目次
- はじめに
- 『お兄ちゃんはおしまい!』#12.「まひろのおしまいとこれから」
- 『スキップとローファー』第4話「ピリピリ カツカツ」
- 『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第22話「紡がれる道」
- 『王様ランキング 勇気の宝箱』第七話「薄ら笑いの蛇使い」「四天王の宴」
- 『GAMERA -Rebirth-』#06「幼年期の終わり」
- 『葬送のフリーレン』#06「村の英雄」
- 『悪魔くん』(2023)第12話「犠牲」
- 『オーバーテイク!』Rd.09「厄災の日 ―What really happened?―」
- 『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』第1話「スコットピルグリムのかけがえのない人生」
- 『進撃の巨人 The Final Season』第93話「長い夢」
はじめに
あんまり数観れてないんですが、こういうのは継続が大事だと思いますので、今年も「話数単位で選ぶ、2023年TVアニメ10選」に参加したいと思います。
企画の主催は「aninado」さん、レギュレーションは以下の通りです。
■「話数単位で選ぶ、2023年TVアニメ10選」ルール
・2023年1月1日~2023年12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。
・集計対象は2023年中に公開されたものとします。
ツイッターのハッシュタグは「#TVアニメ話数10選2023」となります。
『お兄ちゃんはおしまい!』#12.「まひろのおしまいとこれから」
全編作画演出が良すぎるシリーズだったのでどの話数を選ぶか迷ったけど、物語的にも密度が高い最終話を選びました。
旅館の部屋に全員が収まっているレイアウトとその中で各々がわちゃわちゃと動いているシーンが楽しい。いわゆる温泉回ですが、早々にそれどころではない事件が起きてコミカルに動きまくるのであまりいやらしさがないのが個人的には好き。いやかなりエロいか。
まひろに選択を迫る筋書きですが、それまでのエピソードの蓄積によって、まひろが「転生」を主体的に選び取るという流れがTVアニメシリーズの最後として美しい。帰りの電車のシーンも良すぎですね。2期期待。
『スキップとローファー』第4話「ピリピリ カツカツ」
Aパートの志摩くんの過去に触れる手つきの繊細さがいい。ちゃんと会話を重ねていくというのはこの作品のいいところですよね。なのでやばいやつが出てきても安心感があるというか、ギスギスした感じにならないのが安心して観れる感じ。まあそれでもギスギスした展開はあるんですが、みつみのいい感じの空気の読めなさもあって、まあ悪いことにはならんだろうという期待感があるんですよね。
Bパートもこの作品のキモである「みつみを中心とした人間関係」がしっかりと描かれていて、この第4話を観ると作品の軸となるテーマがしっかりと伝わってくる気がしますね。この作品、周囲の人たちが主人公のみつみに影響を受けて(そしてみつみも影響を受けて)変化していく物語なわけですが、固かった高嶺先輩がしだいに柔らかくなっていく過程がわかりやすく描かれていて、お話としても面白い。
個人的に好きなシーンは宇宙猫になる高嶺先輩のシーンですね。底が抜けた感。みつみが猫に見えるシーンも好き。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第22話「紡がれる道」
スレッタとミオリネのドア越しの会話から、自分の足で歩いていくミオリネのカット、手を絡ませる二人の演出がとても良い。
テーマ的にも「前に進むこと」が必ずしも良い結果をもたらすわけではないという洞察を得て、なおかつ前に進もうとする姿を描くのがいいですね。
『王様ランキング 勇気の宝箱』第七話「薄ら笑いの蛇使い」「四天王の宴」
ほぼ番外編のシリーズでしたが、前シリーズ同様、作画と演出が非常に豊かなシリーズでした。第七話は四天王に焦点を当てた二つのエピソード。四天王好きなのもあるし、どちらのエピソードも演出作画が良いのでこちらをセレクト。
Aパート「薄ら笑いの蛇使い」は若いベビンがデスパーさんの元で修行するエピソードですが、無印の方でのボッジ自身の修行を思い出させるのが楽しい。
Bパートの「四天王の宴」が特に好きで、コンテ/演出いいなあと思って観ていたら亀田(祥倫)さんでしたね。腕相撲のシーンの寄って寄っての画面の切り方がらしいですねえ。暑苦しいなあ。黒幕が実はホクロで…というストーリーもいいですし、あれだけ強そうに描写されていた四天王でも協力しないとそれほどでもない、というあたりが作品のテーマとマッチしていて面白い。
『GAMERA -Rebirth-』#06「幼年期の終わり」
最終話。後半3話くらいは怒涛の展開でどれも見どころが多いのだけど、最終話はとりわけインパクトの大きな展開が五月雨式に投入されて行き着く暇がない。
これまで繰り返しギャグ的に待機待機待機だった自衛隊がここに来て大活躍する展開めちゃくちゃ熱いですね。90式戦車が編隊を組んでギャリギャリと動き回るのも楽しすぎるし、カットの切り方がいい。
ガメラの月面基地狙撃はもはやギャグなんだけど、昭和ガメラってこういう超展開だったよな〜という面白さ。それをこのシリアスな画風でやるのがミスマッチでいいですね。『ソードマスターヤマト』感。発射シークエンスは単純にかっこいい。この緩急の付け方いいですね。あくまでもシリアスベースではあるんですが。
ラストの通信のシーンもいかにもこの手の作品でやりそうな感じがして好きですね。きれいに締まる感じがする。
『GAMERA -Rebirth-(ガメラ リバース)』公式サイト
