アニメスタイルセレクション、101回目、なぜか今まで一回もかかったことのない『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』でした。いや、全然盛り上がるしいいんですけど!トークゲストはこれまた珍しい声優・音響枠。大作少年役の山口勝平さんと音響監督(本作では「音楽監督」)の鶴岡陽太さん。
前回の「新文芸坐×アニメスタイルセレクションvol.100 100回記念シリーズ Best of Best(1)」のレポートはこちら!
トークショー
!notice!
トークの内容につきましては、その場で速記してまとめています。事実誤認、不適当な記述などございましたらご連絡ください。対応させていただきます。今回、特に記録取りづらかったのでかなり端折った箇所などあります。
登壇者
山口勝平さん(大作くん役の大ベテラン。以下「勝」)
鶴岡陽太音楽監督(こちらもベテランの音響監督。以下「鶴」)
山木泰人プロデューサー(フェニックス・エンタテインメント代表取締役。以下「山」)
小黒祐一郎さん(アニメスタイル編集長、司会。以下「小」))
新文芸坐・花俟さんによる前説
花 101回目となりまして、記念すべき101回!ベスト・オブ・ベストといいつつ今までやったことのないものを上映するという回でございます(笑)
山口さんが最年少
小 念のため聞きておきたいと思いますが、今日初めて「ジャイアントロボ」を観る方!あ、3割くらい観てない。ロボが動くんだよ!あと強いおじさんがたくさん出てくる(会場笑)
まず、作品に参加するまでの経緯を聞きたいんですが…。
勝 オーディションはなかったんです。今川さんは美味しいものを食べに連れていってくれるおじさんだなと思ってて…。当時は(別に)決めていた方がいらっしゃったらしいんですけど、その女性の方を少年の声に戻すのもかわいそうだなと思っていて、「少年みたいな声を持ったやつを探してたんだよ」と言われて…。
小 でも大作くん、小学生じゃないですか。
勝 そうなんですよ。抜群に小さかったですね。ベテランの方とやることが多かったので緊張してました。
小 あの声は作ってたんですか?
勝 地声の高い方でやってたのかな。たまに裏返ってました(笑)
小 声がかすれたりするの、スーパーテクニックだと思ってました(笑)
勝 体調とか気をつけてましたね。
小 でもかすれる感じが、大作くん声変わりするのかな、と思って観てました。
勝 大人たちと同じテンションでやらないでくれ、と言われていて。でかいロボと遊んでる感じでやってくれと。あのメンバーだったんで一生懸命やってもあんな感じだったと思いますよ。
小 他の方々はもっと年上の…。
勝 僕の次に若いのが島本須美さんでしたよ。その次が若本さん。「ぶるあぁぁ!」って言わない若本さん(会場笑)
小 収録は抜きで?
勝 十傑集が出てきてからは抜きが多かったですね。あのメンバーに集まってくれとは言えなくて(笑)
謎の役職「音楽監督」とは?
小 鶴岡さんは音楽設計という謎の役職ですけど…?当時はどこにいたんですか?
鶴 当時は前のスタジオを辞めたところで、「ジャイアントロボ」をやるということで呼んでもらって、アニメに復帰した作品ですね。バブルでイベント関係の仕事をやっててウハウハだったんで、こういう作品が無かったら戻れてたかどうか…。
小 音響監督は別にいたんですか?
鶴 5話まではワルシャワに行っていて、今でこそ「ジャイアントロボ」は音楽が豪華って言われてますけど、始めたときは徒手空拳で予算もなくて、1話の時、現金で1万ドル持ってワルシャワ行って録ってきました。
小 ワルシャワの中の一流の人達なんですか?
鶴 ワルシャワフィル1ですもん。
小 何人くらいで行かれたんですか?
鶴 先生と2人ですね。やることなすこと初めての経験でした。
小 代理店みたいなものがあったわけじゃないんですね。
鶴 紹介してもらったのが山田さんというワルシャワ映画の買い付けをしてる人で、当時のワルシャワは(紙の)コピーができなくて、日本で全部パート譜のものまで印刷していかなきゃいけない。録音テープもないので持ち込んで。システムチックにはものごとができない状態でした。
小 場面ごとに発注してるんですよね。
鶴 実は、サントラに入ってるテイクと実際のものは違ってるんです。エディタに非常に時間がかかるので、自分はDAT持ち込んでやってました。
小 本編で使ってるのはDATのやつ?
