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【レポート】新文芸坐×アニメスタイルセレクションVol. 61 BONES SPECIAL ダンディでカウボーイなナイトじゃんよ!

      2016/09/29

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 というわけで、世間はハロウィンだったわけですが、新文芸坐でのハロウィンといえばもちろん、『カウボーイビバップ 天国の扉』!

 去年は「新文芸坐アニメスタイルセレクションVol.50 BONES SPECIAL 2013」ということで、『スタードライバー THE MOVIE』『ストレンヂア 無皇刃譚』と一緒に上映されましたが、今年はなんと!9月に最終回を迎えたばかりのボンズの新作『スペース☆ダンディ』渡辺信一郎総監督セレクトの8本が!さすがアニメスタイル、やってくれるじゃんよ!

スペシャルなトークショーだったじゃんよ!(乱入あり)

トークの内容につきましては、その場で速記してまとめています。事実誤認、不適当な記述などございましたらご連絡ください。対応させていただきます。

出席者

南雅彦さん(㈱ボンズ代表、以下「」)

渡辺信一郎監督(以下「」)

小黒祐一郎さん(アニメスタイル編集長、司会、以下「」))

今回上映する8本のチョイスについて

渡 四方八方からプレッシャーがかかって大変だったんですよ。

小 最初にノミネート作ってもらったら16本!

渡 断腸の思いでその中から8本選びました。小黒さんからはオールナイトなのでお客さんが寝ないような、という要望がありましたね。

小 最初はアニメスタイル的な作品もノミネートされてましたよね。

渡 三原さんのやつとかね(注:第6話「パンツとチョッキの戦争じゃんよ」)

小 さすが渡辺監督!と思ったんですが、最終的には全て消えてましたね…。13話をセレクトしたのは?

渡 13話は不朽の名作!スケール感のある話を大スクリーンで見て欲しい、ということで。面白い話でもスケールの小さいものは削ってしまったところはありますね。

小 (客席に)ところで、みんなは今日なにが上映されるか知ってるよね?

上映エピソード発表!

小 上映するのは…第4話「死んでも死にきれない時もあるじゃんよ」、第5話「旅は道連れ世は情けじゃんよ」、第13話「掃除機だって恋するじゃんよ」、第17話「転校生はダンディじゃんよ」、第20話「ロックンロール★ダンディじゃんよ」、第21話「悲しみのない世界じゃんよ」、第23話「恋人たちはトレンディじゃんよ」、第26話(最終話)「ネバーエンディングダンディじゃんよ」になります!
21話はこれは作家枠ですね?

渡 寝そうな話ですが、湯浅さんのギョギョギョ(注:第16話「急がば回るのが俺じゃんよ」)と競ってこっちになりました。

小 まあ、湯浅さんのは湯浅さんナイトの時に上映できれば…。

南 自分は第10話も入れたかったんですけどねー。ミャウのお父さんの話(注:「明日はきっとトゥモローじゃんよ」)

渡 あー、あれも入れたかったですねー。

作品全体についての話

小 こういうバラエティ豊かな作風は最初から想定したんですか?

渡 そうですね、企画書の段階から、ソロアルバムに対するコンピレーションアルバムのような位置づけでした。一緒に仕事をしたい人とコラボレーションして作るような感じで。面識のない人にもオファーを出したりしてます。コネでOKしてもらった人もいますけど。

南 これまでに一緒に仕事をした人とか、大河原さんの場合は家までお願いに行ったり…。概ね、皆さん楽しんで参加してもらえたと思います。

小 たくさんのクリエイターたちとの関係というか調整はどのようにやっていたんですか?

渡 面倒になったら監督の夏目(真悟)君に任せたりして(笑) でもみなさんおとなしかったですけどね。
20年ぶりに会ったスタッフもいましたね―。髪の毛が薄くなってたりして(笑)

小 名倉さんとか全く面識無いですよね?

南 名倉さんとは(2012年の)『(花の詩女)ゴティックメード』の時に接点があって、そこから。

小 「ロックンロール★ダンディ」(第20話)の上條(淳士)さんとは?

渡 直接関係はなかったんですけど、人脈をたどって…。

小 ロックが最初だったんですか?それとも上條さん?

