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【Kindle Unlimited】オススメの10冊!(あまり一般向けではない)

      2016/08/05

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はじめに

 Kindle Unlimitedで読める本の中で読んで欲しい本を独断と偏見によって選んでみました。小説と漫画で5冊ずつですが、小説は個人的な趣味からSFだけです!SF分野に限って言うと、早川書房さんは参加されていないようでしたが、東京創元社さんの作品がそこそこある感じです。大御所の小説家、アシモフとかクラークとかハインラインとかはほとんどヒットしないんですよねー。Kindle Unlimited、確かにコンテンツ数は多いんですが、自費出版で出てる同人誌とかも混ぜて水増ししている印象はあります。980円読み放題は確かに安すぎるとは思いますけど!

小説(SF only)

山本弘『MM9』

 12年ぶりのゴジラシリーズということで『シン・ゴジラ』が絶賛上映中ですが(2016年8月現在)、あのテイストにはまった方にオススメなのがこちら。『シン・ゴジラ』は怪獣という他者とのファーストコンタクトを描いた映画でしたが、『MM9』は怪獣が日常化した世界の物語。そして怪獣に立ち向かうのが気象庁の特異生物対策部、通称「気特対」。シンゴジの「巨災対」っぽいですね。ウルトラマンぽいのは出るけど、基本的に人間が怪獣をミサイルぶち込んで殺したりする作品です。山本先生らしく、ちゃんと怪獣が存在する理由の説明もされている本格SF。ちなみにタイトルにある「MM」とは「モンスター・マグニチュード」の頭文字で、怪獣災害の規模を表す単位です。続編の「invasion」「destruction」「トワイライト・テールズ」も合わせてどうぞ。

MM9─invasion─
MM9─destruction─

J・P・ホーガン『星を継ぐもの』

 よくグレッグ・イーガンと間違えられるホーガン先生の超傑作SFシリーズ。SF初心者におすすめするなら『夏への扉』よりこっちだぜ!最初の一巻が読み放題に入ってます。紙の本も持ってますけど、久々にダウンロードして読んでみるとめちゃくちゃ面白いですよね。月面で発見された5万年前の死体の謎を追うミステリタッチの物語。ホームズとワトスンにあたるハントとダンチェッカーのキャラクターがまたいいんですよねー。あと力づくでハッピーエンドにするホーガン節も安心感があります。続編も絶対読みたくなるので、これを最初の巻だけ読み放題にした創元さんの判断は絶対に正しい。

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

マーク・ホダー『バネ足ジャックと時空の罠 大英帝国上記奇譚』

 去年話題になったフィリップ・K・ディック賞受賞作。蒸気機関が異常発達した大英帝国を舞台にした冒険活劇です。いわゆるスチームパンクですが、裏テーマは時間SF。『ディファレンス・エンジン』よりエンタメですよ。神出鬼没に暗躍する謎の怪人「バネ足ジャック」。一体何者なんだ…。実在の歴史上の人物が活躍する小説でもあって、主人公は冒険家のリチャード・バートン!…なんですが、みんな言ってるけどダーウィンとナイチンゲールの扱いがひどすぎてほんと笑える。あとカッコいいロボットも出るぞ!ジェームスン型だけど。で、これ、何がすごいって、ハードカバー1冊2,000円くらいの6冊組(三部作)なんですけど、全部読み放題なんですよ!値段が値段だけに、面白いのはわかっていても第一部で止まっちゃってたんですよねー。ありがてえありがてえ。文庫出たら買いますんで。

ジョン・ヴァーリィ『汝、コンピューターの夢 –<八世界>全短編-』

 全3巻で刊行が予定されている「<八世界>全短編」シリーズが早速読めます。人類が太陽系全域に生存圏を広げた未来のお話です(ただし地球からは閉めだされてる)。かの名作『へびつかい座ホットライン』と同じ世界です(こっちも復刊しないかなー)。短編集なのでサラーッと読めます。みんな気軽に性転換とか人体改造してるんですけど、メンタリティはまだまだ人間臭い。第一巻に収録されたエピソードの中では、意識の連続性について描いた「カンザスの幽霊」が好きですね。第二巻「さようなら、ロビンソン・クルーソー」も面白いので定価で買おうぜ!

