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【レポート】新文芸坐シネマテークvol.3「クレール・ドゥニ 植民地行政官の娘」第一夜『パリ、18区、夜』に行ってきました!

投稿日:2015年3月11日 更新日:


 先日、3月6日(金)に行われた「新文芸坐シネマテークvol.3「クレール・ドゥニ 植民地行政官の娘」」の第一夜に行ってきました!映画批評家の大寺眞輔さんの講義付きのいい感じのイベントで、前回のミゲル・ゴメス特集に続いての参加です。

 第一夜となるこの日の上映作品はドゥニの監督第5作目『パリ、18区、夜』。もちろん、初見でしたが、上映後の講義と合わせて観るととても楽しめました。

 驚いたのは、当日券も売り切れで立ち見の人まで出ていたこと。普段あまり上映されない作品が上映されるとはいえ、仕事帰りの平日夜、しかも花金によくもこれほど集まった、という感じですね。

大寺眞輔さん講義覚書

メモとってなかったのでうろ覚えの箇条書きです >_<

■クレール・ドゥニは幼少期をアフリカで過ごし、それが彼女の作品に大きな影響を与えている。父親は植民地行政官。

■作品の特徴はアフリカを舞台にしている、あるいは黒人が主役となっているという点。

■主役の一人であるカミーユは黒人であり、殺人者であり、ゲイであるが、彼の存在は公開当時、強い批判を浴びた。これに対し、クレール・ドゥニは、そのような姿勢自体が差別的であると反論している。

■この映画のテーマは「都市に生きる人々の疎外感」。

■群像劇だが、各キャラクターの間にはゆるい繋がりしか無い。

■劇中の人物はみな感情表現が抑えめ。例外は冒頭のヘリコプターで大笑いしている2人の警官とナンパ男に追われてポルノ映画館に逃げ込んだダイガ。

■冒頭のヘリコプターの人々は物語の中心となる18区の住人ではなく、そこを上空から俯瞰する視点。

■3人の主人公(ダイガ、テオ、カミーユ)は皆、ステージを生業とする人々で、劇中でダンスを踊るシーンがある。このダンスのシーンが重要なポイント。

■この映画に出てくるパリ18区の人々はマイノリティ。移民であったり、黒人であったり、ゲイであったり。周縁を描いた映画

カテリーナ・ゴルベワのくわえタバコが素敵でした。『パリ、18区、夜』

 大寺さんが言っていたように、群像劇だけどそんなにみんな絡まないんですよね。これみよがしに伏線とキャラクターが絡みまくる普通の群像劇映画を見慣れている身にとっては実に新鮮な体験でした。劇中で叔母のミナ(イリーナ・グレビナ)っぽいおばあちゃんがやられてたので、あ、ここで絡むのか、と思いきや違う人だったり…。そういえば、凄惨な(という程でもないけど)老人殺害の次のカットが賑やかなダンスパーティーだったりするのも、日常と非日常の境目がシームレスで、淡々とした作風によく合っていましたね。

 主演の2人、ダイガ(カテリーナ・ゴルベワ)とカミーユ(リシャール・クルセ)がとてもいいです。講義でもあったけど、みんな表情に乏しいんですが、カテリーナ・ゴルベワのやさぐれたわけでもなく、絶望に落ちたわけでもない、あの絶妙な投げやり感がたまらない。くわえタバコがよく似合うんですよコレが。プロフィールのショットが多かったのも印象的。酔っ払ってちょっと羽目を外したり、東欧のおんぼろ車で俄に暴走するのも面白かったです。

 リシャール・クルセ演ずるカミーユ、物語上超重要な人物でもあるんですけど、色気がすごかったですね。普通の佇まいが醸し出すあの感じ、いいですね。あと、個人的にカミーユの恋人のラファエル(ヴァンサン・デュポン)も気になりました。主に頭髪が。

 全体的によそよそしい感がある映画で(ああ、これが「疎外感」か)、決して見ていて楽しい気分になるわけではないのだけれど、何度も頭のなかで反芻してしまう映画でした。次回の『35杯のラムショット』も楽しみです。

基本情報

パリ、18区、夜  J'AI PAS SOMMEIL109 min

監督:クレール・ドゥニ

音楽:ジャン=ルイ・ムラ/ジョン・パティソン

脚本:クレール・ドゥニ

撮影:アニエス・ゴダール

出演:カテリーナ・ゴルベワ/イリーナ・グレビナ/アレックス・デスカス/リシャール・クルセ/ベアトリス・ダル/ヴァンサン・デュポン/リーヌ・ルノー/ロラン・グレヴィル

イベント概要

イベント名新文芸坐シネマテークVol.3 「クレール・ドゥニ 植民地行政官の娘」
日時2015年3月7日19:45 - 22:45
会場新文芸坐
料金一般:1,300円 前売・会員:1,100円

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