渡 最初、ロックがやりたくて、ロックといえば上條さんだろうと。

小 パロディについて伺いたいんですが。

渡 使われているネタを知らない若い人でも、遡って調べることで、過去の様々な素晴らしい作品に触れることができるし、ダンディ自体もより楽しめるようにしました。

小 (10話のアレーから)イデオンはこんなに素晴らしい作品だったのか―、とか。

南 初めて見る人はイデオンの胸からライオンが出てくると思うんじゃないですかね?

渡 あれはゴライオン(注:1981年の『百獣王ゴライオン』)ですよね。

小 さすが樋口さん(注:樋口雄一さん。伝説巨神イデオンのメカデザイン。アレーのデザイン担当)、イデオンだと思わせておいてゴライオンで落ちるのか―、とおじさん連中は膝を叩くわけですね!

と、ここで飛び入りスペシャルゲストが!!

夏目真悟監督!(以下「」)

脚本のうえのきみこさん!(以下「」)

そして…掃除機さん(実物)!(以下「」)

スペシャルゲストを交えて

小 シリーズを完走していかがでしたか?

夏 疲れましたね。色々勉強になりました。ゾンビとか、ガンダムとか。○○○○(作品名)って意外と絵が上手いなあ、とか。

小 おいおい。

夏 声優さんとも実際に接することでかなり勉強になりました。

南 掃除機さんはどうでした?

掃 私も勉強になりました。ゾンビの回とかすごかったですね。「あ」しか言わないのは初めて!あの回を見るとファミリーパックのヨーグルトが食べたくなります。

小 作品全体の印象はどうですか?

掃 一話一話、ここまで個性あふれる作品になるのは予想外でした。泣くし、笑うし、ぼーっとするし(笑)

小 うえのさんはシリーズ終わっての感想はどうですか?

う 渡辺監督のむちゃぶりが…。どうなるのか全然わからなかったですね。カメレオン星人とか、シュレーディンガー星人を書けとか。「宇宙ひもは毛である」とか…。

渡 陰毛とか言う下品なのを書いたのはうえのきみこですからね!
うえのさんはどんな作品になると思ってたの?

う ハードじゃないSF? 図鑑買ってきて勉強しました!

渡 ダンディは最初からSF考証をおかない、適当でいいんだ、というスタンスで作ってますから。

南 (第11話と第24話の脚本を担当した)円城塔さんからは、わからないことを書くのはOK、SFになるから。わかることを書くのはNG!というアドバイスをもらってます。

渡 「パイオニウム」は実は実在する元素なんですけど、パイオツっぽいから使ってたんですが、円城さんから怒られたので、最終話で「デカパイオニウム」にしたんですよ。

南 円城さんはうえのさんを絶賛してましたね―。

渡 第4話(注:「死んでも死にきれない時もあるじゃんよ」ゾンビ回)を見て、俺も脚本書かなきゃ!これくらい適当でいいんだ、面白い!と。

掃 第23話(注:「恋人たちはトレンディじゃんよ」)はうえのさんの恋愛観なんですか?

う あー、あれは80年台のホイチョイっぽいのを書いて欲しいってことでー。

掃 最期の踏切のシーンで、なんで電話しないの―、って。

う あそこ笑うとこです(笑)

小 80年台テイストなんで携帯ないんですよね。

掃 人面蜘蛛とかもホント怖くて…。

う あそこも笑うとこです(笑)

渡 トレンディは本当に切なくなるように作ってますね。

小 5話はどうなんですか?

渡 5話も本気で感動させるつもりで作りました。泣きながらコンテ切るくらいじゃないと!
13話の曲はミトさんに発注したんですけど、本気で泣ける曲を作ってもらいました。何をやるのも本気でやる!

南 制作に1年半くらいかかってますよ。うちの会社の命もかかってましたけどね(笑) でも結局パイオニウムに行き着くところがダンディらしい。

渡 SFだけど寂れていく地方とか、トレンディドラマだけどカッコいいロボットアクションがあるとか、そういうありえない合わせ方をして新しいものを探求していく。凄い技術力を使って遊んでいく、そういう遊び心あふれる作品が売れる世の中がいいな、と思いますね。

豪華プレゼントじゃんけん大会!

