はじめに

aninado」さんが毎年やられている「話数単位で選ぶ、※年TVアニメ10選」という企画があるのですが、今年は比較的ドラマを多く観ていたので個人的にTVドラマ版をやってみようという感じです。…なんですが、数えてみたら新作9本しか観てなかった…。のでタイトル詐欺で9選になります。2025年はがんばります。

レギュレーションは「~TVアニメ10選」と同様、以下の通り。

・2024年1月1日~2024年12月31日までに放送されたTVドラマ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。

TVアニメ10選の記事はこちら。

『三体』(Netflix)シーズン1第5話「審判の日」

パナマ運河作戦のエピソードですが、まさか本当にそのまま映像化するとは思わなかったですね。他にも面白いエピソードは多いんですが、絵的なインパクトではこれがベスト。直前に和やかに過ごす船内の様子とか遊ぶ子どもの姿を映すのが本当に本当に本当に意地が悪い。全体的に演出のレベルが高いエピソード。

Watch 三体 | Netflix Official Site

『Fallout』(Amazon Prime Video)シーズン1エピソード1「終わり」

全体的に原作のエッセンスが詰まった傑作シリーズでしたが、このエピソード1を推します。次点はValut4のベンジャミン監督官のインパクトが強いエピソード6「罠」。

プロローグからしてかなり最高で、キノコ雲をバックにした誕生日会のカットはこの作品全体を象徴するカット。ルーシー篇(Vault33)の物語も作劇が凝っていて素晴らしいし、グール篇は明らかに冒頭と繋がっているんだけど明確に語られないがいい。

ところでValut33は219年後でもあそこまで体裁を保ってるのはすごいなあ、と初見時は思ってたんですが、シーズン1を最後まで見ると、「あー、やっぱりVault-Tech社はクソだな~」となるのが様式美で最高。

フォールアウト シーズン1を観る | Prime Video

『滅相も無い』第5話

今年のベストドラマシリーズを一本挙げるとしたらこの『滅相も無い』なんですが、まあクセが強い作品ですよね~。半分演劇ですし。

どのエピソードもクセ強いんですが、一番どうしようもない渡邊(古舘寛治)のエピソードを推します。二つ名が「とりかえしの付かない渡邊」ですからね…。54歳就労経験なしのリアルな感じ。まあ周りにそういう人はいないんですが、非日常的でありつつ、いかにもこういう人はいそうだなあという雰囲気を出すのがとても上手い。ドバイでの風俗嬢との会話の「もう無理なのよ」のあたりとかすごくいい。とにかく古舘寛治の演技が素晴らしすぎる。頬のあたりひくひくさせる感じとかね。

ドラマイズム「滅相も無い」

『RoOT / ルート』最終話「子は鎹」(第10話)

後日談はようやくアニメの後の話。総集編でもあまり出なかったから満足度高い。柿花と借金取りと小戸川のくだり、こうやって終わらせるのかというすっきり感。呑楽師匠とお母さんが一緒にビデオを観るシーンがすごい泣ける。襲名公演の演目が「子は鎹」なのがさらに泣ける。良い終わり方。

RoOT / ルート | テレ東・BSテレ東 7ch(公式)

『アンメット ある脳外科医の日記』#07「記憶がすり替わっている」

このシリーズもまんべんなく面白くてどのエピソードにするか迷ったんですが、脇役である高美の大将(小市慢太郎)にスポットを当てたこの話を推します。

高美の大将の手術を記憶錯誤を起しているミヤビ(杉咲花)が執刀するわけだけど、なにもないとはわかってはいるのだけど、何かあったらと思うと緊張感が凄まじい。匂いと記憶が結びついていくあたりも良い。なんとなく『美味しんぼ』にありそうな話だなー、と思ったり。

アンメット ある脳外科医の日記 | 関西テレビ放送 カンテレ

『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』最終話「未来の話も二人でなら」(第12話)

このシリーズも全話奇跡的に面白くて驚いたんだけど、ジョブローテーション編の後始末にあたる最終話を。第11話のスッキリするアクションも良いんですが、作品全体のテーマを考えるとやはり最終話ですね。

風林火山篇、ジョブローテーション篇を通じて、二人がとても成長した感じが伝わってくるのがいいですね。「弱いものいじめが悪いことなんて誰でもわかります」のあたりは昨今の冷笑主義/相対主義に対するカウンターという感じがしますし、シリーズの始まりからはこういう地平までたどり着くとは思ってもみませんでした。二人で未来のことをあれこれ考えているラストシーンも素晴らしい。

あとエブリデイはOPのアニメもかなり最高。

【水ドラ25】ベイビーわるきゅーれ エブリデイ! – テレ東

『地面師たち』(Netflix)Episode#06

「最もフィジカルで最もプリミティブで最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます。」の第6話で。あそこがインパクト強すぎて他のところ忘れてしまった…。人体損壊という意味では『ザ・ボーイズ』も景気が良いですが、こっちは生々しすぎて…。一瞬「それ」が映るのがエグい。

Watch 地面師たち | Netflix Official Site

『ザ・ボーイズ』(Amazon Prime Video)シーズン4エピソード6「汚れ仕事」

Aトレインがヒーローになる瞬間が全シーズンの中で最高では??シリーズが始まったときは、まさかこんなことになるとは全く予想していませんでしたね…。反対にディープの株がどんどん下がってる。ブッチャーはずっと低空飛行ですが…。

シーズン5がとにかく楽しみなわけですが、リアルがフィクションを追い越しつつある際にあって、この物語をどう締めくくるのか実に気になるところです。とりあえずAトレインとアシュリーは生き残ってくれ…!

ザ・ボーイズ シーズン4を観る | Prime Video

『海に眠るダイヤモンド』第8話「ダイヤモンド」

最終話と悩みましたが、和馬さん(尾美としのり)が書類を破り捨て、玲央(神木隆之介)が自由に向かって奔走する最終回一個手前の第8話を。60年前の端島と現代とで全く異なる話が展開しつつ(しかも現代ではいずみと玲央の2本立て)、最終回へとなだれ込んでいくわけですが、観ていて全く混乱しないのは脚本の妙というべきか、キャラクター付けの上手さというべきか。ホストクラブ潰しに走る玲央と着炭を知らせに走る鉄平のシンクロも上手い。

日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』 – TBSテレビ