「五美大展2023」@国立新美術館

年に一度のお楽しみ「2023年度 第47回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展」へ。フレッシュな作品が大量に摂取できてかなり最高な展覧会。良かったものをいくつか。

大坪うらら(東京造形大学)《◯◯◯◯》。丸をモチーフにした4点組の銅版画。餃子のインパクトがでかい。

稲垣玲奈(東京造形大学)《untitled》。押井守感。

鈴木晴香(東京造形大学)《無題》。作家本人の毛髪による刺繍。遠くから見てもなにやら異様な雰囲気が漂ってくる感じがする。呪術っぽい。

丸地大海(多摩美術大学)《実寸法師》。実際に水の上で乗っている映像付き。好きだなあこれ。

周小圓(多摩美術大学)《Back to Nature Program》。巨大な球体に卵の殻が「外向きに」貼られている。下世話な話だけど麻辣大学の巨大ごま団子を思い出していた。

佐藤稜馬(日本大学芸術学部)《成長、飽和》。巨大なおばあちゃん。リアル寄り。両脇の手があることで三連祭壇画のようにも見えて面白い。

栗原葉月(多摩美術大学)《翠影の彼方》。古典的なモダン日本画(なんか変だけど言いたいことは伝わってほしい)だけど、色と大きさがかなり好み。木々の静けさもいい。

田所鈴奈(多摩美術大学)《星霜》。集中線や雲の表現のあたりに見られる漫画っぽさが楽しい。

松本赳典(多摩美術大学)《海獣》。ダジャレっぽくて好き。怪獣としてのデザインもいかにもそれっぽい。

藤生百音(多摩美術大学)《鳥になる 海になる この身体になる》。こういう百科全書的な作品大好き。日本画らしいマットな質感でさらりと描かれているのもいいなあ。

黄地香の子(多摩美術大学)《庭/ Niwa ’24》。今回の展覧会で一番好きかも。すごくモダンだけど伝統的な日本画のエッセンスを受け継いでいる感じ。めちゃくちゃ家に飾りたい。

熊谷衣瑠菜(武蔵野美術大学)《回遊》。人々の輪郭線の処理が面白い。かなり好き。

伊藤桃子(武蔵野美術大学)《いぶき》。異界の虫のようで好き。かわいい。表面の処理が地味に手が込んでる。

麻生英里(女子美術大学)《人鳥》。人のように振る舞うペンギンたち。自撮りペンギンが特にいい。

とにかくいい作品が多すぎる…!

『司書正』、めちゃくちゃ面白い

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『事件記者トトコ』の丸山薫先生による新作。タイムラインでの評判がかなり良かったので読んでみたのだけど、これが滅法面白く。後宮もの…と言ってもいいのか、閉ざされた図書館で異民族の側女とタイトルにもある「司書正」。この司書正の設定がとてもいい。すべての本の内容を記憶する代わりに人格を失ってしまった存在で、ここまでならよくある設定なのかもしれないのだけど、ChatGPTがここまで普及した現在から見ると、さながらGPTの乗り移った人間のよう。起動と終了のプロトコルが定まっているあたりがいい。この司書正を巡って繰り広げられる策謀劇がまた面白い。まだ序盤も序盤なのでこれからさらに盛り上がっていくのが楽しみな作品。

『冒険者絶対殺すダンジョン』は道満晴明らしい変態的傑作

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やっぱりね、ダンジョン=ラブホって発想はこの先生じゃないと出てきませんわ。転生者がダンジョンのフロアスタッフをやるというのはまあまあありそうな設定だとは思うのだけど、下品すぎてかつグロすぎて最高~!!!コボルト軍団に顔の皮を食いちぎられるヒーラーちゃんとか好き。死ぬ方の冒険者たちもだいたいリスポーンできるので安心。ウォーターカッターでサイコロステーキもグロい。マジックミラーで出来てる「メデューサ見に行く号」(MM号)の発想は本当に天才だと思った。イカれてるけど理にかなっているあたりがムカつくわ笑 しかもこのネタで続刊あるのがすごい。こんなん1巻でも十分だろ笑

お仕事ものとして読んでも素晴らしい:『イズミと竜の図鑑』

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なんかありがちな絵柄だったからスルーしてたんだけど、例によってTwitterで評判が良かったので買ってみたら、これがまた素晴らしい作品で。主人公のイズミは出版社勤務のライター。雑誌のテコ入れとして「竜の図鑑」の改訂版を作るために獣人のアルフと取材旅行、というか冒険に出る、という流れ。冒険者向けの雑誌出版社が存在しているという世界観のちょうど良さがいいよね。なので、冒険というよりもお仕事ものとして見るのが面白い。段取りとか大事ですからね。で、物語のキーとなるドラゴンの存在もデザインがとても良く、さらにその土地の民族や文化と密接に紐づけられているのがいい。この世界に生きている、という感じが強く伝わってくる。

ダマスカス鋼のデザートナイフを買う

丸山敦史さんのデザートナイフをお迎えしました。ダマスカス鋼ということで波紋の模様が美しい。丸山さんは研師系の方らしく、切れ味がすばらしい。