ベスト10冊(活字等)

小説6、ノンフィクション3、その他1でバランスが良いような気がする…と思ったのだけど日本のものが大半でこれは珍しいパターン。順不同。

ほし『遺失物統轄機構』

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いきなり活字ではないんだけど、アイデア勝ちで入れざるを得なかったというか…。「架空のゲームの攻略本風画集」という体裁だけど、肝心の「架空のゲーム」(『遺失物統轄機構』)がめちゃくちゃ面白そうなんですよね。SIRENNとペルソナと都市伝説解体センターを混ぜた感じというか。データベース消費を超えたメタ消費という意味ではファスト消費的な文脈でいかにも令和らしい本でもありますね。これ、実際にゲームやりたいんだけど、ゲームが出ちゃうと本の魅力が幾分削られる気もするし、難しいね。

カスガ『コミケへの聖歌』

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あらすじとカバー絵を見ると「あー、はいはい、『ヨコハマ買い出し紀行』とか『少女終末旅行』的な世界観のゆるふわポストアポカリプスで女の子たちがわちゃわちゃする感じのやつね」と思って読み始めるわけですが…。逆にハードなポストアポカリプスできららジャンプするとこうなるのかあ、という驚きと発見がありました。そしてその中でも「医療」が中心的なテーマになってくるあたりが本当にきつい。リアルに文明が衰退していくとこうなるんだなあ。第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作なんですが、自分の中ではかなりオールタイムベスト級です。

赤野工作『遊戯と臨界』


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赤野工作先生久々の単著。収録作では「お前のこったからどうせそんなこったろうと思ったよ」だけ既読でほかは初見。どれもゲーム絡みの短編集。極限状況下で『スペランカー』のRTAに挑む「邪魔にもならない」、放射能を使った賭場荒らし「ラジオアクティブ・ウィズ・ヤクザ」あたりがかなり好み。「アトミック・ゴト」は字面がズルすぎる。書き下ろしの「曰く」は代表作である『ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム』にかなり近い感じがしてこれも良かった。

天沢時生『すべての原付の光』

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すべての原付の光(Amazon Kindle)

初短編の「ラゴス生体都市」から大注目している天沢先生の初単著。その独特の言語感覚はなおも勢いを増し、唯一無二の言語世界を形作っている。「不良の抜け殻」に「綺麗なジャイアン」なんてルビがつけられるのはこの人くらいじゃないか?デビュー作の「ラゴス生体都市」を含む5編の短編が収録。表題作の「すべての原付の光」は地方の不良たちが神殺しに挑むというあらすじだけ聞いても全くわけのわからない話でだいぶ面白い。ドン・キ○ーテを彷彿とさせる巨大量販店が無限増殖する「ショッピング・エクスプロージョン」は『横浜駅SF』と『BLAME!』を混ぜたようなサイバーパンクものでこれもかなり好き。

古谷博和『幽霊の脳科学』

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金縛りを科学的に解き明かそうとするものはよくあれど、「部屋に入ってくる幽霊」や「タクシーから消える乗客」、「神隠し」のようなかなり複雑で一見すると真実味のある怪談話まで脳科学によって解き明かそうとするめちゃくちゃおもしろい本。「え、そんなものまで人間の脳の機能によって解釈できるの?」という感じで、面白いと同時に人間の脳の奥深さに驚かされます。

川越敏司『行動経済学の死 再現性危機と経済学のゆくえ』


行動経済学の死 再現性危機と経済学のゆくえ(Amazon Kindle)

2010年代から問題になり始めた、心理学や医学分野に置ける実験再現の失敗の増加、いわゆる「再現性危機」に関する本。行動経済学は心理学と経済学の横断的な領域であり、この現象によってもろに影響を受けている学問領域となる。果たして行動経済学は死んでしまったのか?まあ日本行動経済学会の会長(当時)が書いているので、もちろんそんな結論にはならない。数式がふんだんに使われ理解は難しいが、結論は思いの外シンプルで得心がいくものであった。

