松濤の一軒家フレンチが良すぎでした。



2023年に出来たばかりの一軒家フレンチ「啓蟄」さんに行ってきました。松濤公園の三叉路の左側に謎の一軒家あるじゃないですか。あれです。今回はランチコース+アルコールペアリングで諸々込み20,000円くらい。
とにかく外も中も雰囲気が良すぎ。外見は普通の一軒家ながら、基本モルタル調で壁の質感が最高。開店前に店の前で待っているとソムリエールの方が出迎えてくれる。中もシンプルながら遊び心のあるオブジェやカウンターのセッティングも素晴らしく。窓から木漏れ日がはいってくるのだけれど、それがまた美しい。

コースはデザートまで全7品。最近よくある素材だけ書いてあるメニューカードですね。

一品目のアミューズ、「じゃがいも 炭化檸檬」。球形になったハッシュドポテトなのだけど、炭化檸檬による酸味と苦味がいい。一品目から期待できるスタート。

二品目、「春菊 ズワイガニ キウイ」。これも不思議な取り合わせだけど、この日食べた中で一番美味しかった。見た目の美しさもさることながら、全く違う素材によるハーモニーが素晴らしい。これはもうシュルレアリスムですよね。

ペアリングの2杯目、「ドメーヌ・サンタマン(DOMAINE SAINT AMANT)」の白。これがめちゃくちゃ美味しかった。飲んだことない感じのワインで、お茶みたいな雰囲気。感動。これは自宅でも買っておきたい。

三品目、「カリフラワー」。フランス語でカリフラワーはシュー・フルールなんだけど、それになぞらえてシュー生地に包まれているのが面白い。カリフラワーあまり得意じゃないんだけど、これはじゃがいものようなホクホク感が美味しくてバクバク食べてしまった。

ペアリングの3杯目、「ストヴィーア(STYVER)」の2022年白。これも美味しかった!キウイのような爽やかな香りで飲み飽きない。甘い感じ。

四品目、「根セロリ しらす」。予想外の出で立ち。セロリのシャクっとした感じとしらすの旨味。美味しい。

五品目、「鮟鱇 ケール」。フレンチで鮟鱇が出てくるとは思わなかったなー。すごく肉厚で濃厚な味。ケールのソースがまた絶品。これは夢に出る。

六品目、「鹿」。鹿はローストと煮込みの二本立て。ローストはよく食べるけど、煮込みは珍しい。あまりフレンチっぽくないかなと思ったけど、味付けは上品で滋味あふれる味。付け合せの蓮も美味しい。

最後七品目のデザートは「金柑 白ビール」。きのこのような見た目が楽しい。すごくさっぱりした甘みで金柑の香りが良い。


ミニャルディーズといっしょに出てくるのはオリジナルのブレンドティー。どくだみベースだけど様々な果物や穀物が入っていて、甘くて複雑な味。帰り際にティーバックを一つもらえるのも嬉しい。
提供時間は2時間程度で、とにかくホスピタリティが良いですね。最後は店の外までお見送りに来てくれるのも素晴らしい。ここはまた絶対行きたいし、人にもオススメしたいです。
大宇宙漁業百合SF完結。
『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ 4』を読む。完結巻ですが、もうちょっと続いてもいいよなー、という塩梅。最終巻だけあって盛りだくさんというか、情報量が多くてとてもいい感じですね。造物主/被造物主という対立構造を二人の関係性に影を落としていく中盤までの展開も恋愛ものとして素晴らしいと思いますし、往来圏における人外の扱いのあたりが小川先生のこれまでの作品のテーマと通底しているのも良かったです。
圧巻は最終章の変形(デコンプ)合戦!巨大な構造物が目まぐるしく変形してガチンコ勝負というこの作品ならではのスケール感とスピード感。その前段で二重連星恒星系を粘土製の薄い膜が覆っている描写があるんだけど、このあたりからもうアガりますね。脳内で動いていたのは『トップをねらえ2!』のニコラ回の宇宙戦艦変形とか『リトルウィッチアカデミア』終盤のミサイルとホウキの変形合戦のあたり。アニメ化したら映えると思うんですよね~。田中あひる先生のコミカライズもいい感じですし、アニメ化してくれ~。
肉ビストロだと思ったら肉フレンチ!


