目次
はじめに
今月から積読消化月間とういうことで、数年前から溜まっていた本をバリバリ消化してます。現在350冊くらい積読してるんですけど、年内になるべく0に近づけたい!ということで…。新刊は積読の消化具合によって購入できるというルールにしました!がんばるぞー。
映画の方のログ今月のベスト1冊!
TAGRO『別式』第3巻
[amazonjs asin=”4065110564″ locale=”JP” title=”別式(3) (モーニング KC)”]めちゃくちゃ面白いんだけど、打ち切りになりそうなんだよね…。さて、第3巻は華やぐ表紙とは裏腹に不穏な雰囲気が漂うエピソードが畳み掛けるように襲ってくる。ラストカットとかもう続きが気になって仕方がない。アクションも気合が入ってる。刀萌と狐目の男の対決はここ一番の盛り上がり。こういうゆるい絵柄で本格時代劇っぽいことをやる作品って貴重だよね。まあ最初の方のコミケの話みたいな無国籍無時代出鱈目時代劇の方がTAGRO先生っぽいし、個人的にも好みなのですが。前巻までのストーリーを忘れてると話についていけないくらい、人間関係が複雑になってるのはマイナス点かも。ただ、個々のエピソードだけみても非常に出来が良いんですよね。刀萌が殺し屋になるきっかけになった過去のエピソードの壮絶さとか、類の父の剣を受け継ぐめちゃ強いけど不細工な菘十郎の話とかすごく良い。そろそろメインキャラ誰か死にそうだけど、ここで打ち切りっていうのはもったいない。あんまり貢献できないけど、とりあえず「買おう!別式!」って言っときます。
おすすめの新刊!
新刊の定義は過去3ヶ月以内くらいに発売された本でお願いします…
川田大智『彼女はお義父さん』第1巻
[amazonjs asin=”4047351466″ locale=”JP” title=”彼女はお義父さん 1 (ハルタコミックス)”]いわゆる「入れ替わりもの」のヴァリアント的な作品。女子中学生とその父親が一つの身体に同居するというのが味噌で、『ウルトラマン』とか『鉄腕バーディー』なんかを思い出す。そしてその女子中学生と主人公の男子中学生が恋人同士で、身体的に接触すると父親の方に入れ替わるというのが面白い。複雑なようでいてシンプルなルール。昼間は中学校に行き、帰宅後はおっさんに戻って仕事をするという二重生活を強いられるヒロインと、この厄介な性質のためにヒロイン(とその父)の家に期せずして同居生活することになってしまった主人公、そして娘との交際を苦々しく思っている父親という三すくみの関係が危うさと面白みを生み出している。ていうか男子中学生と手をつなぐセーラー服姿の髭面50代男というビジュアルが全てを物語っている作品でもある。このキャラクターだけだと長く続けるのが厳しそうだけど、今後の展開が楽しみ!
J・G・バラード『ハロー、アメリカ』
[amazonjs asin=”4488629164″ locale=”JP” title=”ハロー、アメリカ (創元SF文庫)”]バラードの初期作を今更読むなど。世界的なエネルギー危機の末に人々が見切りをつけたかつてのアメリカ合衆国が舞台。人類が消えて1世紀が経った広大な土地は砂漠化し、かつての摩天楼は崩壊のさなかにある…。いかにも80年台らしいペシミスティックな世界観のポストアポカリプス小説だが、クライマックスは一転して原爆と太陽光が未来を切り開く。アメリカニズムの豪快さと暴力がハッピーエンドを導くというある種の能天気さが面白い。ぶっちゃけバラードっぽくない結末な気がする。フィリップ・リーヴの『移動都市』で「古代の神像」としてドナルドダックが出てくるシーンが大好きなんだけど、この作品にはそんな「現代と未来」を歪なかたちで結びつけるモティーフがたくさん出てくる。例えばアメリカを代表するイコンの一つである自由の女神はニューヨーク港に沈んだ格好で現れるし、アメリカに残った人々は「クライスラー族」やら「オックスフォード族」なんていう部族を作って暮らしている。崩壊した都市の描写も見事。ぶっちゃけまだ1世紀しか経ってないからあまりボロボロになってはいないんだけど。しかし無人の摩天楼群というのもまた唆る。旅は東海岸から始まり、カルフォルニアあたりまで行くんだけど、ラスベガスは熱帯雨林になっていて、そこには第45代合衆国大統領を名乗る狂人が…。このあたり、最終戦争後のベガスを舞台にした傑作RPG、『Fallout New Vegas』っぽい。核もバンバン出てくるし。NETFLIXで映像化するらしいので、そっちも楽しみです。
[amazonjs asin=”B003XT6YCS” locale=”JP” title=”Fallout: New Vegas (フォールアウト:ニューベガス) 【CEROレーティング「Z」】 – PS3″] [amazonjs asin=”4150503524″ locale=”JP” title=”人類が消えた世界 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)”]ヨコイ・エミ『カフェでカフィを』第2巻
