東宝の新しい挑戦を応援したい:『Gemnibus vol.1』
ちな監督の「ファーストライン」目当てで行ったんだけど他の3本も面白くて良かった。
1本目、上西琢也監督「ゴジラVSメガロ」。何の予備知識もなしで行ったので初っ端まさかのゴジラで嬉しい誤算。しかもメガロ。短編なのでほぼアクションシーンしかないんだけど、とにかくメガロのデザインがかっこいい。昔の素朴なデザインも良かったけど、現代風にリファインされていて、これはこれでいい感じ。終わりがあっさりすぎて潔い。
2本目、平瀬遼太郎監督「knot」。ありがちな話かと思って観ているとかなり予想外のところに連れて行かれる感じ。大団円かと思ったらイヤーなオチが待っているのもいい。写真家の話だけど、出てくる写真がちゃんとそれっぽいのもいい。タイトルにもある《knot》が特に印象的。
3本目、お目当てのちな監督「ファーストライン」。端的に言うと新人アニメーターががんばる話なんだけど、やはり作画と演出がいい。原画をパラパラめくるカットからしてもういい。試行錯誤する中でこれまでのアニメ史で試みられた様々な表現が垣間見られるのも面白い。そして主人公を叱咤激励する老監督がまんまあの巨匠!彼の周囲だけタッチがジ◯リ風なのも最高!ラストあそこでぶった切れるのも監督としてすごい判断力。
4本目、本木真武太監督「フレイル」。老人問題と仮想現実とサイバーテロとゾンビを混ぜ込んだすごい作品。明らかにもり過ぎなんだけどそれなりにまとまってるのがすごい。でも仮想現実で若くなっても性格ついてこないだろ、とは思った。面白い。
vol.1 | GEMNIBUS | GEMSTONE | 東宝株式会社
昭和の東映っぽさがすごい大傑作映画『密輸 1970』
今年のベストこれでいいのでは…というレベルの傑作。
密輸に手を染める海女さんたちが主人公なのだけど、そこに闇市場を仕切るマフィアたちや取り締まりを強化しようとする税関といった様々な勢力が絡み合い、終盤の大混戦っぷりはかなり最高。復習する女たちの映画としても傑作で、男たちの暴力に対して女たちは結束と知恵によって立ち向かっていく。このあたりの伏線の貼り方と大逆転っぷりも素晴らしい。あとサメも出る。
役者陣では主演のキム・ヘスとヨム・ジョンアももちろんいいのだけど、密輸業者の親玉クォン軍曹を演じたチョ・インソンがとにかく顔がいい。観ていて楽しいキャラクター。エンドロールでその後が描かれるのもいいね。序盤と後半で全く印象が違うドリ役のパク・ジョンミンの演技にも驚かされた。
あと歌謡曲が流れるオープニングから昭和の東映で作っていたようなテイストが満載でこれもめちゃくちゃアガる。このへんはあえてやってたのかな。フィルムのテイストも少しレトロな感じでかなり良い。
いやー、語るのが難しいけど、めちゃくちゃ面白いわこれ。
「髙田賢三 夢をかける」@東京オペラシティアートギャラリー
全く予備知識なしで行ったけど、かなり良かったですね。失礼ながら結構過去の方だという認識だったんですが、亡くなられたのつい先日だったんですね。
この展覧会は回顧展的な位置づけで、初期から編年的に語っていくスタイル。初期からかなりセンスがいい、というか今見ると昭和レトロな感じがむしろ良い!今このスタイルで出したらかなりウケる気がするなあ。後期の作品もいいんだけど個人的には初期のシンプルなスタイルに惹かれますね。
あと作品以外の部分でいうとバスティーユの邸宅のあたりとかさすがにセンスがいいなあと思いましたね。
そして個人的に一番良かったのはクマの着ぐるみ的なやつ。
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