『サチ録~サチの黙示録~』、どんどん面白くなってきてすごい

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『死亡フラグに気をつけろ!』でおなじみ、茶んた先生の新シリーズ、巻を重ねるごとにどんどんおもしろくなってきてすごい。基本設定は奇をてらったものではないんだけど、キャラクターの掘り下げがいい。特にランとボロスのエピソードが良くて、天使と悪魔で倫理観が真逆なのは直感的にわかるんだけど、そこから家族や子どもといった共通の基盤を描き出していくのがいい。巻末のおまけ漫画の過去エピソードもいいけど、特に授業参観のエピソードが良かったですね。

他には書道の先生の話もイかれてて好きだし、ランとエージェントQが真夜中に町中華に行く話も好きすぎる。メニューの頼み方も、気づいたら4軒目のくだりも、酒飲みの解像度が高いんだよなー。エージェントQの食べるシーンも可愛すぎて良い。

インターネット黎明期の雰囲気盛りだくさんの個性派すぎるゲーム『マルウェア』

マルウェア – Steam

今週はマルウェアをプレイしていました。「インストーラー間違い探しゲーム」と言えばいいのか、説明が難しいゲーム。基本的には不要なバンドルアプリのインストールのチェックボックスを探してチェックを外すだけなんだけど、これがなかなか難しい。説明が否定の否定の否定の否定で書かれてるとかめちゃくちゃ薄字で書かれてるあたりは序の口で、後半はかなり難しい。起動したまま寝ちゃって、朝になったらクリアできてたのは難しすぎる。UIが最近あまりみないタイプの古いインストーラーってのもノスタルジックで良かったです。クリア時間は約6時間。

本物と偽物の問題『侍タイムスリッパー』

侍が現代にタイムスリップするめっちゃよくありそうな設定なのだけど、たどり着いた先が京都の太秦、しかも時代劇のセットだったというのがひねったポイント。時代ギャップネタで笑かしてくるのは序盤だけで、主人公の武士・新左衛門はどんどん現代に適応していくというのも新しいし、彼がが斜陽産業である時代劇で「切られ役」として活躍しはじめるというのがいい。「切られ役」というモブofモブからスターに抜擢されていくという流れは典型的なサクセスストーリーのように映るのだけど、ここから「本物と偽物」というテーマに雪崩れこんでいくクライマックスが素晴らしい。特に最初から終盤までしこりのように残っていた、新左衛門が過去から持ちこんだ「真剣」が効果的に使われていて、この伏線回収は実に見事だった。フィクションにおけるリアリティとはなにか?リアリティを出すためにはコンプライアンスを無視して真剣を使うべきなのか?この場合は武士だから許されるのか?などなど様々な論点が頭をよぎっていくという点でも、フィクションにおける倫理観が問われる、現代ならではの作品だと思いました。様々な点で今年必見の作品だと思います。

侍タイムスリッパー | 公式サイト

『ヒットマン』はフィクションの入れ込み方が絶妙

リンクレイター監督らしい作品だったなあ(途中ちょっと寝ちゃったという意味で)。リンクレイター監督の映画、毎回寝ちゃうんだよな…。

ほぼ実話ベースの殺し屋のおとり捜査官の話だけど、いかにも監督らしい演出が多くて楽しい。最後の最後で、「いやそれ実話なの!!???」みたいなシーンがあって驚くのだけど、なるほどそういうことね。てか逆に他の部分は実話というのがすごい笑 ラブストーリーのあたりも本当なの??

序盤にグレン・パウエル演ずるゲイリー・ジョンソンの殺し屋百面相みたいなシーンがあるんだけど、役者ってすごいなあと関心。

映画『ヒットマン』オフィシャルサイト 2024年9/13公開