「だまされた!」と(笑)

片 重なっていた時期ですね。まだみんな20代で。

小 公開当時は意外と仕上がりが…。

井 最後の追い込みは今のアニメ作りでは考えられない感じでした。今ならリテイクされているようなカットもありましたね。

小 今日のプリントは劇場公開バージョンかもしれない。

井 それはレアですね。色々足りないところがあったりします。塗りが無かったり…。線だけがうごめいているカットもあるかもしれない。塗り忘れです。

小 井上さんのカットはみんなが大絶賛するバイクシーンですね。何カットくらいやられたんですか?

井 100カットくらいです。当時は200カットやるつもりでした。頭(バイクシーン)とクライマックスをやるつもりだったけど、頭だけで時間が終わってしまって。

小 走りだしてからずっと井上さんですか?

井 高速を走りだしてからですね。そこから超能力者の少年11と出会うところまです。

小 井上さんのところ、パーフェクトです!

井 色々勉強もできて、充実感のある作品でした。

全編ワンカットの「大砲の街」ができるまで

小 では『MEMORIES』のほうを。「大砲の街」は全編ワンカットで作るということが狙いだったんですか?

片 1カットでやりたかったんでけど、どうやってやればいいかわからないと相談されて。当時は『アリーテ姫』12の準備中で、三鷹分室13というところでやっていたんだけど、たまたま請求書かなにか持って行ったら、田中栄子さん14から「「大砲の街」という作品で使うから大砲の資料を貸してくれ」と言われて、で「ワンカット興味ない?」と誘われて…。それで、そのまま全日空の整備工場に拉致されて…(笑)

井 なぜ片渕さんが大砲の資料を持っているかというと、ミリタリーオタクなんですよね。

片 なぜかあったんですよ。1カットをやりたいということがまずあって、私のような現場の人間に声がかかったんです。

小 ほぼアナログなんですよね。

片 パソコン自体、当時の4℃には無くて…。20分ワンカット処理ということで、撮影だけで大量の街のカットが必要だったんです。私が行く前は街のミニチュアでやろうとかいう話が出ていましたね。

井 実際に作ってましたね。

片 平面に落とすと1カットにならなくて、結局イマジカ15のほうで、ビデオ処理で片付けようと言われて、それは要するに平面の絵を変形させるものなんですが。(こちらとしては)単純にセルを撮影する技術を突き詰めてみたいと言ってみたりして、帰ってきました。カメラが奥に行くシーンは『リトル・ニモ』16のような技術を導入しようとしていました。3Dでやりたい時にパソコンがなかったんですけど、何かのゲームのギャラの代わりにMacがやってきて、私はゲームで遊んでいて、森本晃司さんはPhotoshopをいじったりしてて…。パソコンを弄る人がいないと困るね、という時に安藤くんが来たんです。

井 ポリピク17で『亜人』をやってる安藤くん18ですね。

片 「奥に行きたいんだ」と注文すると「平面で描いてください。僕が立体に変換しますから」と言われて。「奥の方は絵が荒くなるから僕の方で補正します。2.5Dくらいでいいんですよね?」ということを瞬時に理解してくれて…。ワンカットだからこういう言い方はおかしいんだけど、全体を32ブロックに分けてて、そのうち4箇所だけCGなんです。

井 安藤くんがきたおかげで、「彼女の想いで」でも回転する巨大なバラの宇宙船のカットとか、不可能だったカットが実現しました。

片 あれもすでに立体屋さんに注文して、来てたんですよね。コマ撮りしようと。それも安藤くんがすぐにやってくれて。当時のパソコンはレンダリングに120時間かかったんですが、時間がもったいないから、ということでもう一台パソコンが来まして。

井 安藤くんが来て瞬時に解決した。

小 安藤くんは元は何の人だったんですか?

井 俺はパソコンの営業の人だと聞いていたけど(笑)

桑 公式プロフィールでもそうなんですよね。

片 学生時代はスクラップ漁りをしていたらしくて自動車を組み立ててたとか。そういう素養があったんですね。

小 それにしても、3本ともすごい密度ですよね。

井 後半は予算が尽きて半年くらい無給になってしまって…。これはギャラが無くなってしまったわけではなくて、引っ張った我々が悪かったのかな。

小 井上さんとしては数少ない作画監督・キャラクターデザイン作品ですね。

井 大友さんのデザインでやりたかったな、ということはありますね。内容をアレンジしたのでそのまま使えるキャラクターは原作にはいなかったんですけど、他の作品からとってきて使えなかったのかな、というのはあります。

