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【レポート】第4回 極端映画祭 イグレシアと極端な仲間たち【新文芸坐オールナイト】

      2017/09/11



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 今回は新文芸坐の誇るキワモノ映画セレクション「極端映画祭」に行ってきました!今回で4回目なんですけど、実は初参加だったりします。第4回のお題はアレックス・デ・ラ・イグレシア監督ですが、間に挟まれた2本は別監督。でもテイストは共通してますねー。どれも最近公開された作品ばかりで、しかもどれも見逃していた作品だったのでありがたいですね。

上映作品短観

スガラムルディの魔女  Las brujas de Zugarramurdi114 min


監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア

脚本:アレックス・デ・ラ・イグレシア/ホルヘ・ゲリカエチェバリア
撮影:キコ・デ・ラ・リカ

出演:ウーゴ・シルバ/マリオ・カサス/カルメン・マウラ/カロリーナ・バング/ジェイミー・オルドネス/ガブリエル・デルガルド/マカレナ・ゴメス/ハビエル・ボテ/ペポン・ニエト/セクン・デ・ラ・ロサ/カルロス・アレセス/サンティアゴ・セグーラ/テレール・パベス

 最初から最後までクライマックスと言ってもいいかもしれないハイテンションムービー。初っ端からキリストとかスポンジボブとかが機関銃乱射する銀行強盗の場面でかなりイカれてますね!楽しい!

 中盤以降も魔女という名のオバちゃんとお姉ちゃんが壁を駆けるわ、運転手のおっちゃんの指を唐揚げにするわとやりたい放題でいいぞいいぞ!それにしても主人公のホセ(ウーゴ・シルバ)をはじめとしてみなキャラの濃いこと。巻き込まれた乗客のおっさん(マヌエル・タリャフェ)とか銀行強盗を追う二人の刑事とか。そして魔女の中に男性がいるんですが、これは…(笑) クライマックスの肉塊との戦いも盛り上がるわー。

 そしてラストの劇場のシーンはどうしても『蒲田行進曲』と『地獄でなぜ悪い』を思い出してしまうのでした。


ザ・ゲスト  The Guest100 min


監督:アダム・ウィンガード
音楽:スティーブ・ムーア
脚本:サイモン・バレット
撮影:ロビー・バウムガルトナー

出演:ダン・スティーブンス/マイカ・モンロー/ブレンダン・マイヤー/シーラ・ケリー/リーランド・オーサー/チェイス・ウィリアムソン/ランス・レディック

 長男を戦争で亡くした一家のもとになぞのイケメン(ダン・スティーヴンス)がやってくる…。見てる人にとってはこのデヴィッドなる青年が怪しい人間であることは最初からわかっているのだけど、どうやって家族を騙して入り込んでいくか…、が前半の見どころ。後半はとにかくいろんな意味で手の早いこのデヴィッドの暴力性を堪能。特に不良のクレイグとその友人から武器を買うシーンのいきなり感とか素晴らしい。怪しいことはなんとなくわかるけど、結局誰なのかがなかなかわからないのも、飽きさせない。

 で、結局どうなったのかを(文字通り)煙に巻く終わり方もいいですねえ。『悪の教典』を思い出しました。

 ちなみに、監督のアダム・ウィンガード監督の前作『サプライズ』も割りと似たようなテイストで超オススメ!「だます」がテーマになっているところも一緒。肉打ちハンマーを構えるヒロインにはまんまと騙されました笑!


アンダー・ザ・スキン 種の捕食  Under the Skin108 min


監督:ジョナサン・グレイザー
音楽:ミカ・レビ
脚本:ウォルター・キャンベル/ジョナサン・グレイザー
撮影:ダニエル・ランディン

出演:スカーレット・ヨハンソン/ポール・ブラニガン

 去年見逃してた一本。新文芸坐の大画面で見れて最高ですね!しかし、オールナイト3本目というこの時間は…。絶対寝るだろ!

 シネフィル勢に大好評だった本作ですが、まあ評価別れるよなあー、という印象。音と映像のシャープさ、というか群を抜いてエッジの効いた感じが素晴らしいですね。内容自体もドキュメンタリーだと言われても違和感の無い淡々とした静謐さ。無駄なところを削ぎ落したというか、うーん言語化が難しい!

 ストーリーは地球外生命体であるところのスカヨハが男を逆ナンして食い漁る(物理)だけなんですけど、ここまでアーティスティックに描かれるともはや別の次元です(笑)ラストのロングショットの美しさたるや。


刺さった男  La chispa de la vida94 min


監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
音楽:ホアン・バレント
脚本:ランディ・フェルドマン
撮影:キコ・デ・ラ・リカ

出演:ホセ・モタ/サルマ・ハエック/ブランカ・ポルティージョ/ファン・ルイス・ガリアルド/フェルナンド・テヘロ/マヌエル・タリャフェ/サンティアゴ・セグーラ/アントニオ・ガリード/カロリーナ・バング/ホアキン・クリメント/アントニオ・デ・ラ・トーレ

 ふとしたことから建設現場の鉄骨が頭に刺さり抜けなくなってしまった失業中のサラリーマン、ロベルト(モセ・モタ)。平凡な人生を脱するためこの危機を利用しようとするロベルトはマスコミを呼び込み一攫千金と名声を夢見るが…。

 見ているうちにこれは「サラリーマン版のヤガモ」なのではないかと思ったり。平凡なサラリーマンが一本の鉄骨によって一躍、時の人となるというブラックなシンデレラ・ストーリー。序盤で職を求めて奔走するサラリーマンとしてのロベルトが描かれ、それが一瞬にして逆転する様が痛快で見事です。鉄骨が抜けないので、必然的に彼のもとに人々が集まってくるという構図。

 そして、ブラックコメディとして走り始めた物語が、「人間の尊厳」をめぐる重厚なドラマへと連なっていくのも素晴らしい。ロベルトはもしかしたら死ぬかもしれないという状況の中で、家族のことを思い(そして承認欲求のため)、自分の身に降りかかったこの惨事を売ろうとする。そしてそれを止めようとする妻・ルイサ(サルマ・ハエック)。見ている間はこの妻の行動に苛立ったりもしたのだけど、終わってみれば彼女が実は正しかったのだとわかるのですね。ラストで毅然として歩み去っていく家族の姿が心に残ります。家族もの映画としてもオススメしたい。


まとめ

 今回の上映作品の中では、前評判通り『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』が新文芸坐向き、というか大スクリーン映えする映画でしたねー。でもやっぱりあの時間に持ってくるのは鬼畜w 絶対、寝るよ!狙ってたのかもしれないけど。一番期待してたのにちょっとウトウトしてしまいました。ただ、最初にハイテンションな『スガラムルディの魔女』を持ってきて、最後に『刺さった男』でしんみり締めるのはなんだか新鮮でしたね。

 次回の新文芸坐オールナイトは4月25日の「新文芸坐×アニメスタイルセレクションvol.67 押井守映画祭2015第三夜 「マニアック編」」に参加予定です!


イベント概要

イベント名第4回 極端映画祭 イグレシアと極端な仲間たち
日時2015年4月11日22:30 - 2015年4月12日6:00くらい
会場新文芸坐
料金一般:2,300円 前売・会員:2,100円


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