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安定した面白さ。『怪盗グルーのミニオン超変身』
悪党学校時代のライバル的なやつに狙われてグルー一家が田舎町で隠遁する話なんだけど、このあたりなんだか既視感があるなあ、と思っていたらあれだ、『ザ・ファブル』。目立っちゃいけないのにめちゃくちゃ目立ってるのはいかにもグルーらしい。
全体のストーリーは割合ふわっとしてるんだけど、部分部分で面白すぎる場面が多い。セーフハウスの隣の家の悪党に憧れる悪ガキ・ポピーがDDRしてるシーンのキレの良い動きとか、育児用品だけで盗みを敢行するグルーのベテランっぽい手腕とか、そして何よりエピローグのマキシム・ル・マルとグルーのデュエットシーンが素晴らしく良い。
今回のタイトルは「ミニオン超変身」だけど、ここで出てくるメガミニオンたちが大活躍するかと思いきや本筋にはほとんど関わってこないのもこのシリーズらしくていいんですよね。自由すぎる。5人の能力は概ねファンタスティック・フォーとX-MEN由来なんだけど、他はいいとしてメガメルの目から光線は危険すぎるから規制したほうがいいと思いました。絶対人死んでるってあれ。ただ、その能力で穴開きチーズを作っているのがあまりにもしょうもなくて最高でした。その使い方はないだろ。チーズで滑って駆けつけるのも新しすぎる。
ところで途中のガソリンスタンドの店員は元に戻してもらったんだろうか…。
「イミテーションゴールド」という単語が頭に浮かぶ。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』
あー、青山くんいないと思ったら時系列的にヴィラン連合との決戦の前に当たるのね。時系列をちゃんとするあたりはいかにもこのシリーズらしい。
さすがボンズというだけあって、冒頭からアクションのクオリティがとんでもないことになってますね。TVの方しばらく見てなかったんですが、デクくんの浮遊はこういう表現なんですね。めちゃくちゃいい。ほぼ全編アクションに次ぐアクションなんですが、特に最終盤の暴走ダークマイトとの決戦が凄まじい。第23話の中村豊さんによるデクVSショートの一連のカットがあるじゃないですか。あれが途切れなく続く感じで作画ファン必見。ボンズのアクションのいいところは単に動くだけじゃなくて動きが整理されていて見やすいんですよね。あとダークマイトの個性が**だったのでやっぱりハガレンを連想しましたね。
アクションもすごいんですが、お話の方も凝っていて良いです。デクが復帰し、決戦前夜というタイミングにふさわしいテーマでしたし、ここに来てイタリアマフィアがヴィランとして登場するのも面白い。このゴリーニファミリーがまたいいヴィラン集団で良かったですねー。メインとなるのはオールマイトのパチモンとしてのダークマイトなわけだけど、その個性もまたパチモン感を高めているのが上手い。ファミリーの他の面子もキャラが濃くて好き。戸愚呂兄弟みたいな爺さんと無口な大男のコンビ、大きいほうが瞬間移動の個性なのが予想外過ぎて良かった。こういった濃いメンツをA組のメンツが攻略していくわけですが、瞬間移動に対して爆豪と焦凍で飽和攻撃かけたり、時間遅延の個性に対して超スピードで突っ込んで突き破ったりといった「力技」で対抗していくのが個人的にはめちゃくちゃ共感しますね…(脳筋プレイが好きなので)。
あ、あと宮野真守の執事ね。こいつが最高です。
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』公式 …
ガワはB級、中身はA級。『ツイスターズ』
予告編とかポスタービジュアルはめちゃくちゃB級映画アピールしてくるんですが、蓋を開けてみるとこれが思いの外ちゃんとしておりまして、いい意味で期待を裏切られた感じですね。
「超巨大竜巻に立ち向かう!」がキャッチコピーなわけですが、たしかに巨大ではあるんですが、オクラホマ州では割と日常的な出来事だというのがまず衝撃的。竜巻って日本では全く馴染みがないからあまりイメージがわかなかったんですが、この映画ではその圧倒的な恐怖が描かれ、たった数分前の日常風景が破壊されていくさまが実に恐ろしい。そういった被害の場面で、市井の人々が苦しめられている様を映し出していくのが良いですね。
そしてその竜巻の被害を減らしたいと奔走する主人公ケイト(デイジー・エドガー=ジョーンズ)。彼女は学生時代に竜巻に対して無謀な実験を敢行した挙げ句、友人を3人も失っているというトラウマの持ち主。彼女はもう一人の生き残りであるハビ(アンソニー・ラモス)に請われ、再び故郷であるオクラホマ州に戻ってくるのですが、そこに竜巻を追いかける「竜巻カウボーイ」ことタイラー(グレン・パウエル)率いるYoutuber軍団がライバルとして登場するという流れ。
面白いのが、一見すると誠実なハビたちの組織「STORM PAR」とタイラーのYoutuber軍団の立ち位置が次第に逆転していくくだりで、このへんで語られる「竜巻が起こると金が入ってくる仕組み」はいかにも高度に発達した資本主義の世界という感じがして実に面白い。この「金か人か」が終盤のテーマになっていくわけですが、この点でかなり印象的だったのが、タイラーたちに同行しているイギリス人記者のベン(ハリー・ハッデン=ペイトン)が一旦は手に持ったカメラを置いて地元の人々を助けに向かうシーン。作品のテーマが凝縮された良いシーンだったと思います。
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