目次
はじめに
米魂2日目の最初は星雲賞参考候補作のビブリオバトルに参加しました!(見るだけの方)前日夕方に行われた星雲賞の発表を受けて、受賞を逃した作品からリベンジさせたい作品を推薦するというもの。まあ、大賞の『オービタル・クラウド』も入っちゃってましたけど笑
ビブリオバトル
ルールについて
■1人5分
■質疑応答2分
■質疑応答は内容の補足
アーネスト・クライン『ゲームウォーズ』(やくみんさん)
■ 作者のアーネスト・クラインは『ファンボーイズ』1の脚本家。
■ デブオタが主人公2。
■ 広大な世界2で遺産探しをする。
■ 映画版ドラえもん的に学校の裏山で最初の鍵を見つける2。
■ リアルとオンラインの比重が逆転していく対称性の面白さ2。
質 パックマンの擬音に違和感があったのですが → 日本的な発音なんですかね?
質 作者のプロフィールをもうちょっと詳しく → ネット上で調べてもすごくヲタクの人でデブオタの写真が出てくるくらい。作家界では無名の人。
アンディ・ウィアー『火星の人』(秋さん)
■ SF知識の無い自分でも楽しめた。
■ 主人公がすごいバカで魅力的!NASAとのファーストコンタクトの時の会話とか(笑)2
■ 船長の残したディスコミュージックに対するディスりが面白い。「でもディスコミュージックはねえだろ!」
■ 主人公のユニークさと忍耐強さを楽しむ作品。
■ 映画版のジェシカ・チャステインのディスコミュージックの似合わなさが良い!3
■ ジャガイモが食べたくなる。じゃがいもをずっと食べ続ける作品。
■ 科学的デティールの細かさ。
質 (主人公ワトニー役の)映画の配役をイメージするなら → ニック・フロストですね。サイモン・ペッグも合うと思うけど2。
質 火星での糞尿の処理ソリューションは? → 自分の体内のバクテリアを使ってアレします。
ジョー・ウォルトン『図書室の魔法』(七里寿子さん)
■ 図書館関係の人はぜひ読んでください。現代の図書館ではありませんが、メインの舞台は図書館です。
■ 主人公は15才の少女・モリ。SF好き。こいつは仲間なんじゃね?と思った2。
■ インターライブラリー制度を利用する時に、司書にSFの読書会に誘われる。司書さんも仲間だった!
■ 作者は全部が空想の産物だと言っているが、どこまでがファンタジーかは考えてください2。
■ 巻末に、作中登場する図書が全部登場順に記載があります。
質 巻末リストの中からオススメを2,3あれば… → トールキン『ホビットの冒険』とル・グインの『ゲド戦記』、『天のろくろ』ですね。
質 巻末のリストの冊数は? → 190くらい。
質 作中の図書館のシステムの古さは? → 取り寄せのシステム、予算の少なさ?これは今のほうがマシなのか、昔の方がマシなのかはわからないです。
藤井太洋『オービタルクラウド』(板橋さとしさん)
■ いまさらビブリオバトルで紹介するの?!(会場笑)4
■ 燃料の消費なしに軌道を変えられるスペーステザー2が登場。次の「こうのとり」でも実験が予定されている。リアルタイムの技術が描かれているところが魅了的。
■ 技術者の悲哀を描いた作品でもある。
■ どんどんスケールが大きくなっていく話。
■ 日本とイランで、同じ境遇にある研究者が逆方向の結末に向かう。
質 経済分野の作品と比べてどっちが書いていて楽しそう? → 『オービタルクラウド』だと思うけど、ビットコインの話5も優秀なサイエンスを持った不遇な人が報われる展開なので、方向は同じだと思う。
森岡浩之『突変』(加藤さん)
■ 現代の日本を舞台にした群像劇。
■ 大震災をイメージした災害。
■ 災害小説だと思ったら怪獣小説になってしまう。
■ ラストに向けて様々な謎が明らかになっていく。
質 「星界シリーズ」と比較して、森岡さんらしさはありますか? → 架空のシステムを作るのが得意な方ですが、本作でも特殊な会社組織が作られています。ライトノベルぽさはあまりない。
投票
プレゼン後は挙手で投票。一人一票だったと思います(うろ覚え)。
『ゲームウォーズ』 0
『火星の人』 2
★『図書室の魔法』 12
『オービタルクラウド』 6
『突変』 6
というわけで、七里寿子さんのプレゼンによる『図書室の魔法』が圧倒的支持を受け優勝でした!
表彰式
投票後はささやかな表彰式。プレゼンターは大人気!米子のヒーロー「ネギマン」さん!
いい写真が撮れなかったので貴重な足の写真を載せておきます…。
まとめ
ビブリオバトルを見学するのは初めてだったんですけど、こんな感じなんですねー。今回は星雲賞の参考候補作の中からということで、プレゼンされた作品は全部読んでいたんですけど、全く知らない作品のプレゼンを聞いても面白いかなと思いました。
七里さん推薦の『図書室の魔法』は非常に地味な作品なんですが、本とSFとファンタジーをめぐる一人の少女の成長物語で、SF者必読という感じです。個人的にもオススメ。
ていうか、優勝された七里寿子さん、ちょっと調べてみたら2006年のずんこんで実行委員長も務められた筋金入りの方じゃないすか…。
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■トップページ|第54回日本SF大会 米魂 2015.8.29-30 (現在は閲覧不能)
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