鶴 だって待ってらんないんだもん。すぐやらないといけないし。DATがあってラッキーでした。
勝 それは聞いたらわかるんですか?
鶴 難しいかなあ…。だからCDの方は素晴らしいと思います。
今川監督がコンテを描くと苦情がくる
小 アフレコの時は映像はあったんですか?
勝 なかったですね。…あ、1話の時はありました!ちょっと覚えてる。最後、基地に帰ってくるところがカラーだった気がします。
小 印象的な場面とかはありますか?
勝 ジャイアントロボは印象的な場面多いですよね。一話に一回くらいありますよね。
小 鶴岡さんは?
鶴 やっぱり中条長官のところですね。家弓さん、一時期身体を悪くされてて…。
勝 千葉さんもすごかったですね。千葉さんも一時期体調悪くて…。
小 1話の時にはその後の展開は聞いてたんですか?
勝 全部で一週間の話ってのは聞いてて、年に1,2巻かなあと言われてました。
小 (客席に向かって)今日のお客さんは幸運なんですよ。僕らは5巻から6巻の間で2年待ちましたからね(会場笑)
小 今川さんの思い出とか何かありますか?
鶴 あまりないなあ…。でも今川さんに声かけていただいたのがきっかけでその後も仕事もらったりしてます。
小 山口さんは今川さんの思い出は?
勝 ご飯おごってくれるおじさん。優しい方ですね。
小 ここで3人目のゲスト、山木プロデューサーに…。
山 プロデューサーの山木です。一言訂正、鶴さん1万ドル持ってワルシャワ行ったんだけど、あれで録ったわけじゃないんです。当時は1ドル80円で2000万円の価値がある…(聞き取れず)。
小 いきなり脂っこい話になりましたね…。そういえば、7話の謎の音響監督は誰なんですか?
山 あれは私なんです。鶴岡さんも忙しかったし、最終巻は自分の思い通りにやりたいということもありまして。ぶつかり合いはあまりやりたくないなと思ってて。
小 じゃあ役者さんへの指示も…。
山 いや、そこは本田さん2にやってもらいました。
今川くんがコンテを書くときがすごいんですよ。彼が台詞を書く時に大声で台詞を叫ぶ!それで苦情が来て。大変でした。警察呼ばれたこともあります。今川くんのせいだけじゃないけど。最終巻の長官とかの台詞の掛け合いとかを監督が叫んでると想像してみてください(会場爆笑)
上映作品
[cf_cinema post_id=8893 format=3 text=” これ言っちゃうと身も蓋もけどさ…。フォーグラー博士がビデオメッセージを死んだ直後に流すようにしとけば誰も死なずに済んだよね…。それか手紙でもさ…。今更ですけど…。まあ、それはそうとして、やっぱりこの作品、新文芸坐の大画面が映えますねー。特にメカニックですね。第1話のロボの整備シーンなんか、OVAだから劇場にかかることは想定されていないはずなのに、恐ろしいほど緻密。ケーブル一本一本描写されてるのほんとすごい。もちろん、大画面なんでアクションも映える!もともと外連味のある動きが楽しい今川作品ですけど、この巨大スクリーンで見ると笑っちゃうくらいイカれた動きしてて最高!音響も言わずもがな。今回は音楽監督の鶴岡さんがゲストだったんで、そのへん集中して観てたんですが、やっぱりオープニング(来るべき近未来…)が最高にアガりますね。あとは銀鈴の最後のあたりとか良いですよね。実は初見だったんですけど、いわゆるMADアニメとかでよく使われる作品だったので、「あー、あのMADのあそこはここから取ったのかー」とか10年ごしくらいの感慨がありました。十傑集の人らがあっという間にやられるあたりの駆け足感がすごい好き。キャラを惜しげもなく使う感じね。そのへんの強引さって今川作品の魅力だなあと思うのです。途中微妙に寝ちゃったので、家で補完しますー。”]写真など
まとめ
なんだかんだ言って通しで初めて「ジャイアントロボ」観れたので良かったです。トークも後半は生臭い話が多くて、オフレコ話がたくさん聞けたのも楽しかった。アクション多いのでオールナイト向きの作品でしたね。また何かの機会にやってほしい!
[cf_event]
関連リンク
■新文芸坐 http://www.shin-bungeiza.com/
■Webアニメスタイル http://animestyle.jp/
コメントを残す