[amazonjs asin=”4420220686″ locale=”JP” title=”カフェでカフィを 2 (集英社クリエイティブコミックス)”]コーヒーやら紅茶やら「お茶」をテーマにした連作短編集の第二弾。同様のテイストの作品だと「茄子」をテーマにした黒田硫黄のその名もズバリ『茄子』という作品があるけれど、本作はあまり非日常に飛躍せず、市井の人々の生活に密着しているのが特徴的。まあたまに自販機が喋りだしたりもするけれど。個々のエピソードは独立しているけれど、人物が共通だったり、ある事件を別の側面から見たりといった緩やかなつながりで結ばれている。そして、この作品、とにかくセリフ回しが楽しい。トントンとラケットの打ち合いのようなテンポの良さに乗せて、いかにもありそう(でも芝居がかった)言葉の応酬。この第2巻で特に良かったのは、おばあちゃん3人組がお墓で井戸端会議する「春のお彼岸」。女三人寄れば姦しいという諺を地で行くような情報量の多さ。ものすごい勢いで喋っくてる様子が脳内再生される情景描写に、ちょっとした日常のミステリーが重なっていく。そして、そのエピソードに別のエピソードが重なっていき…、という物語世界の拡張が楽しい作品集。
早瀬耕『グリフォンズ・ガーデン』
[amazonjs asin=”415031327X” locale=”JP” title=”グリフォンズ・ガーデン (ハヤカワ文庫JA)”]先月の『プラネタリウムの外側』の前日譚にあたるお話。前日譚だけど、どちらも単体で独立して楽しく読めます。例によって現実と仮想現実の垣根が混ざり合っていくような物語なのだけど、今作は「PRIMARY WORLD」と「DUALWORLD」という2つの節が交互に提示され、よりその効果が高められている。しかもPRIMARYとDUALのどちらが現実かということも意図的に伏せられているのも意地が悪い。どちらの世界でも一組のカップルを中心として物語が進んでいくのもあって、後半では本当にどっちがどっちか確認しないとわからなくなっていくのが面白い読書体験だった。どことなく村上春樹を彷彿とさせつつも、地についた台詞回しもこの作者ならではの魅力で、物語の行く末とは別にテンポよく読める作品。ただ、個人的には『プラネタリウムの外側』の方が完成度が高かったかも。
まとめ:その他良かった本&来月読む本
その他良かった本
ミック『達人に学ぶDB設計 徹底指南書 初級者で終わりたくないあなたへ』
[amazonjs asin=”4798124702″ locale=”JP” title=”達人に学ぶDB設計 徹底指南書 初級者で終わりたくないあなたへ”]「RDMS完全に理解した」状態だったので勉強のために。実際に設計していると正規化と非正規化のあたりでかなり悩むので非常に参考になりました。ただ、フレームワーク使ってると自動的にサロゲートキー立ったりするので完全にこの本の通りにやるのは難しいんですけど。基本方針として「原則、正規化」という考え方が強いのはわかりやすくて良かったです。「RDMS完全に理解した」状態の人にオススメ。「チョットワカル」までがんばるぞ!
あと、この前Kindle版全50巻を450円で買った『750ライダー』とずっと積んでた『円環少女(サークレットガール)』を読み始めました。来月中には読み終わる予定。
来月買う本
ニール・スティーヴンスン『七人のイヴ Ⅰ』
[amazonjs asin=”4153350389″ locale=”JP” title=”七人のイヴ Ⅰ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)”]ヒットメーカー、ニール・スティーヴンスンによるディザスターパニックもの。月がいきなり7つに分裂して地球に降ってくる!タイムリミットは2年間!3ヶ月連続刊行っていうのも嬉しい。
野田サトル『ゴールデンカムイ』第14巻
[amazonjs asin=”B07D58ZJG8″ locale=”JP” title=”ゴールデンカムイ 14 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)”]まあ買いますよね。
今月はとりあえず『別式』推しで!打ち切りの空気がバリバリあって不安なので…。TAGRO先生のTwitterとか悲壮感漂ってますからね…。『別式』評価されたら『宇宙賃貸サルガッ荘』がアニメ化するかもしれないし…(ないか…)。
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