トヨエツ最高!!!

今年の超話題作『地面師たち』をようやく観終わりました。面白すぎると逆に「後に取っておく」心理が働いてしまい、週1回仕事が片付いたら観る、というスタイルでやっていたらこんなにかかってしまったというわけ。

とりあえず役者が良すぎですよね。豊川悦司もピエール瀧もリリー・フランキーも大好きすぎるのでこれだけでお腹いっぱいという感じなのだけど、脇役にも手を抜いていないところがいい。第1話で印象的だった五頭岳夫さんがやはりいいですね。そしてもちろん主役の綾野剛。役者の幅が広がったような印象があります。

そして、それぞれのキャラクターの濃さもすごい。ハリソン山中の「ゴロゴロ」とか佐々木老人の「ライフのほうが、やすいので」と後藤さんの「もうええでしょう!」とかネットでバズるのが前提のような印象的なセリフがバンバン出てきて、これは人と話す時盛り上がりますわ。そういった意味では実にインターネット向きの作品とも言えますね。

ストーリーも緊迫感あって素晴らしいし、詐欺師の話と思えないほど暴力的なのもいい。「死人がゴロゴロでるような」は比喩じゃなく死ぬし、なんならハリソンが自分で殺してますしね。そういった意味ではベストシーンは「もっともフィジカルで、もっともプリミティブで、もっともフェティッシュ」な殺しのところですね。今まで見た映像の中でもトップクラスにグロい。一瞬見せるのがまた意地が悪いというか…上手いですね。

まだ続きが作れそうだし、やってほしいなあ。

地面師たち | Netflix Official Site

『HAPPYEND』は本当に人を選ぶ(いい映画です)

評判いいから観に行ったんですが、これは人を選ぶ…。自分はかなり好きですが、人によってはイライラするでしょうね。説教臭いというか説明的でもあるし、ネットとかだと「思想が強い」と揶揄されそう。自分はこれくらい主張が強くてもいいとは思うんですが。主役の少年少女たちの瑞々しさ、というか良い意味でのクソガキっぽさが個人的には素晴らしいと思うんですが、むしろこの部分が人々を苛つかせるのは容易に想像ができますね。

近未来という設定ですが、本当にほんの少し先の未来というのが地に足が付いている感じでいいですね。あと地味に音楽がめちゃくちゃ良いです。

映画『HAPPYEND』公式

爺さんが一人で森の中で暮らしてる映画

東京国際映画祭1本目。というか今年は忙しすぎて2本しか観れませんでした。しかも内一本はドキュメンタリーの『ボーガンクロック』(本作)。白黒8mm、ほぼセリフ無しという、まあいかにも映画祭映画祭してる映画でしたね。

爺さん(ジェイク・ウィリアムズ)が森の中で孤独に暮らすドキュメンタリー。基本的に何も起きず日常生活が続くだけなんですが、文明から離れているので、それだけで味がついているというか、なんというか見世物小屋的というかオリエンタリズム的な雰囲気もあり…。まあそういう作風ですよ、と言われたら、はいそうですか、としか言いようがないのですが。90分無い作品なのにあまりにも疲れていて前半けっこう寝てしまいました。すみません…。

【ボーガンクロック】 | 第37回東京国際映画祭