はじめに

 ようやく去年(2016年)の映画鑑賞記録がまとめ終わったので、「映画を趣味にするといったいいくらかかるのか?」について書いてみたいと思います。「その程度で趣味とはおこがましい」と思われる向きもおありかと思いますが、温かい目でスルーしてあげてください…。あ、あとタイトルは「週4本」なんですが、厳密には週3.7本くらいです。

2016年のエイカツ!

総本数は207本

 2016年、映画館で鑑賞した映画の本数は207本でした。例の年間1,800本さんには到底及びませんが、単純計算で2日に1本よりちょっと多いくらい。普通のサラリーマンが趣味として観るにはこれからいがちょうどいい感じですねー。

 なお、映画祭等で上映された短編映画をまとめたプログラム(東京アニメアワードフェスティバルの「山村浩二セレクション~新進気鋭の作家たち~」や「ゴーゴー日本アニメ(ーター)見本市」)、あるいはたまにあるTVアニメのエピソードをいくつかまとめて上映したものは1本としてカウントしています。単発で上映された短編映画はそのまま1本でのカウントです。207本のうち、30分以下の短編映画は9本、長編映画は193本、前述のような短編映画などをまとめたプログラムは5本でした。今年の最長映画は早稲田松竹のリヴェット特集で上映された『美しき諍い女』の238分、最短は「新文芸坐×アニメスタイルセレクションvol.87 西尾鉄也の仕事」で上映された『停電少女と羽蟲のオーケストラ/停電夏便リ』の約5分(厳密には映画ではないんですが…)、合計鑑賞時間は21,538分、約359時間でした。ほぼ1日1時間っすね。

新作は100本(105回)

 日本国内で上映された新作映画はジャスト100本、回数は105回。最多回数は『君の名は。』の3回でした。一昨年は125本、去年は122本だったので、一気に減ってしまった感じですね。特に仕事が忙しかったというわけでもなかったのですが…。新作のマイベストは片渕須直監督の『この世界の片隅に』、マイワーストは『シーズンズ 2万年の地球旅行』。ベスト50の記事は書いてあるので、興味のある方はどうぞ。

オールナイトとか映画祭とか

 おかげさまで今年も「新文芸坐×アニメスタイルセレクション」オールナイト完走できました!ほんとSF大会の日がずれてて良かった~!今年の印象に残った回は何と言っても去年に引き続き開催された「押井守映画祭2017」、特に「vol.83 押井守映画祭2016第二夜」の『御先祖様万歳』一挙上映が最高でしたね(【レポート】新文芸坐×アニメスタイルセレクションVol.83 押井守映画祭2016 第二夜ディープアニメ編)!来年はついにvol.100を迎えるので今から楽しみです。今年のオールナイトはアニメスタイル関連で39本+「春のドロドロオールナイト」と「あの『スーパー!』ほぼ日本最終上映! 俺はヒーローになりたいんだ!」で8本の計47本でした。

 映画祭では計40本。参加したのは開催順に「未体験ゾーンの映画たち2016」「東京アニメアワードフェスティバル2016(TAAF2016)」「木村知貴映画祭」「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016」「第29回東京国際映画祭」「東京フィルメックス2016」「三鷹コミュニティシネマ映画祭」です。東京国際映画祭で16本、次いで木村知貴映画祭で8本。今年の東京国際映画祭もハズレ無しでしたけど、特に良かったのはアンナ・マティソン監督、セルゲイ・ベズルコフ主演の傑作コメディー『天才バレエダンサーの皮肉な運命』。そしてTAAF2016のグランプリ『Tout en Haut du monde』も良かったですね~。新進気鋭の若手俳優にフォーカスした「木村知貴映画祭」も面白いイベントでした。

 イベント上映では6本。全て新文芸坐シネマテークです。vol.13の第一夜、イジー・メンツェル監督の『スイート・スイート・ビレッジ』が実に良かった!旧作名画座で9本観ましたが、早稲田松竹の『美しき諍い女』も良かったし、川崎チネチッタで『魔法少女まどか☆マギカ[新篇]叛逆の物語』を再びスクリーンで観れたのも良かったですね。あと新文芸坐の「仁義なき戦い」5部作一気上映は大層盛り上がりました。

一番本数を観た映画館はここ!