小 とてつもなく豪華なメンバーですよね。

井 磯さん19も途中で決裂してしまったんですけど、当時はこれは普通のことだったんです。修正されるとすぐ降りてしまう。

小 「最臭兵器」はマッドハウス作品ですね。

井 大友作品の中では好きな作品ですね。

片 一番大友さんのキャラクターですよね。自衛隊が出てくるけど、途中で自衛隊のヘルメットが変わったと言うと「なんで教えてくれなかったんだ、描き直さないと!」と仰って。その時はキャラクターデザインの段階だったんですけど。ラッシュを見て帰ってくると「爆発がすごかった!」とか話してくれるんですよ。「彼女の想いで」はあまり関わっていなかったんだけど、同じ部屋でやっていて、だんだんと大友デザインから離れていくんですよね。小原さん20がアートアニメにしようと言っていて。「背景はユトリロにしましょう!」と小原さんが言うと、「ユトリロ!」と、大友さんがいちいちリアクションするんです(笑)

井 (当時)ニコラ・ド・クレシーさん21の単行本を衝撃を受けて読んでいたんですけど、「大砲の街」に強く反映されてますよね。大友さん自身がどれだけ影響を受けたかわからないけど。

片 「大砲の街」は美術が難航して、美術監督はジェッソで下地を作って立体の凸凹をつくってやりたい、と言っていたんだけど、それだとワンカットで出来ないから無理です、と言っているうちに大友さん自身がやり始めて…。

井 脇で見ていると半分くらい大友さんが描いている印象でしたね。

片 ワンカットでやるために分割して、どのくらいの大きさの紙に描けばいいのかを設計する係だったんだけど、場所がなくて床でやってました。背景はベニヤ一枚の大きさが限界だったんだけど、一人一人がベニヤ板を何枚も抱えて描いていて…。

井 相当な力技で描いていましたね。パソコンが無いのでみんな紙に描いて。

片 それでも背景の大きさが足りなくなって、カラーコピーもあまり無い時代だったんですけど、コピーをこっそり繋げてやっていたら大友さんに怒られたりして。(作中の)子どもの描いた絵が動くようなパートは、セルに直接クレヨンをのせたいけど難しくて、ラッカーを塗って…でも大量生産ができなくて、つやけしの板にタップ穴を開けてアナログでやってました。

アニメーターの取り合いの中から生まれた『スチームボーイ』

小 で、ここで大量に出てくる煙がスチームボーイにつながるわけですね。

片 (作監の)小原さんが蒸気をリアルに描きたいけど資料ありませんかと言われて、『世界の車窓から 蒸気機関車編』22を貸したら、彼が家で一コマづつトレスして、それが凄くリアルすぎて、ちょっと手描きにしないともったいないね、という話になりまして…。

小 当時から『スチームボーイ』というタイトルがあったんですか?

片 「なんか蒸気が出てくるやつ」と言われてました(笑)

小 どうして9年もかかったんでしょうか。

桑 出資者の意向もあるし、大友さんの意向もあるしでいろいろあって…。

片 海外展開も考えていたんですか?

桑 ソニー・ピクチャーズ23ですから考えてましたねー。

片 ハリウッドの監督にアドバイスを受けるたびに「なんで俺がそんなやつのいうことを聞かないといけないんだ」とか言うんですよ。

桑 途中で(制作が)サンライズに変わったんですけど、当時の話を聞くと、スチームボーイ級のクオリティを描こうとするともう海外には出せなくて、国内のアニメーターをかき集めて作ったとか…。

井 当時は『イノセンス』24と『東京ゴッドファーザーズ』25を同時進行で作っていて…。

小 『メトロポリス』26もありましたね。

井 そういう人の取り合いがあって時間がかかったんでしょうね。

桑 敵は『トイ・ストーリー』27なんですよね。あのフルCGの作品で面白い脚本がついていることが重要なんだということを、大友さんは言っていて、でもいろいろな制限があって…マンパワーの問題だとか…。

小 内容的には意外だったんです。大人向けの作品を作ってきた大友さんがこういう作品を作るんだ、と。

桑 世界市場をみた時にキッズムービーのカテゴリーで勝負しないといけないというのはありましたね。大友さん自身もクールなのものだけではなくて、ベタな家族向けのものも好きだったわけですし。宮崎さんの「ラピュタ」のような挑戦をしたかったんでしょうね。

小 (スチームボーイには)普遍的なものがありますよね。絵的なものに対する意気込みもすごかったそうですね。

桑 「美術を見せたいんだ」と言っていたんですが、実際は1カットが短くて…。

小 井上さんも『スチームボーイ』参加されてますよね。

井 『イノセンス』を終わらせて、『東京ゴッドファーザーズ』に行って、また『スチームボーイ』に帰ってきたらまだやってたから手伝って…(笑)

小 大友さんの雰囲気はどうでしたか?

