先日、3月6日(金)に行われた「新文芸坐シネマテークvol.3「クレール・ドゥニ 植民地行政官の娘」」の第一夜に行ってきました!映画批評家の大寺眞輔さんの講義付きのいい感じのイベントで、前回のミゲル・ゴメス特集に続いての参加です。

 第一夜となるこの日の上映作品はドゥニの監督第5作目『パリ、18区、夜』。もちろん、初見でしたが、上映後の講義と合わせて観るととても楽しめました。

 驚いたのは、当日券も売り切れで立ち見の人まで出ていたこと。普段あまり上映されない作品が上映されるとはいえ、仕事帰りの平日夜、しかも花金によくもこれほど集まった、という感じですね。

大寺眞輔さん講義覚書

メモとってなかったのでうろ覚えの箇条書きです >_<

■クレール・ドゥニは幼少期をアフリカで過ごし、それが彼女の作品に大きな影響を与えている。父親は植民地行政官。

■作品の特徴はアフリカを舞台にしている、あるいは黒人が主役となっているという点。

■主役の一人であるカミーユは黒人であり、殺人者であり、ゲイであるが、彼の存在は公開当時、強い批判を浴びた。これに対し、クレール・ドゥニは、そのような姿勢自体が差別的であると反論している。

■この映画のテーマは「都市に生きる人々の疎外感」。

■群像劇だが、各キャラクターの間にはゆるい繋がりしか無い。

■劇中の人物はみな感情表現が抑えめ。例外は冒頭のヘリコプターで大笑いしている2人の警官とナンパ男に追われてポルノ映画館に逃げ込んだダイガ。

■冒頭のヘリコプターの人々は物語の中心となる18区の住人ではなく、そこを上空から俯瞰する視点。

■3人の主人公(ダイガ、テオ、カミーユ)は皆、ステージを生業とする人々で、劇中でダンスを踊るシーンがある。このダンスのシーンが重要なポイント。

■この映画に出てくるパリ18区の人々はマイノリティ。移民であったり、黒人であったり、ゲイであったり。周縁を描いた映画

カテリーナ・ゴルベワのくわえタバコが素敵でした。『パリ、18区、夜』

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