『葬送のフリーレン』#06「村の英雄」
原作の方はアクションシーンをほぼオミットすることで淡々としたトーンを維持していて、自分はそこがかなり好みなんですよね。それだけに、アニメ化によってそのあたりがどのように動画に変換されるかがかなり気になっていたのですが、この6話のAパートが一つの答えでした。
原作でほとんど描かれなかったドラゴンとの戦い。実際にシュタルクはどうやって倒したのか。縦横に動き回るのだけど、抑制された動きで、BGMが付いているにも関わらず、どこか静けさが漂う雰囲気。最近の、よく言えば情報密度の高い、悪く言えばごちゃごちゃしたアクションシーンとは一線を画す、情報が整理されて観やすいアクションシーンで、個人的には実に好みでした。シュタルクの出立のきっかけとしても実にいいエピソード。
Aパートが「動」ならBパートは「静」で、細やかな日常芝居が印象的。Twitterでは9話のフェルンとシュタルクの上着のカットが話題でしたが、6話Bパートの居酒屋で、フェルンがシュタルクの隣に座るカットの芝居もだいぶ良かったと思うのですよね。あの距離の詰め方もいいし。パフェとシュタルクという組み合わせも面白かった。
『悪魔くん』(2023)第12話「犠牲」
シリーズ全体を観ると???という感じではあったのですが、個々のエピソードは良かったんですよね。まあ主に平成版のキャラが活躍する話だったりするんですが…。メフィスト2世が活躍する第8話「真意」とか。
平成版『悪魔くん』ではキーアイテムというかチートアイテムだったソロモンの笛。令和版では全く活躍しないどころか壊れかけていて、しかも物語が進んでいくごとにヒビが増えていき、最終話ではついに粉々になってしまう…という衝撃の展開に。え、これどう収集つけんの?初代も死んでるしさあ…と思っていたら、なるほど、こうくるか!確かに「ソロモンの笛は心で吹く」って設定あったわ。ちょくちょく出てきた旧作ファンに対するサービスがここでピークになる感じで良かったですね。最後の最後で懐かしいソロモンの笛の音も聞けましたし。
シリーズ全体の感想になっちゃうんですが、このオチで2期想定してないとか嘘ですよね?2期あるなら12使徒なるべく出してください。家獣出るのに(いや家獣好きだしありがたいんですが)、鳥乙女出ないのはやっぱ気になるて。
『オーバーテイク!』Rd.09「厄災の日 ―What really happened?―」
幕間の話好きなのでこの話を。いやまあ幕間というより単にレースをしていない話、くらいの位置付けでテーマ的にはむしろめちゃくちゃ重要な話だとは思うんですが。
孝哉を追って東北にやってきた悠が二人で観光したり孝哉の過去に触れたりする話。再会した孝哉のノリが軽すぎて驚いてしまうんですが、この方が割とリアルなんじゃないかという気がしますね。ベタな展開じゃないだけで嬉しくなってしまうタイプ。
Aパートはめちゃくちゃ明るく観光するパートで、Bパートが孝哉のトラウマを掘っていく回想パートという切り分けが面白い。この構成はRd.04「過去と後悔 ―His good points? Don’t ask me.―」でも同じような感じで、あちらも印象深かったんですが、今回はより物語の根幹に近いこちらを選んだという次第。Aパートはバカスカ海産物を食べるシーンがコミカルで楽しい。一方でBパートは悲劇に向かうとわかっているだけに前半の日常シーンからすでに辛いものがあります。震災の描写を経て現代へ。お爺さんに挨拶に向かうトンネルのシーンの演出が良かったです。最後の病室のシーンでの感情表現の芝居も素晴らしい。
『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』第1話「スコットピルグリムのかけがえのない人生」
全話めちゃくちゃ面白いという奇跡みたいなシリーズだったのでどの話数にするか迷ったのですが、一番衝撃的だった第1話を。ロキシーが異常にかわいい第3話「ラモーナ、ビデオを借りる」(あの鼻歌!)とジュリー(&ギデオン with ルーカス)が異常にかわいい第6話「じっちゃんを縄にかけて」も捨てがたかったのですが…。
さて、この第1話。映画版(『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』)と全く同じ展開で進み、演出も映画オマージュでおお!となったのですが(ウォレスの部屋の説明のあたりとか)、映画版のまま進むんだったらやや退屈だな…(展開を知っているので)、まあでもアニメ版のナイヴスが異常にかわいいからいいか…と思って観ていると最後の最後で衝撃の展開が…!このインパクトだけで100点満点。
あまり「原作観てから観た方がいいよ!」とか言わない派なんですが、これに限っては絶対に予習してから観た方がいいですね。
『進撃の巨人 The Final Season』第93話「長い夢」
最終話1個手前なんでね。人類の大半は潰されてるけど、山の上に残った関係者父兄一同はまあ助かるよね。あとはエレンを殺すだけだしさ。
…と思っていたら!!この最後の最後でこんなひどいことするかよ!!おいおいおいおいおいって声出ました。この「ラガコ村の再現」のインパクトでベスト10入り。まあ難民キャンプの人たちを躊躇なく殺してた時点で嫌な予感はしてたんですが…(なんらかの手段で助かると思ってた)。
vs終尾の巨人のアクションとかエレン斬首とか長い感想戦とかもすごく良かったんですが、物語の容赦の無さにやや霞んでしまった印象があります。いや、その部分もめちゃくちゃ良かったんですけども…。やっぱりジャンとコニーが巨人化するのは精神にきますわ。
(最終話を見てホッとした派)
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