 オールナイトで47本観ているので当然ながらトップは新文芸坐の64本!次いでトーホーシネマズ新宿の17本。やっぱりあそこはアクセス良いですねー。人を誘って行きやすい。第3位は東京国際映画祭で毎回お世話になっているトーホーシネマズ六本木の16本。アカデミーヒルズを解約してしまったので、六本木は足が遠のいています…。そして、TCGカードの割引が強すぎるヒューマントラストシネマ渋谷の14本。会員になると火・水・金が1,000円になるのが素晴らしい。渋谷だからアクセスもいいし。第5位は東京アニメアワードフェスティバルの会場であるトーホーシネマズ日本橋の12本。ここは職場からも近いので使いやすい劇場ですね。

年間207本でこれだけかかります(新作は100本くらい)

総額は「162,150」円

 映画代だけだと、207本映画館で観て157,250円。残りの4,900円は映画館のカードの年会費。現在使っている会員権は7枚です。一ヶ月に約13,512円使っている計算になりますが、単純計算で1本あたり約783円です。意外と安くないですか?飲み会2回分くらいの金額で週4回弱、映画館に行けます。

新作映画だけだと「70,050」円

 100本(105回)で一回あたり約667円。なぜか全体の平均より下なんですが、これには色々と要因がありまして…。まず、映画祭とかイベント上映はほとんど割引がありません。新作映画だったらなんだかんだ言って1,100円くらいで観れるんですが、例えば東京国際映画祭だと1,300円から1,500円で固定です。まあ比率としては大したことはないんですけど…。

 あと大きいのはトーホーシネマズのフリーパスです。「1分1マイル」で6,000マイル貯めると1ヶ月映画見放題!これのためにトーホーの会員になっていると言っても過言ではない(あと6ポイントで1本無料も大きいですけど)。2016年は2015年12月30日にカードを作り、期限切れまでに9本鑑賞。以前は40本以上観てたので(【やってみました】「トーホーシネマズフリーパス」でこれくらい見れますよ!)、今回は全然活用できませんでしたね…。とはいえ、定価で観ると1,800円×9で16,200円。新作映画全体の8%をこのフリーパスで観ていますので結構大きいです。

2016年だけの特別な割引

 そして、今年だけの特殊要因として「第二回映画王決定戦」でもらった大量の招待券と「東京テアトル70周年記念回数券」があります。去年(2015年)、適当にkinenoteに書いた『ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』のレビューがなぜか「第2回映画王決定戦」のキング・オブ・映画王に選ばれまして(『キネマ旬報』にも載りました! 第2回映画王決定戦結果発表)、招待券を24枚ほど頂きました。頂いたのは2016年の9月くらいだったんですが、2016年2月末までの券が残っていたので、それを使って14本鑑賞。これはかなり大きかったですね。ちなみに使いきれませんでした…。もったいない…。

 「東京テアトル70周年記念回数券」はその名の通り東京テアトル社の70周年を記念して発行された回数券です。2016年5月に300セット限定で発売されたんですが、これが10枚綴り7,000円という価格破壊のチケットでして、即お一人様上限の2冊購入。1本700円はお得すぎました…。2016年12月31日までに12本鑑賞(2017年3月末まで有効)。創立70周年記念回数券 販売中! |テアトルシネマグループ

 この2つの特殊要因を除外し、それぞれの最低鑑賞可能料金(ざっくり1,000円)で計算すると、新作映画の鑑賞料金総額は「87,650円」で、1本あたりは約「835円」。やっぱり無料チケットの効果は大きかったですねー。

映画館代を節約するためにやっていること

とりあえず会員カード

 特定の劇場で月1回観るレベルなら絶対に作ったほうが良いです。劇場にもよりますが、ポイントを貯めて無料で観ることができたり、通常の鑑賞料金が安くなったりします。年会費は高くても1,000円くらい。通常鑑賞料金がかなり割り引かれるので余裕で元はとれます。先に書きましたが、今年度のカード年会費は総額で4,900円ですが、その数倍は得してますね。私がよく使っている、特におすすめの会員カードは次の3つです(東京メイン)。

シネマイレージカード

 映画の全国チェーン「TOHOシネマズ」のカード。年会費は初年度500円、更新300円。通常の割引はあまりないけど(火曜日は1,400円になる)、鑑賞時間1分を1マイルに換算して貯めていくと6000マイルでTOHOシネマズどこの劇場でも一ヶ月見放題の「フリーパス」がもらえます(六本木は9000マイル。格が違うから仕方ない)。ほとんどこのために持ってるようなものですね。あと、鑑賞1回につき1回1ポイント、6ポイント貯めると1回無料サービスがあります(無料鑑賞時はマイルはつかない)。なのでなるべく鑑賞時間の長い映画を映画の日とか毎月14日の「シネマイレージデイ」で鑑賞し、短い映画を無料ポイントで観るという戦略が基本となります。次に紹介する2本と比べると微妙な感じだけど、フリーパスが本当にお得なので…。最近、有効期限が変わり2年までマイルが有効になったので、1本100分として、月に2.5本観ればなんとか2年で貯まります…。

