目次
はじめに
積読消化月間継続中ということで3年前に買った本とかをバリバリ読んでました。6月30日現在の積読冊数は250冊。とりあえず一ヶ月50冊ずつ消化して年内に0に近づける…という計画なのですが、重たい本が後回しになってるので年末が厳しそう…。雑誌とかも定期購読してるから毎月勝手に届くんだけど、全く読めてない…。
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映画の方のログ今月のベスト1冊!
長谷敏司『円環少女』全13巻
[amazonjs asin=”B004X5JPFE” locale=”JP” title=”円環少女 全13巻完結 セット (角川スニーカー文庫)”] 新刊じゃないんだけど…。かなーり前に買ったけど積んでたやつ。積読消化月間ということで手をつけたんだけど、やはり代表作だけあって面白い。魔法使いが出てくるけどハードSFという面白いジャンルですね。ざっくりいうとパラレルワールドもので、それぞれの世界で物理法則が歪んでいて、その歪みを利用して魔法のような技術が発達した、という設定。その中で唯一物理法則が安定している「神のいない」世界が、我々の暮らすこの世界というわけなんですけど、まあ説明するのが難しい。ちなみに「地獄」と蔑まれているこの世界の住人はあらゆる魔法を無効化できる能力を持っている、という設定が面白い。みんな最強じゃん、という。ただ、その中でも主人公の武原さんだけが、その無効化能力を自由にオンオフできるので、魔法使いの協力があるとさらに最強。で、その相方となるのが12歳の電気系魔法使い・メイゼル。性格は頭おかしい。ちなみに、この魔法の設定が非常に独特なのがこの作品の見どころの一つで、例えば電気を使うメイゼルは「円環大系」(タイトルだね)に属していて、雑に言うと「回転」を制御する魔法大系。電子の動きをコントロールして電撃とかプラズマとか出すんですねー。他にも似たものを結びつける「相似大系」とか物と物の境界面を曖昧にする「錬金大系」とか、まあこの設定だけでお腹いっぱいなのに、これがまたちゃんとストーリーにびっしり絡んでくるんですよね。そして物語の密度が濃いぃ!人もバンバン死ぬし、組織もどんどんぶっ潰れるし、核戦争は起きるし、神様は殺されるし…。いい意味で非常に疲れるお話でした。テーマ的にも人間の自由意志を巡る物語なのでそのあたりもとても自分好み。
推しは調整官ベルニッチと〈エアダイバー〉スピッツ・モード。敵だったやつが最終巻で加勢に来るパターンって定番だけど、こっちは第一巻で死んだやつがちゃっかり再登場するから最高!ここでも世界観の使われ方が上手い。全裸飛行マンの場合は姉ちゃんが最終巻までがんばって生き残って結構美味しいポジションに収まってたってのもあるけど。アニメ化したら盛り上がるやつだねー。『BEATLESS』もアニメ化したし、ぜひ、といいたいところだけど、出てくるのが軒並み変態だからなー。まともなのが地下都市のクレメンスさんとか寒川さん一家くらいしかいない(親父はちょっとおかしいが)…。一番やばい錬金大系の全裸と茨姫をなんとかしたらいけないだろうか…。ただ、オチも成人男性と小学生女子の恋愛ものになってるからこのご時世、色々と厳しそう。二人の旅路を見守っていた側からするとまあわからなくはないんだけど、正直ちょっと引くよねー。
おすすめの新刊(?)!
