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今年の必読書の一冊:『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』
話題の本をようやく読む。岩波ブックレットなので薄くて安いのがありがたい。サッと読める。
ナチス擁護論者の間で定説のように語られている「ナチスのした”良いこと”」、例えば疲弊したドイツを短期間で劇的に立て直した経済政策であるとか労働者向けの手厚い福利厚生サービスを整備したであるといった説をバッタバッタと薙ぎ倒していく痛快な本。自分もなんとなく「アウトバーンはナチスの手柄」という解像度の認識だったので、大いに勉強になった。
検証の手法の明快さも良い。基本的に本書の中で著者は①ナチスのオリジナルだったのか? ②政策の目的は何だったのか? ③実態はどうだったのか? の3つの観点で検証/評価を行っており、登場するほぼ全ての政策について、①ナチスのオリジナルでもないし ②戦争遂行の目的のもと実行され ③実際には国民の生活を悪化させた という結論が導き出されている(唯一、本当に「良いこと」かもしれないものが最後の最後に出てくるのも面白い)。「結局ユダヤ人のジェノサイドを行っているので帳消し」という意見が提示されることもあるのだけど、それはちょっとずるいなあという気はする。もっとも、ほぼ全ての検証は納得のいくプロセスを経ており、特に、実態としては巷間言われているような効果は全くなく、むしろ悪化させていたという検証には驚かされる。
そして、より重要なのは、こういった「ナチスすごい論」が一般市民の間にも蔓延している要因として「反ポリコレ」「ポリコレ疲れ」があるのではないかと指摘している点だ。後書きで軽く触れられている程度なのだけれども、このあたりの感覚は自分の肌感覚とも合致するものでもあるし、より詳しく検証がなされるべきなのではないかと思う。
今年2度目の京都旅行
京都の友人を訪ねて今年2回目の京都へ。今回のテーマは紅葉と飲み歩き。
1日目昼 比叡山に登り精進料理を食べる
今回のメイン目的の一つ。結論から言うと早すぎた。11月は中旬から下旬がいいっぽい。
天気は曇りで11月上旬にしてはやや寒い気温。山頂で10度程度。
ルートは叡山出町柳→(叡山電車)→八瀬比叡山口→ケーブル八瀬駅→(叡山ケーブル)→ケーブル比叡駅→ロープ比叡駅→(叡山ロープウェイ)→比叡山頂駅→延暦寺→ケーブル延暦寺駅→(坂本ケーブル)→ケーブル坂本駅→比叡山坂本駅→(湖西線)→京都駅。
歩きは比叡山頂駅から延暦寺駅の1時間30分程度でしたが、みんなぞろぞろと歩いていくのかと思いきや、我々以外はバスで向かうようでほとんど貸切状態の山道をてくてくと。結構寒かったので用心してダウンジャケットを着て行ったのですが正解でした。念のため熊よけの鈴を持って行きましたが、クマに遭遇することはなく一安心。でも人がいるから安心だろうと高を括っていたので持って行って良かったです。それよりも東京の方の山と違って道がかなり岩がちだったのが想定外。ちゃんとした登山靴で行った方が良さそう。自分は厚めのソールを敷いていたので助かりました。
途中で「国宝根本中堂大改修」を見学。これは今しか見られないのでこのタイミングで行けて良かったです。修復現場が全て囲われていて、修復というどちらかというとネガティブな事象自体をコンテンツにしているのが上手い。本堂の中の幻想的な大空間凄まじいインパクト。
昼食は延暦寺会館で精進料理ランチ「比叡御膳」を頂きました。正直、精進料理なので「別に美味しくないけど健康にいいし記念に食べるか…」程度のノリで食べたのですが、これが予想に反してめちゃくちゃ美味しい!全ての料理の出汁が美味しすぎる。肉がなくてもここまで美味しいんだ…!というのが衝撃でした。まあ出汁で動物性のものを使っているような気もしますが。特に湯葉が絶品でした。
帰りは滋賀県側から京都に帰還。坂本ケーブル、かなり急で割と恐怖でした。
麓の坂本で日吉大社に参拝。やたらと広い。
湖西線で琵琶湖から20分で京都駅に帰れるの地味に便利ですね。滋賀県もちゃんと来てみたいですねえ。
所要時間は10:00〜16:30で6時間半程度でした。
1日目夜 河原町付近で飲み歩き
夜の飲み歩きは18時からスタート。一軒目は河原町の人気店、「益や酒店」さん。酒が突き出しで出てくる感じのアル中向けのお店ですね。とにかく何を食べても美味しかった。人気店だけあってかなりの混み方。できればカウンターが良かったなあ。2週間くらい前に予約で微妙なテーブルだったので、カウンターがいい人は1ヶ月前とかに取っておくと良さそう。
