オークラの最上階でアフタヌーンティー

ホテルオークラ、たぶん初めて行ったんですが、こういう感じなんですね。

今回は最上階41階のバーラウンジスターライトでアフタヌーンティー。窓側確約プランにしたんですが、これは大正解。天気が良かったのもあってひたすら眺めが良い。富士山もかなりくっきり見えました。向き的には西側なので夕方は厳しそうですが、11:30の回に入ったのでちょうど良かったですね。遠くに新宿のビル群も見えて、ルミネの上の斜めになっているところから強烈な光が反射しているのも趣深い。

お料理はこんな感じ。裏面を撮り忘れてたんですが、この他にスコーンとアセットデセールがあります。

ティースタンドではなくセイボリーとスイーツでわけて出てくるタイプ。

セイボリーは「和牛のプティチーズハンバーガー」が異常に美味しくて、こんなんフルサイズで食べたすぎる。オリジナルブランドのオークラ牛を使っているらしい。下手したらハンバーガー専門店より美味しいです。

スイーツは「シュトーレン3種盛り」が季節感あって良かったですね。「ピスタチオシュークリーム」も手が込んでいて素晴らしい。一口で食べるのが大変ですが、口の中で素材が混ざりあって最高の味になります。

もそもそ食べてるとスコーンが2種登場。プレーンとメープルでした。地味な見た目ですが、これも丁寧すぎて驚かされます。クロテッドクリームがおすすめ。

最後に出てくるアセットデセールもクリスマス仕様でテンションが上がりますね。手が込んでていて素晴らしい。

一番良かったのがお茶ですね。ベッジュマン&バートンが飲み放題。無くなりそうになったら向こうからおかわりを聞きに来てくれるのもありがたい…。オークラオリジナルブレンドのリュクスリーが印象的でした。

さすが老舗ホテルといった感じで内容もホスピタリティもかなり最高でした。やっぱりこのレベルのホテルのアフタヌーンティーははずれないですね。

スターライト

「ビリヤニ大澤」は体験として素晴らしい

ビリヤニというものにあまり興味がなかったので、特に行く予定はなかったのですが、友人が予約してくれたので行くことにしました。

結論から言うと、「体験として」素晴らしかった!もちろんビリヤニ本体も非常に美味しかったのだけど、パッケージングされた「儀式」によって体験としてのトータルの価値が何倍にもブーストされている感じ。学びが多かった。

開店は20時。開店まで店の外で待つ。今日のメニューはマトン。一種類で勝負するあたりもいい。というよりこういった選択肢を意図的に絞るやり方が、この場所においては客よりも店が優位ということが明確を示しているのが面白い。

20時をやや過ぎて開店。店の中の設えがすごい。よくあるコの字型のカウンターなのだけど、各人の前には必要最小限のものしか置かれておらず、静謐な雰囲気が漂う。まあ欲を言うとお手拭きは布の方がいいかな…。

10人の客が席につくと店主・大澤氏がカウンターの中央にたち、演説が始まる。内容は主に飲み物の解説なのだけど、ビリヤニにはマイナス4度に冷やしたコカ・コーラがよく合い、さらに食後に飲むのが最高とのこと。自分はコカ・コーラボイコット中のため、今回は泣く泣くビールにしました。

演説が終わるとレギュラーかフルサイズを選択。フルサイズから先によそわれますが、着丼してもあまりにも静かすぎて食べづらい笑 みんな食べ始めて私語を全くせず、ひたすら黙々と食べる感じ。まあ美味しいのであまり話をするという感じでもないんですが、このストイックさというか、「話したら場が乱れるな」という雰囲気はすごいですね。味がついてないように見える白い部分が実に美味しくて、さらに味変のヨーグルトをかけると味変というレベルではない変化でめちゃくちゃ美味しくなります。

フルサイズは3600円ということでなかなかのお値段ですが、とにかくこれまで食べたビリヤニとはレベルが違うし、全体の体験としてはだいぶ安いと感じました。飲み物とデザートを込で約5,000円。

一番近いと思ったのが「茶席」ですね。厳格なプロトコルを守ることで生まれる宗教的な高揚感のようなものがある気がします。絶対また行きたいし、この体験は人に話したくなります。こういう言い方はいやらしいですが、実に上手い商売だと感じました。

ビリヤニ大澤

キム・チョヨプ版『風の谷のナウシカ』

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菌糸類…ではなく珊瑚的なものに覆われた地球。地上を追われた人類は地下でディストピア的な都市を築いていた…。というとよくあるSFなのだけど、そこはさすがのキム・チョヨプ、一筋縄ではいかない。

ジャンル的に言うとファーストコンタクト+ポスト・ヒューマン。地上を覆うサンゴ様のものは「氾濫体」と呼ばれていて、実はこれに集合的知性があり、さらに人間と結合して別の種へと進化していく、というのが大まかな設定で、このあたりもまあよくある設定ながら、これまでのキム・チョヨプ作品と同様に現実世界との地続き感が強く出ているのがいい。端的に言うと、「変化するもの」と「現状に固執するもの」の二項対立なのだけれど、もちろん単純なゼロイチの世界観ではなくグレーゾーンが用意されていて、その間を往還したりするのが主人公だったりする。こう書くとやっぱりよくある話の感じはするのだけど、やっぱり読み味はインスタントな感じがしないのだよなあ。

個人的に読んでいて連想したのは『風の谷のナウシカ』と『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』。菌類的なものが支配する地球という世界観もさることながら、主人公テリンは終盤まんまナウシカになるし、全体的な雰囲気は「世界の終わりと~」の感じ。かなり良かったです。