井 『AKIRA』のときは自らバンバン直したりしてたんですけど…。

小 作品の印象はどうでした?

井 小黒くんと同じであまり大友さんぽくないなあ、と思ったところはあるし、ちょっと飽きてしまうようなところもあるのかもしれないのだけど、普遍的な物語を書いていて、大友作品の中では好きな作品ですね。当時の評判はかんばかしくなかったんだけど、僕はいい映画だなあ、と。もっとテンポが良ければもっと良かった。力作であることには間違いない。

桑 大友さんが『スチームボーイ』で目指したものは色々あるんですけど、一つには作画監督は上手いアニメーターなのに他人の尻拭いするのはもったいない、等身を統一するんだったらコンピューターに任せれば間違いないというのがあって、そういう意味でも先進的な作品でしたね。

片 「大砲の街」を作ってる時は吉祥寺の街でご飯を食べて、帰り道を散歩していると本屋で大友さんが美術書なんかを見始めたりて、それを自分の趣味として語ったりしていまして…。美術としての味わいのようなものを目指していく、色んなタイプの表現を目指していきたいのだろうな、と思います。色んな描き方を究めてみたいという、表現についての作家性、それは私も好きな点です。一人の作家としてはスタイルが定まりきらない方ですね。

小 ところで、片渕監督の制作中の作品はどうですか28

片 もう、大変ですよ…29



上映作品

[cf_cinema post_id=4171 format=3 text=” 最初から最後までクライマックスという感じで何回観ても面白い作品。トークショーでも言われてましたけど、オーバーアクションぽく見えるところ、確かにありますね(笑)一昨々年の「なかむらたかし特集」を観た後だと、「作監:なかむらたかし」というのがすごくしっくりきます。キャラクターのデザインもどことなくなかむらさんの方に寄せてきている感じありますよね。なんか丸っこいとことか。井上さんパートのチェイスシーンはやはり迫力ありますね。あと、今更ながらカオリに感情移入してしまって辛い。中盤のボコボコにされるとことか。”]

[cf_cinema post_id=4173 format=3 text=” 3本の中では「最臭兵器」が一番好きなんですが、なにげに岡村天斎さんの初監督作品なんですよね。戦車の描写とかがやたら細かい笑 縦列横向き射撃のシーンはエヴァを思い出します。「彼女の想いで」の例の薔薇は「なんか変な感じだな」とは思ってたんですが、なるほど、あれがCGなんですね。言われないとわからないなー。今回は「大砲の街」も新たな視点で観れたのが良かったですね。でも4箇所のCGいまいちどこかわからなかった…。奥に行ったり手前に行ったりするところ、昔はどうやってたか不思議だったんですが、一応その辺の裏話が聞けたのが収穫ですね。内容的にも大砲発射のプロトコルをなぞるところは何回見ても面白い。”]

[cf_cinema post_id=4187 format=3 text=” かなり久しぶりの鑑賞。作画面・演出面の完成度の高さが本当に異常。整いすぎていて逆に怖いくらい。でもやっぱりちょっと中だるみしてますよね…。クライマックスか!と思ったらまだまだ続くし笑 確かにラピュタっぽさもあるんですが、あっちと決定的に違うのが、なんだか生臭みを感じてしまうところでしょうか。資本家連中が買い付けに来ているところとか。基本的には歴史改変SFに類すると思うのですが、改変されていない部分がやたらリアルに見えてしまうんですよね。画面的な完成度の高さ、リアリティが冒険活劇感を損ねているというか。物語版「不気味の谷」とでも言いましょうか。あとヒロインが他に例を見ない感じでとても素晴らしいと思います。宮崎アニメへのアンチテーゼですかね笑 かなりアグレッシブで良い。”]

写真など


まとめ

 いやー、なんというか「煙」オールナイトって感じでしたね。だんだんと変化(進化)しているのが読み取れて面白いです。質量なきものを描く熱意のようなものを感じます。トークショーでの片渕監督と井上さんによる当時の思い出話のような証言が聞けたのも良かったですねー。特に「大砲の街」と謎の安藤くんのお話とか。どの作品も、「アニメファンなら見ておきたい200本」に恥じぬ、傑作映画でしたね。都度都度見直していきたい映画でもあります。また別の括りでの上映を期待!