今回は一軒目だけ予約して、飲みながら次に行く店を考えて予約電話を入れていくというスタイルの飲み歩きにしました。1軒目が日本酒だったので2軒目はワインということで四条烏丸の「ラクイイッカイ」さんへ。出汁をベースにした創作イタリアン。ここもどれを食べても美味しかった!うつわもセンスが良く、おすすめのワインもどれも美味しい。
3軒目は箸休め(?)ということで通りかかって良さそうだった「Pizzeria Brown Blossom」さんへ。3軒目で結構食べてたから1人1ピザいけるか不安だったんですが、意外にもペロリといけました。お酒は一旦休んでコーラで。
4軒目は締めということで、先斗町のバー「アトランティス」へ。ちょうどよくカウンターに座れました。オーセンティックなバーなのに二人してアイスクリームなど食べてしまいちょっと反省。もっと酒を入れるべきだった…。
4軒行きましたが逆にお酒をあまり飲まなかったので、次回は先斗町・木屋町を中心に回ろうと思います。
1日目夜 ホテル「SHIN」がかなり良かった
1ヶ月前に予約してたんですが、とにかくホテルがない!ということで場所が微妙ですが雰囲気良さげなこちらの「SHIN」さんへ。ホテルというよりはシェアハウス的な感じの宿ですね。丹波駅の近くなんですが、河原町とかの繁華街からはやたら遠いのでやや不便。
ただ、オーナーさんのホスピタリティと全体的なデザインがかなり良かった!3部屋しかないのでオーナー自身が対応できるというのもあるかと思うんですが、説明もフレンドリーかつめちゃくちゃ丁寧だったし、DX化が工夫されていて素晴らしい。出入りもパスで解錠するするタイプなので24時間出入りできるのがありがたい。
そして何よりデザインがいい。部屋は正直せまめなんですが、アメニティも含めた全体の色調のコントロールが素晴らしい。そしてコロナに対応してほとんどの備品がタッチレス。机と椅子が折りたたみで壁にかかっているのもかなりクール。照明も抑えめでかなり好み。
チェックアウトまでフレンドリーですごく良かった。一人で来る時はリピします。
2日目昼 アフタヌーンティー@リッツカールトン京都
2日目はお昼からスタート。
リッツカールトンでアフタヌーンティーですが、雑すぎる格好で行ったところ、「ノーカードショップ!ノーカードショップ!」状態になって焦りました。連れの人が素敵な着物で来てくれたので助かったところがあります。
リッツカールトンのアフタヌーンティーは初めて来たんですが、さすがにクオリティが高い…!セイボリー一口目からめちゃくちゃ美味しい。これだけでも一生食べていたい。
スコーンもこれまで食べた中でも1、2をあらそう美味しさ。ちゃんとほんのり温かくしておく仕組みもいい。これも無限に食べれるタイプ。
もちろんスイーツも最高。どれもこれも美味しい。
飲み物は2ポット選べるタイプで、自分はダージリンのリッツカールトンオリジナルブレンドと同じくオリジナルブレンドのグリーンティーを頂きました。
かなり満足度が高いアフタヌーンティーでありました。東京でも行きたい。
2日目昼 お土産選びと喫茶店
のんびりアフタヌーンティーを楽しんだ後はお土産を物色しつつ喫茶店へ。
いつもお土産を駅ビルとかで適当に選んでしまうので今回はちゃんと選びたい、ということで今回は以下のお土産をチョイス。
- SHUKAの甘納豆 おしゃれ甘納豆。ピスタチオとかあって楽しい。パッケージもとんでもなくおしゃれ。一箱あたりの量が少なくて1000円くらいしますが、おしゃれなのでヨシ!女子ウケしますね。
- Uchu Wagashiの落雁 割と定番のUchu Wagashiさんですが、河原町の店舗を改装中ということで駅ビルの伊勢丹の店舗で。やっぱりいいですね。お値段も手軽だし。限定の落雁のパッケもかわいい。
- RAUのBonbon Chocolat 友人に教えてもらったすごく良いお店。かなりおしゃれなパティスリー。シグネチャーのサンドも買いたかったんですが、今回はBonbon Chocolatの「iro」シリーズの詰め合わせを買いました。パッケが良すぎて。12粒で5,000円ですが、中で3つのシリーズに分かれているので分けて渡せるのが良し。上の階にアシェット・デセールが楽しめるサロンがあるとのことなので次回は絶対に行きます!
お土産を買いつつ河原町の老舗喫茶店「築地」さんへ。建物が良すぎる。新宿で言うと「どん底」さんみたいな雰囲気。面白いのが普通のブレンドがなくてウインナーコーヒーしかないというところ。みんな「ブレンドください」「やってないんですよ〜」のやりとりをやっていて面白かったですね。で、ウインナーコーヒーをいただいたわけですが、これがまあ美味しいんですよね。めちゃくちゃいいお店でした。
しかし京都良すぎて住みたくなってしまいますね〜。
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