髙石あかりが最高@『遺書、公開。』
あまり期待してなかったのだけど、観てみたらこれがなかなか。大枠としては自殺したクラスのマドンナ(旧い表現…)の謎を解いていくというミステリー。死んだはずの彼女からクラス全員に「遺書」が届けられるシーンから物語は始まり、ホームルームを使ってそれぞれが自分宛ての遺書を公開していくという流れ。最初は本当に読み上げているだけなので、絵的に地味すぎるだろ…と思っていたのだけど、あれよあれよという間に物語が変な方向に突っ走っていく。遺書を通じて暴かれていくクラスメイトたちの秘密の数々。荒れる遺書公開会。果たしてこの「いたずら」をしかけたのは誰なのか、というミステリーが物語をぐいぐいと牽引していく。
さらに、このクラスには「序列」を呼ばれるシステムが何者かによって導入されており、すべてのクラスメイトに番号が振られているという設定があって、これがまた面白い。要はクラス内のヒエラルキーなのだけど、普通であればなんとなく認識されているこれに数字が割り当てられることで、秩序と混乱をもたらしている。曖昧なものを数値化(見える化と言ってもいい)することによる効果は最近個人的にも実感していることだったので、そういった意味でも面白かった。
さて、この遺書公開会の中での白眉は、死んだ姫山(堤未央奈)の「一番の親友」を自他ともに認める御門凛奈(髙石あかり)の遺書公開。髙石あかり、最近めきめきと売れてますけど、本作でも全く新しい顔を見せてくれて、最高でした。やりすぎじゃない?と言う感じの演技でも彼女が演じるとそれっぽく見えるから不思議。
話のオチ、というか黒幕とその思惑もとても良かったですね。「暗黒面に堕ちた明石さん」みたいな感じ。ちなみに自分の推しクラスメイトは序列23位の黒瀬くんでした。自分を見てるみたいで嫌すぎる。
『ファーストキス 1ST KISS』は松たか子が最高。
このダサいタイトルで観に行く人いるのか?と思ってたけど、評判を聞いてまんまと観に行ってしまった自分がいました。このタイトルから想像できない展開でめちゃくちゃ面白い。
あらすじとしては夫に先立たれた松たか子がひょんなことから15年前にタイムスリップして夫の運命を変えようとしつつ若いバージョンの夫とイチャイチャするという映画。すごいカジュアルにタイムスリップするのも面白いし、運命を変えようとするやりかたも必至なんだけど迂遠でどこか馬鹿っぽいのがいい。例えば、夫である駈(松村北斗)は駅のホームでベビーカーを助けようとして命を落とすのだけど、カンナ(松たか子)は彼をその時間にホームに行かせないために途中の精肉店でコロッケを買わせるの止めさせようとして15年前の夫にその精肉店の悪口を吹き込んだりして遠ざけようとするわけ。いやー、ちょっと遠回りすぎるでしょ。でもその必至さが楽しくもあったりする。アホの『まどマギ』みたいな。
そして主役の松たか子があまりにも魅力的。過去の夫に恋しちゃうのはまあ当然として、タイムトリップして早々に大量の大型犬にじゃれつかれてるシーンもいいし、ミスったら次行ってみよー!とばかりにまたループするあっけらかんとした性格も最高。個人的に良すぎたのは松村北斗の「そんなにドキドキさせないでください…」を何回も聞きたくて貴重なループを使っちゃうところ。「うーん、もう一回ください」じゃないんだよ。かわいい。45歳超えてるのにこの可愛さは異常でしょう。
そして最後は泣かせに来るのも上手い。自分の運命を知っても人を助けようとする夫が素晴らしいし、人生の意味という大きなテーマが最後の最後で浮かび上がってくる。最後の手紙が本当に泣けます。とてもおすすめ。
家を解体
こないだ買ったマンションのリノベーションを進めています。
今週は解体が終わって柱が立ったところです。柱が経つと逆に広さが実感できるのが不思議ですね。解体してみたら200Vが使えないことが判明してIHがガスになったり、キッチンが逆に広くなったりと紆余曲折な感じですが、そのトラブルもならではという感じで面白い。



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