映画レビュー

【映画レビュー】『5つ数えれば君の夢』

投稿日:2014年4月27日 更新日:


 女子高の話である。文化祭の目玉であるミスコンをめぐって5人の少女たちの物語が語られる。
 女子高の話であるから、同性への憧れの吐露といったお約束の展開もありつつ、基本的には閉鎖的な世界のお話。最近話題のスクールカースト的な描写もあるのだけれど、『桐島』における網の目のような濃密な人間関係というよりはむしろ、ミスコンを軸とした二つの陣営のシンメトリカルな構図。そういった意味では、第三者としての「委員長」(中江友梨)の立ち位置は面白い。

 この物語は「小さな宇宙からの脱出」の物語でもある。それは女子高という大きな枠組のことでもあるし、個々人の持つ世界のことでもある。さく(山邊未夢)の作る屋上の花壇や、りこ(新井ひとみ)にとってのプールやミスコンの舞台といった象徴的なモティーフは印象的だ。二人の少女はクライマックスで世界を破壊し、そこから抜け出ていく。1年後の学校でデジャヴのように描かれる宇佐美(庄司芽生)と都(小西彩乃)との鮮やかな対比。

 演出面で言うと、何箇所かある長回しのシーンは特筆すべき素晴らしさである。特に、文化祭前日に通用口で会話する委員長と兄との会話。そして、同じく委員長と兄の、文化祭終了後の会話の場面。若干、中二病入っているような長い会話なのだけれど、お伽話を聞いているかのような独特の楽しさがある。「先行ってるね」なんて小洒落たセリフが印象に残る。中盤の、さくとりこのぐるぐると回る会話シーンも、視覚的な面白さに二人の関係性が重ね合わされているかのようで興味深い。

 と、まあそういった小難しい解釈は置いておいても5人のアイドルの映画としてみてもとても楽しい。個人的には中江友梨さんの委員長がとても良かった。表と裏のギャップも含めて。
 あと、あのエプロンドレスみたいな制服を考えたやつはマジ最高だと思う。

基本情報

5つ数えれば君の夢  85 min

監督:山戸結希

音楽:Vampillia

脚本:山戸結希

撮影:鈴木一博

出演:山邊未夢/新井ひとみ/庄司芽生/小西彩乃/中江友梨/大和田健介/

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