この雑記、もう2年くらいやってるのか。キリ番。
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「一回キスしただけで彼氏面」のシーンが悪夢すぎる
長井龍雪監督、岡田麿里脚本の新作『ふれる。』。あらすじ聞いたときはもっと紋切り型のしょうもない話かと思っていたのだけど、いやはやこれが素晴らしかった。「サトラレ系」というか、謎の生き物「ふれる」に触れた青年3人が以心伝心できるようになってハッピーハッピーハッピー♪という話で、いやこれどうやって話し作るん??と思っていたらサークラ女子がやってきてめちゃくちゃになる話…かと思ってみていると中盤に大きめのどんでん返しが!「ふれる」の真の能力が明らかになるくだりからこの映画の真骨頂で、テーマもかなり明確になってくる。端的に言ってしまうとディスコミュニケーションと「大人⇔こども」の話。そういった意味ではハリネズミとミノムシをガッチャンコしたような「ふれる」のデザインも秀逸だし、一回キスしただけで彼氏面してサプライズパーティーを企画する映画史上稀にみる悪夢的シーンの意味が際立ってくる。最後の定番のスペクタクルは無いと映画的に地味になるだろうけど、正直蛇足であると感じた。まあそれを抜いてもかなりの佳作だ。
『ロボット・ドリームズ』はオールタイムベスト級。
ファーストカットのツインタワーがもう優勝。そしてアース・ウインド&ファイアーの”September”!この2つの要素の使い方が実に上手い。舞台は80年代のニューヨークなのでツインタワーがまだあるんですが、ことあるごとに遠景に見えるこの2つの塔が何を象徴しているのかが次第にわかってくる脚本が見事。同じくことあるごとに流れる”September”も最高!ツインタワーと”September”といえばあの事件を連想せざるを得ないわけですが、直接的にそこに言及せず、物語で暗示的に見せてくるのがいい。ほどよい「わかりづらさ」。
大まかな筋としては、柔らかなタッチと擬人化された動物、そしてロボットによって紡がれる出会いと別れ、そして再生の物語。タイトルにもあるように、ロボットが見る夢の場面がアニメーションならではの表現でもあるし、クオリティも素晴らしい。特に花たちのタップダンスのシーンが白眉。中盤まではバッドエンドかと思いきや、大団円にいたるあの流れもいい。そして大団円ではあるのだけど、予定調和的に再会しないのが素晴らしくいい。悲劇があっても人生は続いていくし、そこには新しい出会いや喜びもある。
オールタイムベストに入れたい一本。
『ふつうの軽音部』はどんどんおもしろくなる奇跡の漫画
巻を重ねるごとにどんどん面白くなっていく。4巻はまさかのヨンスが主役(級)なのも嬉しいし、基本地味な連中なのにキャラクターの色付けと掘り下げが抜群に上手いよね。もう20人以上登場人物がいて、それなりに複雑な関係なはずなのに、なんとなくわかるし。それも漫画的な過剰な味付けじゃなくて、タイトルにある通り「ふつう」がベースラインになってるのが最高(それだけに厘ちゃんの異常さが際立つ)。ふつうの人々だけでもこんなにドラマを作れるんだ、という驚き。そしてそれを少年漫画の商業ラインで売っていくという衝撃。文句なしに今一番面白い漫画の一角ですね。
4巻の見所はやはり学園祭ライブ…なんだけど、ここを割とあっさり描写するあたりのセンスも好きだなあ。軽音部の話ではあるけど、そこは一つの軸でしかないんですよね。あくまでもメインは青春のドロドロキラキラした人間関係。そういった意味ではキーパーソンとなる厘ちゃんの変顔シリーズが良かったですね。
今観ても抜群に面白い。
『楽園追放 -Expelled from Paradise-』が10周年&続編決定ということでリマスター版のリバイバル上映に行ってきました。
10年という年月は長いようでいてクオリティ的にはあまり違和感がないというか、古臭い感じがしないですね。当時は東映(制作はグラフィニカですが)がこんなセルルックを!という衝撃があったんですが、その後あっという間に広がっていって今では普通にあるというのがなんだか感慨深いです。もちろん、細かいところを見るとやはり現行の作品のほうがクオリティ高いんですが(例えば髪の表現とか)、それでも全体的なまとまりの良さとか馴染みの良さは健在。一方でポリティカルコレクトリーな方面、特に主人公アンジェラの身体の表現とかは10年経つと結構気になりますね…。ケツがどうの、とか公に言うのは憚られる感じですし…。16歳の肉体年齢ってのもおじさん的な気持ち悪さを感じてしまう…。
まあそれはそれとして内容はやはりめちゃくちゃおもしろい。特に後半の幽閉→低軌道駐屯地→クライマックスの都市戦のあたりはアニメ史に残るアクションシーンだと今でも思っています。軌道上での地平線の向こうから飛んでくるミサイルを曲射で撃墜するくだりとか、支援コンテナとともに降下していくくだりとか、重機と飛び道具を使いつつ泥臭い肉弾戦にもつれ込むアーハン同士の戦闘。とにかくテンポがいい。早すぎず、遅すぎず、すごくちょうどよいテンポ。ここだけでも何度でも観たくなる。
しかし、ここまできれいに締めちゃったら次回作はどうなるのかな。ギターはあるらしいからディンゴとアンジェラはまあ出るとして、フロンティアセッターは…まあ難しいでしょうね。とにかく楽しみです。
白金だけどハードル低くて最高!!
また一軒、最高の店に出会ってしまった…。
白金のharunaさんに行ってきました。今年できたばかりのお店みたいですね。白金と恵比寿の間あたりの微妙なポイントにあるので交通の便が悪すぎですが、オールタイムベスト級に良かったです。
料理が美味しすぎるのはもちろんなんですが、やはりホスピタリティですね。シェフがいい人の店は大体いい店ですよ。平日であまり人がいなかったからか色々話してもらえて良かったですね。店内の雰囲気もビストロでありつつ、カトラリーやクロスなんかはすごくしっかりしていて、すごく好きなバランス。薄暗いし。ファサードの佇まいも最高~!
アミューズは鶏ハム。いきなり美味しい。しっかりした歯ごたえとしっかりした味。
レバームースといちじく。当然美味しい。いちじくとのハーモニー。
サラミ盛り合わせ。酒がすすむ。
パテ・ド・カンパーニュ。こういうかんじで出てくるのは面白い。食べやすい。ナッツがゴロゴロ入っていて楽しい食感。
ブリのカルパッチョ。カルパッチョとは思えない歯ごたえと味の豊かさ。感動。
子羊モモ肉のカツレツ。今日のベスト。あまりにもカラッと上がっていて感動。旨味が凝縮…!
馬ヒレ肉炭火焼。これも美味しい。量が多い…!
デザートは固めのプリン。最後まで美味しすぎる。
酒を一人ボトル2/3本ほど飲んで一人17,000円くらいでした。このクオリティならだいぶ安い気がしますね。
あまりにも良すぎたのでその場で来月の予約を入れてしまいました。次回も楽しみ。
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