笹原千波『風になるにはまだ』

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風になるにはまだ (創元日本SF叢書) [ 笹原 千波 ]
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風になるにはまだ(Amazon Kindle)

デビュー作である表題作を含む著者初の連作短編集。人々が「情報人格」として仮想世界で暮らすことが可能になった未来。しかし無限の命を持つかと期待されていた「情報人格」も実は限界があり…、という制約があるのが面白い。『順列都市』や『楽園追放-Expelled from Paradise-』と同じように、仮想世界の限界がテーマの一つだけど、現実世界と仮想世界の双方を往還しつつ、湿度高めに描いていく点に著者のセンスが光る。

ジェイムズ・モロウ/ 内田昌之 (翻訳)『ヒロシマめざしてのそのそと』

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ヒロシマめざしてのそのそと [ ジェイムズ・モロウ ]
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ヒロシマめざしてのそのそと(Amazon Kindle)

第二次世界大戦末期、怪獣映画によって日本に降伏を迫ろうとするアメリカ、という設定だけ聞くとかなりのトンチキSF小説なのだけど、かなり真摯な反戦小説でもある。回想形式になっていて、一夜の間に様々な人々が主人公のもとを訪れるという構成も面白い。

ハナ・リッチー『これからの地球のつくり方』


これからの地球のつくり方(Amazon Kindle)

環境問題版の『FACTFULLNESS』という要約がしっくりくる感じ。データで見ると、みんなが思うより世界は良くなっているけど、さりとてまだ足りぬ、ではどうしようか、という本。希望がある。

酉島伝法『無常商店街』

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無常商店街 (創元日本SF叢書) [ 酉島 伝法 ]
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無常商店街(Amazon Kindle)

いつもの酉島伝法先生なのだけど、商店街という入口があるためか、異常な作品世界にすっと入っていける感じが面白い。商店街の店構えも良いし、数々の奇習風俗の面白さ。雰囲気としては植芝理一先生の『ディスコミュニケーション』みたいな感じ。とりあえず踊れば解決するダンス小説でもある。

ベスト10冊(マンガ)

狂ったものとそうでないものの温度差が激しい。順不同。

児島青『本なら売るほど』(既刊2巻)


本なら売るほど 1(Amazon Kindle)

最近流行りの(?)古本屋ものなのだけど、店を基軸にしつつ、そのまわりの人々の交流が丁寧に描かれていて読み応えがある。実際の書籍が話の中心になるのも良い。

高妍『隙間』(全4巻)

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隙間 1(Amazon Kindle)

台湾の若手作家による作品。台湾から沖縄に留学してきた学生の視線で、生活と政治が緩やかに結びつけられていく。今の日本だと「思想が強い」と言われそうな主人公だが、台湾という国の成り立ちと現状を考えるとむしろこれくらいが普通なのだろうと思う。青春マンガでもあるが、好いた惚れたのゆるふわな青春ではなく、もちろんそこにも政治と生活が横たわっている。

サイトウマド『怪獣を解剖する』(上下)



怪獣を解剖する 上(Amazon Kindle)

怪獣を解剖する 下(Amazon Kindle)

こういう怪獣ものが読みたかったんだよなーという、「怪獣の死体片付け」マンガ、なのだけど、単に処理するのではなく、主人公の役どころは解剖学者で、非現実的な存在である怪獣を科学的に切り刻んでいくあたりに面白みがある。後半は割と形而上学な領域に入っていくのも、定番といえばそうなのだけど、丁寧に描かれていて納得感がある。一方で、本作の本質としては怪獣SFを通じて、原発事故問題や男女の性差別といった社会問題を描いている点にある。

おかくーこ『父を怒らせたい』(全3巻)


父を怒らせたい 1(Amazon Kindle)

余命宣告された父を怒らせるために奔走する話。いかにも中小規模の邦画っぽい雰囲気のマンガで、3巻という尺の長さも丁度良い。父はいわゆる毒親で、主人公は彼に対する愛憎入り乱れる感情を「往年のように怒らせる」という一種アイロニカルな方法で昇華あるいは消化しようとする。そして、父を軸として周囲の人々と関わりを深める中で自身の人生も再起動していく。最終的に許す/許さないという二元論を脱していくのが良い。本当に映画化しないかな。