シネマイレージ|TOHOシネマズ(公式)

TCGメンバーズカード

 東京中心にシネコンを展開しているテアトルシネマグループの会員カードです。ここのカードは常時1,300円になります!そして火曜日と金曜日は1,000円!ポイント制度とかないけど、常に安くなるので一番使ってますねー。ちなみに、水曜日は会員以外も1,100円均一。会社帰りに映画館寄れる人には特にオススメです。年会費は1,000円でちょっと高く感じるかもですが、一瞬で元が取れます。

会員サービスのご案内|テアトルシネマグループ(公式)

SMTメンバーズカード

 「松竹マルチプレックスシアターズ」のカード。カード発行手数料100円だけであとは永遠に無料。ここも6回観ると1回ご招待サービスがありますが、メインの特典は1回鑑賞すると次の日にメールで届くリピーター割引クーポン!これを使うと鑑賞料金が1,200円になるんです!理論上、常時1,200円(1日1回観るなら)。クーポンは複数持つことも可。さらに売店で買い物すると無料クーポンなどが当たる「コンセチャレンジ」もあります。思ったより当たります。あと地味にカード裏のQRコードだけで発券できる機能が便利ですねー。TOHOもこれ実装してほしいっす。

SMTmembersについて|松竹マルチプレックスシアターズ(公式)

名画座は安い!

 「別に新作初日に観なくてもいいやー」という感じの人にオススメなのが「名画座」。いわゆる二番館ですね。古臭い映画しかやってないとお思いでしょうが、ロードショーが終わった新作映画もバンバンかかってますよ!システムが初めての人にはわかりづらいかもしれないですが、基本2本立て入替え無し。つまり、気に入った作品なら一日中観ることができるんです。腰は死ぬ。そして料金も安い!2本立てで1,300円から1,500円、つまり1本あたり650円から750円で観れます。安すぎる。会員制度があるところはそれを使えば更に安く観ることもできます。自分はオールナイトで貯めたポイントを使ってほとんどタダで通常のプログラムを観てます@新文芸坐。

 現在、東京にある名画座は「新文芸坐」(池袋)、「早稲田松竹」(高田馬場)、「飯田橋ギンレイホール」(飯田橋)、「目黒シネマ」(目黒)の4軒。あと渋谷の「アップリンク」と大森の「キネカ大森」も新作と並行してロードショー落ちの作品を上映してます。どこも個性ある名画座でいいんですが、上に書いたとおり、個人的には駅から近くてスクリーン・音響ともにシネコンに負けない設備を備えた新文芸坐によくお邪魔してます。

オールナイトはもっと安い!

 集中力と腰が許せばオールナイトが多分最安ですね。4本立て2,300円(新文芸坐の場合。会員だと更に安くて2,100円)なので1本あたり600円未満!まあ大抵1本くらいは寝ちゃったりするんですが…。それでも700円くらいで観れるのでいいですよー。場合によっては関係者のトークショーがついてたりもします(300円くらい高くなるけど)。新文芸坐では毎週土曜にオールナイトやってます(新文芸坐(公式))。基本的に映画ファンが集まって来るので(たまに終電逃した人とかが来る)、雰囲気もいいですし、一体感と達成感があります。若い人は体力に余裕がある内に一回体験してみてほしいですね。

ざっくりとしたまとめ

  • 割引を駆使すると、新作映画を年間100本くらい観ても90,000円弱で済むよ!
  • 月1回くらい行く劇場なら会員カードを作っておくと捗る
  • 年間200本くらい映画館で観ると疲れる(疲れる)

 映画館で観るのを趣味にしてるとお金がかかる印象があるかもしれないんですが、意外とかからないんですよね。年200本観ても月あたり13,000円くらい(高いと思うか安いと思うかは個人差があると思いますけど)。趣味としては安い方に入るんじゃないでしょうか?知らんけど。来年は(もう今年だけど)体力を付けてよりたくさんの映画を観たいと思います!