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関連リンク

■新文芸坐 http://www.shin-bungeiza.com/

■Webアニメスタイル http://animestyle.jp/

NOTES

  1. 2016年秋公開予定の『この世界の片隅に』。ミリタリーマニアでもある片渕監督の常軌を逸した考証がヤバイ映画です。楽しみ。
  2. 「彼女の想いで」のキャラクターデザイン・作画監督、「大砲の街」の原画。
  3. 「少年は未来を発明する。」
  4. 1987年発売のOVA。ロボットをテーマにした7本の短編オムニバスで、それぞれ、森本晃司さん、大森英敏さん、梅津泰臣さん、北爪宏幸さん、大橋学さん、北久保弘之さん、なかむらたかしさんが監督という超豪華メンバー。個人的には北久保監督の「明治からくり文明奇譚」が好きですね。
  5. 湯浅政明監督(1965年3月16日-)。映画「クレヨンしんちゃん」の人であり『MIND GAME』の人でもあり…。過去のアニメスタイルでも何回かオールナイトが企画されている。ここで、大友さんがクレしんを観ていたりとか『ねこぢる草』(!)を絶賛していたりといった話がありました。
  6. 1981年発表の短編。2013年にオムニバス映画『SHORT PEACE』の一編としてカトキハジメ監督でアニメ化。
  7. なかむらたかし(1955年-)。『とつぜん!ネコの国 バニパルウィット』(1998年)、『パルムの樹』(2002年)の監督など。個人的には「工事中止命令」(1987年)が好きです。『AKIRA』では作画監督。
  8. 大工原章(1917年11月23日-2012年6月17日)。日本の初期アニメーションの立役者。日動映画と東映動画がメインで、その後スタジオ・カーペンターを設立。東映長編の初期の傑作である『白蛇伝』における森康二さんとの二人原画が有名かな。
  9. 森康二(1925年1月28日-1992年9月5日)。東映長編映画、世界名作劇場などが代表的。ハイジのキャラデザといえばわかりやすいかも。丸っこい感じ。
  10. 『迷宮物語』(1987年)の中の一編。個人的に3本の中では一番好き。なかむらたかしさんが作監で、大友さんは監督・脚本・キャラデザ。原画陣も豪華!
  11. 26号のタカシ
  12. 2001年。「構想8年、制作3年」と言われているように、『MEMORIES』と同時期にやっていたはずなんですが…笑 個人的にはオールタイムマイ・ベスト映画の一つ。早くBlu-ray出て欲しい!
  13. 三鷹にあったスタジオ4℃分室だと思われる。4℃とスタジオジブリの関係は『AKIRA』と『魔女の宅急便』の際のスタッフの借り貸しがベースになっている。
  14. プロデューサー。スタジオ4℃の創立メンバーであり、現代表取締役社長。
  15. 株式会社イマジカ。映像関連のポストプロダクション業務を主とする会社。
  16. 『NEMO/ニモ』(1989年、波多正美/ウィリアム・T・ハーツ監督)。東京ムービーがアメリカ進出のために創設したテレコム・アニメーションフィルムの第一作だったが、興行的には失敗に終わる。高畑勲、宮崎駿、近藤喜文らのそうそうたるメンバーがアメリカに行ったりしてます。去年のTAAF2015で上映された記録映画『飄々』の中でストーリーボードの大塚康生さんが渡米の際の思い出を語っていましたね。片渕監督は制作過程のパイロットフィルム等で演出補佐等で参加。
  17. 株式会社ポリゴン・ピクチュアズ。
  18. 安藤裕章。本文中でも言われてるけど、どうも経歴がよくわからない人。最近だと『シドニアの騎士』とか。
  19. 磯光雄(1966年-)。『スチームボーイ』でも「設定開発」とかいうよくわからない役で参加してる…。
  20. 「大砲の街」のキャラデザ・作監をやられてた小原秀一さんのことですかね…。「同じ所でやっていた」というのはそういう距離感なのかなw?
  21. (1966年9月29日-)。フランスのバンド・デシネ作家。代表作は『天空のビバンドム』(1994年)。確かに絵の雰囲気が似てますね。
  22. ちょっと検索したけどわかりませんでした…。
  23. 製作委員会の株式会社ソニー・ピクチャーズエンターテインメント
  24. 2004年、押井守監督。
  25. 2003年、今敏監督。
  26. 2001年、りんたろう監督。マイベスト映画の一つ。超クオリティ!そういや、これも脚本が大友さんなんだよな…。
  27. 1995年、ジョン・ラセター監督。
  28. 2016年秋公開予定の『この世界の片隅に』。ミリタリーマニアでもある片渕監督の常軌を逸した考証がヤバイ映画です。楽しみ。
  29. 『この世界の片隅に』、2016年秋公開予定!みんな観よう!