【公式・ネット予約はこちら】404(nf) – 大通りにひっそりと佇む …
友人に誘われて新宿西口の「404nf」さんに行ってきました。nfはNot Foundの略なので実にエンジニア向きの店ですね。「新宿、肉、ビストロ」というキーワードだとどう考えても地雷だと思って行ったんですが、肉「ビストロ」ではなく肉「フレンチ」でした。コースで予約してあったんですが、すごくオーセンティックなフレンチコースが出てきて驚いてしまいました。で、全部が肉で構成されたコースなんです。コンセプトが面白すぎる。

1品目Amuse「黒毛和牛 キャビア」。タルタルとキャビアが乗ったモナカ的なやつ。よくあるやつだけど肉が美味い。

2品目Entree「猪 里芋」。この段階ですでに感動的な美味さ。猪のテリーヌってのもなかなか珍しいし、それを里芋と併せてあるのがいい。ジビエだと餌と併せるのが良いとよく聞くけど、これはまさにそれという感じ。テリーヌの部分はややコンビーフ感があり、そのへんも面白い。

3品目2em「鴨肉 長ネギ」。鴨肉の柔らかさに感動。ネギもよく合うし、カモネギじゃん。ソースがまた美味しい。

4品目3em「仔羊 クスクス」。仔羊のブラウンシチューに付け合わせのクスクス。前の皿から打って変わって濃い味で酒が進む。


5品目Main 1「蝦夷鹿 藁焼き」。これは皿が出てくるまでのパフォーマンスも良かった。藁の香りが強くて旨味が強い。これだけなら先日行った啓蟄のメインにも勝るかも。

6品目Main 2「黒毛和牛 肩三角」。シンプルに美味しい。脂の乗り方が絶妙。ひたすらに美味しい。

7品目Dessert「甘酒 金柑」。これも意外性があってよかった。肉メインで、最後爽やかな甘さで終わるのいいですね。
ワイン5杯ペアリングで一人13,500円ぽっきりでした。量的には成人男性だとやや少なめかな?という感じでしたが、2軒目がまわりにたくさんあるから無問題という感じ。席はやや狭く、周りはめちゃくちゃうるさいですが、新宿西口資金ですし、こんなものでしょう。値段も手頃だし、また行きたい。
「令和のフランケンシュタイン」…には成らず…
安田現象監督の期待の第一長編『メイクアガール』を観てきましたが、うーーーん、これは…。なんとなく新世代の「新海誠」を期待していたのですが、肩透かしというかなんというか。映像音楽演出のあたりはさすがにMV育ちということもあって素晴らしかったです。特にヒロインである0号の可愛らしさと街中にあふれる汎用ロボット・ソルトのデザインはかなり印象的。端的に言うと設定と脚本がかなり残念な感じでした。とりわけ気になったのは主人公である明の人物造形で、あまりにもテンプレ気味のマッドサイエンティスト+愛を知らない男子という感じで正直見ているのがキツイレベル。脚本もこのテンプレ男子が「パワーアップするために」彼女を(物理的に)作るという流れで、90年代かな?と思ってしまう女性=モノ的な価値観が厳しい感じです。2025年にここまで人権意識のないやつが主人公なのはどうなんですかね?ただ、こういう場合のテンプレとしてはロボット(アンドロイド)が定番だと思うのですが、生物学的に培養して作ってしまうというのは面白いポイントだと思いました。まあ、この場合は人権的にさらにあかんよなあ、とも思いつつ、チャレンジャーではありますよね…。ただ、最初は自我のない綾波的だった0号(この名前も生身の人間につけるセンスじゃないだろ)が次第に自立し、明の先を歩いていくという展開はかなり面白いし、元祖フランケンシュタイン的に反逆していくのは良かった。クライマックスでのナイフを使ったコミュニケーションの場面はかなり過激で突き抜けるかな?と思ったんですが突き抜けませんでしたね…。そこで殺しておいたらかなり評価は変わったんですが。あの場面も「ヤンデレ」的な文脈に回収されるかと思うとやるせないきもちになりますが、まあこの映画のメインターゲット的にはちょうどいいかもと思ってしまいますね。2025年にこういうものを観れるというのも日本のアニメならではという気がしますね(もちろん悪い意味で)。
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