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【映画レビュー】『インド・オブ・ザ・デッド』:インドにゾンビがやってきた!

      2017/09/10


とてもよく出来たゾンビコメディ

 実際のところ、『ザ・デッド・インディア』という映画あるので、この映画はインドを舞台にした「最初の」ゾンビ映画ではないのだけれど、それにしてもよく出来ている。『ザ・デッド・インディア』はあの『ゾンビ大陸アフリカン』の続編で、シリアスな物語だが、こっちはバカゾンビコメディ。

 クズ系のイケメン・ハルディク(クナール・ケーム―)、失恋したてのラヴ(ヴィール・ダース)、そして生真面目なサラリーマン(非リア)のバニー(アーナンド・ティワーリー)。彼らはインド随一のリゾート地・ゴアでバカンスを楽しむ(バニーは会議)。離島で行われるロシアンマフィア主催のレイヴパーティーに潜入する3人。しかし、翌朝目を覚ますと島はゾンビだらけになっていた…。ラヴの一目惚れした美女・ルナ(プージャー・グプタ―)を助け、マフィアの親玉・バリ…ボリス(サイフ・アリー・カーン)と合流して島からの脱出をはかる一行だったが…。

 プロットはそれほど凝ったものではないものの、特に良かったのがゾンビ映画の一つの肝とも言える、「ゾンビ化の要因」で、要は新型ドラッグの副作用というものなのだが、これがそのあとの展開で上手く使われていてとても良い。のんびりゾンビと全速力ゾンビの共生が実現されていて、大量のゾンビを足止めにする方法もこのゾンビ化要因とちゃんとリンクしていて、ウムムと唸ってしまった。

パロディ、名台詞、テーマ性

 そして、この手のゾンビコメディのお約束として、過去の名作ゾンビ映画のパロディが山盛りなのも楽しい。ファーストショットはサイモン&ニックの『ショーン・オブ・ザ・デッド』そのものだし、山小屋にこもるシーンは『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を思わせる。この直後の『ショーン〜』ネタでゾンビのふりをして切り抜けようとする演技の雑な感じもすごく良い。一番笑ったのが本編最後の美女ゾンビとの追いかけっこで、よくあるイチャラブのテンプレート的な木の周りをぐるぐるまわるアレがノリノリのBGMで展開されるというバカバカしさ。くだらなすぎてすばらしい。

 作品の随所では印象深いセリフがてんこ盛り。会場で一番受けていたのが、「ロシア人の神様ってなんだ?」「スターリン?」のところと、インドにゾンビが現れた疑問に対する「グローバリゼーションだ!」のあたり。あとボリスの「死人は殺す!」はゾンビ映画史上に残るステキ決め台詞すぎてヤバイ。

 さらに、こんなバカバカしい内容に反した現代的なメッセージ性。端的にいうと、「ドラッグはいけない」ということなのだけれど、「ドラッグはゾンビを生む」といった言葉には考えさせられるところが多い。そして、この力強いメッセージの後のエンディングでドラッグムービーを流すこの素晴らしさ!

ヒロインはバニー

 サイモン・ペッグをちょっとイケてる感じにしたような感じのボリス、ゾンビも落とすイケメン・ハルディク、どことなく童貞感ただようキョロ充っぽいラヴ、普通にクソ可愛いルナ、そして哀愁ただようシーンがあったかと思えば最後の最後でハイテンションの見せ場があるニコライ(ロス・ブチャーン)。みんながみんな、キャラクターが立っているのだけど、中でも最高にキュートなのがバニーである。

 バニーはゴアで会議があったがために、悪友二人の馬鹿騒ぎに巻き込まれる三枚目役だが、マフィア主催のレイヴパーティーにめっちゃ普段着感あふれる格好できちゃうそのセンス、パーティーで微妙にノレない非リア感、そしてゾンビに襲われて変な声が出ちゃうところ、全てがむっちゃカワイイ。塔の上で助けを待っている場面なんて、どうみても王子の助けを待つお姫様!健康的なエロスのルナもいいのだけど、この映画の真のヒロインはバニーで間違いない。

 というわけで、個人的にはあの大傑作『ロンドンゾンビ紀行』に比肩する完成度の高さだった。後味が爽やかというのも共通していて、素直に大笑いすることができる楽しいゾンビ映画である。

 欲を言えば、ゾンビのダンスシーンが欲しかったけども。

予告編

基本情報

インド・オブ・ザ・デッド  Go Goa Gone107 min

監督:ラージ・ニディモールー/クリシュナ・DK

出演:サイフ・アリー・カーン/クナール・ケームー/ビール・ダース/プージャー・グプター/アーナンド・ティワーリー

上映開始日:2015年03月21日

公式サイトhttp://www.odessa-e.co.jp/india-of-the-dead/

公式Twitterhttps://twitter.com/Indiaofthedead

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