新刊の定義は過去3ヶ月以内くらいに発売された本でお願いします…
石井いさみ『750ライダー』全50巻
[amazonjs asin=”B072ZC87SY” locale=”JP” title=”750ライダー コミック 全50巻 完結セット”]Kindleで全50巻450円だったので買ってしまった。面白いは面白いんすけど、後半にいくに従ってマンネリの極地に到達するのでまとめて読むと非常につらいタイプの作品だった。何しろ、どの巻を開いても、春の花見、母の日、夏休み、プール、キャンプっぽいイベント、物憂い秋、クリスマス、お正月、バレンタインという年中行事が永遠の高校二年生をループする主人公たちとともに流れていく…。キャラクターもほとんど変化しないし、毎日はバツ掃除とピットイン(馴染みのサテン)とガソリンスタンドでのバイトのループ。たまにゲストキャラクターが出てくる程度。連載期間約10年だから、10回高校2年生をループしてる…。とはいえ、10年もあるので、最初と最後はかなり違っているわけで…。当初はタイトル通りバイクで暴走族とバトル(これもよくわからなくて、何をすれば勝ちなのかの基準がわからない…。相手を事故らせると勝ちっぽい。野蛮だね。あと序盤だと教師に没収された750のパーツを事前に抜いといて事故らせるというえげつない事もやってる)するのがメインだったんだけど、最初の5巻もしないうちにその方針が上記のような「永遠の高校2年生の退屈な日常ループ」という作品に変わっていく。現代人目線だとこれはいわゆる「日常もの」ですね。あまりにも単調な気はしないでもないけど。最初はバトルに使われていた750が次第に「家→学校→ピットイン→ガソスタ(バイト先)→集金」をいうループに組み込まれ、単なる道具になっていく…。大型二輪である意味とは…。あ、たまにバイトの仕事とかで湘南行ったりするわ。あとたまに暴走族にケンカふっかけられてバイクで殺したりしてる(事故に見せかけて)。で、バイクよりもメインになってくるのが主人公の光くんと委員長の恋の行方。なんだけど、これがまーーーーーったく進展しないの…。全50巻でキスまでいったのが5回くらい…。委員長は毎回毎回待ちぼうけ食ってるし、プレゼントしても返ってこないし、すごいカップルだなこれ。一応、テコ入れみたいな形でやたらと積極的な女教師とか入ってくる(かわいい)。あまり関係ないけど、最後の最後になって順平が二輪免許取ったところがなんだか自分のことのように嬉しかったよ…。推しは(パーツ抜かれた750に乗って帰ったら病院送りになった)熊田先生とピットインのマスター。
藤津亮太『新聞に載ったアニメレビュー』
[amazonjs asin=”B07D9QS816″ locale=”JP” title=”新聞に載ったアニメレビュー”]アニメ評論家の藤津亮太先生が朝日新聞夕刊で連載していたコラムを集めた電子同人誌。2011年から2015年までの作品が収録されていて懐かしさがある。一項が800文字程度の短いレビューなのだけど、一般読者向けにそのアニメのコンパクトな説明と著者ならではの視点による解説がギュッと詰まっている。一項目が短いのでサラッと読めるのだけど、その読みやすさに反して、意外なところを攻めてくるのも面白い。例えば「「魔法少女まどか☆マギカ」 魔法少女の成長物語」では普通のアニメファンが触れがちな衝撃的な展開ではなく、まどかの母親に目を向け、彼女との対比で主人公まどかの成長を分析する。また、アニメ制作現場の裏側を描いた「「SHIROBAKO」 業界の内幕、キラキラと」では業界人の気持ちに寄り添う姿勢が気持ちいい。京アニの『日常』を「盆栽」に例えた「「日常」 自然を装う作為、おかしみに」なんてのもあり、切り口の多様さと鋭さに唸る。対象としている作品の幅広さも、さすがプロの評論家という感じで、『ももへの手紙』のようないかにも朝日新聞向けの作品もあれば、『魔乳秘剣帖』のようなコアな作品も取り上げるあたり、藤津さんの興味の幅が広いのか、朝日新聞の懐が広いのか。本格的なガイドブックというほどではないけれど、アニメビギナーからオタクまでオススメできる良書。
大童澄瞳『映像研には手を出すな!』第3巻
[amazonjs asin=”B07D9H28P4″ locale=”JP” title=”映像研には手を出すな!(3) (ビッグコミックス)”]今回あんまり作画してないなあ…、とは思ったのだけど、相変わらず面白かった。第3巻の軸は「音」と「金」かな。まあ金についてはずっとやってるけど。いるようでいなかった音響系キャラが追加。部には入ってないけど、あのプレハブの一部を間借りして共生関係にあるというのが面白い。現実のアニメ制作会社でも音響系って独立してるイメージありますしね。で、第3巻の目玉は「第21話 雪山のちび森」ですよ!金森さんの幼少期の話なんですが、彼女の商才とマネージメント力の芽生えが、仄かに苦い思い出とともに語られる良エピソードです。「誰も知らねえ店に、客が来るわきゃないんだ。」という言葉の重み。そして、それを現代のSNS戦略に結びつける飛躍と展開の妙。日本的な「良いものを作れば売れる」と思っている人々に読んで欲しいお話です。アニメ制作とは直接関係ないこういう裏方のエピソードがきちんと描かれているのが「映像研」の魅力ですね。あと、熱線を描かずに「これは怪力光線です!」というところ、狂おしいほど同意!あえて描かない、というのも大切だなあ、と。ところで、速水螺旋人先生の作品もそうなんだけど、1ページまるまる使ってテキスト多めの設定イラスト置かれると、なんだかもったいなくてそこで一旦本を置いちゃうのでお得であり、そして読むのに時間がかかるのである。そういえばその系譜の源の方にいるのが宮さんっすね。『雑想ノート』とかまさにそんなかんじ。
野田サトル『ゴールデンカムイ』第14巻
[amazonjs asin=”B07D58ZJG8″ locale=”JP” title=”ゴールデンカムイ 14 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)”]不死身の杉本マジ不死身!さすがに今回は死んだかと思ったけど、主人公補正強いなー。家永がたまたまいたっていう運も強いし。わりと惰性でまったりグルメ旅(でもないか…?)してた前巻までとうって変わってあらゆるものがグルンッと大回転しちゃった激動の14巻。完結したあとから振り返っても、ターニングポイントとなるのは間違いなさそう。なんとなーく死ぬ予感はしてたけど、やっぱりあの人もすぐ死ぬし(場所が悪かった…)、色んな人が裏切ったり味方になったりとてんやわんや。そもそも網走監獄に第七師団が特攻んでる上に、囚人たちが解き放たれて色んな意味ですごいことになってます…。極悪囚人軍団VS第七師団はさながらゾンビ映画の様相で大変良かった。土方と犬童典獄の対決も見もの。土方さん、一対一で接近戦やってるこれが初かな…?爺さんとはいえ流石に強い。犬童さんいいキャラだったんだけどなー。しかし、この漫画、首切り落とされないとたいてい死んでないよね。杉本は別格だけどその他もやたらと耐久力高い。チンポ先生は言うまでもなく。都丹庵士もあそこでダメかと思いきや。そして舞台は北海道からさらに北に向かって、ついに今はなき日本領南樺太!領有してたのは知ってたけど、そこでどんな生活が営まれてたのかは全く疎いので、そういった点でも続刊が楽しみ!
