令和版だけどノリが全く変わってなくて逆に怖い
能田達規先生の『おまつり!ピース電器店』、まさか連載になるとは…!こないだ読み切り版というか単発で単行本出てたのでこれで終わりか…と思っていたら普通に連載されてたみたいで今回の単行本が出て気付いた。というかタイトル微妙に変えてほしかったな。『おまつり!ピース電器店』(単発版)と『おまつり!ピース電器店』(連載版)がありややわかりづらい。
それはともかく、25年前の作品が普通に復活したんですが、恐ろしいのはノリが全く変わってないってこと。能田先生曰く、「令和版にアップデートした」とのことなんですが、たしかにスマホが出てたりドローンが使われてたりするんですけど、まあいうて前にもそんなんあったし、なんなら「雑用くん」もそろそろ街なかで見かけるようになりそうだし、この「近すぎて昨日のことのように思える近未来ー」という設定は絶妙だよね。冒頭でイーロン・マスク的な火星に着いたらピース電器製のオヤジロボが普通にいるあたりも、「あー、そんなんあったわ」となって懐かしい新しさみたいなものがあって旧来のファン的には嬉しい限り。話のネタも商店街のお悩み相談に始まり、いつもの香山先生に怒られるネタ、カメバーネタ、アズコムネタ、と25年前にも見たわ、というネタのオンパレードで楽しすぎる。商店街にタワマンが建ってたり、カメバーが特殊詐欺にひっかかってたりして、そこはかとないアップデートがいい。あとあとがきでも言ってたけど、昔のバージョンは「親や教師が子供に死ね死ねいいすぎだろ!」と言っていて、このへんもいいアップデートだなあと思ったり。
何にせよ今回も長期連載になってほしいなあ。
なんかすごいマンガが始まっちゃったぞ
なんとなく表紙買いしたときわ四葩『来見沢善彦の愚行』、これすごすぎですね。1970年代を舞台にした漫画家ものがジャンプラで連載しているというのもだいぶ面白いですが、設定がまたすごい。スランプに陥ったかつてのベストセラー漫画家がもう一旗揚げるために、自身を信奉する純朴な天才マンガ青年を騙して、彼の作品を自身の作品として発表しようとするというもの。これ、絵画とかならまあよくある話だと思うですが、週刊連載のマンガというのがめちゃくちゃ面白い設定なんですよね。そんなん普通バレるじゃんと思うところが、騙される畑青年は田舎から出てきていて読み書きができないという設定があり(70年代という設定が効いてる!)、さらに彼だけに見せるために偽の雑誌を作るという凝りよう。いやいや、それでもどっかでバレるじゃん、と思うんですが、いや本当にどうやって今後切り抜けていくつもりなんでしょうね、来見沢先生…。70年代のマンガ業界の元ネタが散りばめられているのも楽しいし、最後には大どんでん返しがありそうな気配もしますし、いやー、すごいマンガが始まっちゃったな。今年スタートした作品の中ではダントツで面白い。
センシティブなテーマとエンターテインメントの両立
前作も良すぎたけど、待望の続編もすごく良かったです→『ズートピア2』。前回の最後でコンビ結成、からの今回は二人が腹を割って話ができるようになるまでのお話。というミクロな話が軸の一つとしてありつつ、大きな物語として置かれるのは、ズートピアの抱える植民地主義の闇。すべての動物が平等に楽しく暮らせる場所、という謳い文句とは裏腹に、そこにはさり気なく排除されている動物たち、すなわち爬虫類と両生類たちがいて、彼らの住むエリアが、他のエリアの動物たちの拡張政策によって奪われようとしているという話。で、これって中東のあたりで現在進行中で動いている話とめちゃくちゃ似てませんか?というね。多分製作者サイドとしてはネイティブアメリカンを念頭に置いているのだと思うけど、タイミングがタイミングなだけにどうみてもあっちに見えてしまうんですよね。排除されている動物の筆頭が宗教的意味合いの強いヘビというのも示唆的な感じもするし…。で、こういうかなり重めのテーマをニックとジュディの凸凹バディによる軽快なアクションが糖衣のように覆っていて、表層だけ観ていてもめちゃくちゃおもしろいというのがやはりディズニー的というか、優れているなあと思った次第です。そういえば、今回は裏切るやつがファーストルックでわかりましたね。猫かぶりが上手い。
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