はじめに

 今月も全然読めなかった…。積読が積まれていく…。

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映画の方のログ

今月のベスト1冊!

オキシタケヒコ『筺底のエルピス 6 -四百億の昼と夜-』

 「人類史レベルほむらちゃん」じゃん…(限界まどマギオタク)。

 毎回毎回衝撃的展開が襲ってくるこのシリーズですが、今巻もやばいですね。これまでのような人体がちぎれ飛ぶような凄惨な展開は(あまり)無いものの、マクロなレベルでしんどいやつ。アレですね、ちょうど先月読んだ矢部嵩『〔少女庭園〕』みたいな感じ。ほむらちゃんだったら完全に自我が崩壊してる回数だわ…。ちょっとだけ描かれる廃棄未来の発展ぶりも歴史改変物として面白かったですね。シュメール文明があのまんま高層ビルとか立ててるの。

 メインとなるのは例の3つの組織の鼎談なんですけど、プロフェッサーの正体にまつわる昔話が長い長い。それがめちゃくちゃ面白くもあるのですが…。しかしここにきてまさかの新キャラ。千年枢機卿、薄い本がめちゃくちゃ厚くなりそうなやつだな…。

 例によってすごくいいところで終わってるので早く次巻が読みたい!!

おすすめの新刊!

新刊の定義は過去3ヶ月以内くらいに発売された本でお願いします…

小川一水『天冥の標Ⅹ 青葉よ、豊かなれ PART2』

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 3巻組となる第X巻の中間となるという意味で、最終巻へのためという意味合いの強い部分なのかな。ドロテア内部への突入とミヒルとの決着がメインで、盛り上がらないはずはないんだけど、前巻のエンルエンラとの超スケール宇宙艦隊戦と比べちゃうとどうにも地味。あと、姉妹の別れはいいシーンなんだけども、できれば和解してほしかったという気持ちもあり…。難しいですねえ。とにかく次巻での決着が楽しみ。

柞刈湯葉/中村ミリュウ『オートマトン』第1巻

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 「自動者」と呼ばれるオートマトンが普及したパラレルワールドが舞台なんだけど、用語のチョイスや設定の妙な生々しさ(それでいてモダンなよそよそしさ)がいかにも柞刈先生らしい作品。最大のポイントとなるのはやはりタイトルでもある「自動者」で、メカニカルな外見とは裏腹に、その動力源は「原形質」という有機物であり、作中で「一番効率がいいのは(人間の)肝臓をすりつぶすことです」なんて言わているように、どちらかといえば「フランケンシュタインの怪物」のような魔術的な領域に片足突っ込んでいるのが実に面白い。主人公たちが勤める国内最大の自動者メーカー「ミカワ自動者工業」(明らかにトヨタが元ネタだ)が躍進した背景に自動者が活躍したベトナム戦争があったり、自動者たちの色が青で統一されている理由が設定されていたりと、自動者という異物を軸にしたパラレルワールドの構築が見事。今後の展開も楽しみ。

福島聡『バララッシュ』第2巻

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 第一巻が「学生編」なら第二巻は「入社編」と言ったところ。過酷なバージョンの『SHIROBAKO』みたいな。「勉強会」で出てくる、MAPPAの丸山プロデューサーっぽいおじさん(『SHIROBAKO』で言うところの丸川Pね)、ネチネチネチネチしていて実にいいキャラなんだよなあ。入社最初のエピソードの「いない蝶」を調べる話も、いかにもアニメ業界っぽい「ありそうな話」でとても楽しい。福島さんはキャラクターの深みのようなものを作り出すのが本当に上手いよね。今巻で言えば宇部に嫉妬する山口とか。あいつもネチネチしてるんだよなあ。好き。宇部が狼に苦戦するあたりのエピソードは『太陽の王子ホルスの大冒険』冒頭の灰色狼を躍動感たっぷりに描いた大塚康生さんを連想しました。大塚さんだとサラッと描いてしまいそうだけど。演出志望と原画マンという組み合わせもいいですよね。ぜんぜん違うようでいてつながっているという。いま一番面白い漫画の一つですね。

堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』第22巻

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 面白い、面白いんだけども、人を選びそうな内容だなあ、とは思った。絵面的には全く地味ってことは無いんだけど、やっぱりヤクザとかモノホンのキチガイとは違って緊迫感は削がれる感じ。とはいえ、ここで初めて出てくるB組の<個性>の豊かであるとかキャラクターの変化(成長であれ退化であれ)はやはり面白い。B組のメンツの中では取蔭さんがチート個性ですね。てっきり梅雨ちゃんと同じレベルの個性だと思っていたら…。「しっぽ切り」ってレベルじゃねーぞ!!キャラクターの変化に関しては、ほぼ今巻の主役と言ってもいいかっちゃんの150度くらいの方向転換が印象的。なんかもっとヤクザなキャラのままでも良かった気もするけど、これはこれで面白い取り合わせだと思います。心操くんの能力でデクの暴走を止めるというアイデアも良かった。ちょっと盛り上がりに欠ける感はあるけど、次巻への溜めですね。

まとめ:その他良かった本&来月買う本

その他良かった本

漆原友紀『猫が西向きゃ』第1巻

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 「フロー」と呼ばれる自然現象(物が増えたり、異世界に飛ばされたり、時間が巻き戻ったりする)が存在する世界の話で、現代社会版『蟲師』みたいな漆原先生らしい作品。人が死んだりしないのがいいな。合せ鏡の話が良かった。

来月買う本

 新刊は買わずに積読を崩します…。

読んだ本一覧

suitikuの本棚 – 2019年02月 (20作品)
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