まとめ:その他良かった本&来月読む本
その他良かった本
グレゴリウス山田『竜と勇者と配達人』
[amazonjs asin=”4088910184″ locale=”JP” title=”竜と勇者と配達人 3 (ヤングジャンプコミックス)”]安定の面白さ。経験値計算官の話がとりわけ良かった。『ダンジョン飯』とは別の視点からファンタジー世界に現実感を与え、さらにそれを笑いに転化している。RPGの世界を現実に落とし込むとああなるんだなー。始終ナレーションつけられるのめちゃウザそう。あの官僚っぽさ、ソ連というか速水螺旋人というか…。
銅大『SF飯2 辺境デルタ星域の食べ物紀行』
[amazonjs asin=”4150313296″ locale=”JP” title=”SF飯2 辺境デルタ星域の食べ物紀行 (ハヤカワ文庫JA)”]単発で終わるかと思いきやさらにおもしろくなってきた!宇宙うなぎとかソイレント・グリーンとか。ちゃんと物語と世界観が連動しているのが良いですね。しかし、機械知性「太母」の誕生のエピソードは笑った。バブ美さん…。
tugeneko『上野さんは不器用』第4巻
[amazonjs asin=”4592148193″ locale=”JP” title=”上野さんは不器用 4 (ヤングアニマルコミックス)”]アニメ化マジすか。なんかいろいろおこられが発生しませんか?4巻も相変わらず部長のクレーマーレベルが高くてよかったです。水中量子仮想水中服(SQ水)欲しい。
来月買う本
2018年7月、ハヤカワSF何故か出版ラッシュなんでたくさん買う!あと漫画も買いたいのが多すぎる。
[amazonjs asin=”4150121893″ locale=”JP” title=”われらはレギオン2 アザーズとの遭遇 (ハヤカワ文庫SF)”]三部作の真ん中。前作がどちゃくそ面白かったので絶対買うやつ。地球人類の行く末も気になるし、ブラジル艦の動向も気になる…。
[amazonjs asin=”4153350397″ locale=”JP” title=”七人のイヴ Ⅱ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)”]これも三部作の真ん中。間が空いちゃうと内容忘れちゃうので、三ヶ月連続刊行大変ありがたいです。1作目、買ったけど積んでる。まとめて読む。これも地球人類の行く末が気になっちゃう系ですね。
[amazonjs asin=”4152097817″ locale=”JP” title=”うなぎばか”]3DプリンタSFの傑作『母になる、石の礫で』でおなじみ、倉田タカシ先生の新作。今度はうなぎSF短編集。こんなん絶対面白いでしょ。
[amazonjs asin=”4152097833″ locale=”JP” title=”そいねドリーマー”]『裏世界ピクニック』シリーズが絶好調の宮澤伊織先生新刊。夢SFっぽい。
[amazonjs asin=”4065116600″ locale=”JP” title=”来世は他人がいい(2) (アフタヌーンKC)”]
女子高生が腎臓売る系のヤクザラブコメ続刊。
[amazonjs asin=”4065119839″ locale=”JP” title=”波よ聞いてくれ(5) (アフタヌーンKC)”]あれ?どこまでいったっけ?まだカレー屋でバイトしてんだっけ?
[amazonjs asin=”4065116015″ locale=”JP” title=”ハヴ・ア・グレイト・サンデー(2): モ-ニング”]おっさん3人組が日曜日ダラダラする系漫画続刊。去年のベスト10に入れたので面白いはず。
[amazonjs asin=”4758067511″ locale=”JP” title=”バーナード嬢曰く。 (4) (REXコミックス)”]いつのまにやらもう4巻。
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