鰻田まあち『秘密法人デスメイカー』(既刊2巻)


いま一番面白いけど人に勧められないし読んでることも知られなくないマンガNo.1。主人公の目的が「ヒーローに殺されたい」なのがまず狂ってるし、そのための手段が「怪人を生み出して反逆される」なのも大概異常。極めつけが最初に生み出した怪人が「ハエオムライス」(まんまハエとオムライスの怪人)というのがまた…。下品な方向に振った道満晴明と古賀亮一を足して2で割らなかった感じの面白さですね。推しはケルベガス(かわいいので)とアルミホイルジョンソン(陰謀論者だけどあの中では常識人なので)。

温泉中也『現象X』(既刊2巻)


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敏腕アニメーターの温泉さんが漫画家デビュー!ということで絵がとにかくいいですね。絵というかレイアウトがいい。異能力者を追う刑事ものというとややクラシックな雰囲気がありますが、シュッとした立体感のあるビジュアルは非常に現代的で読み応えがあります。まあこういうバディものってはずれないよね…。凸凹バディはどちらも良いキャラ。

榎本俊二『ザ・キンクス』(既刊3巻)

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ザ・キンクス 1(Amazon Kindle)

実はこれが初榎本俊二なんだけど、正直めちゃくちゃ面白い。事物の切り口の鋭さ新しさ。下ネタなしのシュールギャグ。何が面白いか説明しづらいのも新鮮。

道満晴明『ビバリウムで朝食を』(全4巻)


ビバリウムで朝食を 1(Amazon Kindle)

道満晴明先生にしては4巻というやや長めで完結。第1巻から『映画ドラえもん のび太の創世日記』じゃんと言っていたけど、最終巻でまさかのアレが出てくるとは。ボヤッとしてるからセーフだね。最終回でタイトル回収も嬉しい。道満晴明先生の代表作の一作になりそうだ。

能田達規『おまつり!ピース電器店』(既刊1巻)

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おまつり!ピース電器店 1(Amazon Kindle)

『おまかせ!ピース電器店』が令和の時代にまさかの復活。単発で何回か出てたけど、そのまま連載になるのは予想外すぎて嬉しい。ノリが20年前と全く変わってなくて嬉しいのだけど、細かいところでアップデートが入っているのもいい。アニメ化しないかなあ。

ときわ四葩『来見沢善彦の愚行』(既刊1巻)


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1970年代のマンガ業界を舞台にゴーストライターをテーマにしたサスペンスをやるというかなり大胆な企画でそれだけでも応援したいよね。話がどこに転がっていくのか全く読めない面白さ。当時の漫画家たちをモデルにした登場人物たちもいい。

ベスト10には入ってないけどとても良かったもの

活字

小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ 4』

完結巻。最終章の「大渦巻へ」のあたりがものすごい盛り上がり。映像的でありアニメ的。トリガーとかカラーあたりにアニメ化してほしい。具体的にはトップ2による宇宙戦艦の変形とかを思い出した。テーマ的にも造物主/非造物の対比であるとか、身近な友人を優先して助けることの是非、結婚制度などなど盛りだくさん。個人的には「理想の子供を作れてしまうこと」への躊躇のあたりが実に良かった。この世界観はもっと使いまわしてほしい。

オキシタケヒコ『筺底のエルピス 8 -我らの戦い-』

めちゃくちゃ面白いけどこの厚さで前哨戦という構成がすごい。アクションも最後にちょろっとあるだけという潔さ。カラスが停時フィールド使ってくるのはさすがに怖すぎる。逆に殺しやすいというのはありそうだけど。次巻でついに最終巻か。楽しみ。

犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』

去年の『ここはすべての夜明けまえ』に続く衝撃。人間関係が複雑だけど、描かれていることはそれほど複雑ではない。『ヨコハマ買い出し紀行』を連想する。羊はキリスト教的なモティーフのようにも思えるのだけども、どうなのだろうか。