賞品はサイン入り色紙!とサイン入りB2ポスター!×2

なんと!同じ人が色紙とポスターをゲットしてました。

大画面で見るダンディは最高じゃんよ!
『スペース☆ダンディ』渡辺信一郎監督セレクト8選!

 さて、本日のメインディッシュ(いや、『天国の扉』ももちろんメインですが!)。感想から先に言ってしまうと、新文芸坐の大スクリーンで見るダンディは最高でした!じゃんよ!基本的な画面のクオリティが高いので大画面に負けてないんですねー。8本のセレクトについてはトークショーのところで渡辺監督が仰っていたように、大画面映えする作品が中心。個人的には、第7話「宇宙レースはデンジャラスじゃんよ」第10話「明日はきっとトゥモローじゃんよ」第14話「オンリーワンになれないじゃんよ」あたりは見たかったですねー。特に14話は録画したものを何回も見るほど好きなので。スケールも大きいし、来ると思ったんですけども。恐るべきことに、この3本、全部うえのきみこさん脚本なんですよね…。すごすぎる。あとはウニョンさんが脚本・絵コンテ・演出をされている第9話「植物だって生きてるじゃんよ」は絶対かかると思ったんですが。大画面で見たら凄いだろうなあ。全話上映会に期待ですね!

以下、各話感想。サムネをクリックするとyoutubeの予告編に飛びます。4話だけ予告編落ちてなかったのでないです。

第4話「死んでも死にきれない時もあるじゃんよ」

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 いわゆるゾンビ回。Aパートはゾンビもの定番の文法をなぞりつつ、Bパートで驚愕の展開に…!主要キャラクターがほぼ(全員)ゾンビになりつつ進んでいくゾンビものはなかなかに新しい。「自分の生命保険を手に入れたダンディたち」というナレーションのシュール過ぎる破壊力と、ゾンビ≠腐敗ではなくゾンビ=発酵という新解釈。ロボットもゾンビ化するしね。そして乳酸菌大事。並のゾンビ映画と違って、ちゃんと落としてるところもいいですね(アレで落ちてるのか?というツッコミはさておき)。

第5話「旅は道連れ宇宙は情けじゃんよ」

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 アデリー可愛い回。前の話がゾンビで好き勝手やる話なので、この振れ幅の大きさには驚きましたね。といっても第1話で全滅オチやってるんですけど。ロードムービーであり、擬似家族ものであり、ほんのり恋愛もの風味。まんま銀河鉄道のローカル交通機関とオープンカーで走るという、未来なんだけどローテクという世界観の広がり。あと、アデリー(子ども)相手にもダンディはブレないんですけど、それが最終回の最後まで貫かれているので、ダンディというのは本当に良く出来たキャラだなあ、と。ラストの、「私、全速力で大人になる」は屈指の名台詞ですし、アデリーの泣き顔の作画は一瞬世界が違って見えるほど力が入ってます。

第13話「掃除機だって恋するじゃんよ」

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 マーク・ウェブ監督の『(500)日のサマー』パロディ演出が楽しいシャレオツなAパートと未来版付喪神の百鬼夜行VS掃除機の大スペクタクル巨編Bパートというドカ盛りスペシャルランチみたいな話なのに恐ろしいほどのまとまりの良さ!デスロイド・シティのニューヨークっぽい雰囲気も面白い。2人(2体?)で丘の上から宇宙港の様子を眺めるシーンなど音楽も相まって盛り上がりますねー。そしてBパートのロボットアクション!最終兵器はラピュタのロボット兵を思わせる動きだし、QTはスピーディーにガンガン動く。特に腕のあたりを疾走するカットはカメラワークもいいですね。巨大化の要因も全く別のところから来るというのもダンディらしい。

第17話「転校生はダンディじゃんよ」

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 ミュージカル回。80年代くらいのアメリカンスクールコメデイのパロディ満載。自分はその辺あまり詳しくないのでなんとも言えないのだけれど、まあダンディが教室に入ってくるシーンの「ドンドンドン」のあまりのリズミカルさに笑ってしまうよね。最近の作品らしく(?)、スクールカーストの概念で校内の階級が説明されるわけなのですが、そういうものが全部ごちゃまぜになっていくクライマックスの「All is All」は実に素晴らしいです。最下位のヲタク連中(ネイサン、ホレイショウ)の「自分の居場所は自分で決める!」のあたりとか、ミャウがドヤ顔でご飯ですよを取り出すシーンとか見どころたくさん。アイアアンマン先生(警備ロボ)の「学内でのスーパーパワーの使用は禁止だ!」のくだりはマイク・ミッチェル監督の『スカイ・ハイ!』を思い出しましたね。ちなみに、今回の上映で一番受けてたのはゲル博士の学ラン姿でした。会場が一体になった瞬間…!

