佐藤二朗の怪演だけで元を取る
佐藤二朗、絶対いい人だしいると盛り上がるんだけど、またこのパターンの佐藤二朗か~というのもあり、『爆弾』後回しにしちゃってたんですが、いやいや、これはハマリ役ですね。まあいうていつもの佐藤二朗じゃん、といえばそれまでなんだけど、底しれぬ得体のしれなさがあるスズキタゴサクなる怪人物にあまりにも似合いすぎている。原作の段階から当て書きしたのか?というレベルで、彼の芝居を見るだけで元は取りましたね。脇を固める俳優陣も実に豪華で、探偵役の山田裕貴、過去に傷を抱える現場の染谷将太、噛ませ犬の渡部篤郎、と見どころが多い。特に良かったのが『虎に翼』で主演を務めた伊藤沙莉と坂東龍汰の現場警官コンビ。あの絶妙な関係性は刺さりますね。この手の作品には珍しく、ここぞというところでとんでもない展開になるのも意外でした。次回作への引きも上手いですね。続きに期待。
別の意味でネタバレ注意の映画
『万事快調 〈オールグリーンズ〉』、たまたま原作のコミック版を読んでいたので自分は特に衝撃を受けなかったんですが、これネタバレ無しで観た人はかなりびっくりするんじゃないかなあ。予告編で一切出さなかったのが上手いというか、というかこれ映画にしていいのか?しかもかなり重めの話なのに軽快な青春物語に仕立て上げられてるのもすごい。南沙良、出口夏希、吉田美月喜の3人組の存在感がいいね。つなぎ姿でボロいソファでだべってる姿が実に様になってる。アトウッドの『侍女の物語』がさり気なく引用されているように、主に家父長制のもたらす女性たちの生きづらさが物語の根底に横たわっており、さらにそこに地方特有の閉塞感が加わっている。なのでベースラインは陰鬱とした話ではあるのだけど、そこに「あるもの」が加わることによって化学反応のように破滅的な陽気さが生まれているのが面白い。それにしてもここまでボロクソに言われているのに名前を貸した東海村は太っ腹だなあ。
映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』2026.1.16 FRI …
古くて新しい感じ
界隈でやや話題になっていた『アップルエイジ』第1巻を読みました。令和の時代にコテコテのメイドロボか~古~と思ってたんですが、意外や意外、モダンな絵柄も相まってなかなかどうして。相方が幽霊というのが効いていて、しかも復讐譚ロードムービー。ロボ×幽霊ってあまりない取り合わせというのもありますが、物理的に干渉できない幽霊が頭を使ってロボが身体を張るという役割分担というか制約がなんというかゲームっぽい感じで大変面白いです。ロボにだけ幽霊が見える、というアイデアも、捨てられたマイノリティの女同士のシスターフッド的な読み解き方ができそうでいいですね。ポップなビジュアルとは裏腹になかなかハードな物語が展開しそうな感じですが、とにかく続きが楽しみです。
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