小林昌樹『立ち読みの歴史』

モノの調べ方に対する姿勢が変わる。『ソース焼きそばの謎』もそうだったけど、こういう在野の研究者による研究をもっと読みたい。日本人が黙読できるようになったのが思ったより最近だったとか目からウロコの面白さ。

越智萌『だれが戦争の後片付けをするのか 戦争後の法と正義』

すごく面白い。ICCの活動について概要がわかる。実際にどうするんだ?というのは謎だったので解像度がかなり上がった。戦争という無秩序っぽいシチュエーションで秩序をもたらそうとしている人々の話であり、希望がある。

宮沢伊織『ウは宇宙ヤバイのウ!2 天の光は全て詐欺』

期待値の2倍くらいおもしろくて驚き。キスで全てを解決するのも豪快だし、トンチキなDIY武器も楽しい。侵略の形態が経済侵略というのもいい。強行販売船(ハードセルシップ)が良すぎる。どちらかというと田中啓文の継承者という感じがする。

小川公代『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』

とてもよくまとまっていて学びが多かった。進撃の巨人からはじまり、ヒロアカで終わるというのも良い。

信原幸弘/渡辺正峰『意識はどこからやってくるのか?』

対談なのでかなり読みやすい。哲学者と工学者という組み合わせも面白い。たしかにその方式なら連続性を保ったまま向こう側に行けそうな気はする。

アレステア・レナルズ『反転領域』

読み終わるとどことなくウィリスの『航路』っぽい。最後のシーンとかまさに。レナルズにしてはリーダビリティが高い。物語によって人間性を獲得していくというのはいかにもありそうだ。

人間六度『烙印の名はヒト』

『スターシェイカー』の作者らしいワイドスクリーン・バロックでかなり面白い。人間とはなんぞや、というテーマにかなり踏み込み、かつ独自の解釈を生み出している。世界観とアクションの描写が見事。

稲葉振一郎『滅亡するかもしれない人類のための倫理学』

めちゃくちゃ面白い!長期主義とか功利主義とかの概念が整理されているのでそのへんの入門にも。

宮沢伊織『ときときチャンネル ない天気作ってみた』

今回もバカ面白い。初っ端の発電からアイデアがすごいし、キショい感じに着地してるのもいい。宇宙背景放射で発電は目から鱗。表題作はもっと奇抜な天気が来るかと思ったけどそうでもなかった。紫外線マシマシは面白いが。宇宙の荒らしと対決していい感じに次につながる展開もいいなあ。

小川哲『火星の女王』

火星と地球の距離感にここまでフューチャーした作品もなかなか珍しいのでは?会議のくだりとか、誘拐されてるのにのんきに生活してる地球人の感じが凄くリアル。

アグスティナ・バステリカ『肉は美し』

屠畜の対象を牛や豚から人間に変えただけなのに、ここまでビビッドな内容になるのがすごい。解体の様子が実に嫌。そして『1984』の系譜に遡る「言語SF」でもある。「言い方が大事」という話。

『コマ送り-Frame by Frame-vol.1 アニメ業界とフェミニズム』

荒削りだけどとても良かった。こういうふうに問題意識がある人が同じ業界にいるというだけで救われる人がだいぶいると思う。比較的ラディカルな感じだけど、首肯することが多く、希望が持てる。

アーサー・タレル『「夢のエネルギー」核融合の最終解答』

非常にわかりやすく、解像度が爆上がりした。核融合スタートアップはどこもあんな感じなんだろうなあ。

イザベラ・ハンマード『見知らぬ人を認識する:パレスチナと語りについて』

キーワードは「アナグノリシス」。物語と語りとパレスチナ。とても学びがあった。来年はサイードを履修しようと思った。

関元聡『摂氏千度、五万気圧』

地上が摂氏千度で五万気圧になるのかと思ったら全然違った。復讐劇が収まる話かと思ったらその先にさらに壮大な復讐劇になっており驚愕。この許すと許さないの間というのが絶妙。冒頭の二人の夫婦の愛の話に戻ってくるのも良かった。

マンガ

森泉岳土『ソラリス』(上下)