さようなら、ロビンソン・クルーソー 〈八世界〉全短編 (創元SF文庫)

ブライアン・W・オールディス『寄港地のない船』

 最後は竹書房さんから。これも今年復刊されたオールディスの初期の傑作ですね。もはや目的も忘れられてしまった巨大恒星間移民船の中で暮らす人々の物語。船の中を移動しながら暮らす遊牧民的な生活なんですが、例によって「この世界は巨大な船なのだ」的なことを言うとキチガイ扱いされるんですよね。技術も文化もどんどん退化して独自の文化を発達させた船内の部族たちの生き様からナウシカっぽさを感じます。この手の作品の常として「実は世界はこうだった!」というのがオチなのですが、ちょっとひねってあるのも面白いです。広大な大宇宙をひた走る(原題は”Non-Stop”)宇宙船は一体どこに向かうのか…。いたるところに繁茂する植物など、後のオールディス作品のモティーフも出てきます。

地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)

Kindle版無かったので紙の方。名作です。

漫画

加藤伸吉・杉元伶一『国民クイズ』


 無料になったので超プッシュしたい作品がこちら。国が主催するクイズで勝てば実現しうるあらゆる希望(etc.「隣の奥さんを殺して欲しい」「エッフェル塔を買ってくれ」などなど)が叶う異形の日本が舞台のちょっと変わったディストピアSF。「民主主義はもういらない、あなたのための全体主義」っていうキャッチコピーがもう最高!ディストピアものですので、体制VS反体制という構造でストーリーが進むわけですが、そこかしこに散らばる小ネタも楽しい。日本が国連理事総長やってたり、年金が抽選制になってたり。そして、衆愚主義の極地とも言えるラストのどんでん返しが圧巻です。そう考えると今の日本の人に読んで欲しい漫画でもあります。これで人気が出て実写映画化しねーかなー。ノイタミナで1クールアニメでもいいぞ!

小西明日翔『春の呪い』

 pixivで大人気だった「来世は他人がいい」の小西明日翔先生の初連載作品。今、注目の作家さんですね。4月に単行本出たばかりですけど、いいのかな?笑 死んだ妹の許嫁と付き合うことになった姉が主人公のドラマで、どうしたって暗くなってしまうような気がしますが、そこはそれ、主人公が食いしん坊キャラなので、暗いような明るいような変な雰囲気の漫画です。キャラクターの描き方、ストーリーの運び方も才能が溢れますが、映画を観ているような錯覚に陥る画面構成が特に素晴らしいと思います。

藤原カムイ『福神町綺譚』

 これも名作だと思うんだけど、絶版なんだよなあ。あと紙の本がハードカバーしかないので、電書は嬉しい。全3巻読めちゃいます。描かれた当時としては珍しく、読者参加型の作品で、応募したキャラとかが無理やり登場したりしてたんですよね。1914年(大正博覧会の年)のままで時間が止まってしまった福神町という世界が非常に魅力的な作品です。メインの動力がゼンマイだったり(あ!今気づいたけどバチガルピっぽいぞ!)、生活する人の記憶が定期的にリセットされたり…。歴史改変SFの一種としても読めますね。

山本貴嗣『エルフ17』

 山本先生もかなりの数が無料配信されてて驚くんだけど(『SABER CATS』全巻とか、『剣の国のアーニス』とかあります)、代表作であるこの作品を推したいと思います。一言で言っちゃえば「SF版水戸黄門」ですね。スペオペだけど基本コメディ。銀河帝国皇太子御一行様が行く先々で騒動を起こす。散らばってるネタが濃い。フリーマン星系ダイソン寺とか黒澤映画パロディとか。これで人気出て「ディッシュランド編」再開しないかなー。

施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』

 神林さんかわいいよね…。1巻、2巻ともに読めます。アニメ化も発表されてるし、予習復習布教活動にどうぞ。

おわりに

 なんか…10冊中8冊がSFですね…。まあSFクラスタだしいっか…。まだハードカバーでしか出てない作品が読めるのが嬉しいです。もちろん文庫になったら買いますよー。個人的に、紙で買う派なのでKindle Unlimitedは試し読みとか通勤中に読む用途にいいサービスですね。まあ出来れば紙の書籍を買ったら電子版も無料でついてくる(or 格安で手に入る)サービスが理想的なのですけど(hontoのやってる「読割50」はそれに近いかな)。

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