第20話「ロックンロール★ダンディじゃんよ」

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 バンド漫画的演出と上條淳士先生デザインのジョニーがかっこいいライブ回。この話も、宇宙戦争とデビューライブが同時並行的に描かれる凄まじい話でした。と、同時に最終話で回収される伏線が幾つか投下されてる点も見逃せない。というか、第1話でかなりどうでもいいような扱いをされているジャイクロ帝国とゴーゴル帝国の話がだんだんと物語の表面に浮上してくる割と重要な回ですね。というものの、メインとなるのはジャックを中心に据えたDROPKIXの結成と解散にまつわるあれやこれや。宇宙帝国の総帥とロックスターを目指す若者が両立する適当な世界観、すごいですね。それにしても、うえのきみこさんの脚本は本当にテンポがいい。居酒屋のトイレでのいざこざから成田山のお守りで一気に話を進める力技w ペナントorステッカーとか(デビュー前の)サインの練習、曲待ちでライブ前日とかのバンドあるある(あるのか?)も面白い。DROPKIXの「かんちがいロンリーナイト」も挿入歌なのにちゃんと名曲!

第21話「悲しみのない世界じゃんよ」

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 禅問答回。象徴主義とシュルレアリスムとイバラードをごった煮にしたような世界観の惑星リンボの設定がとてもいい。アルノルト・ベックリン的な風景の中(『死の島』を彷彿とさせる)をオフェーリアよろしく舟に寝かされて流されてくるダンディ。テイストとしては第15話の「闇には闇の音色があるじゃんよ」に近いかな。生きてようが死んでようがブービーズのことしか考えていないダンディのブレない生き様は観る人に希望を与えると思います(適当)。フェルディナンをはじめとするゲスト宇宙人のデザインも良くて、中でも合唱しながら人生の意味について考えつづける集団(サムネの彼ら)は、外見もカワイイし、歌唱力もいい感じ。ぬいぐるみ出たら欲しいなあ。

第23話「恋人たちはトレンディじゃんよ」

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 スカーレットさんカッコカワイイ回。80年台のホイチョイ・プロダクションズ的なトレンディドラマに大河原邦男デザインの機動兵器(パイロットは連邦軍スーツ)が殴りこみをかけてくるという悪魔合体の産物。混ぜるな危険!と思いきや普通に面白いから困る。板野サーカス=花火という嵌め込み方の違和感のなさも巧みだけど、テーブルに名前を綴るところなんて定番だけどグッときますねえ。この話も最終話の伏線の一つになってたり。それにしても、偽装彼氏の時給が750ウーロンでイカ型宇宙人の報奨金が5,000ウーロンってのはどちらがおかしいんだろう…。「あの宇宙人5,000ウーロンもしたぜ!」というダンディの台詞からするとスカーレットさんの偽装彼氏バイトはかなり割がいいという計算になりますね。ちなみに劇中でダンディとスカーレットを結びつけるものとして言及されるアクション映画俳優「チャック」はチャック・ノリスとのこと。

第26話「ネバーエンディングダンディじゃんよ」

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 最終話にふさわしいダイナミックさと叙情性あふれる適当な風呂敷のたたみ方が素晴らしい。あれだけなんも考えていないように伏線ばらまいておいて、最後の最後である程度丁寧に回収するのはなんだか妙な高揚感がありますね。Aパートのリトルアロハのチェイスシーンのグワングワン動く感じ、凄まじい。そしてかかる曲はkenkenの「朝は来るから すぐ明けるから」。そうです、第1話のバヒさん(Bahi JDさん。第1話のアクションシーンで13カット1893枚の原画を担当した人)担当シーンでかかっていた曲です。これはねー、すごく上がりましたね。今回は画面もでかいし。改めて見ると、Bパートのカーネギーメロン号から自由の女神号への変形、決戦のあたりもすごい動きますね。そして全裸。ラストは『トップ2』の時空検閲官の部屋を彷彿とさせますね。まあ、このエピローグは賛否両論あると思うけど、自分は好きですね。個人的にループもの大好きですし。神になって世界改変する『まどマギ』あたりと絡めて論じると面白いような気もします。全話見てると、この最終話のEDもまたいいんですよねー。素晴らしく豪華で楽しいアニメでした。

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あまり売れてないという噂が流れているのでみんな買いましょう!