絵が良すぎる。あの難解なストーリーを理解する補助線としても素晴らしい出来栄え。淡白すぎる感じもあるけど、余白の美が美しい。ロケットで追放するシーンが良い。

岩国ひろひと『キレてるふたりの出張めし』(既刊1巻)

ボディメイク目線のグルメ&旅でこれは新鮮。岩国先生だけあってポリティカルコレクトリーなのが嬉しい。2話目にしてヤギ汁が出てきたりしてすごいな。たまきさんがたまに変なポーズを取ってるのが癖になる。

茶んた『サチ録~サチの黙示録~』(全5巻)

モール回(長澤先生回)が最高。というか長澤先生が出てくるとだいたい面白い気がするな。あと女子会の回も良すぎる。総じてレベルが高いなあ。

福島鉄平『放課後ひみつクラブ』(全8巻)

1巻丸々使って劇場版さながらの最終回。やや冗長だけど、まあこの感じもこの作品ならでは、といえばそんな気はする。まさか生物部が怪しかったとはね。これまでのキャラが大集合でたいへん盛り上がった。告白シーンもかなり良い。

速水螺旋人『スターリングラードの凶賊』(全2巻)

非常にきれいにまとまっていて最高。マイノリティの人たちの挿話もいいし、伯爵令嬢との対決も素晴らしい。もう一回最初から読もうと思わせる最終回。

こうの史代『空色心経』

すごい。今年ベスト級。般若心経は正直わからないのだけど、それが実生活に重ね合わされることで身近なものになっている。メインとなるストーリーも衝撃的で良いし、端々の芝居もうまい。

panpanya『つくもごみ』

どの話も面白すぎて天才。「行き掛り」、「HOME VACATION」、「動物の分際」あたりが特に良かった。

丸山薫『図書室のキハラさん』

横長縦長で珍しすぎる上に話も面白い。世界観がいい。デザインが丁寧。はっちゃけてない速水螺旋人という感じ。人外っぽい課長がいいな。

売野機子『ありす、宇宙までも』(既刊4巻)

種子島に行く話が非常にいい。おばあちゃんの心境の変化がいい。挫折がなくてご都合主義感はあるけど面白い。

バルト・シュティボル(原作)/あさの(作画)『サイバーパンク:エッジランナーズ MADNESS』

よくある微妙なスピンオフかと思ってたらめちゃくちゃ面白いじゃん。モブキャラたちのフレーバーテキストがあるのが良すぎる。容赦がないグロもよし。

コトヤマ『よふかしのうた -楽園編-』

探偵さんと夜守くんが謎の新興宗教の村に潜入する話。探偵さんのノリが変わってなくて最高。終盤のバトルもいいな。本編のエピローグにつながるのもいい。この調子でどんどん作れそうな気がする。アニメ新シーズンのたびにやってほしい。

たけうちホロウ『チハヤリスタート』(既刊3巻)

想像してたのと全く違っていて驚いた。まさかの成人からのリスタート。絵が緩めなのがとても好み。これは売れる。

山口晃『趣都』

「日本橋高架編」で力尽きた感がある。やはり絵が良すぎる。面白いけど情報量が多すぎて疲れる。一日一話。

速水螺旋人『ロージナ年代記』(既刊1巻)

これは果たしてマンガというカテゴリーで良かったのだろうか?というくらい文章の密度が濃い。ルーシの歴史を17世紀まで概観できて大変良い。『ロシアの源流』で学んだことが蘇ってくる感じがする。群雄割拠していく過程とかハンの支配のあたりとかとてもおもしろい。ブックガイドがあるのもありがたい。

ピエール手塚『恋のジンロゲーム』(上下)

思いの外(?)面白い。ピエール手塚先生は人と人との対話にフォーカスしていて好感が持てる。ハーレム展開に違和感もないし、女の子が萌え系じゃないのがいい。

増村十七『全員記憶喪失オフィス』

とんでもない設定で始まってとんでもない地点まで突っ込んでいった変な漫画。テンションがやばい。主人公の本部さんが特にいいキャラ。