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音楽もすごくいいですよ!

新文芸坐ハロウィン名物:『COWBOY BEBOP 天国の扉』

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 さて、毎年恒例となっている『天国の扉』です。年に一回は新文芸坐の大スクリーンで見ることができるという安心感。もちろん去年も見たわけなんですけど、やっぱり飽きませんね。冒頭のコンビニ強盗のシーンからグイグイ引き込んでいく感じ。今回気づいたんですけど、あの強盗のリーダー、声が石橋蓮司さんなんですね。いまさらですが。

 今回、改めて見て目についたのは、中東世界への言及ですね。10年以上前の作品で、かつスペースオペラSFアニメであるにもかかわらず、火星の都市アルバシティのムスリム街のような地域にはアラビア文字の看板が立ち並んでいて、裏社会に通じているような胡散臭い商人が闊歩しているという。もちろん、当時の一般的な感覚としてはイスラムという要素自体がテロという行為と結び付けられていたわけではなく、中世から綿々と続くオリエンタリズムの枠の中で捉えられていたのでしょう。この作品においても、主体的なテロ行為とは全く別個の単なる情報源として登場するわけですが、この映画の封切りから10日後の2001年9月11日に起きた同時多発テロの事を考えると、イスラムという集団・文化が急速に波紋を巻き起こすこととなる21世紀を見据えた本作の先見性には感嘆せざるを得ません。もちろん、近年急速にその影響力を増しているハロウィンもそうですが。

 あとは、一般的なアニメ映画と比較すると実写映画を意識したようなカットが多いような気がしましたねー。冒頭のコンビニ強盗のシーンや、モノレールでの戦闘における各人物の絶妙な距離感とか。まあ、それも含めて、恐ろしく完成度の高い映画であることは間違いないですね。ヴィンセントのような聖性と狂気が入れ子になったような悪役ってのもなかなか珍しいキャラクターだと思います。

 また来年もこの大スクリーンで見られますように。

予告編

基本情報

公開日:2001年9月1日
上映時間:120分
監督:渡辺信一郎
音楽:菅野よう子
脚本:信本敬子
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イベント概要

イベント名:「新文芸坐×アニメスタイルセレクションVol. 61 BONES SPECIAL ダンディでカウボーイなナイトじゃんよ!」
会場:新文芸坐
日時:2014年11月1日22:45―翌2日6:00
料金:一般 2,600円 前売り・会員 2,400円


 というわけで、ほぼダンディ漬けの一夜でした。BONSEスペシャルとしては『ストレンヂア』を見れないのが少し残念ですが、ダンディもTVアニメのクオリティとは思えないすごい作品だったので大満足です。今回上映した話の他にも素晴らしいエピソードばかり(本当にハズレがない!)ので是非是非、全26話上映会(2夜連続)をやって欲しい!

 そして、次回のアニメスタイルオールナイトは、なんと押井守監督と神山健治監督が同時に存在するありえないスペシャルな夜になりそうです!「新文芸坐×アニメスタイルセレクションVol. 62 押井守 映画祭2015 第一夜「機動警察パトレイバー」編」は12月13日(土)に開催予定。上映作品は『天使のたまご』『機動警察パトレイバー 劇場版』『機動警察パトレイバー2 THE MOVIE』『ミニパト』の4本立てです!『天使のたまご』を最初に持ってくるあたり、優しさが感じられますね。トークゲストは押井守監督神山健治監督、プランナーの桑島龍一さん。新文芸坐に押井守監督が来るってだけでワクワクします。小黒さんによると第2夜、第3夜も企画中とのことですよ。

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『スペース☆ダンディ』小特集あります!

 - 映画イベントレポート